空条承太郎が駒王町にやってきた 作:匿名希望
夜に包まれたエジプト。
燃え盛る橋の上で二人は対峙していた。
「その脚を治癒するのに何秒かかる」
男、空条承太郎は怨敵『DIO』を見下ろしていた。
この男をここまで追い詰めるために仲間の殆どが死んで行った。
自分の祖父の亡骸をこの男は、自身の目の前で辱めたのだ。
その怒りを、万全な状態の男に叩き込まなければこの怒りは収まることはないだろう。
「オォォォラァァァッ!!!!」
血の目潰しを受けても関係なかった。
スタンドの拳を叩き込む。
それしか考えていなかった。
文字通りの全身全霊、その一撃は僅かに届かなかった。
「…ッ!!」
拳を起点に自身のスタンドがひび割れていく。
即ち、己の死。
「……」
「さらばだ、我が運命に付き纏う宿命よ」
☆
「こんなところに……それにこの怪我」
リアス・グレモリーはある依頼を受け森の中にいた。
はぐれ悪魔の討伐とは違った依頼。
まぁ何か獣の類いだろうと考えていたのだ。
しかし、そこに居たのは2m近くある長身の男、それも学ランを身にまとってるところから察するに自分と変わらないくらいの。
「………少し、興味が湧いたわ。」
本来なら怪我を回復させ記憶を魔法で書き換える。
だけど、どうしてだろう。
この男をここで逃がしては行けない、そう本能が叫んでるのだ。
「貴方のこと……教えてもらうわよ」
これは私が巡り会った『奇妙な運命』。
その一夜と、始まり。
☆
「……ッ!!」
目が覚めた。
有り得ない、あの時自分は負けたのだ。
宿敵たるあの吸血鬼との戦いで負けた。
ならば、自分は死んでないとおかしい。
「スタープラチナは……何故…俺は生きて……」
身体を見下ろせば包帯が巻かれてるのが目に入る。
「まさか……ポルナレフ?」
いや、無理だ。
最後に見た時のポルナレフはDIOへの不意打ちで力を使い切っていた。
「ここは一体……」
部屋を見渡せばどこかの教室の様な部屋。
エジプトでないことは確かだった。
スピードワゴン財団が運び込んだのだろうか。
それこそ無い、この世にあのDIOを倒すことが出来るスタンド使いがいるとは思えない。
自身の脳内に浮び上がる1つの単語、それこそ有り得ない。
スタンドだとか、超常現象の1つを体験していてもそれだけはあるはずがないと否定出来る。
しかしだ、それ以外に答えがない。
「あら、やっと起きたのね」
ガラリとドアを開け入ってきた誰か。
まず目に入るのは紅。
誰もが振り向くであろうプロポーションの女。
「あんたが俺を助けてくれたのか……」
「えぇ、森の奥で倒れてた貴方をここに運び治療した。さて、聞かせてもらおうかしら」
「貴方は何者?」
「その前に1つ聞かせてもらおう……ここはエジプトか?それとこの町の名前……それに答えたら俺もあんたの質問に応える」
「……まぁいいわ……ここは日本よ、そしてこの町は駒王町……さて、質問に答えわよ。貴方も私に質問に答えて貰うわ」
「やれやれ……空条…空条承太郎…これでいいか?」
「そう、承太郎と呼ばせてもらうわ。」
「私はリアス。リアス・グレモリー……貴方、私の物にならない?」
☆
「やれやれだぜ……」
助っ人だった。
それもただの人間。
自身が出した炎の海を掻き分け現れたのは学ランを着た人間。
「何のつもりだ……お前にはこの婚姻……なんも関係が無いはずだ!!」
「あぁ、確かに俺には関係の無い事かも知れない……だが命を助けられた借りを返さねぇってのは俺自身が許せねぇ」
その男が放つ圧に思わず後ずさる。
それが余計に苛立ちを覚えさせる。
「今回だけだリアス・グレモリー……今この瞬間だけは俺はテメェの下僕とやらになってやる」
「……もういいのよ承太郎……もう……貴方も無駄に傷つくことなんて……」
「俺はどうやら『無駄』ってのが嫌いらしい……さて、ライザー・フェニックスだったか……今から俺のスタープラチナをテメェに叩き込む。文句は受け付けてねぇ」
「ふん……たかが人間ごときが何を『オラァァッ!!!』っぶっ!?」
「『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ オラァァッ!!!』」
「借りは返したぜ」
これは私が出会った奇妙な男の話だ。
」