空条承太郎が駒王町にやってきた 作:匿名希望
大戦を生き残った上級堕天使。
その力は絶大で、今のリアス達では適うはずもなかった。
そこに一人の男が立ち塞がった。
「やれやれ……アンタは厄介事を引きつけるスタンドでも持っているのか?」
空条承太郎だった。
自分達の窮地を何度も助けてくれた恩人。
この世界でただひとりのスタンド使い。
「さて…コカビエル、だったか……どういうつもりだ」
「貴様も聞いていたろ?俺は再び戦争がしたい…血湧き肉躍る戦争を!!そのための犠牲だ…小娘2人で済むのだから些細な犠牲だ」
「そうか、どうやらテメェも『アイツ』と同じ吐き気のする邪悪ってやつらしい……」
姿も種族も違う。だと言うのにコカビエルの姿は怨敵を想起させる。
人を家畜と呼び、支配することに喜びを覚える邪悪の化身。
『DIO』
目の前の堕天使はあの男と同じだ。
「それで?その邪悪を前にして貴様はどうする?」
「……決まってる…全力で叩きのめす。それだけだ」
「ならば向かってくるがいい人間、少しは楽しませろよ?」
『オォォォォラァァァァッ!!!』
承太郎のスタンド『スタープラチナ』がコカビエルに殴りかかる。
スピードパワー型のスタンド。
それが承太郎のスタープラチナの特性だ。
その力は中級程度であれば相手にならず、上級の中でも上澄みの者でなければ対象はなかなか難しいだろう。
「クク……凄まじいパワーだ。しかしそれだけでは俺には勝てんぞ!!」
だが、相手は大戦を生き残った堕天使。
そんな存在は何人も相手にしてきた。
幾多もの光の槍を生成したコカビエルはそれ等を承太郎に向けて撃ち放つ。
「ッ…『オラオラオラオラオラオラオラオラ!!!』」
承太郎はその光景にDIOのナイフを思い出す。
故に、その全てを拳で迎え撃つ。
あの戦いから更にスタンドの力を高めてきた、それで尚槍を打ち払うのはギリギリだった。
「(……やはりコイツを倒すにはあの技しかない……だが出来るのか?あれから1度も成功していない…それをこの土壇場で……)」
DIOの停止時間。
それに入門したことで承太郎はこの世界の時間を操れることを知覚している。
だが、この世界ではそれが成功したことは無かった。
何か、何か一つあと一つキッカケさえあればーーー。
「つまらんな……そこの小娘共を殺せば貴様もやる気を出せるか?」
「……テメェ…!!」
そうだ、怒りだ。
「ククク、そう怖い顔をするな、元より俺の目的はそれだ……それで貴様が本気を出せるなら一石二鳥と言うやつだろ?」
コカビエルが視線を自身の後ろに向ける。
その先にいるのは。
「ッ!!逃げろ!!塔城!!」
「遅い!!死ねぃ!!!」
「………え?」
コカビエルが投げた槍は小猫に向かっていた。
ダメだ、届かない。
ならば、ならばーーー。
「ッ!スタープラチナ!!ザ・ワールド!!」
気づけば叫んでいた。
刹那ーーー世界は音を失くし、灰色になる。
そこを悠然と歩いてくる人影。
『再び停止世界に来たか、承太郎』
「テメェ……DIO!!」
宿敵だった。
「何でテメェがこの世界にいやがる……」
『フフ…残念だが承太郎、貴様の前に立つこの私は本物では無い』
「なんだと……」
『何を驚いてる、本当は貴様も気づいてるのだろう?このDIOは貴様の作り出した幻想に過ぎんことを、貴様にとって時間停止の象徴とは正しくこの私だ……故に貴様はこの土壇場でこのDIOの存在を思い出し再び時を止めようと強く願った……ま、その涙ぐましい想像がこうして私の存在を形作らせたと言った所か…スタンドは己の精神の具現、そしてこの世界にはスタンドとは別の超常の力が充ちている。その力が働きこうして私を具現化させた』
「テメェが俺の想像だとして……長々とおしゃべりな奴だ……」
『ククク……そう怖い顔をするなよ承太郎、このDIOはこの一瞬のために作られた幻想、故に貴様にひとつ教えてやろう……全ては出来ると思うことだ……自分のスタンドは時間を止めて当然なのだと、そう思うことだ』
「……癪に障る野郎だ……」
『所で承太郎、こうして私とお喋りに興じて良いのか?こうしてるうちに……ほれもう3秒も経過しているぞ?今の貴様は果たして何秒時を止めていられるのかな?』
「ッ!!『オォォォォラァァァァッ!!!』」
『4秒経過……なんだこれっぽちしか時を停めれないとは……このDIOをほんのちょっぴりでも怖いと思わせたお前がこの程度とは……精々鍛え直すことだな承太郎』
「……何ィィッ!?貴様、一体何をした!!」
「無事か……塔城」
「は、はい……助かりました、ありがとうございます……」
「気にするな……俺自身出来るか分からなかったからな……」
「何をしたかと聞いている!!空条承太郎!!」
その場にいる全員の総意だった。
一瞬だったのだ。
一瞬にして殺される運命にあったはずの塔城と承太郎がその場から移動し、コカビエルの槍を回避していた。
幾ら承太郎のスタンドが超パワーと超スピードを兼ね備えていたとしても不可能。
それ故の疑問。
その答えはーーーー。
「俺が…時を停めた…」
承太郎は再び停止世界に入門したのだ。