機動戦士ガンダムーRavens descend on U.C.ー   作:シャア、あんたちょっとセコイよ!

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だいぶ短め


25.Everyone knows COM

「兄さん兄さん、これをブルーに付けてください」

 

「うん? 別に構いやしないけど、なんだいそれは?」

 

「はい、これは私が組んだパイロットをサポートするCOMです。残弾や残りエネルギー、機体のステータスなどの状況報告や管理をしてくれます。

 緊急時などは自動操縦が作動してくれるスグレモノですよ」

 

『挨拶:こんにちはアムロ・レイ』

 

「────」

 

「この通り簡単な挨拶や会話もできます。まぁ、これらほとんどオマケなもので真価は戦闘中ですね。

 パイロットは戦闘中、武装の残弾や推進剤、機体のエネルギーを逐次把握しなければいけません。ですが、殺し合いにおいてそれらのほんの僅かな思考の逸れが命取りになりますから。

 これを搭載すれば、そんな煩わしい作業を代わりにやってくれますよ」

 

『肯定:私はそのために作られた』

 

「加えてCOM同士のネットワーク接続をすればシミュレーションでの模擬戦機能……NESTも使用可能です。教育型コンピューターと併用すれば、その模擬戦のデータも収集すれば最適化も進みます。いい事づくめですね」

 

 むふー、と胸を張るアリア。その手にはタブレットがあり、先程のやけに渋い声をした電子音声もコレから流れてきた。

 そして説明されたはアムロは微笑んだまま固まっていたりする。

 

「おや、兄さん?」

 

『疑問:反応を確認できず』

 

 反応のないアムロを不審に思い、ペシペシとお腹をたたくアリア。そして、やっと再起動したと思ったら。

 

「整備班しゅーごーう!!!」

 

「!?」

 

『確認:驚愕を検知。深呼吸を推奨』

 

 突然そんな叫び声を上げてビックリするアリアであった。

 

 

 

 

「え、凄……なにこれ」

 

「えー、やばー……多機能なのにすっごい見やすいソースコード……」

 

「うわ、機体のOSと相性の問題なく不具合なく使えるじゃん。凄……」

 

「これをアリアちゃんが? えぇ、まじー?」

 

「やだ、この11歳多才すぎ…………」

 

「テムさんちのお子さんホントに一般人?」

 

「一般人と天才ってのは同居するだろ」

 

「そっかー……」

 

 整備士たちがCOMを見て喧喧と言う様を後ろから見ながら置かれたコンテナの上に乗り、プラプラと足を揺らしながらドリンクを呑むアリアは胡乱な目で呟く。

 

「大袈裟ですね皆さん、たかだかCOMくらいで」

 

「アリア、お前の組んだこのシステムは画期的だぞ? それこそ連邦の兵器の運用に革命が起こるほどにな」

 

「?」

 

 テムの言葉にアリアはイマイチ理解が追いついていないようだった。

 そんな娘の頭を撫でながらテムは微笑む。

 

「そうだな、アリア。まずモビルスーツが運用されてからどれ程時間が経っていると思う?」

 

「確か1年も経ってませんよね?」

 

「そうだ。前身たるモビルワーカーは昔からあるが、兵器としてのモビルスーツは殆ど未知と言っていいくらい歴史の浅い存在だ。

 従って、それを動かす上でのOSや各種システムはジオンや連邦どちらも手探りな部分が比率を多く占める」

 

 人型機動兵器はC4-621(アリア)にとって身近な存在ではあるが、宇宙世紀(UC)においてはまだ出たばかりの新兵器という扱いだ。

 故に運用するにあたって覚えること、加えること、修正することが山ほどある。

 

 しかし、それに一石を投じるのがアリアの組んだCOMだ。

 アリアにとって慣れ親しんだものであっても、未だ人型機動兵器(モビルスーツ)には不慣れな宇宙世紀にとって規格が違えど同じ人型機動兵器(アーマードコア)を運用するにあたって洗練されたそのシステムは正に喉から手が出るほどの劇物そのもの。

 

 これさえあればパイロットは機体を操縦する上で覚えることや逐次機体の情報を見ておく必要と負担はかなり軽減され、新人のパイロットの育成と練成する速度も早まれば戦力が増え、それだけ戦争終結への道が早まる。

 

 加えてCOMの機能のうちの一つでもある対戦シミュレーション『NEST』も凄まじいと言えた。

 ネットに繋げればデータ上とはいえパイロット同士でリアルタイムで戦闘することが出来、加えてAI制御とはいえ過去に登録された機体とも戦うことが出来る。

 

 そしてアリアがアムロに言ったように、教育型コンピューターと併用することで戦闘データを蓄積し最適化したものを連邦のモビルスーツたちへフィードバックを行えばどうなるか? 

 

 答えは簡単、あっという間にエースの動きを模倣したモビルスーツたちの出来上がり……というわけだ。

 

「ガリッゴリッ……ふむ、マジヤバって感じですか?」

 

「マジヤバだなぁ……えぇ、どうするこれ?」

 

 テムも流石に自分では持て余すようなものを出され、流石に戸惑いを隠せない様子を見せる。

 アリアからしたら身近にあったやつを再現しただけなのだが、イマイチ実感が湧いて無い様子で容器の中の氷をバリボリと噛み砕いた。

 

「とりあえず使用するには問題なさそうならホワイトベースの機体全てに搭載しても良さそうですかね?」

 

「うん? あぁ、恐らくはな……しかし、いつの間にこんなものを組んでたんだアリア?」

 

 テムに聞かれ、容器の中の氷を全て食べたアリアは急激に冷たいものを摂取した時になる頭がキーンとなるやつのせいで額を抑えながらも答える。

 

「っ〜…………はい? あぁ、機体を操縦していて思ったのですが、モビルスーツの補助システムってかなり不親切というかパイロットに依存しすぎてたのでパパっと組みましたよ。勿論デバッグは済んでますので安心してください」

 

「そうかぁ……これだけのものをパパっとやられたら連邦のシステムエンジニアも涙目だろうなぁ」

 

「連邦のシステムエンジニアってレベル低いのですね」

 

「おっと、絶対に本人を前にして言うんじゃないぞアリア?多分ブチギレるからな」

 

「はーい」

 

 ということでアリアの組んだ手製のCOMはホワイトベースのモビルスーツ達に搭載されることとなり、後に補充に来たマチルダが戦闘データと共に何故かボイスのレパートリーを増やしたCOMのコピーをテムの有難いお言葉を纏めたレポートという名のウィットに富んだ皮肉のオンパレードと共にレビル将軍に提出。

 即座に有用性を見抜いたレビルや他の狸のような将校は各地の連邦のモビルスーツ部隊へ配備を承認。その便利さに殆どのパイロットが絶賛したとか。

 

 なお、アリア本人は別にどうでも良かったがテムがきちんと特許権を彼女の名義で申請したので連邦はモビルスーツを1機作る度にアリアへとパテント料を払うこととなる。

 そして毎月入ってくる桁の多さにレイ家は変な声を漏らしたとかなんとか……




いつものCOMボイス以外にも爽やかボイスや陰険ボイス、鬼軍曹ボイスのレパートリーがある模様(逐次増加予定)

後継機

  • 既存機体を魔改造
  • オリジナル機体
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