機動戦士ガンダムーRavens descend on U.C.ー   作:シャア、あんたちょっとセコイよ!

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短いわよ。


27.Invitation from a solitary island

「モグッ……なんだか最近補給が多いですね」

 

「うん? あぁ、言われてみればそうだね」

 

 ガンダムに割当てられたブロックでコクピット付近のデッキに座り、手すりへ両腕を乗せな隙間から両足をプラプラ揺らすアリアはハンバーガーを齧りながら零れた呟きにシステムの調整をしていたアムロがコクピットの中で同意を示す。

 

 現在ホワイトベースは頻度の増えた補給を受けており、外ではエンジンの本格的なメンテナンスを実施されテムとブライトはそれの立ち会いをしていた。

 

「でも人は増えないんですよね」

 

「父さんが補給の度に言ってるんだけどね。お陰でもう上司の将軍への不満を隠してないくらい怒ってるよ」

 

「まぁ、父さんの気持ちも分かりますよ。だからブルーのレポートと私のCOMを別の将軍へも送ったのですから。

 ……ここまで露骨に対応が変わるのも笑えますけど」

 

「それについては同意するよ」

 

 アムロは肩を竦めてドリンクホルダーに置いていた容器を手に取り、蓋を開けてストローで吸い上げて中の冷たいスポーツ飲料が喉を潤す。

 

「まぁ、お陰で私のCOMの特許申請が受理されたようで何よりですがね。これからは連邦がモビルスーツを1機作るかシミュレーターに導入する度にパテント料が入ってきますし」

 

「あっという間に大金持ちになった感想はどうだい?」

 

「とりあえずアレやってみたいですね。シャンパンタワーというやつを」

 

「ハハハ、戦争が終わったらやってみるのも悪くないかもね」

 

 アムロは笑い、釣られるようにアリアも淡く微笑んだ。

 

 青い巨星ランバ・ラルからの襲撃から時が経ち、ホワイトベースはアジア方面へ辿り着く。

 

「救難信号?」

 

「ですか?」

 

「あぁ、進路上にほど近い島でどうやら連邦空軍のSOS信号を受信したらしい。我々はそれの救援へ向かう」

 

 そしてブリッジではクルーたちが集まり、ブライトは端末を操作してモニターに複数の画像を表示させた。

 小さな島はどうやら古い灯台があるらしいが、既に使われなくなって久しく殆ど無人らしい。

 

「はい、質問です」

 

「質問を許可する、アリア・レイ」

 

 アリアが挙手すると、ブライトが許可を出す。

 

「誤報という可能性は?」

 

「それについては私も思ったが、どうやらそうではないらしい。既に定期的に救難信号が出されているらしくてな」

 

「なるほど……」

 

 納得を示し、アリアは手を下げたが今度はカイがおどけたように手を挙げた。

 

「はいはーい、俺からもいいかい?」

 

「許可するカイ・シデン伍長」

 

「救援に行くってのは文句はねぇが、わざわざ大人数で行く必要があるのかねぇ?」

 

「……お前の疑問も尤もだ。確かにただの救難信号ならこんな大事にする必要は無い。

 しかし、この無人島では他にも複数の信号を検知したのだ。これから推測できることはこの島にはジオンの兵が潜伏している可能性だ。

 進路上に通った連邦の航空機を撃墜している……というな」

 

「そりゃおっかねぇ」

 

「……あぁ、だから大人数で行く必要があるのですね」

 

「アリアちゃん、なにかわかったの?」

 

 フラウがなにか察したように言うアリアへ問えばその小さな指を立てて答える。

 

「ホワイトベースの進路上、その島の付近を通ることになります。迂回するという手もありますが、余計な時間を食ってしまいます。

 一刻も早くジャブローへ辿り着く必要があるのなら我々にそんな時間はありませんからね。

 だから、救援ついでに障害を排除する必要があります」

 

「……という訳だ。では、これより本作戦のメンバーを選出する。

 リュウ准尉はガンペリーの機長。ジョブ曹長は副機長。ハヤト兵長はガンナー。カイ伍長はガンキャノン。アムロ准尉はガンダムで出ろ!」

 

「はい、私はどうなさいますか?」

 

「アリア、お前は待機だ。ブルーは強力な機体だが、指名手配をされているからな。余計な火種を増やす必要は無い」

 

「……わかりました、父さん」

 

 テムから言われ、大人しくアリアは引き下がった。

 

「今から1時間後に出撃する。各員、準備を急げ!!」

 

 

 

 

「ということで暇になりましたよミアさん」

 

「それは仕方ないんじゃないかなアリアちゃん?」

 

「それはそうですがなんと言うかこう……なんか、こうザワつくんですよねぇ」

 

『警告:高所での安全ロープでの保持を推奨』

 

 ブルーの胸部装甲の上に腰掛け、足をプラプラと揺らして不満気なアリアとデッキに座る苦笑したミア。そしてアリアを注意するCOMのボイスが響くがアリアは何処吹く風だ。

 

 アリアの胸中には言いようのない不快感が主張して止まず、かと言ってそれをどうしようも出来ずにアムロ達が出撃していくのを見送るしかできない。

 

「…………兄さん、ご武運を」

 

 せめて無事を願うのみだ。

 

 

 

 

「……戦闘の跡がある」

 

 曇天の空の下、ガンペリーの操縦席から下を覗いたアムロは島に出来た幾つものクレーターを見て呟いた。

 

「おいおい、よく見たらガンペリーの残骸も見えるぜ?」

 

「嫌な空気だなぁ…………」

 

 ヒシヒシと伝わる不穏な気配にカイとハヤトが引きつった笑みを浮かべる。しかし、逃げ帰るわけにもいかないためにガンペリーを飛ばすリュウとジョブは3人へと声を飛ばす。

 

「とりあえずは救難信号の発信元の確認が最優先だ!」

 

「警戒を密にするのも忘れないでくれよ!」

 

「「了解!」」

 

 

 

「……さて、COMを入れての初めての実戦かな」

 

『システム、通常モード起動。パイロットの帰還を歓迎します』

 

 ガンダムのコクピットへ入り、システムを起動させると低い合成音声がアムロを迎えた。

 

『二手に分かれて捜索した方が効率が良くないか?』

 

「それもそうですね。カイさんはどの方面を?」

 

『んじゃ、俺は東をやろうかね』

 

「じゃあ僕は西ですか。ぐるりと島を回ったら戻ってきましょう」

 

『おう、そうするか』

 

 ガンペリーのコンテナが解放され、ガンダムとガンキャノンは二手に分かれて歩き出す。

 そして、それを遠くから見つめる一つのモノアイが。

 

 

 

 

 小さな島で、自分の罪を贖うために戦場から逃げた男との邂逅がいま始まる。




ドアン編、開幕(なおすぐ終わらせる予定)

追記、リュウさんいるの忘れてたので追加しました

後継機

  • 既存機体を魔改造
  • オリジナル機体
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