機動戦士ガンダムーRavens descend on U.C.ー   作:シャア、あんたちょっとセコイよ!

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ドアン編でなんかすごい伸びましたねビックリ。やっぱ皆さんドアンが好きなんやなって。
ジークアクス最終話見たした?見てない人は見ましょう。アイツの知らない機体が生えてきて笑います


28.That man's name is Cucuruz Doan

「知らない天井だ……」

 

 木製の天井を見つめ、アムロは呟く。上手く働かない頭でアムロは徐に顔を横へ向ければそこからは夕焼けに染まるオレンジの空と夕日を反射させキラキラと輝く海が見えた。

 

 わー、綺麗だなー……アムロはそんなことを考えながら、はて何か忘れているようなと思考する。

 無人島から発信された連邦空軍の救難信号をホワイトベースが受信し、それの救助と島に潜んでるであろうジオンの排除のために上陸。

 

 カイと二手にわかれ、島を捜索し海辺周辺を巡っていたら……

 

「ッ! そうだ、あのザク!」

 

 突如として襲いかかってきたザク。奴はガンダムよりも性能で劣るどころか明らかに整備もろくにできてないほどの状態で喰らいついてきた。

 アムロは奇襲により、危うい場面はあったが搭載されたCOMのサポートのお陰で持ち直しそのままザクと戦闘を続行。

 

 多少の被弾はあったが致命傷には程遠く、そのまま戦っていたのだが。

 

『警告:進路上へ亀裂を確認。迂回を推奨』

 

『────は?』

 

 COMの警告と同時にガンダムが踏み出した瞬間、地面が崩落。

 

 突然の出来事にアムロは呆けた声を漏らし、少しの浮遊感の後に重力に従ってガンダムは落下を開始する。

 どうやら自分はいつの間にか崖の先端付近にいたらしく、モビルスーツ2機の重量に耐えきれず折れてしまったらしい。

 

 モニターの端にうつる高さはかなりのもので、流石に落下したら無事では済まなそうということは明白。背筋に冷たい汗が流れ頬が引き攣った。

 

『やばっ……!』

 

 咄嗟にペダルを踏み込み、スラスターを吹かそうとしたがそれを邪魔するようにザクが飛び込んできたではないか。

 

『マジかこいつ!?』

 

 バルカンを放つが、ザクはブースターと僅かな重心移動のみでかわしきれば空中で縦回転。キックの態勢へと移行する。

 

 そしてザクは凄まじい勢いとともにガンダムの胸部へとそのキックが突き刺さった! 

 

『うわぁぁあっ!!?』

 

 凄まじい振動によってコクピットをシェイクされる中でガンダムは崩落した崖下へ一直線に叩き落とされ、アムロは頭部を強く打ってそこで意識を失ったのだ。

 

「ッづぅぅ〜〜……!!」

 

 漸く事態が飲み込めたが、お陰で痛みもぶり返したらしく頭をかち割られたかのような激痛によってアムロはベッドの上で悶えてしまう。

 

 何とか痛みが落ち着いてきてアムロは自分の周りを見る余裕が出来たのか、自分は半壊した部屋のベッドに寝かされていたらしい。

 

「喉、かわいたな……」

 

 カラカラに乾いた喉を潤すものはないかと思い体を起こし、周囲を見てみればペットボトルが目に入り中には半分ほどまで注がれた水があるではないか。

 アムロはソレは手を伸ばそうとし、不意に妙な視線を感じ取る。そちらへ視線を向けてみたら。

 

「……っ!」

 

 窓枠しか残っていない部分から自分を覗く小さな影が見えた。その影はアムロに見られたことに気がつくと、慌てて下へと引っ込む。

 

「なんだ……? まぁ、いいや」

 

 怪訝な顔をするが、今それよりもこの乾きをどうにかしたいためにすぐに意識の外へ追いやって今度こそペットボトルへ手を伸ばした。

 

「んぐっ、んぐっ、んぐっ……ぷはぁ!! ……生き返る!」

 

 水はぬるかったが、今のアムロには喉を潤わせるだけで有難い。そのまま飲みきり、少しの間ベッドに座っていると外……というかほぼ屋外みたいな状態だがとにかく外から複数の楽しげな声と笑い声が聞こえてくる。

 

 声質からしてアリアと同じか少し上くらいの声が複数あり、アムロはこの島は潜伏しているジオンの兵ならともなくなぜ子供の声が? と思い、確認のため立ち上がった。

 

「っとと……」

 

 瞬間、目眩が発生し足がもつれそうになったがバランスをとることでなんとか立つ。そこで気がついたが頭や左腕の二の腕に包帯が巻かれており、傷の手当を施されていたようだ。

 

 警戒しつつ、塗装が剥がれ錆の浮いた外へ繋がる扉の前に立ってゆっくりとドアノブを回す。

 多少動きが悪いが抵抗なくドアノブは回り、隙間から周囲を伺いつつ何も無いことを確認して部屋の外へ出た。

 

 壁に背を預け、部屋を出てすぐの曲がり角を覗けば……

 

「メ"ェ"ェ"エ"ッ"!!」

 

 とんでもない濁音で鳴いた毛皮の生えた生き物、山羊がそこにいた。

 

「うわっ!?」

 

 まさかの伏兵に堪らず叫んで距離を取ろうとしたが、すぐに壁にぶつかってしまう。

 

「な、なんだ……?」

 

「ブランカー、乳しぼりの時間だよ〜。ロペ、ちゃんと抑えてろよ?」

 

「うん」

 

 そのすぐ後に子供の声と駆ける足音が聞こえ、視線を向ければ容器を両手で持った眼鏡をかけたオカッパの少年とそれよりずっと幼い男の子が。

 その2人にアムロが気づいたように、オカッパ頭の少年もアムロに気が付き慌てて立ち止まると一緒にいた男の子の手を引いて元来た道へと戻って行ってしまう。

 

「うわぁぁぁあっ!?」

 

「あ、おいっ!」

 

 アムロが呼び止めるが、そのまま消えてしまい虚しく空を切った手をおろして少しだけ心外そうにアムロは吐き捨てた。

 

「……失礼だな、人を怪物みたいに」

 

 どうやら妹と同じくらいの子に逃げられるのはちょっとだけ傷ついたらしい。

 ともかく、気を取り直しアムロは少年の後を追って外へ出ればそこには大人数の子供たちが鍬を持って土を耕し、石を持ち上げている様子がそこには広がっている。

 

「……人、住んでるじゃん」

 

 明らかにここで自給自足してますと言った光景にアムロからはそんな思いが零れてしまうのは無理らしからぬものだった。

 

 

 

 

 

「なっ、兄さんを置いてきた!? どういうつもりだお前たち!!」

 

 格納庫に怒声が響き渡る。

 

「落ち着けアリア! アムロはまだ死んだというわけじゃない!」

 

「ですが!! こいつらは! 兄さんを見捨てたんですよ!? 敵と戦いもせず!!!」

 

「それでもだ!! お前自身、アムロの実力を知っているだろう!?」

 

 帰ってきたガンペリーにガンダムの姿はなく、意気消沈した様子のメンバーへ掴みかかるアリアを止めるテムに彼女は尚食い下がろうと……して自分を抱く手が震えてることに気がつく。

 そうだ、テム自身こうしているが今すぐにでも探しに行きたい気持ちを押し殺しているのだ。

 

 それを察し、アリアの内にあった熱が途端に冷めていき全身の力が抜けていく。

 

「…………クソがっ!!」

 

 顔を俯かせたアリアから零れたのはそんな乱暴な叫びだったが、普段の冷静沈着の様子からは想像できないほど彼女が取り乱している事実にその場にいた者達はそれだけの事なのだと理解した。

 

「……アリアちゃん、すごい怒ってますよ?」

 

「仕方ないだろう、アムロがやられたというのならカイたちでは力不足としかいえないんだからな」

 

 ブリッジで格納庫での騒ぎを知り、ミライが気まずそうな顔でブライトへ声をかけると艦長席に座る彼は額に手を当てて言い訳する。

 

 事実彼の言うとおり、ホワイトベースでの最大戦力の片割れであるアムロが倒されたというのなら敵はそれだけの実力を持っていることを示している。

 故にブライトは即座に撤退を指示し、救助隊をホワイトベースへ戻したのだが……結果は御覧の通り。

 

「……クソッ、思った以上に厄介な案件だぞコレは」

 

 新しく発生した問題にブライトはストレスからか胃が痛みを主張し、呻き声は宙へ溶けて消えていく。

 

「とりあえず救助隊は休ませるように言っておいてくれ。そしてホワイトベースを停泊させられそうな場所へ。

 状況の確認が済み次第、アムロの捜索隊を結成し再び島へ向かわせろ!」

 

 

 

 

「身体の具合はどうだ?」

 

 逞しい体つきの男はアムロへと問いかける。その問いかけに対してアムロは目の前の男があのザクのパイロットだと言うことを察する。

 

「……ええ、はい。親切な人のお陰で酷い目にあいましたがね」

 

「ハハハ、そりゃ災難だった」

 

「ッ……」

 

 アムロの皮肉に男の返しにアムロは眉をひそめて声を荒らげた。

 

「貴方が僕を……! ガンダムを、僕の乗っていたモビルスーツをどうしたんですか!?」

 

 問い詰められても男は何処吹く風といった様子だったが、その様子を見ていた子供のひとりが吐き捨てる。

 

「……なんで兵隊なんか助けるんだよ」

 

「そうだ、そうだ!」

 

 洗い物をしていた少女が叫んだ。

 

「死んじゃえ!」

 

「え!?」

 

 突然の罵声にアムロは面食らい、そちらへ顔を向ければ自分を睨みつける少女たちが見える。

 

「兵隊さん嫌い!」

 

「……いきなり、なんなんだよ」

 

 謂れのない罵倒にたじろぎ、周囲を伺うように視線を巡らせると明らかに歓迎などするどころか敵意をむき出しに睨みつける視線の数々。

 地球におりてからやけに鋭くなった感覚によって、ダイレクトに伝わる敵対心にアムロは居心地が悪そうにした。

 これがアリアだったならば痛烈な皮肉や煽りを返すのだろうか、生憎アムロになそんな度胸はない。

 

 そんな針のむしろから逃げるように視線を逸らしていたが、不意に崩れ掛けの建物の一部に注目した。それは灯台で今いる位置とホワイトベースで見た島の全体図を思い出し、アムロは脳内に島の地図を思い描く。

 

「よしっ」

 

「何処に行くんだ?」

 

「……僕のモビルスーツを探しに行くんです!」

 

 歩き出したアムロへ男が問うと、アムロは視線を向けずに答えた。その進行方向には遠くからでも見えるほど巨大なクレーターがあり、アムロの頭の中にはそのクレーターにガンダムがあると思ったからだ。

 

「ドアン、あの子を行かしてよかったの?」

 

「……好きにさせてやれ。無理に引き止めても彼にはとっては悪いだろうからな」

 

 男、ククルス・ドアンは遠ざかるアムロの背を見送ると視線を外し作業へ戻る。

 

 

 

 

「ホワイトベース隊は今どこにいるんだね?」

 

 ジャブロー内の執務室でゴップは控えていた秘書官に問いかける。秘書官は手に持っていたタブレットを操作すると壁に備え付けられたモニターに現在のホワイトベースの進路が表示された。

 

「現在ホワイトベース隊は太平洋を横断し、アジア方面にいるようです」

 

「ふむ、航海は順調のようだね。結構結構、レビル将軍のほうは?」

 

 愉快そうに柔らかい椅子の背もたれの感触を堪能しつつ、ゴッブは問いかけると有能な秘書官は再びタブレットを操作する。

 

「どうやらレビル将軍は彼らをオデッサ作戦へ組み込むようですね」

 

 部外秘の刻印が成された電子書類は来るべき反攻作戦のことが記されており、その中にはホワイトベースを戦力へ組み込むという内容だった。

 

「ふぅむ、レビル将軍は彼らを正式に軍隊として扱うようだね。全く、幾ら功績を挙げていても彼らは民間人の集まりなのだがねぇ?」

 

「それも仕方ないかと。彼らはあまりにも活躍をしすぎましたし」

 

「そりゃそうだ。しかしまぁ、アリア嬢にも困ったものだね。あの機体を引き取ることを拒否するのだから」

 

「あの少女が言うにはブルーディスティニーはシステムはクソだけど機体を操縦する上で、EXAMほど自由に思い描いたとおりに動かせるシステムはない……らしいです」

 

「……あの子はそのシステムに殺されかけたんじゃなかったかな?」

 

「えぇはい、一応はそう確認したのですがアリア・レイ少女は『きちんと躾けたので問題ないです。ぶい』だそうですよ」

 

「おや、綺麗なピースサインだね可愛らしい」

 

 モニターにはブルーディスティニーの頭部の真横に立って真顔でブイサインをするアリアの画像が表示されており、それをなんとも言えない表情で眺める秘書官と心底愉快そうにゴップは肩を震わせる。

 

「なんといいますか、この少女の心臓には毛が生えてるんじゃないんですかね?」

 

「少なくとも普通とは違うだろうねぇ」

 

 でなければジュニアスクールに通っている子が平気な顔をしてモビルスーツに乗り、戦場で戦えるものかと言外にゴップは告げるのだった。




ネタバレになるけどドアンはブルーと戦うよ

後継機

  • 既存機体を魔改造
  • オリジナル機体
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