機動戦士ガンダムーRavens descend on U.C.ー   作:シャア、あんたちょっとセコイよ!

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ブルー「ぶっつけ本番でぶん回すのやめてくんない?」
おっちゃん「トーシローのせいで病院送りや・・・・」


35.POWs and hostages

「ブルーを最優先だ!! だがメンテをする前にきちんと動力炉やシステムを全部停止させてからだぞ!? その後にホバーユニットの点検だ! 

 問題が発生したということはいつ爆発してもおかしくないからな!」

 

 格納庫に着艦したモビルスーツたちへテムは迅速に人員配置の指示を送る。

 

「アリア! ブルーをメンテナンスベッドに移動できそうか!?」

 

『ダメです、完全に操縦系がフリーズしてます。COMのオートパイロットも作動しません』

 

『肯定:システムに干渉できない。

 報告:ホバーユニットの制御システムがOSの不具合の原因の模様』

 

「えぇい、やはり突貫で仕上げたのをテスト無しで実戦投入したのが不味かったか!」

 

『僕とセイラさんが運ぶよ!』

 

「わかった! セイラ君、すまないがガンキャノンと共にブルーをメンテナンスベッドに寝かせてくれ!」

 

『は、はい!』

 

「鹵獲したグフのコクピットハッチはまだ開けられないのか!?」

 

「内側からロックされてるみたいです!」

 

 格納庫内のメンテナンスベッドへブルーの両腕をガンダムとガンキャノンが抱いて運ぶ横でアムロが鹵獲したジオンの陸戦モビルスーツ『グフ』の周囲を整備員や他のブリッジクルーが自動小銃を構えて囲んでいた。

 

「わかった! アリア、すまないが仕事を頼みたい!」

 

『はい、なんでしょう?』

 

「グフのコクピットがロックされてしまった! ハッキングで開けて欲しい!!」

 

『わかりました、私のノートPCをご用意をお願いします』

 

 メンテナンスベッドに寝かされたブルーのコクピットハッチが開き、そこからアリアが出てくると整備員の案内に従ってグフの元へ駆ける。

 

「自爆システムの方はどうなってますか?」

 

「内部から作動させないように外部からシステムをロックしておいたよ。まぁ、その間に開閉システムを内側からロックされたんだがね」

 

「わかりました。端末を貸して貰ってもいいですか?」

 

「はいよ。ハッチが開いたら後ろに隠れておいてくれよ? アリアちゃんに怪我させたなんて知られたらテム大尉に殺されちまうからね」

 

「確かに一大事ですね」

 

 アリアは整備員からグフのメンテナンスハッチ内の端子に接続していた端末を受けとり、用意されていた自分のノートPCへ接続し直した。

 

「COM、ハッキングを頼みます」

 

『承諾:システムのハッキングを開始』

 

 電子音声がノートPCから響けば、その画面にグフの制御システムが表示され次々とコクピット側からロックされていたシステムへCOMがハッキングの手を伸ばし始める。

 次々にロックが解除され、制御権がアリアに奪われていることに漸く外で何が起こっているかをグフのパイロットが気がついたのか慌てて制御権の奪取のために動き出した。

 

 しかし、それをするにはあまりにタイミングが遅すぎたためにものの数秒で完全にグフの制御権限はアリアへ掌握されてしまう。

 

「コクピットハッチ、いつでも解放できます」

 

「わかった、アリアちゃんは後ろに隠れてくれ!」

 

「はい」

 

 言われた通りノートPCを抱え、アリアはその後ろに回ると整備員がグフのコクピットの開閉ボタンを押した。

 

 空気の抜ける音と共にグフのコクピットが解放され、周囲の人物は小銃を構えて警戒する。それが数秒続き、暗いコクピットの中から声が響く。

 

「捕虜は南極条約で丁重に扱ってくれよ?」

 

「丁寧なサービスを提供されるかはお前の出方次第だ!」

 

「りょーかい、なにもせんよ」

 

 両手を上げ、コクピットからパイロットの男が出てくるとアリアの前にいた整備員が拳銃片手に男へ詰め寄った。

 男は抵抗せずに手錠を嵌められた所でその背に寄って遮られていたアリアの姿が男の目に映る。

 

「……おいおい、なんで女の子がパイロットスーツなんざ着てんだよ。まさか、お前らこんな小さな子をモビルスーツに乗せて戦わせてんのか!? 

 クソッタレ、連邦も随分とおちぶれたな!!」

 

「黙れ! お前たちがサイド7を攻撃してこなけりゃアリアちゃんが戦うことなんてなかったんだぞ!?」

 

「あぁん!? だからってやっていい事と悪いことくらいあるだろうが!」

 

「言うに事欠いてお前らジオンがそれを言うのか!? 自分たちに同調しなかったからってほかのサイドを攻撃し、挙句にゃ地球へコロニーを落としたザビ家の犬のお前らが!!」

 

「ふざけんな! ラル大尉はブリティッシュ作戦に反対したんだよ! あの人や俺らをザビ家に尻尾振るようなろくでなしと一緒にするな!!」

 

「(……なんか急に口喧嘩始まったなぁ)」

 

 何故かアリアを見て急にブチ切れた男とその言葉にブチ切れた整備員の口論をなんとも言えない顔で見守るアリア。

 結局その2人は後から来た別の整備員たちによって離され、グフのパイロットはあれよあれよと独房へ連行されていくのをアリアは見送る。

 

「なんだったんですかね、アレ?」

 

 殆ど蚊帳の外だったためにアリアからでたのは、そんな他人事めいた感想であった。

 

 

 

 

「セイラさんも独房行きですか?」

 

「勝手にガンダムで出撃した挙句、損傷させて帰ってきたのだからな。本当の軍隊だったら顔面の形が変わるまで修正した後に除隊モノだが、半民半官の悪いところだな。ブライト君もそこら辺若いから、どうしても対応が甘くなってしまう。3日間だけの独房入りなんてありえないからな」

 

「ふーむ、独房行き仲間の先達として暇つぶしのやり方とかを教えてあげましょうかね? カフカの「変身」とかどうでしょう」

 

「流石にその小説を差し入れるのは辞めてあげなさい。それとアリア、セイラ君とお前は独房に入れられた時の事情が違うだろう?」

 

「この話はやめましょう。色々と黒歴史ですので」

 

「そうだな。この話は誰も幸せにならん」

 

 互いにあの時のことはあまり思い出したくもないのでアリアの提案にテムは素直に話題を変える。

 

「むー、ログを見る限りEXAM使用時にブルー側の処理能力がホバーの制御に追いつかなくなった感じですか」

 

「ただでさえEXAM使用時に膨大な情報処理を行っていたんだ。それに加えて規格のあっていないオプションを付ければ仕方ないか……所詮はガンダムの規格落ちや未使用品のでっち上げではこれくらいが限界といったところか?」

 

「ホバーユニットとの伝達経路と制御システムの最適化を済ませれば今回のようなことは起きないとは思います。

 幸いにも先の戦闘で実働データは得られましたし、直ぐに修正を開始しますね」

 

「うーむ…………せめてビームサーベルくらいを使えるようにしないとな。アリア、エネルギーロスの多い箇所をリストアップしてくれるか?」

 

「はい、わかりました」

 

 先の戦闘の稼働ログが表示されたモニターを覗き込む2人は手早く脳内にそれぞれブルーの修正箇所をピックアップした。

 

「とりあえず目下の問題は……」

 

「ジオンの襲撃ですね」

 

 ガンダムは損傷により修復が完了するまで出撃ができず、ブルーもホバーユニットのエネルギー伝達経路とシステムの最適化が済むまで同じように出撃はできない。

 

「一応母艦であるギャロップと隊長機を損傷させたので暫くは本格的な襲撃はなさそうですが、それでも安心はできませんね」

 

「そうだな。はぁ、今日も徹夜か……」

 

「私も整備を手伝えればいいのですが……」

 

 テムのぼやきにアリアが眉を下げて言うが、それにテムは微笑んだ。

 

「バカ言っちゃいかん。子供が夜更かしをしてどうする? それに、パイロットは休息も仕事だぞ?」

 

「兄さんはガンダムの整備をしてますよ?」

 

「屁理屈をこねるんじゃない。そら、もう上がりなさいアリア。もう遅い時間だからな」

 

 タコの出来た掌でテムはアリアの頭を撫でた後に言うと、休むように告げる。

 

「……はい、後は頼みますね父さん。おやすみなさい」

 

「ああ。おやすみアリア」

 

 アリアは椅子から降り、テムに軽く会釈して格納庫を後にした。既に夜は遅く、流石のアリアも眠気によって目も閉じかけだ。

 

 ふらふらと通路を歩いていると。

 

「お嬢ちゃん、悪いが人質になってもらおうか」

 

「…………はぁ、ボディチェックは念入りにしておいて欲しいですね」

 

 そこには独房に入れられていたはずのグフのパイロット、コズン・グラハム少尉がおり、その手には拳銃が握られ銃口はアリアの背に向けられている。

 気だるげな表情でアリアは呟いた後に両手を上げ、素直に従うのだった。




アリア割と大ピンチ

後継機

  • 既存機体を魔改造
  • オリジナル機体
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