機動戦士ガンダムーRavens descend on U.C.ー   作:シャア、あんたちょっとセコイよ!

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原作で特に容姿に言及されてないのに皆さんコーラルキメ過ぎですよも〜


53.Self-centered scientist

「ここがジャブロー……ジャングルしか見えませんよ?」

 

 ホワイトベースのブリッジから見える光景を前にアリアは視線を外して問えば、テムがその頭を撫でながら答えた。

 

「ハハハ、確かにその通りだがビックリするのはこれからだぞ〜?」

 

『こちらジャブロー哨戒機、ホワイトベース応答されたし』

 

「こちらホワイトベース、どうぞ」

 

 どこからとも無く飛んできた哨戒機がホワイトベースへ近づいてくると通信が飛んでくれば、オペレーターのフラウが応答し識別コードを発信。

 

『……確認した、おかえりホワイトベース。丁寧にとはいかないがエスコートをしよう』

 

 哨戒機がホワイトベースの前へ移動すると誘導し、ミライがそれに従って航行していれば不意に密林の中でガイドビーコンが点滅する。

 

「まあ……」

 

 不意に密林の一部が揺れたかと思えば、左右に割れて宇宙艦用のドックがその姿を現したのだ。

 現実離れした出来事にアリアは僅かに目を見開いて驚いの声を上げ、娘の年相応の反応にテムは微笑む。

 

「ようやく、着いたな……」

 

 今まで道のりは長かった。先のベルファストで追撃を警戒し、わざと迂回し幾度か戦闘をすることになったが守備隊からの報告では追跡の痕跡もないとあった。

 ようやく、この旅も終わりだ、とテムは再びアリアの頭を撫でる。

 

 

 

「本当に地下にあるのですね……」

 

 係留作業が終わり下船したアリアは広がる光景を見てようやく実感が湧いたのか地面をつま先で小突いて呟く。

 

 現在アリアを除いたクルーたちは別室で何やらお話をしており、一応民間人のアリアがいたら不味いということで待機ということになったのだが待つのも暇だったので散策をすることにした。

 

 オーバーホールを行われているホワイトベースを遠目に見ていたアリアだったが、不意に気配を感じて顔を上げる。

 

 切り揃えられた濡れ羽色の中にひと筋緑のメッシュを入れたボブカットヘアー、つり目の緑の瞳の中に宿すこちらを観察するような光、緩やかに弧を描く口元。

 整ったプロポーションを飾るのは黒のスーツと上からはおった純白の白衣に片手にはタブレットを持った若い女がそこにはいた。

 

「…………なにか?」

 

「いえ、少女がこのような場所にいるのは珍しいと思いまして。ご家族は?」

 

「……父は現在別室でクルーの皆さんとお話をしています。私がいるとマズイ話なので待機と言われましたが暇なので散歩をしていました」

 

「そうですか。良ければお名前をお教え頂いても?」

 

「アリア・レイです」

 

「ほう……アリア・レイ」

 

 名乗れば、女は笑みを深くしてアリアの名を反芻する。

 

 緑の瞳に観察するような色が強くなり、アリアはそれを感じとって思わず顔を顰めた。

 

 彼女のその表情を見て、女は謝罪の言葉を送る。

 

「おっと、失礼。不躾な視線お許しください。なにぶん、貴方の名は有名ですので」

 

「……一応、私はそこそこの機密扱いのはずですよね?」

 

「ふふっ、そのそこそこに精通する1人が私ですので。……自己紹介が遅れましたね、私はケイト。ケイト・マークソン。オーガスタ研究所所属の技術中尉です。

 お会いできて光栄です蒼い死神のパイロット、アリア・レイさん」

 

「…………どうも」

 

「そして、本日付けでホワイトベースと配属となり、貴方の機体の専属メカニックでもあります」

 

「……………………どうも」

 

「おや、報告書の中では感情表現が乏しいとあったのですが存外表情豊かですね。後で修正しておきましょうか」

 

「…………」

 

 胡散臭ェ……、他人のことを実験動物としか考えていないような女、ケイト・マークソンを前にしてアリアは散歩なんてしなければ良かったと軽く後悔した。

 

「そこまで警戒しないでくださいアリア・レイ、貴重なサンプルをみすみす消費するような愚行をする学者ではありませんよ?」

 

「人のことをサンプル呼ばわりする時点で似たようなものでしょう?」

 

「ふむ……それも一理ありますね。今度から気をつけましょう」

 

「(心底嫌そうな顔)」

 

 どうやら神はいないらしい。こんなのが自分の機体の調整をするなど悪い冗談ではないのか? 

 

「おや、随分と嫌われたものですね。ステッカーいります?」

 

「いりません」

 

「それは残念。自信作なのに」

 

 ケイトはかたをすくめて白衣のポケットから取りだしたラメの施されたステッカーをポケットへ突っ込む。

 アリアは僅かに嘆息し、視線を中へ彷徨わせる。程なくして話を終えたらしきテムとアムロが来るまで居心地を悪そうにするのであった。

 

 

 

 

「つまり、補修ではなく改修するということです……なのか?」

 

「はい、少佐殿。元々ペガサス級はモビルスーツ以外にも航空機の運用を行う想定をした艦艇ではありましたが、あくまでもそれは航空機のスペースを確保するためだけのものです」

 

 真新しい少佐(階級章)を襟首に着け、副官としてつけられた『ウッディ・マルデン』大尉へやりにくそうにしてるブライトに笑いながら彼は現在ドックへ改修作業のためにドックへ移送されているホワイトベースのデータに目を通しながら説明をする。

 

「ホワイトベースの運用データのお陰で問題点と改善点のフィードバックを行い、再設計された準ペガサス級の部品を用いてホワイトベースをモビルスーツの運用を前提に大幅改修を行う……か」

 

「それによって大型化しますが、その分だけ搭載数や推力、武装も増加しますので悪い事ばかりではないかと。

 加えて、特殊兵装オプションの運用も視野に入れて専用母艦のためのテストベッドとするみたいですね」

 

「……カタフラクトのようなものか?」

 

「はい。あの兵器はオデッサにおいてかなりの戦果を上げましたからね。上層部はそれの量産も視野に入れてホワイトベースには引き続き、特殊兵装の運用のデータ取りをさせたいみたいです」

 

「しかし、あの兵器をうちで扱えたのはアリアだけだぞ? おまけに彼女が言うには酷い出来だったみたいだしな」

 

「だからそれ専用のメカニックも配属されるのでしょうね。人員補充の名簿には目を通されましたか?」

 

「一応通しはしたが……うぅむ、大丈夫なのか?」

 

「…………新たに搭載される機体もどれも最新型のものでパイロット達も精鋭で腕はいいと聞いてはおりますがか、付随して増加される技術者たちの所属していた場所はあまりいい噂は聞きませんね」

 

「どういうことだ……?」

 

 ウッディ大尉は周囲へ目を配った後、ブライトへ耳打ちする。

 

「実は彼ら彼女らの所属していたオーガスタ研究所では違法な人体実験をしているという噂がありましたね……」

 

「なに……?」

 

「あくまでも噂ではありますが……一応警戒しておくにしたことはありません」

 

「また厄ネタかよ……!」

 

 昇進して教育を受けぬまま佐官になってしまったブライトの魂の叫びにウッディは静かに彼の肩へ手を置いて己の上官へ同情と憐憫を向ける。

 

 

 

 

「……ふむ、もう一度仰ってもらってもよろしいですか?」

 

『────、──────』

 

「流石に急すぎではありませんか? 既に機体と設備および人員はホワイトベースへ搬入する準備を終えているというのに」

 

『──。──────』

 

「そうもホイホイと命令を変えられて困るのは我々現場の者なのですが? 

 幾ら追加でパイロットが補充されるとはいえ、既にホワイトベースの改装計画では特殊兵装群の運用のために彼女の協力が必要不可欠で─────」

 

『──────……─────』

 

「…………了解しました」

 

 自分に渡される機体があるであろうハンガーへ向かう途中、ケイトの通信機が鳴り響き彼女が応答を行えば何度か返事をすると少しずつ整った顔の眉間に皺がより、最後に頷くと通信終えると懐に通信機を仕舞う。

 その表情は不満げなのはアリアリと伝わり、気になったのかテムが走らせていたエレカを止めて声をかけた。

 

「どうしたのだねケイト君?」

 

「ええ、はい。どうやら急遽としてレビル閣下から指示が出されましてね」

 

 ケイトはタブレットを操作し、その画面をテムへと見せる。

 

「民間人全てを下ろすことはできませんが、代わりにアリア・レイ含む子供を育児センターへ預けるように辞令が下りました」

 

 その画面にはアリア以外にカツ、レツ、キッカ(ちびっ子三人組)とミハルの家族のジル・ラトキエとミリー・ラトキエの名前が表示されていた。

 

「それの何が、ダメなのかね?」

 

「間が悪すぎるのですよテム大尉。降ろすつもりならそもそも彼女に新しい機体を受領させる用意など必要ありませんし、それらを手配したゴップ大将からも何も無いでしょう?」

 

「たしかに……アリアを下ろすなら新しいガンダムを用意する必要などないな」

 

「……一旦戻った方がいいでしょうね」

 

 テムとケイトは言い、それにアリアが待ったをかける。

 

「少し待ってくださいケイトさん」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

「貴方はレビル将軍の派閥の人ではないのですか?」

 

「? 違いますよ」

 

 アリアからの問いかけにケイトはあっけらかんと答え、その返答に彼女は僅かに鼻白んだ。

 

「私のやりたいことがたまたまオーガスタで出来たから所属したのであって、私は特にどこかの派閥に属しているつもりはありません。

 今回の話を受けたのもゴップ閣下から私のやりたいことをできると言われたので引き受けただけですしね。あの補助システムを目にした時から貴方に会いたいと思ってましたし」

 

 あ、こいつ滅茶苦茶自己中なやつだ。アリアは察し、テムも目の前の女がどんな人間かを理解する。

 

「では戻るとしましょうか。テム大尉、行先をホワイトベースへ戻してください」

 

「……わかった」

 

 なんとも言えない顔でテムは頷くのであった。




ただの同姓同名の別人ですから!マッドなだけの科学者だから!!

後継機

  • 既存機体を魔改造
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