機動戦士ガンダムーRavens descend on U.C.ー   作:シャア、あんたちょっとセコイよ!

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はよジャブロー終わらせなければね!


55.Those who bring death

 アリア達が囮捜査を行なう数日前。

 

「少佐、間違いありません。地下の水脈から大鍾乳洞へ繋がり、そこから地下空間に繋がっています」

 

「ようやくか、思ったよりもギリギリだったな」

 

「せっかく見つけたゲートも外側からは干渉できない作りでしたからね。ですが、これでモグラどもを叩けます」

 

 潜水艇『マッドアングラー』のブリッジで待望の報告を聞き、シャア含んだその場のオペレーターたちはその表情をやわらげる。

 特殊部隊を潜入させ、シャア・アズナブルはスペースポートへ繋がるゲートを幾つか発見したが殆どが外側からは干渉できず時間だけが過ぎていた。

 

 幸いにも麾下の特殊部隊は隠密に優れた装備のお陰で連邦軍にバレることはなかっが、それでも敵地のど真ん中での長時間の潜入任務は神経すら減らす。

 

「土着の民族が反連邦で助かった。彼らから提供された情報のおかげで地下水脈を辿れたのだからな」

 

「ええ、はい。これでキャリフォルニアへいい報告ができます」

 

「うむ、向こうからの便りが届き次第我々も攻め込むぞ」

 

「ハッ!」

 

 シャアは軍服の裾を翻し、ブリッジを後にした。そのマスクから覗く口角は歪んでおり、足取りも軽やかだ。

 

「待っていろ木馬、かならず報いは受けさせてやる」

 

 戦いの戦火はすぐそこまで迫っている。

 

 

 

 

 

 育児センターで待つこと数時間、唐突にやってきたレビルの迎えという黒づくめの奴らに引かれてジャブローの奥へ隠されるように配置されたハンガーへ辿り着く。

 

「ふむ、私を保護といった割にこのような場所へ案内するのはどういうつもりですか?」

 

「その保護を行う前に協力して欲しいことがあるんだよお嬢ちゃん」

 

「はぁ、寝言は寝てから言うからこそ寝言なのですよ? それとも一般常識がないからそんな寝ぼけたことを言えるのですか?」

 

「チッ、口の減らないガキだ。働かざるもの食うべからずって知らねぇのか?」

 

「少なくとも貴方の安月給よりかは稼いでますね。不労所得と言うやつですね、人生勝ち組ですよ? 

 働かざるもの食うべからずって意味わかってます? 貴方のような木っ端と違って、私のCOMはよっぽど貢献しているのですから貴方なんてプー太郎ですよ? 現実が見えていないのなら眼科に受診してはいかがでしょうか?」

 

「このガキッ……!」

 

「おい、だまって動け。時間が押してるんだよ」

 

「そーだぜ? グレイヴのやつに何言われるかわかったもんじゃねぇ」

 

 兵士のひとりが声を荒らげたが、別の兵士が窘めるとアリアへ目配せを行うのを見て彼女はこの2人がゴップの手の者だと理解した。

 

 アリアにボロクソに言われた兵士が苛立ちながらカードキーを取り出すとスロットに差し込み、番号を打ち込むと扉が開かれる。

 

 開かれた扉を潜り入れば忙しなく中を走り回る作業員と、格納庫に鎮座する青ざめた色のモビルスーツと別に1機その奥に見えた。

 

「……」

 

 いつかのモビルスーツを見つめ、アリアが僅かに視線を鋭くさせると。

 

「ハハハ、ようやくサンプルが届いたか!」

 

 その男を端的に表すなら典型的なマッドだった。ボサボサとした髪に狂気に取りつかれた瞳、よれた白衣を纏う男がこちらへと駆け寄ってきたかと思えば、ベタベタと彼女の身体を触り始める。

 

「うーむ、体格はクロエよりも些か小さいがアイツと違って実戦を複数回、ペイルライダーに劣るブルーディスティニーでこなしているから問題は無いか? 

 いや、問題があるなら投薬や外科手術で強化すればいいな。よォし、とっととキャバルリーに乗せてデータを取らなけ────

 

「ふんっ!」

 

「がぴっ!?」

 

「ハッ!」

 

「げひゃっ!?」

 

 アリアは徐に男の襟首を掴み引き寄せれば、顔面へ膝を叩き込む。跳ね上がったところで跳ぶとその横っ面へサイドキックが突き刺さり勢いよく吹き飛んだ。

 

 その過程で付着した男の血を指先で拭えばポケットからハンカチを取り出し、綺麗に拭き取ると鼻骨が折れ歯が数本無くなり白目を向いて痙攣している男に向けて吐き捨てる。

 

「……チッ、穢らわしい手で触るなゲスが」

 

「ヒュー、中々やるなお嬢さん」

 

「おー、いい蹴りだな」

 

 汚れたハンカチを捨てるアリアを見ながらグレイヴの私兵部隊『スレイヴ・レイス』メンバーの『フィクサー』と『リッパー』が感心したような呟きが漏れ出た。軍人として見ても彼女の一連の動きはとても滑らかで躊躇が微塵もない綺麗なフォームだったのだ。

 

「ドク……!」

 

 そんなアリアによって容易くノックアウトされた男に駆け寄るのはウェーブがかった金髪をお下げにした少女。

 そして、ようやく事態が飲み込めたのかレイスの1人がアリアに向けて自動小銃の銃口を向けようと────した瞬間に素早く足元に忍び込んだアリアが懐から引き抜いた拳銃によって股間を撃ち抜かれる。

 

「ぎゃぁぁあっっっ!!?」

 

 突然の激痛によってのたうち回り、他の作業員達も慌てたようにホルスターから拳銃を抜こうとして唐突に出入口の扉が爆発。

 そこから雪崩込むように緑の外縁にECOASというエンブレムを付けた兵たちが入ってきた。

 

「全員動くな! お前たちを非人道的な研究、戦災孤児の違法な人体実験による虐待及び戦争犯罪で拘束する!!」

 

「なっ……『ECOAS』だと!!?」

 

「くそっ、なんであんなヤツらがここに!」

 

 彼らの反応から見て、突入してきた部隊は歓迎できないものらしい。アリアは注意が逸れてるのを利用してフィクサーとリッパーの元へ駆け寄る。

 

「おっと、おかえりお嬢ちゃん。まったく、無茶をするねぇ」

 

「申し訳ありません、ですがこれで宜しいですか?」

 

「おう。それと自己紹介がまだだったな。俺はフィクサー、んでこっちのチャラそうなやつはリッパー。

 ゴップの旦那から言われてお嬢ちゃんの護衛を任されたのさ」

 

「にしても良くあの目配せで気づいたな。ニュータイプの勘ってやつ?」

 

 リッパーの問いかけにアリアは片眉をひそめて答えた。

 

「あれくらい感が良ければ誰だって分かります。それで、あの方たちは?」

 

 この場の作業員や研究者たちを次々と手際よく無力化していく兵たちを見やり、アリアが尋ねればフィクサーは彼女へ説明する。

 

「アイツは連邦軍の特殊部隊『ECOAS』、場所を選ばずに活動する特権を保証され、隊員一人一人が訓練により潜入、工作、戦闘、白兵戦等のエキスパートさ。

 まさかあの狸、あの部隊を動かすとは思わなかったぜ」

 

「ふむ、あの人達が残りをやってくれるならもう私は必要なさそうですかね?」

 

「だな。巻き込まれないようにお嬢ちゃんを返そうぜフィクサー」

 

「おう、子供にゃ刺激が───

 

 フィクサーが最後まで言い終えぬうちに、轟音と振動がジャブローを襲う。

 

「きゃっ……」

 

「なんだ!? 一体何が起きた……!」

 

「かなり近いぞ!」

 

 バランスが崩れたアリアを支え、フィクサーが叫びリッパーが音の位置を察知。それに答える方のようにサイレンの音とアナウンスが流れた。

 

『緊急事態発生! ジャブロー各員に告ぐ、現在ジオンの大規模襲撃が発生!! 

 第6ブロックのスペースポートゲートが解放され、そこからジオンの部隊が突入!! 繰り返す、第6ブロックのスペースポートゲートが解放され、そこからジオンの部隊が突入! 

 加えて、当基地守備隊のジムを格納されたハンガーが爆破されてしまった! モビルスーツを運用しているところは誰でもいい、早急に対応頼む!!』

 

「マジか……」

 

「おいおい、どうやってジオンの連中ゲートを開けたんだよ!」

 

「それより、この基地の守備隊のモビルスーツが破壊されたみたいですけど?」

 

「あぁ、クソ! おまけに第6ブロックって目と鼻の先じゃねえか!」

 

 流石にこれは予想外だったのかECOASの隊員たちも僅かに浮き足だち、それを突いて作業員の何人かが抵抗を始めた。

 

「ふざけんな! このままじゃ死刑だ! オレはグレイヴの奴に恩赦を貰わなきゃいけねぇんだよ!」

 

「お前らがしね!!」

 

「ぐぁっ……!」

 

 作業員のひとりが発砲し、格納庫内で銃撃戦が始まる。3人はすぐさま物陰へ巻き込まれないように待避。

 

「まさかの事態になりましたね。どうします?」

 

「どうするも何も、どうすっぺ?」

 

「ECOASならこんなヤツらすぐに制圧できるだろうが、すぐ近くに1つ目共がいるだろうし、こいつらがモビルスーツなんて持ち出したら────

 

「クロエ!! さっさとペイルライダーを起動させろ!! そしてECOASどもを殺せ!」

 

「はいっ!」

 

「フィクサーさん?」

 

「フィクサー……」

 

 2人からの胡乱な視線にフィクサーは叫ぶ。

 

「俺は悪くねぇ!」

 

 そして、クロエという少女がペイルライダーに乗り込めばバイザーの奥の双眸に光が灯り、格納庫デッキから踏み出した。

 

「おや、これは不味い。ですが準備しておいて良かったですね流石は私、有能過ぎて将来が怖い」

 

 アリアはそう言い、奥歯を噛み締める。

 

 すると、格納庫の搬入口のシャッターをぶち破り今にもECOAS達にバルカンを放とうとしていた青ざめた機体へ蒼い影が殴り掛かる。

 

『きゃぁあっ!!?』

 

 横っ面を殴り飛ばされ、その青ざめた機体、ペイルライダーが盛大に吹っ飛んだ。

 

「いい子ですブルー」

 

『推奨:パイロットは早急に搭乗する事を要求』

 

 そこにはアリアの乗機、ブルーディスティニーがCOMの自動操縦機能によって駆けつけた姿がそこにはあった。

 アリアはすぐさま駆け寄れば彼女の姿を確認したブルーはしゃがみ、その手を差し出すと大きな手のひらへ飛び乗りコクピット付近へ運ぶ。

 

 そして、ハッチが解放されたコクピットへ飛び移りアリアは手早くシートベルトで身体を固定させひとりでにコクピットハッチが閉じると同時にペイルライダーが煙を引き裂いて突撃をしてきたではないか。

 

『お前なんか死んじゃえ!!』

 

「喧しいですよ粗製!」

 

 展開したビームサーベルの突きを左前腕のビームサーベルを展開し、受け止め発生したメガ粒子の飛沫が互いの装甲を照らす。

 

『ペイルライダー!!』

 

 

 

H ・ A ・ D ・ E ・ S

 

 

 

 クロエの叫びに呼応し、ペイルライダーの双眸と各種センサーが深紅に染まり、装甲表面に鮮血のような妖しいオーラが纏わり付き膂力が増加しブルーが押し込まれていく。

 

 

 

「起きろブルー、三下に格の違いを見せつけてやれ」

 

 

 

EXAM SYSTEM STANDBY

 

 

 アリアの命令にブルーディスティニーの頭頂部のバイザーが下がり、覆われた双眸と全身のセンサーが深紅に染まり、押し込まれていたサーベルを押し返し互いに互いを殺そうと力を拮抗させた。

 

 今ここに、2つのシステム機が刃を交えるッ!!




BD「んじゃワレェ!誰にガンつけとんのか分かっとんのか、おぉん!?」
ペイル「何だこのやろう!!ッスぞゴルァ!!」

後継機

  • 既存機体を魔改造
  • オリジナル機体
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