機動戦士ガンダムーRavens descend on U.C.ー   作:シャア、あんたちょっとセコイよ!

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じつはポケ戦見たことないんですよね。てなわけでポケ戦編突入です(オイ)


68.Target Point Change

「おースゲー、あれがアリアのガンダム?」

 

「型式番号はRX-78-7-OFAC-vSA[AMS] ガンダム7号機レイヴンです。換装機構によって戦況に応じて複数のアーマーを付けかえる新時代のガンダムですよカイさん」

 

 ホワイトベースの中央カタパルトへ着艦し、専用のハンガーへ向かう通常のモビルスーツよりもサイズが頭二つほど大きい漆黒のモビルスーツの姿を上部の控え室で眺めながらカイが聞けば、隣にいたアムロが説明を行う。

 

「レイヴン……渡り鴉ねぇ? 確かにあの真っ黒さはピッタリだな」

 

 カイの知っているガンダムのようなヒロイックさを感じるものとは違い、あの漆黒のガンダム……レイヴンは全身がエッジの効いた装甲で構成され、純粋な兵器としての印象を抱く姿だった。

 

 ハンガーへ身を預ければ四肢を固定され、胸部装甲が展開するとそこから鎧のようなノーマルスーツを纏った小柄な人物が外へと現れる。

 

「お、出てきたな。迎えに行ってきてやれよ兄貴」

 

「はい、そうします」

 

 カイの言葉にアムロは頷くと、出入口の扉へアムロは漂って行った。

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

 レイヴンの胸部装甲の上に立ち、アリアはヘルメット側面に触れるとセンサーが認識してロックが外れヘルメットの外殻が僅かに展開。

 ヘルメットの両側面を抑え、ゆっくりと頭から外せば火照った頬に格納庫内の空気が触れ後頭部にひと束にまとめた長い髪がふわりと舞い、額から零れた汗がキラキラとライトの光を反射して煌めいた。

 

「アリア!」

 

「───兄さん?」

 

 視線を下げればそこには登ってくるアムロの姿が見え、アリアはその口角を僅かに上げる。

 アムロの伸ばしてきた手を掴み、引き寄せ胸部装甲に降り立ったアムロは興味深そうにレイヴンの頭部を見つめた。

 

「アレックスの中から見てたけど、未完成の状態で良くやるよお前もコイツも」

 

 そう言ってアムロはレイヴンから視線を外してアリアへ向けると、頭から順につま先へ目線を下ろす。

 

「操縦系が既存のものとは大幅に違うから専用のスーツとインターフェイスも付けるってのは聞いてたけど、コスプレみたいだね頭のソレとか」

 

「言わないでください。私自身もこのデザインはどうかと思ってるんですから」

 

 アムロの言葉に僅かに眉根を寄せて言えば、悪い悪いと言って彼女と頭を撫でて謝罪した。

 少しだけ不満げな様子を見せていたが、悪気がないことは感じ取った為にグリグリと手のひらに頭を押付ける。

 

「おっと、はいはいもっと撫でるよ。まったく、甘えん坊だなお前は」

 

「むふー」

 

 妹の不器用な甘え方にアムロは苦笑しつつ少しの間撫でてやると漸く満足したのか手から離れた。

 それと同時に左舷格納庫からアリアとレイヴンが着艦したことを知らされたテムが急いでやってくる。

 

「アリア! 体調に変化はないか!? どこか違和感とか機体に不具合はなかったか!?」

 

「わぷ……はい、私は至って健康です。機体の方はまだシステム面に不具合が残ってるのでアーマーの外付けの武装は殆ど外されてますね。

 あとは操縦系に多少のラグがある程度でしょうか? 思考して反映されるまでにコンマ0.3〜4秒ほど遅れます」

 

「そうか……流石に2週間程度の時間で全く新しい操縦系とマン・マシーンインターフェースと新機軸の技術を詰め込んだのだからシステムに不具合が出るのは当たり前か…………

 うむ、わかった。お前は後で医務室に行って精密検査を行いなさい。少しでも体調に変化があったら言うんだぞ? 

 ケイト君たちのシャトルも第4デッキに着艦したからすぐに向かわせる。アムロ、念の為お前も付き添いなさい」

 

「うん、わかったよ父さん。行こうアリア」

 

「はい、父さん。私のガンダムをお願いしますね」

 

「任せておきなさい。おい! 7号機の点検を始めるぞ!! オーガスタの連中も集めてくれ! 

 コクピットを重点的に行う!! ケイト中尉を至急向かわせるように第4デッキへ連絡を入れろ!」

 

『はい!!』

 

 テムの号令とともに専属のメカニックたちがレイヴンの元へ集合し、その様子を見ながらアリアはアムロに連れられてエレベーターへ向かうのだった。

 

 

 

「……うん、特に問題は無いな。ケイト中尉から予めマニュアルを渡された通りの精密検査を行ったが異常は何一つ見られない」

 

「皆さん大袈裟ですよね。この通りピンピンしてるのに」

 

 ひんやりとした聴診器が外され、小さく頷き髭の生えた青年医師の言葉にアリアは言いながら胸元が露出した病衣のボタンを戻す。

 

「それは仕方ないさ。君のような女の子に前例のない新技術をモルモットのようにして使っているんだからね。

 一応ここで休んでいきなさい。わかったね?」

 

「分かりました『ハサン』先生。兄さん、私はここで休んでおくので、もう大丈夫です」

 

「わかった。ハサン先生、妹をお願いします。目を離したら何するかわからないやつなので」

 

「ハハハ、わかったとも」

 

 その言葉にハサン医師は朗らかに笑いつつ、アムロが出ていくのを見送った。

 

「さ、いらないとは思うが念のためベッドに寝ておきなさい。聞いたところによると君らはここ2週間ずっとろくに寝れてないのだろう? 

 大人ならまだしも、君はまだ子供だ。夜更かしは成長に差し支えるからね。寝る子は育つと言うやつだ」

 

「ム、ならば寝なければなりませんね。私は将来はないすばでぃな大人になる予定ですから」

 

「ハハハ、君なら将来有望だろうね」

 

 ハサンに促される、アリアは素早くベッドに潜り込む。仕切りのカーテンが閉じられると彼女は目を閉じ、数秒後には寝息を立て始める。

 

「接続時には訓練した正規軍人の大人が絶叫をあげるほどのデバイスをあのような女の子がな……」

 

 ハサンは手に持ったタブレットに目を通しており、その内容はジャブローでのテストのことが記されていた。

 ガンダム7号機レイヴンに搭載されているコクピットはAMSによる神経接続をより明瞭にするために、二の腕と太腿へデバイスを接続させるのだが専用のスーツを用いることで多少軽減されるとはいえ、それでも痛みに耐性のある軍人が絶叫を上げてのたうち回るほどの劇痛が走る。

 

 それに対して、アリアは僅かに顔を顰めて声を漏らすのみで初見のはずのシステムを意のままに操っていた。

 確かにこれは開発者が熱をあげるはずだと、ハサンは理解する。

 

「……こんな小さな子を戦争の最前線に送り出すなど、寒い時代だよ本当に」

 

 心底ウンザリしたようなハサンの呟きは医務室の天井へ溶けて消えるのだった。

 

 

 

「……ホワイトベースの設備では本格的な調整が出来ないのか? 開発者なのだろう?」

 

『元々改装したホワイトベースはAMSの調整を行うための専用の機材を搭載する予定はありませんでしたからね。

 肝心のプロトNT-1は強奪された為、特殊兵装を収納するはずだった中央格納庫へ突貫で改装計画を変更した弊害かシャトルで持ち込んだ機材を本格的に設置するには難しいでしょう』

 

「ぬぅ……」

 

 モニターに映るケイトの涼しい顔から告げられた報告にブライトは唸りながら思案する。

 ホワイトベースはその名をペガサス級2番艦ホワイトベースから改めて、改ペガサス級2番艦『ワイルドハント』はカタフラクトやバルテウス等の特殊兵装郡運用のために専用の格納デッキを中央部分に設置される予定だった。

 しかし、ジオンによるジャブロー侵攻のドサクサで運用予定だったプロトNT-1をシャア・アズナブルによって強奪された挙句ペイルライダーによってプロトバルテウスを持ち出され、アリアがユニットを大破させた為に改装計画を大幅に修正する事態に陥る。

 

 ゴップが手配したガンダム7号機の改修した姿のレイヴンを運用する為に突貫でこの機体に合わせた改装を施したわけだが、無理な修正案だったので専用の機材を取り寄せ、設置する時間が取れなかった。

 

 そのため、レイヴンと共にシャトルで後から持ってきたわけなのだがケイトからの報告によると設置する機材とスペースの規格が合っておらず肝心のレイヴンのAMSの整備と調整が出来ないとケイトが報告してきたわけだ。

 

「どうにか出来ないか?」

 

『難しいでしょう。加えてシステムにも幾つかの不具合があるので他のアーマーも装備したとしても手持ち以外の武器は使えませんので、これではレイヴンの運用方法をしても本末転倒です』

 

「そうか……うぅむ。どうしたものか」

 

 ホワイトベースとグレイファントムはこの後打ち上げられるサラミスと合流し、『第13独立部隊』としてジオンの注意を引くための囮の役目を全うする必要がある。

 

 その為にはアムロのアレックスと共にアリアのレイヴンは必要だ。話を聞いた限り、戦う分には問題は無いがAMSは運用するにあたってまだまだ不透明な部分が多い。

 戦闘中に不具合が発生しては目も当てられないため、万全の体制をもって送り出したいというのが整備班や技術班の総意でありソレにはブライトも賛成だった。

 

 と、そこで考えていたところでケイトがよく通る声で話す。

 

『提言よろしいですか?』

 

「許可する」

 

『はい、このまま我々はサイド6に向かう予定でしたね? 実はサイド6にある『リボーコロニー』には連邦の秘密基地があります。

 そこでレイヴンの最終調整を行いたいのですが構いませんか?』

 

「サイド6は中立ではなかったのか?」

 

『そんなもの今はどうでもいいでしょう? どうなさいますか』

 

 ケイトの心底面倒くさそうな様子にブライトは僅かにイラつきを覚えたが、そうも言ってられないも事実のためため息を吐いた後に副官のウッディ大尉へ指示を送る。

 

「グレイファントムに通達! そちらは予定通り『パルダコロニー』へ寄港しろ! 我々ホワイトベースはレイヴンの最終調整と専用機材の設置のために目的地をサイド6のリボーコロニーへ変更する!」

 

「ハッ、了解しました」

 

 綺麗な敬礼に頷きつつ、ブライトはクッションの硬さが多少マシになった艦長席で何度目かわからないため息を吐くのだった。




サイクロプス隊の運命はどうなるのですかねぇ・・・・

後継機

  • 既存機体を魔改造
  • オリジナル機体
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