機動戦士ガンダムーRavens descend on U.C.ー 作:シャア、あんたちょっとセコイよ!
追求、間違えて削除して慌てて再投稿しました←マヌケ
サイド6、それはL4地点にあるコロニー群であり通常サイドリーアと呼ばれている。
一年戦争初期にこのサイドは中立宣言を行い、連邦とジオンのどちらにも戦争行為の加担をしなかった。
それ以降このサイドは表向きは他のサイドと違って戦火に巻き込まれることななかったが、実態は開戦前にジオンとの密約が行われていたから巻き込まれていないだけである。
といっても、それだけでも中立を維持できるわけが無いのだが出来たのは一重にその政治力と工業力のおかげだ。
開戦当初は密約でジオン寄りではあったが現在の戦局の変化によって連邦寄りとなっており、ホワイトベースが寄港しているリボーコロニーには極秘裏に連邦の基地が建設されている。
「……でも、弾薬はまだしも推進剤の補給はしてくれないんですよね」
「仕方ないだろうな。ここで補給できてしまえば連邦はジオンを直接叩けてしまう。
一応建前は中立を宣言しているサイドだからそんなことをしてしまえば、自分たちの立場を危うくしてしまうから難しい話だ」
「なのに連邦の秘密基地があるなんて酷いダブスタですね」
「それも仕方ないさ。これも彼らが守るために蝙蝠にならざるを得ないんだから。
……それが連邦の目からどう見えるかは考えないようにはするがね」
アリアのぼやきにテムは苦笑を交えて彼女の頭を撫でた。2人の視線の下には戦闘禁止のテープを張られたレイヴンがトレーラーに寝かせられている姿が見える。
現在リボーコロニーの空港にてアリアとテムはホワイトベースから降ろされたレイヴンの積み込み作業を待っていた。
「ひとまず私の機体の最終調整とホワイトベースの設備設置が終えるまではこのコロニーに滞在するのですか?」
「そうだな、我々第13独立部隊はジオンの目を引く囮の役割もあるからここで滞在するのも任務の1つでもあるから丁度良かったとも言える。
……本音を言うなら半日程度の滞在に留めて第三艦隊と合流したいところだが、一応連邦の決戦兵器と呼べる7号機を万全の状態にしておきたいからやむを得ないさ」
ガンダム7号機レイヴンは文字通り桁違いの機体だ。そのスペックは優にNT-1アレックスを超えており、アリアの技量も合わされば正しく単騎で敵の軍勢を殲滅できるだろう。
しかし、その特殊性故に未だにシステム面に多数の不具合を抱えており万が一戦闘中に致命的な不具合を発生させてしまうなど想像もしたくない。
その為に万全を期すために時間を設け、レイヴンの調整を行うのだ。幸いにもホワイトベースに設置する予定の機材のスペース調整はそこまで時間がかからないらしく、ケイトもすぐにレイヴンの調整に合流するとのこと。
そして、来たるべくソロモン攻略戦まではまだ時間があるので、余裕はあるらしい。
『大尉、機体と各アーマーの積み込み終わりました! 何時でも出発できます!』
「了解したアストナージ少尉! ……よし、行くとするかアリア。
私たちが出たらホワイトベースはグレイファントムのいるパルダコロニーへ合流するからな」
「はい」
テムに促され、アリアは共にトレーラーへと向かう。そんな時、微かに視界の隅が光った……そんな感じがしてアリアはそちらへと視線を向ける。
「……?」
しかし、そこには何も無く気のせいかと首を傾げつつも注視しようとして。
「どうしたアリア、早く行くぞ?」
「あ、はい。すぐ行きます」
テムに言われ、アリアはすぐに視線を切ってトレーラーへと向かうのだった。
「……空港から複数の大型トレーラーが出てきたらしい」
「貨物は?」
「入管が言うには空調機らしいが、潜り込んでるスパイからは新型のガンダムとそのオプション装備だそうだ。
木馬もどきはその後港を出ていってパルダに入ったらしい」
「なるほどな」
サイド6の場末の安宿の個室の中で二人の男が向かい合っていた。
「……なぁ、本当にやるのかハーディ?」
「俺たちは軍人だ。お上からやれと言われたらやるしかないさ……といっても、我らが祖国はもう長くないだろうがな」
「負けるか」
ハーディ・シュタイナー大尉はサイド6に忍び込んでいるスパイからの問いかけに紫煙をくゆらせながら口を開く。
「あぁ。既にジオンは敗走に敗走を重ね唯一残った地上の拠点のキャリフォルニアベースも失陥するのは時間の問題だ。
お偉方は戦場を宇宙に移せばまだ、勝ちの目があると思っているようだが俺からすれば現実が見えてないとしか言えないな」
古今東西、小国が得た領土を失いはじめた時の未来など歴史を多少齧っていれば想像など容易い。
「……はぁ、注文通りのあの機体は4機とも組み立ては終わっている。あとは乗るだけだが……新入りはどうするんだ?」
「ワイズマン伍長か? アレは情報収集に出しているさ。アイツには悪いが、この作戦では出番はないだろうな」
「お優しいことで」
「フン、沈むのが見えている泥船に若いやつを乗せられないだけだ。…………俺たちが失敗したら連中、例の部隊を投入した後に木馬ごとサイド6に核を撃ち込むつもりだ。
ここに忍び込む前にわざとらしくC型を格納庫の目立つところに置いていやがった」
「知ってるさ。弾頭を持ち出されたグラナダは大騒ぎらしい」
「……悪いことは言わん、お前も今のうちに逃げておけ。ことが露見すればお前にも捜査の手が来るはずだ」
ハーディは目の前の友人に忠告を込めて言うが、彼はその皺の刻まれた頬をニヒルに笑って答える。
「お生憎、オレはこの平和ボケしたコロニーが好きになっちまってね。今更逃げようなんて思ってないんだよ。
……それに、俺はお前たちが成功するって信じてるさ」
「────馬鹿野郎」
その言葉にハーディは被っていた帽子を目深に被るしかできなかった。
「…………アリア・レイです。どうぞ宜しく」
「アリア・レイちゃんはお父さんの仕事の都合で短い間ですが、このクラスのメンバーになります。
皆さん、どうか仲良くしてあげてくださいね?」
「……どうも」
初めて、その女の子を見た時は妖精っているんだなぁって僕は思ってた。
真っ白な髪に、図鑑でしか見たことの無いルビーみたいな綺麗な目。
シミにひとつないほっぺに花の蕾みたいに微かな桃色の唇。同年代の女の子よりも小柄な体型と髪色とおなじワンピースの上にはミスマッチなはずのライダースジャケットがやけに様になっていて……そして、左手の薬指の指輪が印象に残る。
「わぁ……綺麗な子だね」
「仕事の都合って親はどんな仕事してるんだろ?」
「……パパが言ってたけど、いまパルダに連邦の新型の戦艦が入港してるらしいよ?」
「知ってる知ってる。あと、夜中だけどすっごい大きなトラックが何台もあの場所に入っていってたらしいね」
クラスメイトがあの女の子を見てヒソヒソと話してるけど、僕にはそれが耳に入らず胸がドキドキしていた。
こんなにもドキドキしたのは、あの日コロニーの空を飛ぶザクを目の前で見つけた時以来で……なんていうか凄いんだよ。
「そうねぇ、アリアちゃんはどこに座ってもらおうかしら……うん、ちょうどアルフレッド君の隣が空いてるわね。席はあそこでいいかしら?」
「構いません、先生」
クラスの担任が言うと、その子は僕の隣の席へ歩み寄ってくる。席の間を歩き、その後ろをクラスメイトが好奇の視線を向けても、その子は気にした様子もなく無表情だった。
そして、僕隣の席に立ってその子は透き通る綺麗な声で僕に語りかけてきたんだ。
「こんにちは、隣……宜しいですか?」
「あ、う、うん! ぼ、僕『アルフレッド・イズルハ』よろしくね!」
「アリア・レイです。好きに呼んでくださいアルフレッドさん」
微笑みと共に名前を呼ばれ、僕の顔は自然と熱を帯びる。彼女の顔を注視できず、慌てて視線を逸らしてしまったが彼女は気にした様子もなく……いや、実際気にしていないようでその視線は前を向いている。
僕はバレないように彼女の横顔を見て、そこで既視感を覚えた。でもおかしい、こんな女の子を知ってたら忘れるはずがないからだ。
数秒考えて、僕はようやく思い出した。そうだ……この子は空港で連邦の人達と一緒にいたんだ、って。
その日は友達と一緒にモビルスーツを探していて、その中で偶然空港の中で見つけた一際物々しい場所で浮いたようにいた彼女。
思わずプレゼントでもらったカメラで撮っていたことを思い出して、僕は自然と非日常に胸がざわつく思いがした。
そして、ここから僕の短いけど凄く濃密な日々が始まったんだ。僕はこの日々を絶対に忘れない。
……彼女には最初から最後まで殆ど相手にされなかったけど、これは僕の初恋で失恋の物語だ。
アルには劇薬すぎる出会い
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