機動戦士ガンダムーRavens descend on U.C.ー   作:シャア、あんたちょっとセコイよ!

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レイヴンのギミックの一部を公開ですわね


80.Perilous star and lucky star

「……眠っ」

 

 アリアのなんとなしに零れた呟きが木霊する。バイザー内のモニターへ映し出されるのは広大な宇宙空間と陣形を組む艦隊と展開されたモビルスーツたち。

 

 そして視界の端には作戦開始を示す時刻までが1秒、また1秒とカウントを刻む。

 少し離れた地点には自分たちが攻め込むジオンの宇宙要塞ソロモンの姿があり、その特徴的な形からアリアは昔テムがお土産として持って帰ってきた日本(ジャパン)のお菓子の『コンペイトウ』のようだと呑気に思った。

 

 現在の時刻はいつものアリアならまだ寝てる時間であり、その目も何処か眠たげで先程からしきりに欠伸を繰り返していたりする。

 これから要塞攻略を開始するのに、その態度から緊張した様子が一切ない。

 

 事実、彼女は緊張してないのだろう。至って平常で動揺ひとつのない自然体でいささか浮いているようにも見えるがコクピットの中で1人だけなので問題は無い。

 

 彼女の搭乗したレイヴンは現在タイプH(重装型)とアーマー形態で最大火力を誇る実弾兵器の大型レールガン『テュフォン』の巨大な砲身を展開、その銃口をソロモンへ向けていた。

 

 そしてその周囲には球体状の上部に砲身を備えたモビルポッド『RB-79 ボール』たちの姿が。

 

 これから行われるパブリク突撃艇によるビーム撹乱膜の展開によって連邦及びジオンはビーム兵器の行使が出来ない。

 その為に敵の迎撃とパブリクの突撃時と撤退時に長距離から実弾兵器による攻撃ができるガンキャノンのキャノンやレイヴンのテュフォンによる支援砲撃をする予定だ。

 

 それ以外の速度が出るタイプのモビルスーツたちはパブリク帰還時の撤退支援を行うため先攻し、それ以外の機体は艦隊の防衛で直庵に着いている。

 アムロのアレックスは遊撃枠であり、アリアも撃ち切ったらすぐに遊撃に回る予定だ。

 

『総員、配置についたな?』

 

 くぁ……、と欠伸をまた零していると第三艦隊旗艦のマゼランからワッケインの広域通信が届く。

 

『諸君、15分だ。15分持ち耐えれば本隊が対要塞兵器を使用する。時間になればその射程範囲内から退避することを留意するように』

 

『カウント10、9、8、7────

 

 艦隊の前方に配置されていたパブリクたちのブースターへ火がともる。橙から青へ色を変え、今か今かと号令を待っていた。

 

 程なくして。

 

 ビーッ!!! 

 

 作戦開始を知らせるアラートが鳴り響き、ワッケインの号令の声が張る。

 

『3、2、1』

 

『パブリク隊、突撃せよ!! キャノン隊は彼らの血路を開け!!!』

 

「さて、仕事の時間ですね」

 

 パブリク達は一斉に突撃を開始し、レイヴン含むガンキャノン達が各々の砲門が火を吹いた。

 

 膨大な電力によってレールに発生した電磁力の反発によって装填された弾丸が勢いよく加速し、周囲へ青白い火花を撒き散らして一瞬で音速を超えた速度で撃ち出される。

 

 その弾丸は容易くパブリク達を追い越し、ソロモン周辺へ展開されていたムサイ級の船体へ突き刺さり大きく装甲を陥没させて動力炉をブチ抜いた。

 

撃ち抜かれた艦は開けられた穴から火柱を吹き出し、周囲を巻き込んで盛大に爆発する。

 

「ナイスショット」

 

『報告:冷却ガス排出、次弾装填。チャージを開始。発射可能まで残り10秒』

 

 COMからの報告と視界の隅にカウントダウンが開始された。周囲のガンキャノンなどの砲撃機も絶え間なく砲撃を続けており、その砲弾が飛んで言った先で幾つもの火球が生み出された。

 

『報告:チャージ完了』

 

 再び青白い火花が飛び散り、飛んでいった砲弾の射線上にいたジオンのモビルスーツや宇宙戦闘機『ガトル』を巻き込んでいく。

 

 艦隊前方へ展開されたビーム攪乱膜によって要塞からのビーム砲台は機能せず、仕事を終えたパブリク達は全力で後退しているところを迎撃に出たガトルやモビルスーツ達をこちら側のモビルスーツ達が迎え撃った。

 

「よっと」

 

 アリアは丁度パブリクの後ろを狙っていたリック・ドムに向けてレールガンの引き金を引けば粉々に砕き、その背後にいたガトル諸共スクラップへ姿を変える。

 

『支援感謝する!!』

 

「仕事ですのでっと……」

 

『報告:残弾残り50%』

 

 撤退中のパブリクのパイロットからの言葉に返しつつ、アリアは再度レールガンを数発撃った所で残弾が切れた為にホワイトベースへと帰還するために付近のガンキャノンへ通信を入れた。

 

「アーマーを換装し、遊撃へ回ります」

 

『わかった! アリアちゃん、前線を頼むよ!』

 

『アムロ共々頼りにしてるぞ』

 

「はい、ジョブさんハヤトさん。あとは頼みます」

 

 中央カタパルトへ着艦し、格納庫へ入ればアリアはすぐに中の作業員たちへ声を上げる。

 

「遊撃に出ますので中量型(タイプS)の換装を!」

 

『了解した! すぐに仕上げる!!』

 

 レイヴン専用の格納デッキへその身体を収めれば周囲からアームが伸び、レイヴンのアーマーを外していく。

 外されたアーマーは収納され、ものの数分でレイヴンの素体となる姿が現れたがすぐにその身体へ別のアーマーが装着された。

 

 タイプHよりも幾分か細身となったレイヴンは終わるや否や壁にかけられていた大型ライフルを装備し、カタパルトで射出される。

 

 背部の大出力メインブースターから膨大な炎を吹き出し、既存のモビルスーツを超えるほどの速度によってあっという間に前線へと突入した。

 

「まずひとつ」

 

『え────?』

 

 ちょうど進路上にいたリック・ドムを右手のライフルで撃ち抜き、左手のライフルの下部バレルの拡散ビームでガトルの編隊を纏めて火達磨へと変える。

 

『ッ! コンスコン少将を墜とした片割れの奴だ!!』

 

『よくも少将を!』

 

『死ね『マガツボシ』!!』

 

「雑魚が沢山ですね」

 

 アリアのレイヴンを見て敵意を剥き出しにしてマシンガンを連射する最早型落ちどころか時代遅れとも言えるザクを擁したリック・ドムの小隊が襲いかかるが対してアリアからの感想は酷く淡白なものだ。

 リック・ドムからのジャイアントバズを避けることなく受け止めればその漆黒の装甲へ着弾。爆炎がレイヴンを包み込む。

 

『ハハッ、ざまぁみろ!! コンスコン少将、仇をと─────

 

 リック・ドムのパイロットが喜色の声を上げた瞬間、黒煙を貫いて青白いビームがその胴体をくり抜かれたことで強制的に黙らされてしまう。

 

『なっ、ちょ、直撃だぞ!!?』

 

『なんで無傷なんだよ!!』

 

「ふーむ……ケイトさんの言ってた防護機構は問題なく作用してるみたいですね。まぁ、流石に剥がれましたけどすぐに再展開可能なのでモーマンタイでしょう。

 レイヴンの装甲自体ガンキャノンよりも堅牢ですし、ジャイアントバズですらダメージがないのなら実弾兵器は無理に避ける必要は無いですねこれは」

 

 漆黒の装甲の表面から波打つように微かな翠の火花が走り、アリアは己の機体にダメージがないことを確認して僅かに頷いた。

 レイヴンにはAMS以外にも特殊な機構が盛り込まれている。それはアリアのクイックブーストを多用することにより発生する過負荷を軽減させるために機体表面へ薄いパルスの膜を形成し、機体全体を保護する機構である。

 

 レイヴンへ搭載された最新型の大型高出力大容量ジェネレーターだからこそ採用できた機構であり、アリアによる機体のことを全く考えない操縦に耐えうることができた。

 

 これにより実弾兵器に対しては強い防御力を確認できたアリアはお礼と言わんばかりに動揺している様子のザク達を花火へと変える。

 

「COM、敵の多いところをマーキング」

 

『承諾:目的地を設定』

 

 視界中央に戦場全体の立体マップが表示し、今の地点から程近い位置へマークが刻まれるとアリアはその地点へレイヴンを急行させた。

 

『死ねェ連邦の犬!』

 

「邪魔」

 

 進路上にいたザクがマシンガンを乱射してくるが、その弾丸はレイヴンへダメージを与えることなくすれ違いざまに一閃。上半身と下半身が動力炉ごと別れて爆発。

 

 一瞥すらせずアリアは立て続けに友軍のジムへ斬りかかっていたドムに向けてライフルの銃口を向ける。

 放たれたビームはドムの背中を穿って爆散。援護を受けたジムは僅かに手を挙げて感謝を示すが、アリアは反応すらせず移動の片手間に友軍の手助けと敵の撃墜を繰り返した。

 

 そして乱戦となっている戦域へ到着すれば、アリアは両手のライフルを構え移動中にチャージを完了していたソレを解放する。

 上下のバレルが展伸、カートリッジに押し込められていたエネルギーが解放され膨大な光条となって前方を薙ぎ払い軌道上にいたモビルスーツや戦闘機が巻き込まれ、最後にムサイ級が半ばから消し飛ばされると光となって消え失せた。

 

 ガシュンッ!! 

 

 回転機構によってカートリッジが交換され、ライフルの赤熱したバレルから排熱ガスが吹き出し冷却を開始。

 

『報告:冷却完了まで残り3分』

 

 周囲にプラズマが飛び散る中で佇む漆黒の機体は正しく、連邦へ勝利を齎しジオンへは災いを与えるその姿は『禍星(マガツボシ)』といえよう。

 そして、ジオンへ更に追い討ちのように一撃が振り下ろされた。

 

 最初は僅かな光が瞬いたかと思ったが、次の瞬間にはソロモンが光り輝く。

 

「あれは……?」

 

『推測:大量のミラーパネルによって太陽光を収束照射したものと推定。連邦の対要塞兵器と断定する』

 

「ソロモンが焼かれてますね」

 

 連邦が用意した対要塞兵器『ソーラ・システム』によってソロモンはその一部を大きく損傷、ソロモン攻略戦はこれにより連邦へ一気に傾くこととなる。




原作AC6でもリペアキット使用した時機体全体にパルスのような光が走りますし、なんか機体表面にバリアみたいに薄くパルスを張ってるからあんな頑丈なのかなーって考察してみました。
流石に本作ではレイヴンのように膨大な予算をつぎ込んで機体出力がアーマーによって複数個搭載したジェネレーターでモビルアーマー並となってるので採用できたという感じで。
普通のモビルスーツだとジェネレーターと機体内のスペースに余裕が無いので搭載不可です。搭載できても速攻パワーダウンしてしまいます。

多分ペガサス級くらいコストかかってるんじゃないんですかねこの機体?ほかのアーマー含めたら余裕で超えます。
政府高官はかかった費用を見せられた時は泡吹いて倒れました。ゴップさんは笑いました(笑うしかないとも言える)

後継機

  • 既存機体を魔改造
  • オリジナル機体
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