とある佐天の天与呪縛(フィジカルギフテッド)   作:凡の人間

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今回初春暴走、キャラ崩壊起きています。理解の上ご覧ください。


盛夏祭

「とっても楽しみですね!佐天さん!」

 

「初春~興奮しすぎ~」

 

今日私たちは御坂さんと白井さんに盛夏祭に招待されて常盤台中学女子寮に向かっている。お嬢様が見れるということなので初春がすごく燃えている。もう後ろからオーラが見えるくらいに。

 

常盤台中学女子寮に着くとたくさんのメイドさんに出迎えられた。おお、まさしくお嬢様だ。

 

少し歩くと御坂さんと白井さんがじゃれあってた。相変わらずだね。

 

「こんにちは~」

 

「相変わらずやってますね!」

 

「白井さん!ご招待ありがとうございます!盛夏祭!なんといっても常盤台中学の寮祭ですからね!」

 

「期待にたがわぬ素晴らしい催しがございますわよ。どうぞ楽しんでいってくださいな。では早速ご案内を」

 

「ちょっと待って」

 

声の方を見ると青髪の髪をあげた広いおでこをしたメイドさんがいた。私常盤台の寮生は知らないからわかんないや。白井さんの知り合い?

 

「ビュッフェ準備はどうするつもりだ?」

 

「あーーー忘れてましたの」

 

「あの……」

 

「ああ、紹介するわ。こちら繚乱家政女学校(りょうらんかせいじょがっこう)土御門 舞夏(つちみかどまいか)。今回の寮祭の料理も彼女の学校に指示してもらったのよ。」

 

「繚乱ってあのメイドスペシャリストを育成するっていう!」

 

「土御門 舞夏である~」

 

スカートを上げていかにもお嬢様の挨拶をしてきた。いやメイドのスペシャリストを育成するってすごいな。所作をみただけでどれだけメイドについて学んで訓練してきたか伝わる。

 

メイドさんがいる生活ってどんな感じなんだろう。私も養われたいなあ。

 

「で、こちらが私のお友達の初春飾利さんに佐天涙子さん」

 

「よろしく~」

 

「よろしくお願いします」

 

「困ったことがあったら何でも話すがよい」

 

……ちょっとこの人しゃべり方独特だな。気にするほどでもないけど。

 

「さあ白井来るのだ」

 

「ちょっ、待ってくださいまし!初春たちを放り出しては」

 

「仕事を放り出してもいいのか~」

 

「いえそんなことは決して…」

 

白井さんは土御門さんにずるずると引っ張られて奥に進んでいった。頑張れ、白井さん。

 

「じゃああたしが案内するよ」

 

 

 

「さてとどこから回ろうか行ってみたいところとか」

 

「はい!たくさんあります!こことここと……」

 

「それ今日中に回り切れないよ初春」

 

「いいえ、私たちなら回り切れます!行きましょう!」

 

「じゃあ順番に回っていきましょう」

 

 

まず私たちが向かったのはシュガークラフトの展示だ。お家とか花とかがたくさん並べられている。これ全部砂糖ってすごいな。興味出てきたし私も作ってみようかな?ていうかどんな味がするんだろう。

 

「どれ」

 

私は展示品の花びらを取って食べてみる。こ、これは

 

「果てしなく砂糖だね……」

 

「食べちゃダメじゃないですか!これ展示品なんですよ!ね、御坂さん!」

 

同意と確認を求める初春の返事に、御坂さんはたくさんのメイドさんたちに囲まれていたので対応できなかった。

「御坂様もこれおひとついかがですか?」

 

「あ、ありがとう。でも私は遠慮しとくわ」

 

「…大丈夫っぽいね、初春」

 

御坂さんってすっごく人気なんですね。レベル5だし憧れるところがあるんだろう。あんな人気者になったら私なら間違いなく浮かれちゃうね。そりゃあもう堂々と肩で風切って歩いちゃう。

 

 

「あ、あの!」

 

人気者になった時の想像をしている私に声をかけてたのは別のメイドさんだ。

 

「へ、私?」

 

「は、はい。この前助けてくれたお礼をしたくて……本当にありがとうございました」

 

「んーー?」

 

やばい全然思い出せない。私風紀委員を手伝ったり助けることあるし、ほかの人がスキルアウトに絡まれてるの見かけたら撃退している。だからどれかわからない。

 

「ちょっと失礼するね」

 

「あっ……」

 

前髪が長いため目が隠れて見えなかったのでかきあげて顔を確認する。この子は……

 

「あーーちょっと前にコンビニの前でスキルアウトに絡まれてた人?」

 

「そ、そうです!お、覚えててくれてたんですね」

 

やけにもじもじしながら喋るメイドさん。あ、目見られるのいやだったのかな。コンプレックスだったかもしれないし。

 

「あ~お礼は大丈夫よ、さっき髪上げてごめんね。じゃあ私と……」

 

「「はい佐天さんそこまでです」」

 

「え?」

 

御坂さんと初春に腕をがっちりつかまれた。

 

「もう大丈夫よ、私たちはまだまだ行くところがあるからここで」

 

「あの、御坂さん?」

 

「まったく私がいるのに佐天さんは……ほら行きますよ」

 

「え、ちょっと!?二人とも!?」

 

私は二人に引きずられて部屋を出た。

 

 

次に向かったのはステッチ体験。初春が小学生みたいにやりたいっていうから御坂さんと一緒に参加。刺繍なんて久しぶりにやるなあ。

 

数分後

 

よしできた。

 

「うーん、弟のカバン時より腕が落ちてるかなぁ」

 

車を縫ってみたけど前よりきれいじゃない。最近料理に夢中になっててあんまりやってなかったしまた練習しようかな。

 

「初春~どう?」

 

「あ、あはは……」

 

(とんでもない身体能力に裁縫、料理……佐天さん逆にあなたは何を持ち得ないんですか!?)

 

その後たくさんの展示を見て回ったり、茶道の体験をした。私はもちろん初春がすっごく嬉しそうだ。

 

「は!?こ、これってメイド服を体験できるんですか!?」

 

「はい、試着や撮影ができますよ」

 

どうやらここはメイド服の貸し出しを行っていて写真が撮れるらしい。人気なのか部屋はメイド服であふれかえっていた。

 

「す、すごい人気……どこ見てもメイドだらけだ」

 

「はい……申し訳ないのですがあと一着しかご用意できないんです。」

 

御坂さんはすでに着てるし、着てないのは私を初春の二人。一着が終わるまで待ってもいいけど、他のも行きたいところがあるしここは初春に譲ろうかな。……私がちょっと着るのが恥ずかしいってのもあるけど。

 

「じゃあ、初春が最初にき」

 

「いや、佐天さんが着ましょう」

 

「え、いや遠慮しているわけじゃ……それに初春お嬢様に憧れてたでしょ?」

 

「私は佐天さんがメイド服を着ている姿が見たいんです」

 

これでもかと熱いまなざしを向けてくる。な、なんか今までで一番の熱量なんだけど……。

 

「ではお願いします」

 

「いやちょっ初春!?」

 

「はい、こちらの試着室にどうぞ」

 

メイドさんも逃がさんと言わんばかりに力強く試着室のほうに押してくる。はあ、なんでこんなことに。

 

「ど、どうですかね」

 

着替えて二人の前に出た。御坂さんのやつより色が薄めでデザインが少し違うみたいだ。

ちょっと恥ずかしいな……。

 

「とってもお似合いですよ」

 

「似合うじゃない佐天さん」

 

「あ、ありがとうございます」

 

メイドさんと御坂さんはすごくほめてくれた。それで私のメイド姿が見たいといった初春は、何も言わず立ち尽くしている。

 

「初春?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時初春飾利の脳内に溢れだした存在しない記憶

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様です、飾利お嬢様。お食事の準備はできています。」

 

「ありがとう涙子。今日はパスタなのね。」

 

「はい、今日は私が作りました。」

 

「まあ、ありがたく頂くわ。つっ!!」

 

「どうかなさいましたか」

 

「いえ、さっき腕を少し痛めただけよ」

 

「これでは食べられませんね、それでは……はい、あーん」

 

「涙子!?これは俗にいうあ、あーんなのでは!?」

 

「私はお嬢様のメイドですからこれくらいやりますよ。はい、あーん」

 

「あ、あーん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうやら佐天さんは私のメイドのようですね」

 

「私初春のメイドじゃないよ!?なんで泣いてるの!?」

 

上を向いて涙流してるんだけど何があったの。御坂さんやほかのメイドたちすごく引いてるし。

 

「ああもう、涙ふきな」

 

ポケットからハンカチを取り出し涙をふく。それに初春は私のことをうっとりとした目で見つめてくる。

 

「ありがとう、涙子。それでこそ私のメイド……」

 

ああもうだめだおかしくなってる。なんかあっち側に行ってるわこれ。こうなったら……

 

「えいっ!」

 

おもむろに初春のスカートをめくる。

 

「…………きゃああああああああああああ!何をするんですか佐天さん」

 

「おかえり。どこか遠くに行ってたみたいだからさ。」

 

「お帰りじゃありません!私どこにも行ってません!」

 

「いや初春さん今回は本当にどこか行ってたわよ」(佐天さんが原因だけど)

 

結局写真を何枚か撮ってメイド服を返した。メイドの私とツーショット写真を撮った初春は今日見た中で一番満点の笑顔をしていた。

 

 

「もうお昼だし食堂いこっか」

 

「いいですね行きましょう」

 

そうしてやってきた食堂はビュッフェ形式、色鮮やかなに並べられた料理たちが目に飛び込んできた。

 

「す、すごい」

 

こんなの絶対おいしいに決まってるじゃん。美味しそうなものを見極めてひょいひょいとトレーに入れていく。その中で一際目立つケーキを見つけた。

 

「うっこのケーキ切りづらい……」

 

「盛夏祭」と中央に書かれたケーキ。こんなのきれいすぎて取れないよ~。料理してるからわかるけどこれすごい時間かかるんだよ。字とかすごく丁寧に書かれてる。でも味が気になるな~。

 

「佐天さんとらないんですか?じゃあ私が」

 

横から来た初春がナイフを手に取りすっとケーキに入れた。

 

「あーーーー!あーーーー!あーーーー!こんなきれいなケーキになんてことを!」

 

「それ、シュガークラフトを食べた人が言うセリフじゃないです」

 

初春は切ったケーキをどんどん自分の皿に乗せていく。皿がケーキであふれ出そうだ。

 

「そんなにたくさん食べられるのぉ?」

 

「甘いものは別腹っていうじゃないですか」

 

もお初春はもう食べられません手伝ってくださいって未来が見えてるんだよ私は。

 

「うっ、うう、苦しい。」

 

本当にお腹いっぱいの時に出る声がしたので見るとアンチスキルのお腹パンパンの鉄装(てっそう)さんと、それを見て呆れている黄泉川(よみかわ)先生だ。

 

黄泉川先生と目が合った。

 

「おー佐天じゃん、お前も来てたのか」

 

「げっ黄泉川先生」

 

「げっとはひどいじゃん佐天」

 

こっちに近づいてきた黄泉川先生が肩を組んでくる。

 

「佐天さん、お知り合いですか?」

 

「おーお前は幻想猛獣の時の。お前のおかげで助かったじゃん。」

 

「黄泉川さん、離してくれませんかね」

 

「で、こいつは風紀委員の手伝いとかスキルアウトを撃退してるからな。そりゃあ話すこともあるじゃん。」

 

そう、こういうことをしてるとアンチスキルとも自然と接点ができるわけで。で毎回危ないことをするなと叱られる。

 

「ま、今回はさすがに警備もたくさんいるし変なことは起こらないと思うじゃん。そういうことで、祭り楽しむじゃん。ほらさっさと見回り行くじゃん」

 

「ちょっ、動くと逆流して……」

 

鉄装さんを連れてどこかに行ってしまった。

 

 

 

「御坂さんステージで何かやるんですか?」

 

「どうして私たちに黙ってたんですか?そうか、サプライズだ!」

 

御坂さんいる席に向かうと他の子供たちが御坂さんがステージで何かやるという話を耳にしたので、初春と二人で尋ねる。多分隠してたあたり恥ずかしくて言いたくなかったんだろうなぁ。

 

「御坂御坂~白井を見つけなかったか~」

 

たくさん入った料理を運ぶ土御門さん。って白井さんいなくなったの?なにしてるんですかあの人は。

 

「黒子ならあんたがさっき連れて行ったでしょ?」

 

「それが厨房にもいない。さては逃げられたか。今日招待した友人の中に前代未聞の大食いがいててんてこ舞いなのに、いい迷惑なのだ。」

 

「まったく黒子ったら」

 

料理を運ぶ土御門さんはなにかを思い出したかのように急に足を止める。

 

「あ、そうだ。今日のステージ、楽しみにしているぞ」

 

そのまま料理を運びに行った。

 

「楽しみですね」

 

「そうだねぇ」

 

「はーっ、美味しかった」

 

「次どこいこっか」

 

私たちはお昼ご飯を食べて食堂を後にした。それにしても料理おいしかったなあ。使われてる食材とか調味料わかるから家で再現してみようかな

 

「あ、ごめん私お手洗い行ってくるから先行ってて」

 

「はあ」

 

「御坂さん様子が変じゃないですか?」

 

何をするか知らないけど、おそらく緊張しているんだろう。御坂さんって自信家ではあるんだけど、ステージ上でパフォーマンスていうイメージはないし、本人も苦手なんじゃないかな。これは「私は応援してますよ!」とかいっても逆効果だしなぁ。

 

「佐天さん何かやってますよ」

 

「え?」

 

窓の外を見ると多くの人が集まっていて中央でオークションが行われている。

 

「へえオークションかぁ」

 

「あれ、レアもののブランド品ですよね。この間見た雑誌に市場じゃ全然手に入らないって書いてありました」

 

「すご!さすが常盤台」

 

うわ私もその情報手に入れてたらやりたかったなあ。ん、なんか見覚えがある人が壇上に上がっていくのが見えるな。ってあれは

 

「固法先輩!?」

 

 

 

「先輩も意外とミーハーなんですね」

 

「へっ?」

 

固法先輩はブランド物のカバンをたくさん抱えていた。見るからにいい素材が使われているね。高く売れそー。

 

「佐天さん、そういえばお金持ってますよね。やってみたらどうですか。」

 

「確かに、やってみようかな」

 

学園都市では能力開発の報酬でお金がもらえる。私はさらに研究機関から天与呪縛を研究に協力する代わりに報酬をもらってるから前よりも入るお金が多い。

 

……まあ調べても何も出ないだろうね。別の世界のものだから。

 

「さて次の出品は……きるぐまの文具セット。まずは100円から」

 

へえあんな安いこともあるんだ。あれならすぐに手を出せる。

 

「10000円!!」

 

10000円!?あのなんて事のない文房具セットに!?壇上に上がったのは白井さんだった。

 

「白井さん、土御門さんが探してましたよ」

 

「厨房抜け出して何してるかと思えばただの文具セットに10000円って」

 

「いいえ、ただの文具セットではありませんの。なぜならこれはお姉さまが出品なさったものですから。この下敷きもノートも、いわばお姉さまの分身。あああん、黒子の果報者~」

 

10000円出したのってそういうことだったんだね。

 

「御坂さんのですか、どうりで」

 

「あなたも佐天さんの私物が出品されてたらこれくらい出すでしょう?」

 

「いや私白井さんみたいな変態じゃないんで」

 

御坂さんのステージに向かうとすでに多くの人が席に座っていた。私は初春とちょうどいい席を見つけて時間まで待つことにする。

 

「私心臓がバクバクしてきました」

 

「初春が緊張してどうするよ」

 

いやあ御坂さん何やるんだろう。おそらく練習してきたことだろうし成功してほしいな。

 

「なんでこんなとこにいんのかって聞いてんのよ!!」

 

突然ステージ裏から御坂さんの怒声が聞こえた。ステージ裏なのでほかの人には聞こえてないけど私はしっかりと耳に入った。

 

え、ちょっ、そっちで何が起きてるんですか!?もしかして誰かに襲われてる?

 

「ごめん初春ちょっと出るね」

 

「え、佐天さん?もう始まっちゃいますよ」

 

「すぐ戻るから」

 

誰にも気づかれないように気配を消してステージ裏に着いた。陰でばれないように覗くといたのは御坂さんと、知らない男の人だ。

 

「ばかああああああ!!」

 

「だあああああああああ!!?」

 

「え、ええ!?」

 

話していたであろう男の人は、椅子を持ち上げた御坂さんにビビッて逃げていった。

 

うーーんあの人は知り合いでおそらく緊張してる御坂さんに何か余計なこと言ったのかな?それで怒っちゃったとか。とりあいず無事みたいでよかった。

 

それにしてもあのツンツン頭、どこかで見たような……。




初春は佐天さん大好きなのでお嬢様に対して原作ほどテンションが高くないです。佐天さん×メイド服の化学反応で暴走したわけですね。

あと勝手にケーキ切られてあーー!って言ってる佐天さんはとてもかわいいです。


次回、乱雑開放(ポルターガイスト)?
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