7月24日
あれから三日もたった。今私は自室のベッドで寝転がっている。自分の呪いが解けて体と心が軽い。
初春に聞いたところどうやら幻想御手を使用している人が事件を起こしていている人の対応に追われている。
だからみんなにはあんまり会えていない。
「私もお手伝いしたいな……よし」
風紀委員のところにいってみよう。私には私のやれることがある。
意気込んだところで電話が鳴った。見てみると私の学校の友達、アケミだった。
「もしもし、どうしたの?」
「涙子……よかった……出てくれた……」
なにか様子が変だ。泣いていて声がいつもよりおかしい。
「何があったの!」
「私たちさ……最近噂の幻想御手を手に入れたんだ」
幻想御手……白井さんが副作用が出るっていってたな。
「それでむーちゃんとマコチンも使ってレベルが上がったんだけど……みんな急に倒れちゃった。」
「っっ!」
「意識が戻らないんだ。私ももう眠っちゃう気がして…涙子に電話したの。」
「待ってて!今どこ!すぐに……」
「もういいの。ねえ、やっぱり……ずるしちゃったのが悪かったのかな……ずるして罰が当たっちゃったんだ」
言葉が出ない。体が落ち着いてくれない。落ち着け。一度深呼吸をして口を開く。
「大丈夫だよ。ほかの眠ってる人もみんな起こすから私に任せて。みんなの呪いは、私がとくから。」
「やっぱりあんたに電話してよかったよ……あと……よろしくね」
その瞬間ケータイから鈍い音がした後に悲鳴が聞こえた。
「……行かなきゃ」
私は全速力で病院に向かった。あまりにも早いので周りの人に注目されていた気がするがそんなことはどうでもよかった。
病院はきっと以前私が運ばれたところだろう。
病院に着いたとき受付の近くに御坂さんと白井さんがいた。
「佐天さん?どうしてここに」
「私の友達が幻想御手を使用して倒れたんですよ……」
「そんな……」
「お二人はどうしてここに?」
「ええ、わたくしたちは」
「ちょっといいかな」
後ろからカエル医者が声をかけてきた。
「少しわかったことがある。見てくれないか」
「ええわかりましたわ。」
「私も行きます。自分がやるべきことをするために」
私たちはパソコンと大量の資料がある部屋に案内された。カエル医者がパソコンの前に座ってカタカタとキーボードを打ち始める。
「幻想御手の患者たちの脳波に共通するパターンが見つかったんだよ?人間の脳波は活動によって波が揺らぐんだね?それを無理に正せば……まあ人体の活動に大きな影響が出るだろうね?」
「被害者たちは幻想御手に無理矢理脳波をいじられて植物状態になった……ってこと?」
「だれが何のつもりでそんなことを……」
なんてひどいことを。これでアケミたちは……。
「僕は医者だ。それを調べるのは君たちの仕事だろ?」
「黒子」
「私も行きます。」
「ええ、ひとまず風紀委員一七七支部まで飛びますわよ!」
私たちはテレポートしてパソコンで特定を始める。でも今は木山先生のところに行っている初春がいない。
「初春にバンクを検索してもらえば……って初春がいないんですの。」
「ったく何を騒いでいるの?」
私たちに声をかけたのは風紀委員の先輩、固法先輩だ。
事情を説明すると固法先輩は少し考えた。
「そういうことならバンクへのアクセスは認められるでしょうね。」
「バンクにデータがなかったら?」
「大丈夫ですわ。能力開発を受ける学生はもちろん、病院の受診や職業適性を受けた大人のデータも保管されていますの。」
「そんなことまで調べられるんだ。すごいな学園都市。」
同一人物の脳波が組み込まれてみんなの脳を使って脳のネットワークを構築したのでは?という話になった。でもどうやってみんなの脳をつないでいるんだろう。
「考えられるとしたらAIM拡散力場かな。能力者は無自覚に周囲に力を発散しているわ。もし、それが繋がったら。」
「でも、あれは無意識下のことだし、私たちの脳はコンピューターで言えば使ってるOSがばらばらだから繋がっても意味ないんじゃ……」
「だけどネットワークが作れるのはプロトコルがあるからでしょ?」
「特定人物の脳波パターンがプロトコルの役割をしているっていうんですの?」
「あくまでも可能性だけど」
おお、何言ってるかぜんぜんわかんない。そもそも私はAIM拡散力場が出ないからネットワークにつなぐことさえできないのかな?
「でも、そうやって脳を並列でつなげば莫大な量の計算をすることができる!単独では弱い能力しか持っていない人でも、ネットワークと一体化することで能力の処理能力が向上する。それに加えて同系統の能力者の思考パターンが共有されることでより効率的に能力を扱えるようになる。」
「おそらく昏睡患者は脳の活動をすべてネットワークに使われているんじゃないかしら。」
そういって固法先輩はパソコンで検索を始める
「でたわよ。脳波パターン一致率、九九パーセント」
私たちはパソコンの画面を見て息をのんだ。なぜなら知っている人だったからだ。
「木山……春生!」
そんな……まさかあの人が……
「まずいですの!今初春は木山と一緒にいるはずですの!」
「!!」
初春が木山と一緒!?それって下手したら初春が人質に取られるじゃん!私は初春に電話を掛けるが出てこない。
「ひとまずアンチスキルに通信を……AIM解析研究所に到着したようですが木山も初春も消息不明だそうですわ。」
「私たちよりアンチスキルが早く動いたようね……私も出るわじっとしてんのは性に合わないし」
「私も行きます。私も初春やみんなを助けたい」
「お姉さまに佐天さんまで!初春も風紀委員の端くれですのいざとなれば自分で……」
「初春やアンチスキルでも太刀打ちできないことを起こされる可能性は0じゃないと思うんです。だから私たちと御坂さんで……」
「ならなおの事ここは風紀委員の私が……」
御坂さんは白井さんを触ると変な声を出した。白井さんはけがをしていてまともに動けない。
「こんな時くらいお姉さまに頼りなさい」
「お、お、おねーーーさまーーーー!」
「それじゃあ黒子はアンチスキルからの情報をまわして。佐天さん行こ。」
「はい!」
さっきまでいた部屋を飛び出し二人でとりあえず外まで走った。
「私は車止めるから佐天さんも!」
「いえ、私はいったん家に帰ります」
「ええええええええええええ!」
「ち、違いますよ!?取りに帰らなくちゃいけないものがあるんです。必要になるかもしれないので。」
そう、おそらくあれは必要になるだろう。
「じゃあ車で……」
「いえ、私は車より早いので」
人の目とか気にしてられない。私は足に力を入れジャンプして空を飛んだ。空気の面をとらえてさらに空中でジャンプする。地上より速度は遅いかもしれないが人や信号が邪魔にならないのでこっちのほうが早いはず。
最短で私は自分の家に向かった。
御坂視点
佐天さん、完全に空を蹴って移動してたわね。そういえば空気の面をとらえて空中でジャンプできるって話してたな。てっきりゲームの話してるのかと思ってたけどあれ本当だったんだ。本当に人間?
……やっぱり戦ってみたいな……
そんなことを考えていると黒子から木山が走行しているとの情報が入った高速道路の下にたどり着いた。
高速道路では戦いによる大きな音と煙が上がっている。
私はすぐに車を降りて走って上に行くための階段に向かう。
「黒子、何が起こってるの!?」
「どうやら木山が能力を使用してアンチスキルと交戦している模様ですの」
おかしい、彼女は脳を研究しているいる人で能力なんてなかったはず……
「彼女能力者だったの?」
「いえ、バンクには木山が能力開発を受けたという記録はないのですが……しかしこれは明らかに能力……それも複数の能力を使ってるとしか……」
「どういうこと!?能力ってのは一人に一つだけのはずよ!」
「木山の能力は幻想御手を利用したものではないでしょうか。何千人もの能力者の脳とネットワークという名のシナプスでできた一つの巨大な脳、もしそれを操れるのだとしたら人間の脳ではありえないことも起こせますの。……この推測が正しいなら今の木山は実現不可能といわれた幻の存在、
私が階段を登りきると木山との交戦の跡があった。車がたくさん横転していてアンチスキルの人たちも全員動けず横たわっている。
「アンチスキルが……全滅?」
立ち上る煙の中私はあたりを歩いていると車の中で眠っている初春さんを見つけた。
「初春さん!しっかりして!」
「安心していい。戦闘の余波を受けて気絶しているだけだ。命に別状はない。」
私はその声ほうに振り替えると人影があった。煙でよくわからないけどきっと……
「御坂美琴……学園都市に7人しかいないレベル5か。私のネットワークにレベル5はいないが、さすがの君も私のような相手と戦ったことはあるまい……君に一万の脳を統べる私を止められるかな?」
「止められるかな、ですって……当たり前でしょ!」
そういって私は木山に向かって電撃を放った。かなり強い電撃を放ったしこれなら……
電撃が直撃する前に木山はバリアのようなものを展開し防いだ。そして木山は風を起こし爆発させた。
「!!」
なんの能力かわからないけど直撃は防げたみたいね。でも本当にいくつもの能力を持っているなんて
「驚いたわ、多重能力者だなんて楽しませてくれるじゃない」
「そうだなこっちも驚いたよ」
「なによ、ビビったわけ?」
「違うな。この程度で私を止められると思っている、君の脳みそに驚いたと言っているんだ」
「言ってくれるわね……」
「私の能力は理論上不可能とされるあれとは方式が違う。いわば
木山は私に道路をも切断する能力を放つが横に回避してもう一度電撃を放つ。同時に能力を放つことはできないはず……これなら!
私の電撃はさっきと同じで当たらなかった。電流が誘導されてる?
「どうした、複数の脳は同時に使うことはできないと踏んでいたのかね?」
木山は私たちのいる足場を崩壊させた。
「いっ!?」
私は空中に投げ出されるが電気を操ってなんとか柱にくっついた。
なんてやつ、自分をまきこむのをお構いなしに能力をふるってくるなんて!
「拍子抜けだな、レベル5というのはこの程度のものなのか。レベル5も加えたいと思っていたが……これでは必要なかったかな?」
カチンときた。私にだってレベル5としてのプライドがあんのよ!
柱の一部を電気で操り木山にむかって放つ。
「電撃を攻略したくらいで勝ったと思うな!」
でも木山は手から光る剣のようなものを作り私のはなった攻撃は簡単に切られた。
「あれ。」
木山が指さすと私のいる足場を切り出した。
「しまっ」
私は対処が間に合わずにそのまま地面に落ちた。
本当にいろいろできるのね。
「けほっけほっ」
「御坂さん!」
どこからか声がする。この声は……
「佐天さん!来てくれたのね!」
「すみません。少し時間がかかりました。ところで初春は無事ですか。」
「ええ、上の車の中で眠ってるわ」
「そうですか……」
よかった、佐天さんが来てくれると心強い。佐天さんは強いことは確かなんだから。
「佐天涙子……能力から逸脱した原石か。君のことも研究してみたいね。」
木山はため息をついた。
「もうやめにしないか。私はある事柄について調べたいだけなんだ。それが終われば全員解放する。誰も犠牲にはしない。」
「ふざけんじゃないわよ!あれだけの人間を巻き込んでおいて人の心をもてあそんでおいてそんなもの見過ごせるわけないでしょうが!」
「そうですよ!どんな理由でこんなことを起こしたか知りませんけどあなたが原因で幻想御手使用者はまだ目をさまさないんです。」
「やれやれレベル5と原石は世間知らずのお嬢様か。君たちが日常的に受けている能力開発あれが安全で人道的だと思っているのか?学園都市は能力に関する重要な何かを我々から隠している。学園都市の教師たちはそれを知らずに180万人にも及ぶ学園都市の脳を日々開発しているんだ。まあそこに例外もいるがな。……それがどんなに危険なことかわかるだろう。」
「なかなか面白そうな話じゃない……」
すると佐天さんが口を開いた。
「私が前にでます。御坂さんは援護をお願いします。」
「え、ええわかったわ。」
佐天さん、前は戦うのを怖がっていたというか何かを恐れていた感じがしたけど意外ね。
佐天さんは私の前を出ると左の肩のほうに手を開いたと思ったら
佐天さんは短剣を構えて一瞬で消えた。
いや違う、一瞬で木山の左後方の瓦礫まで移動したんだ。そして佐天さんは上、左、右と縦横無尽に木山の周りを駆け回る。
とんでもない速さね。
「っ!まさかここまで速いとはな……だが」
たくさんのアルミ缶が宙をうき始める。
アルミ缶……まさか!
急いで私は電撃でアルミ缶をすべて吹き飛ばした。
「これで終わ」
その瞬間後ろから爆炎と衝撃が私の体に迫った。
急いで電気を操り即席の盾を用意する。
「うっ!」
盾でぎりぎり爆発は防いだけど周りの瓦礫や土に巻き込まれてほかのものと一緒に倒れこむ。
「御坂さん!」
大丈夫よ佐天さん。ぎりぎりだったけど。あとは隙を作ってくれれば直接電撃を叩き込んでやるんだから!
「意外に大したことはなかったなレベル5。さて残りは原石か。ところでなぜさっきから攻撃しない。その短剣で私を刺せばいいだろう?」
「あなたのことを止めなくちゃいけない……けどあなたは人間です。これを使って攻撃はしません!」
佐天さん……
「そうか君は優しいのだな。」
木山は空中で光のエネルギーを生成して佐天さんに向けて放った。しかし佐天さんはよけずに突っ込んでいく。だめ!避けて!
突っ込んでいった佐天さんは持っていた短剣の刃身で光のエネルギーを弾いた。
「な、なぜ効いていない!」
木山は佐天さんに気押されて倒れている私のほうによろける。
このチャンスを待ってた!
「捕まえたわよ」
「なっ!」
「ゼロ距離からの電撃……あのバカじゃないんだから、あのバカには効かなかったけどいくらあんなトンデモ能力までは持ってないわよね」
体に特大の電撃を放つ
「ああああああああああああああああ!」
「一応手加減はしといたから……」
『せんせー』
「!?」
その時突如御坂美琴の脳内に流れた木山「先生」の記憶
佐天視点
電撃を浴びせた御坂さんが木山から手を放す。けどなにか様子がおかしい。動揺か目が大きく揺れていた。
「い……今のは」
「見られた……のか……」
赤い目をした木山は頭を押さえて御坂さんを睨めつける。
「御坂さん一体何を」
「私の電気を介して……木山の記憶を」
だから「見られたのか」って言ってたんだ……木山はおかしくなったように笑いはじめる。
「フフフフフフ……あれは表向きAIM拡散力場を制御する実験とされていた。だが正体は暴走能力の法則解析誘爆実験。能力者のAIM拡散力場を刺激して暴走の条件を探るものだったんだ。暴走は意図的に仕組まれていたのさ。もっとも気づいたのは後になってからだがね。」
「人体……実験」
「!?」
人体実験。その言葉だけでどれだけ凄惨なものか想像にたやすい。背中にぞわっと嫌なものが這った。
「あの子たちは一度も目覚めることなく今なお眠り続けている。あたしたちはあの子たちを使い捨てのモルモットにしたんだ!」
言葉がでない。私は記憶を見ていないからわからないけど子供たちを大事にしていたことは木山先生のひどく後悔している悲惨な叫びで伝わる。
「だったらそれこそアンチスキルに通報して」
「23回。あの子たちの回復手段をそして事故の原因を究明するシミュレーションを行うために
甚爾さんは呪術師ではないが呪術師の世界の事情を知っていたのでわかるがこちらの世界の統括理事会にあたる呪術総監部はくそだ。保身馬鹿、世襲馬鹿、高慢馬鹿、ただの馬鹿、腐ったミカンのバーゲンセール。それで呪術師たちが等級詐欺にあったり目障りだと消されたりするらしい。
呪術の世界だけじゃない、この世界にも呪いを振りまく奴らがいるんだ。
「だからってこんなやりかた……」
「君たちに何がわかる!あの子たちを救うためなら私はなんだってする!この街のすべてを敵に回してもやめるわけにはいかないんだあああ!」
すると木山先生は突然頭を押さえて苦しみだした。
「ああああああああ!」
「ちょっと……」
「木山先生!?いったい何が……」
「ネットワークの……暴走……」
謎の言葉を言い残し木山先生は倒れた。木山先生の頭から謎の生物が出現した。
「なにあれ……」
「胎児……」
あれは……いったい何……
天使のわっかのようなものつけた胎児?はぎょろんっと赤い目を開ける。それを見た私の全身に鳥肌が立つ。
この生物は絶対にやばいと私の本能が叫んだ。
「キエエエエエエエエエエエエエエ」
戦闘描写が難しい……思ったよりも時間がかかってしまった。
まさかこの作品がここまで多くの人に見てもらえるとは思ってなかったです。謎の緊張感がありますね。いただいた感想についてですが返信は行っていませんが全部目を通してますよ!よかったら感想、ここはこうしたほうがいいという意見もあったらじゃんじゃん書いてほしいです。感想と評価は私が喜びます。あと誤字報告にも感謝しています。
次回は未定です。