《銀海総合掲示板》 作:にわか太郎
ある夏の奇妙な出会い
この世には不思議なことで満ち溢れている。
皆はふと、日常の中で違和感を覚えたことはないだろうか?道端で急にお腹が減ってしまうこと、お小遣いを無駄遣いしてしまうこと、良いはずだった雰囲気が何故かドンヨリとしてしまうこと。
そんな些細なことでいい。
いわゆる、日常の「あるある」というやつだ。
最近、俺はある出来事がキッカケで、その不思議を忘れかけていたのだが……それはさておき。
「……ケ……きゅ……」
そんな世の中の困った出来事、不可思議な事象の多くは
そして、時には絆を結んだ人間と「ともだち」になる契約を結ぶ妖怪も。そんな人間と妖怪の間を繋ぐ一種のコミュニケーションツールたる時計、それこそが「妖怪ウォッチ」というアイテムだ。
「……どう、し……」
これのおかげで、俺は今までに様々な妖怪達と縁を結んできた。無論、その中には掛け替えのない大切な「ともだち」も多くいる。だからこそ──
「──ケータくん!
「うわぁっ!?」
だからこそ、今でも不思議に思うことがある。なぜ、凡愚でしかなかった俺が「妖怪ウォッチ」の主人公、天野景太に生まれ変わっているのかと。
「……というか、大丈夫なんです?さっきから
「分かってるよ……ちょっと考え事をしてただけだってば」
「それなら良いんですけど……」
思考を切り、俺は胡座をかきながら前を見る。
すると、そこには心配そうな顔をして浮かぶ真っ白な妖怪がいた。それは妖怪執事ウィスパーだ。彼は掃除機を片手に持っており、その様子から先程まで部屋の中を掃除していたことが伺える。
「まあ、ウィスパーの気持ちも分からなくはないニャン。最近のケータは少し、考え事をしている時間が長すぎニャンね。なんかあったニャン?」
「……いや、別に何もないってば」
そして俺が座っているベッドの横で、呑気にチョコボーを齧っている猫妖怪がいた。それは、この「妖怪ウォッチ」の顔とも言えるジバニャンだ。
「……それ、絶対なにかあるやつですよね」
「ニャン」
「いや、本当に何もないから!てか、そういうウィスパーだって、最近は何か思い悩んでなかったっけ!?」
そんなに分かりやすかったかなと思いつつ、俺は図星を突かれながらも別の話題へ話を逸らした。
二人がジト目でこちらを見つめてくる。
「雑な話題の振り方でウィスね……まあ確かに。最近、
「どうせウィスパーのは何時ものことだから、気にする必要なんてこれっぽっちもないニャン」
「黙らっしゃい、このジバ野郎がっ!
「それは悩みすぎじゃない……?」
「悩みすぎっていうか忘れすぎニャン……」
俺はそう言いつつ、ウィスパーの話に耳を傾ける。ジバニャンは相変わらず寝転がったままだ。
「でも、何かを忘れているのは本当なんですよ。何か、何かを忘れてる気が…………あっ」
ウィスパーが声を漏らす。そして──
「思い出したぁぁぁ!!!」
「うるさいニャンッ!」
「ぶべらっ!!」
大声を発したと同時に、ジバニャンが
そうして白い身体が地面に叩きつけられる。
「……いてて。あーた、ちょっと酷くありませんか!?流石の
「お前が大声を出すからニャン!」
「ま、まあまあ。で、何を思い出したの?」
俺がそう言うと、ウィスパーは不気味な笑い声を上げる。その様子に思わず、俺とジバニャンはジト目になるが、それに構わず彼はこちらを見た。
「フッ……時が来るまで、ずっと黙っておくつもりでしたが。とうとう来てしまったようですね。『妖怪ガシャ』について話す、この時が!」
「……!」
妖怪ガシャ。
それは、おおもり山に存在する古びたガシャのことだ。それに特定のコインを入れ、回すことで珍しいアイテムや妖怪と
ウィスパーと初めて出会ったのもそこだ。
「……妖怪ガシャ。すっかり忘れてたけど、これからのことも考えれば行くべきだよね?」
「ウィス!つい先日まで、ケータ君が妖怪についての記憶を忘れていたのには、きっと
「えー。オレっち、暑いの嫌だから二人だけで行ってきてくれニャン」
怠そうに言葉を発し、二本目のチョコボーを口にするジバニャン。だが、そう簡単にはいかない。
「そんなこと言ってないで、たまにはジバニャンも少しは外で身体を動かしましょう?ほらほら、ほらほらほら、ほらほらほらほら!」
「しつこい、って……は、離すニャン!オレっち、この時期の外にだけは行きたくないニャアアア!?!?」
◇
おおもり山。ご神木前。
「結局、来る羽目になっちゃったニャン……」
「まあまあ、そんなことは良いじゃないですか。それよりも……これ!」
ウィスパーがご神木前の妖怪ガシャを指差す。
「思い出しますねぇ。前に来た時は、そう。あのイカカモネを倒すために、ケータ君と力を合わせて決戦に臨んだあの日以来でしょうか?」
「うん」
俺はウィスパーの言葉に首肯する。
「ま、それはともかく。ケータきゅん、さっそくガシャを回しちゃいましょう!さっき
「そうだね。てか、思ったんだけどさ。このコインってどこで手に入れたの?」
「え?それは、その……」
ウィスパーがもじもじと身体をくねらせている。
そして、それをジト目で見る俺とジバニャンの視線に耐えきれなかったのか、彼は情報を吐いた。
「丁度、そこら辺の道端に落ちていたコインを何枚か拾ってきました。ウィス……」
「……ふーん。それじゃあ、これ使えないコインって可能性もあるんじゃ」
「あ、そこはご心配なく。ちゃんと使えることは確認しておりますゆえ、安心して使ってください」
「本当かな……?」
疑わしげな表情を浮かべながらも、俺はそのコインをガシャに入れ、慣れた手つきで回していく。
──ガシャガシャ、ガシャガシャガシャ。
小気味のよい音が辺りに響き、それに反応するかのように蝉の鳴き声が山中を満たす。やがてガシャを回し切ると、金に輝くガシャ玉が出てきた。
「おお、これは!!」
ウィスパーが喜色に満ちた声を上げる。
そして珍しくジバニャンも目を輝かせていた。
それはそうだろう。何せ、この色のガシャ玉には基本的にハズレのアイテムは入っていない。大当たりである確率が高いのだ。もしかしたらS
かく言う俺も、今は期待に胸を膨らませている。そうしてガシャ玉に手をかけ、力強く捻った。
すると、辺りには眩いまでの光で満ち溢れる。
「うわぁぁぁっ!?」
「な、何が起こったニャン!?」
「目っ、目がァァァァァッ!?」
驚愕の表情を浮かべる俺達。
しかし、事態は待ってくれるはずもなく。刻一刻と光が晴れていき、元の景色に戻っていくと──
「……え?」
「……ウィス?」
「……ニャン?」
目の前に見慣れない男性が立っていた。
「──なるほど。よもや、こういう形での顕現になろうとは。元より覚悟の上ではあったが……これは些か、予想外というべきか。それとも
それは軍服を着用した金髪の美青年の姿。
肉体は均整が取れており、まるで人体の黄金比とでも言うべき肢体。そして、身体から溢れる
そして、何より──俺は
「なんで……」
「……ふむ。私を呼び出したのは卿かね?」
黄金の獣、ラインハルト・ハイドリヒ。
それは、この世界に俺が産まれるよりも前。前世の記憶にある、とあるゲームに登場するはずの架空の人物。それは本来、この世界には決して存在するはずのないものだ。そんな存在が、なぜ──
「なんかヤバそうな奴が出てきたニャン……」
「というか彼、人間じゃないんでウィス……?」
ジバニャン達が顔を見合わせ、小声で話している。だが、そんなことはいい。それよりもだ。
「……うん。えっと、貴方は」
「これは失礼した。私の名はラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ。見ての通り、どうということのない。ただの、つまらん男だよ」
ヨーデルヨーデルヨーデルヨーデル
※ちなみに今の獣殿は短髪碧眼です。
このまま番外編を続けるか
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続ける
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時間が掛かってもいいから本編はよ
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たまに投稿する程度にしてほしい
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外伝小説として執筆してほしい