《銀海総合掲示板》   作:にわか太郎

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有翼世界アリファーバ

 

1:プリンス・ダカール

大魔王から許可も貰い、ようやく有翼世界に足を運べることになったよ。条件付きだけどね

 

2:名無しの不適合者

出たわね()

 

3:名無しの不適合者

……え、マジで大魔王も着いてくるの?

 

4:勇者ハロルド

らしいね

 

5:通りすがりのお嬢様民

私達に興味が湧いたのではなくて?

 

6:名無しの不適合者

はー待て待て、急展開すぎるだろ。俺、まだ理解が追いついてないんだけど???

 

7:名無しの不適合者

>>6 状況を飲み込め…鬼龍のように

 

8:名無しの不適合者

やってみせろよ、>>6!

 

9:名無しの不適合者

何とでもなるはずだ!!

 

10:>>6

大魔王だと!?

 

11:名無しの不適合者

>>10 飲み込めてなくて草

 

12:名無しの不適合者

まあ冗談抜きにしても、単純に監視目的とかじゃないの?ワイらが問題起こしたら即時、その場で対応できるようにとか

 

13:名無しの不適合者

あり得るかもしれないけど……

 

14:暁のホルス

うへ、何かしっくりこないんだよねぇ

 

15:名無しの不適合者

案外、一緒に旅行したいだけかも知れんぞ?

 

16:名無しの不適合者

>>15 それは分からんけど、決して無いとは言い切れんのがな

 

17:名無しの不適合者

まだ<絶渦(ぜっか)>も大規模には渦動してないし、ある程度の余裕があるんじゃねーの?

 

18:名無しの不適合者

まぁそこら辺の真偽はどうあれ、旅に支障はないんだろ?だったらそのまま満喫しちゃえよ

 

19:*1全なるもの

えぇ……?

 

20:名無しの不適合者

上手くいきますかねぇ

 

 

 

 

 

 

 

 

深層十二界。有翼世界アリファーバ。

 

大魔王と共に艦に乗って(しばら)く。彼の案内もあってか無事、有翼世界に辿り着くことができた。

 

ストーム・ボーダーは銀泡の外殻をすり抜け、()の世界の黒穹へと入っていく。

 

星の光がまばゆく輝きを放つ中、一行は更に降下していった。すると景色は深い深い青空へと変わる。その艦からは、無数の鳥たちが何処までも自由に飛び抜けていく光景が見えたのだ。

 

そうして彼らは艦外へと足を運ぶ。

 

「おぉ……!」

 

「これは……確かに壮観だ。これほどの絶景を見れた、それだけでも深層十二界に訪れた甲斐は十分にあったと言えるよ。ありがとう、大魔王」

 

ネモが振り向きざまに発した感謝の言葉に、後方に控えているジニアは笑声をこぼした。

 

「礼などいらぬ。若者の楽しむ姿が、老人にとっては何よりの喜びでのう。それでこそ、お前達をここに連れてきた甲斐があったというものじゃ」

 

大魔王とネモは、互いに笑みを浮かべている。

 

「それにしても、本当に空気が美味い世界だな」

 

そんなネモ達の横で、眼鏡を掛けた青年とも中年ともとれる人物──『異世界おじさん』こと嶋㟢陽介(しばざきようすけ)が、リムル達と雑談を交わしていた。

 

「俺が行った異世界(グランバハマル)も自然豊かだったが、ここまで澄んだ空気じゃなかったな。何より、その……なんて表現すればいいんだ?空気が──」

 

「──空気が軽い、か?」

 

リムルがおじさんの疑問に答えた。

 

「そう、それそれ」

 

「あー、それな。有翼世界の秩序によるものらしいぞ。ここの空気、瞬間的にではあるが、手で掴めるような性質もあるって」

 

「……そういうのって分かるものなのか?」

 

「さっき、シエルさん(相棒)がこの世界の秩序を解析してくれてね。……にしても解析結果を教えてくれたのは良いんだが、妙に上機嫌だったんだよな」

 

彼は「まさか……」といった様子で、その表情をコロコロと変えている。そんな時だった。

 

『皆、見えてきたよ』

 

思念通信(リークス)>の声が聞こえてきた。ネモの声だ。

 

艦内に残っているメンバーにも聞こえるように、魔法を通して、全員に語りかけているようだ。

 

「あれが……」

 

『ああ。銀水聖海に幾つか点在すると言われる、魔力と想いの溜まり場である《(ふち)》。その内の一つ、<有翼(ゆうよく)風淵(ふうえん)>と呼ばれるものがあれだ』

 

眼前に広がる空の光景。

 

それは光の柱であり、その正体はキラキラとした輝きを放つ無数の羽根だ。その羽根が空に舞い上がっては、巨大な光の柱を形成している。

 

有翼(ゆうよく)風淵(ふうえん)>。

 

それは地を這うことしかできない人々の、空への憧れが具象化した《淵》と言われている。

 

そうして具象化された想いは羽根となりて、それらは空へと舞い上がる。舞い上がりし羽根の一つ一つが、人々の空への憧憬そのものなのだ。

 

『……よし。皆も長旅で疲労が溜まっているだろうし、どうせならこの空の下でピクニックでもと思うんだけど……君達はどうしたい?』

 

ネモの言葉にマリーンはこくこくと頷き、他のメンバーも同意の意思を見せている。

 

銀海に出てからというもの、彼らが艦外へ出られた回数は片手で数える程度しかないのだ。

 

『分かった。マリーン、着陸準備を始めてくれ』

 

「あいあい、キャプテン!」

 

マリーンは着陸の手筈を整え、艦内に居た全員は、外に出るための荷物を纏めている。

 

ネモも、他のメンバーも、大魔王でさえ喜色満面といった様子でその顔には笑みを浮かべていた。

 

「さて、僕も──」

*1
元首ニキ




皆で楽しくピクニック──。
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