スキル【10匹の熊】   作:switch2当選しました

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ダイアナ・デルタ登場

47/ 支度金を持ってくるタイプの加入者

 

ジュリエット・ジャガーから、推薦のダイアナ・デルタをアサヒたちの元へ向かわせると連絡があった。

ついでにとアサヒから川瀬カナエの加入について知らせると、歓迎するとのこと。

しかし【自然回復】は彼女にあまりウケておらず、未だ四十大魔法で遊んでいるようだった。

 

 

そして三日後の武泰市内、ホテルの一室にて。

 

「あなたたちのギルドメンバーに、このダイアナを選んでくれて嬉しいわ」

 

金色の長髪に、黒縁の四角い眼鏡。

そして白衣。

目線はアサヒよりもヒール分だけ高い。

 

ダイアナ・デルタはそんな女性だった。

 

「初めまして、朝倉アサヒです。

 まず聞かせてください、その白衣は普段着ですか?」

 

「普段は仕事中にしか着てないわよ。

 今日は初対面だから、キャラ付けのためね」

 

少々突飛な発想だが解りやすい。

また妙な奴が来た、とアサヒは思った。

 

「早速だけれどお礼を言わせてちょうだい」

ダイアナは持っていたアタッシュケースを机に乗せた。

 

「このダイアナの考えでは、この世は交換が全て!」

ケースを開くと、百ドル紙幣が満杯に詰め込まれていた。

 

「五十万ドルあるわ。

 けれど、このダイアナがこれから得られる恩恵には、これっぽっちじゃ釣り合わないでしょう!」

 

「不足分は今後の働きで返すつもりよ。

 このギルドの目的を教えてちょうだい」

 

 

 

48/ 会員制ウェブサイト『デルタトレード』

 

【共有】の完了後、ダイアナは見た目と雰囲気に似つかぬ嬌声をあげ、何度もハグし、アサヒの顔にキスの雨を降らせた。

驚きなすがままだったアサヒがなんとかダイアナを落ち着かせると、彼女は武骨な鞄からノートパソコンを取り出した。

 

「話を貰ってから準備してたものがあるのよ」

「デルタトレード?」

画面にはウェブサイトがある。

 

「このダイアナのスキル【三角貿易】を資金に変える仕組みよ。

 見て頂戴」

 

サイトは見出しのようなものが並んでいる。

 

1.健康な成人男性の身体能力一日間 2.一万ドル 3.一万二千ドル

 

一番上の一行がこれだった。

「これはこのダイアナが説明のために入力したダミーだけど。

 1は富豪の老人が得るもの。

 2は貧乏な青年が得るもの。

 3はこのダイアナが得るものよ」

 

ダイアナはそう言って続けた。

 

「1と2の希望者が埋まっている状態で、このダイアナはこの取引にスキルを発動しても良いし、しなくても良い。

 このトレードを承認するだけで、このダイアナには二千ドルが入るわ」

 

「いつの間にこんなものを?」

 

「元々構想はあったのだけれど、こんな商売危なっかしくて出来やしないのよ。

 でも今は違うわ。

 ジュリエット・ジャガーが後ろ盾になるんですもの」

 

「そういうことか」

 

ギルド、ギャング、企業、政府組織。

単身でこれを主宰すれば、あらゆる団体がダイアナの身柄を狙ったはずだ。

 

「取引の提案は会員のみ、応募は非会員でも出来るようにする予定よ。

 非会員で想定しているのは2に応募する人員ね」

 

会員はおそらく紹介制にし、富裕層で固めるのだろう。

 

「そして今回【共有】してもらって確信が持てたのだけど。

 取引の承認はギルドメンバーなら誰がやっても良い。

 このダイアナの【三角貿易】、うまく使ってちょうだい」

 

「うちのギルドに金に困ってるやつは……。

 ああ、オズさんには早めに教えておこうかな」

 

「とりあえず先ほどの五十万ドルとこれがお礼の手付だと思って。

 他にギルドのためになることがあれば何でもやるわ」

 

「参加者には自分のスキルを明記するよう義務付けられないか?

 借りたいスキルがあれば取引提案もしてみたい」

 

「いい考えね。

 組み込んでおくわよ」

 

 

 

49/ 両手を丸めて顔の横に置くと?

 

「あのっ! あの、カナエちゃん。

 さっきは聞きそびれたんですけど、あのとき猫のポーズしてませんでしたよね?」

 

「ポーズなんて取らなくても集中すれば発動するわよ。

 あんなの配信向けの設定に決まってるでしょバカじゃないの」

「エッ」

 

「でもありがとね!

 あんたたちはカナエの命の恩人!」

「ヴッ」

 

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