スキル【10匹の熊】   作:switch2当選しました

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倶楽部クレア登場

53/ 地上波ニュース、ダンジョンコーナー

 

さあ本日も始まりました!

ダンジョンニュースのコーナーです。

 

このコーナーでは、世界のダンジョンや冒険者にまつわるホットなニュースを紹介していきます。

 

司会は私、新橋シンタと。

 

解説の妹尾セイジです。

 

妹尾さん! 本日もよろしくお願いします。

 

こちらこそ。

 

さて本日のトップニュースですが、なんと言ってもこちらですね!

 

[フリップ:倶楽部クレア電撃復活]

 

はいそうなんです。

先日の負傷で復帰を絶望視されていた倶楽部クレアですが、

昨日劇的な復活を遂げました!

 

これは本当にめでたい。

奇跡ですよ奇跡。

 

ええ、めでたいですね!

このニュースで日本中が明るくなったと言っても過言ではないでしょう。

 

次点の郷原ゴンゾも世界と競える冒険者ですが、やはり倶楽部クレアは頭一つ抜けていますね。

 

順を追って説明しますと。

倶楽部クレアは先月からアイルランドのカースダンジョンでアタックをしていました。

このダンジョンは最高到達記録が七十八階層で、記録保持者はなんとあのジュリエット・ジャガー。

 

ジュリエット・ジャガーは世界中に到達記録や踏破記録を持っていますが、

お膝元とも言えるアイルランドのダンジョンで撤退、以降再挑戦しなかったというのが、ダンジョンの難易度を物語っています。

 

ジュリエット・ジャガーが撤退するほど難しいダンジョンと言うことですね。

私には想像もつきません。

 

私にだってわかりませんよ。

彼女は伝説ですからね。

 

そう! 伝説なんです。

そしてその伝説を新しく塗り替えたのが、我らが日本一位の冒険者、倶楽部クレアなんですね。

 

 

さて。

その倶楽部クレアですが、一度ジュリエット・ジャガーの到達記録である七十八階層まで到達します。

 

この時点で凄いことですよ。

 

ええ、ええ、勿論!

しかしそこで彼女を悲劇が襲います。

七十八階層でモンスターの攻撃により重傷、そして外部からの治療を阻害する呪いまで受けてしまったんですね。

 

ご存知の通り倶楽部クレアのスキル【灰銀装甲熊】はミスリルベアを召喚するスキルです。

治療系スキルやポーション等が効かないとなると、最早成す術がないですね。

 

私を含めた日本中の皆さんもそう思っていました。

一部日本の株価にもその影響が出始めていましたね。

 

トップ冒険者が稼働できないとなると、国際的な競争力が著しく下がりますから。

 

ですが!

倶楽部クレアは終わりませんでした!

 

ええ、ええ。

 

昨日劇的な復活を遂げ、病院から抜け出してその足でダンジョンに再アタック!

七十八階層どころではありません。

一気に八十階層まで到達しました!

 

ジュリエット・ジャガーを上回ったと言って良いでしょう。

 

あの伝説を! 日本の冒険者が! 上回ったのです!

 

先程新橋さんが言及した株価にも、凄まじい勢いで影響が出ていますね。

 

そうですね。

世界中がジュリエット・ジャガー亡き後のニューヒーロー、いやニューヒロインを求めていたのです!

 

次世代の伝説の座へ向けて一歩リードといったところですか。

 

このまま駆け上がって欲しいですね!

 

私も期待してますよ。

世界一位の冒険者を擁立する日本、夢がありますね。

 

と言うわけで本日のトップニュースは、

『倶楽部クレア電撃復活』でした!

 

次のニュースは……

 

 

 

54/ 武泰市第二ダンジョン受付

 

先日電撃的な復帰を遂げ、ついでとばかりに記録更新まで引っさげて帰国した倶楽部クレア。

彼女は今、冒険者の街である武泰市の、第二ダンジョンを訪れていた。

 

武泰市のしかも第二ダンジョンといえば、難易度もそれ程高くない。

本来ならば彼女のような一流冒険者が訪れるような場所ではなかった。

 

彼女がボブカットの黒髪を揺らしながら、エントランスに入ってきた瞬間、中に居た者たちは一斉に振り返った。

 

今日本で、いや世界で最もホットな冒険者なのだ。

連日のニュースで繰り返し顔が映っており、一目で彼女と解らない者はこの場に居なかった。

 

「こんにちは、手続きを頼みたいんだ」

 

「倶楽部クレアさん!?

 こ、この度はおめでとうございます!」

 

「ああ、ありがとう。

 ちょっと出来過ぎだよね。

 僕もびっくりしてる」

 

「いいえそんな!

 倶楽部さんならやってくれると信じてました!」

 

「うん。

 ところでそれよりも、手続きをお願いできるかな?

 ギルド関連はここであってる?」

 

倶楽部クレアは受付にそう尋ねた。

 

「はい、こちらです。

 もしかしてギルドを結成なさるのですか!?」

 

「ああ、いや」

 

そう言ってクレアは後ろを振り向いた。

 

受付員は今までクレアに目を引かれ、気づいていなかった。

そこには六人、統一感のないメンバーが居た。

内三人に至っては子供、もう一人はこのダンジョンでよく見かける底辺冒険者。

 

「僕が、彼らのギルドに入るんだ。

 手続きを頼むよ」

 

受付員は絶句した。

日本一の冒険者が、なぜこんな何者とも知れぬギルドに入るのか。

 

 

その疑問はやがて解消されるだろう。

日本中に轟く鮮烈な回答によって。

 

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