スキル【10匹の熊】   作:LAC

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俺 朝倉アサヒ
私 一色イロハ
あたし 上野ウサギ
このダイアナ ダイアナ・デルタ
ワイくん、私 大阪オズ
カナエ 川瀬カナエ
拙 切手キリカ
僕 倶楽部クレア
本官 景色ケイコ
妾 ジュリエット・ジャガー


外伝1 ファンタジー屋台王

ex01/ デルタ・トレードの新規投稿

 

1.【10倍】スキル所有者限定アルバイト8時間

2.日当10,000ドロベル

3.妾のキッス

 

「拙には3は不要だ。ワイくん先輩は?」

「ワイくん違いますし先輩でもないし要らないです。

 アサヒさんは? 男の子でしょ」

「俺もいいです。だってジャガーさん今ロリだし」

「お婆ちゃんのときが良かったってこと?

 ちなみにあたしもいらなーい」

「アサヒさんが老婆専なら私はどうしたら……」

「どうもしないでくれ。あと老婆専でもない」

 

高校生が四人、大学生が一人。

ギルド『10匹の熊』のギルドハウスにて、ギルドの半数を占める学生がたむろしていた。

 

倶楽部クレアが独断で、他メンバーに要不要の確認も取らず、大枚をはたいて一棟購入したビルだった。

ギルドとして特別な使い方は何もしていないが、隣にスタバがあるので学生組は割合頻繁に来ていた。

 

「てか2も大概ですよ。ドロベルって明らかに現地通貨じゃ」

「地球で使えはせんだろうな」

「記念品ですね」

「お土産が買えるかも!」

「全員夏休みで時間は有り余っているし。

 本気で旅行だと思えば、まあ悪くはないか?」

 

五人であれこれ言い合っていたが、雑談以上の意味はない。

世界に十人しかいない、特別な仲間が人手を募っているのだ。

 

「じゃあ一時間後ここに再集合で」

 

アサヒの音頭と同時に、全員がソファから立った。

各々の自室に繋がる五つの【トンネル】が開いた。

 

 

 

 

 

ex02/ 現地幼女の人気を一身に集めるロリババア

 

「てかジャガーさんがかき氷器作って配ればよくない?

 あるでしょ【鋳造魔法】」

「勿論できる。妾の鋳造は一級品だからね。

 けれど鋼の臭いで幼子らに嫌われる訳にはいかないよ」

「拙は案外好きな臭いだったが……。公園の遊具など、そんな臭いだったな」

「セラミックは魔法では出ませんね」

 

誰も買ってくればよいとは言わない。

ジャガーがそうした口実で招いていることは解っていたし、それを楽しんでいる。

 

ジャガーの言うところの『本番』が二時間後に控えており、五人はそれに向けて【氷魔法】と【風魔法】の練習をしていた。

今日は村の祭があるらしい。そこでなんとジャガーはかき氷を披露したいのだと言う。

 

【氷魔法】で氷のブロックを生み出し、【風魔法】でそれを薄く削り出す。

すぐさま簡単そうにこなして見せたのがウサギ、次点は元々刃物が何でも上手いキリカ。

最低限の売り物になるまで最も時間がかかったのは、生粋のマジックユーザーの筈のオズだった。

 

「えーととりあえず、かき氷のシロップ的なものは用意できてるんです?

 無いなら俺が買ってきますよ」

「ああ、頼む! 近場で採れる果実はあるが、結局地球の砂糖が大量に必要となるのでな。

 最初からシロップでよかろう」

「日本のでいいですよね。あと、えーと練乳はどうしようかな。

 牛の乳って飲んでます? ここの人たち」

 

人たち。いやエルフたちか。

 

「飲んどるよ。しかし肉は食べんのう」

「了解っす」

 

一つの屋台に六人は多いだろうか。

肉が駄目なら横でツイストポテトの屋台でもやろうかなと、アサヒは考えていた。

 

 

 

 

 

ex03/ ジュリエットちゃん大人気!

 

「わぁあ! ジュリエットちゃん、ほんとうに屋台やるの!?」

「大人はいないの? 子供だけ?」

「すごい!」

 

アサヒたちの前で、ジャガーがもみくちゃにされていた。

 

「大人、いますけどね、ハハ……」

「オズさんは私たちの中で一番背が低いですから」

「いやその、慰めてほしかったんですけど」

「頼りがいもあんまりないよね!」

 

一人が幼女たちに拘束され、一人が味方に刺されて死んだ。

働き手が四人となった一行は、屋台の骨を立てていた。

 

「ここで火を使って良いんだろうか?」

 

四本の竹竿と草で編んだ萱。

毎年使っているのだろう、ジャガーがどこかから借りてきた道具は中々立派なもので、行けそうな雰囲気もある。

しかし正しい知識もなしに中で火を焚いて、延焼したら事だった。

 

「火とは? そういえば尋ねていなかったか。

 アサヒが持ってきたその追加の荷物は何だ?」

「あーこれ、ポテトです。あとセラミック包丁と竹串」

「あっわかった! ツイストポテトだ!」

「先日三人で行ったお祭りで、ウサギさんが買ったものですか?」

「そうそれ」

「拙は呼ばれていないぞ」

 

アサヒがクーラーボックスの中を見せる。

当初の目的であるかき氷シロップが四種類。残りのスペースを大量の芋が埋めていた。

 

「アサヒは別の屋台をやるということか?」

「へー面白そう。あたしもやってみたい! ショートとかで作り方見たし!」

「断ち切らないで半ばで包丁を止めるんですよね?

 料理は得意ですし、お力になれると思います」

 

その時死体が起き上がった。

 

「あの、皆さんでアサヒさんと別の屋台を始めるとですね、かき氷が私とジャガーさんだけになってしまうんですけど……」

「まあ俺ともう一人くらいで良いよ。

 揚げ物だし、人が多すぎても危ないだろ」

「ではジャンケンか?」

 

ジャンケンはできなかった。

どこかから、村落の端まで響く悲鳴が上がったからだ。




オブ・ザ・キングドラという激オモロSSを書いているのでぜひ読んで
ジジイがガキに一生説教している話です
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