陰キャだけどアイドルはじめてGBN〈惑星〉を救う話。   作:神宮寺Re ⑦

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お久しぶりです神宮寺Re⑦です〜!もう9月ですね〜!あと一年ちょいでこの作品終わらせたいところなんですけど……どうなることやら……


第十四章 -【To The Beginning】-

乱戦ミッションの騒動から一週間後になる夏休み最後の八月下旬。

あれからワタクシは遊び相手でセフレである遠野めるるの自宅へお昼頃から入り浸っていた。

 

「どこか遠いところに行ったんじゃないかって心配だったんだぞ?連絡くらいくれたっていいだろうよ?なぁ?ホノカ」

「……ちょっと自暴自棄になってていろいろとご迷惑をかけましたね」

「まぁその無事ならいいんだけどさ?で、なんでまた何もなかったように人のワイシャツ着てるわけ?恥ずかしくないのか?」

「お肌を触れ合った中なのにそこ気にします……?」

「それとこれとは話が別だろ……思春期男子のあれこれくらいあるんだからさ……」

「あれこれって?今更じゃありません?」

「……これだから唯我独尊お嬢様は」

「怒ってます?」

「怒ってないよ、んでとりあえず飯でも食わね?」

「話逸らしましたか?」

「こちとら朝から製作依頼の片付け作業してたからなにも食べてねえんだわ……」

「それはまたお疲れのようで」

「その原因が目の前に居んだけど?」

「はて、誰のことでしょう……?」

「コイツ…………」

 

なんとも思ってもみなかった変わらない毎日の戯言が、なぜだがワタクシにとってはいつもより心地よく感じて笑ってしまいそうなのを必死に堪えるので精一杯になってて……

 

「あぁそうそう料理作りのめんどいから出前でも頼まないか?」

「構いませんけれど、なぜいつも両親が居ないんです?ワタクシのこと紹介さえもできてませんよね?」

「繁忙期だから仕事いっぱいなんだろ、詳しく知らんけど」

「もしかしてブr……?」

「みなまで言うなよ?絶対だぞ?」

「コーヒーの話ですよ?眠気覚ましに」

「脈略なかったろ?どこから出てきたんだよコーヒー……」

「あ、ワタクシはミルク多めで」

「注文の多い客だな……わかったから持ってくるよホノカ」

 

◇◇◇

 

他愛もない会話から出前を頼んで昼食を食べることとなったワタクシとめるる。

……どうやららーめんというものとぎょうざ?のセットをいただくこととなり、ひと息つくことに。

 

「いまどき対面で出前なんて時代遅れじゃありません?」

「小さい頃からよく家族で頼んでてな?やっぱり最後はシンプルで素朴な街中華の味のが信頼できるんだよ」

「へ、へぇ〜」

「なにもわかってないようだな!説明しよう!街の中華屋さんってのはな!あのだな!」

「……その話どれくらいかかります?麺が伸びません?」

「すこしくらい僕の話くらい聞けよ!」

「あ〜その、めちゃくちゃ暑いのでシャツ脱いでいいです?」

「おまっ!?下になにもつけてねえだろうがよ!やめろよ!火傷すんぞ!?」

「じゃあ……いっそのこと食べ終わったら一緒にお風呂に──」

「行かねえよ!?どこまで心許してんの!?僕たち恋人じゃないよな!?」

「もう一声欲しいですけど、だめです?」

「……この流れで!?僕のメンタル大気圏突破しちゃうが!?」

「勝手に突破しててくださいよ、あと声が大きい」

 

その一言さえあればワタクシは……

 

「僕の正式な恋人になってくれ!」

「……うーん、そう言われてもタイミングってもんがありますよね?それにワタクシいまほぼ裸なんですよ?」

「押しかけてきてそれ!?こちとら心臓が持たないけど!?」

「だからですね──」

「あ〜!振られたヤツね!都合のいい関係のがお互い楽だもんな!よし!これからも友達としてやっていこう!そうしようなホノカ!」

 

ちょっとばかり揶揄(からか)ってしまいましたけれど、反応がいちいち面白くて本当に……

 

「ワタクシがいいんですか?秀でてることがないようなただの女の子が?」

「振るならはっきりいえよ……焦らしプレイやめろよ……殺す気かよ……」

「あ〜もう……なんでそうなるんです……まったくっ」

 

彼にゆっくりと四つん這い(猫のように)になってノロノロと近づいていき、意を切らしたワタクシは迷うことなく唇を……

 

「……えっと、これはっ?なに?夢?まぼろし?」

 

ぎこちなく互いの鼻息がかかりながらも口つけをしたワタクシたち、こんなことをしても伝わらないのなんてあり得るんですか……?

 

「どこまでうぶなんですかあなたは?」

「だっていままでキスなんてしたことなかっただろうよ……」

「ワタクシはめるるの恋人になりたいんです、これでいいですか?」

「……いいのかよ僕で」

「ここまでさせておいてそれを言うなら、ここから出ていきますよワタクシ」

「あぁ!やめろ!やめろ!警察に職質されるからそれだけはやめてくれ!」

「で、そちらは?」

「よろしく……ってかもうラーメンが伸びきってんじゃん!」

「だから言ったじゃないですか〜」

 

***

 

お昼を二人で食べ終えて一時間後、晴れて正式に彼氏になったワタクシのめるる……いざ名前を日常的にするとなると気恥ずかしいですけれど……

 

「ところでめるる?ワタクシちゃんとガンプラを作ってみたいと思ってるんですけど、なにからやればいいです?」

「どうしたんだよ急に?作り方なんてニッパーとやすりさえあれば良いだけだぞ?」

「でもそれってめるるが製作しているようなものには及ばないというか……」

「最初から雑誌作例並みのヤツが作れると思うか?」

「それは理解できますけど、ワタクシはそもそもプラモデルの才能なんて……」

「やってみてから考えりゃいいじゃんそんなの、はじめる前から決めつけなくてもいいんじゃないか〜?」

「……じゃ、じゃあ!なにかオススメのやつあります?そう!なんかキラキラしたやつ!とか!」

「クリアパーツが綺麗なガンプラなら積みプラにあったかなぁ?持ってくるよホノカ」

「あるんですね!さすがモデラーは性能が違いますね!」

「モデラーというか、造形師目指してるからな僕……」

「初めて聞きましたよその話」

「夢の話なんてそうそう話すことじゃないからなぁ〜いま持ってくるから待ってろ〜」

「はぁ〜い」

 

リビングからめるるは自身の部屋へとすたすたと早歩きで向かう後ろ姿がワタクシの目に映っていた。

 

◇◇◇

 

どたばたと物音が聞こえてきて、大丈夫なのかと気になりだすワタクシ。

 

「あの〜?なかったら一緒に買いに行けばよくないです〜?もう三〇分くらい経ってますよ〜めるる〜」

「あった!こんなところに!ずっと前から組みたいと思ってたけど何年も積んでたから埃だらけだ〜……」

 

なんだか気を遣わせてしまって、ちょっとというかかなり心細いのですが……

 

「これでいいのかホノカ!?」

 

少年のように目を輝かせてめるるはひとつのガンプラの箱をワタクシに差し出す。

 

「……これなんていうんです?」

「書いてあるだろそこに?“ビギニング30(サーティ)ガンダム”って」

「もけいせんし?びぎにんぐ?びるだーず?じー?」

「その主人公イレイ・ハルのビギニングガンダムの改修型でな!ガンプラを作る楽しさを知った彼が真剣に作り上げたヤツなんだよ!最高だろ!?それに!クリアパーツの多色成型ランナーが入っている現状で唯一のガンプラなんだよ!当時はかなり挑戦的で話題になってたって話でさ〜?すごくね?いままではクリアパーツは一色か二色くらいしか分けられてなかったのに五色全部ランナーに入ってるんだぜ?」

「またはじまりましたのねお得意のガノタの〜」

「ガノタってワード、ガンダムオタクだと最悪の場合には地雷踏むことになるから場所を考えて言おうな?戦争になるぞ?」

「めんどくさい人たちなんですね〜」

「数時間前のホノカに言ってくれよ」

「……なんのことですか?」

「しらばっくれやがってこの彼女は」

 

***

 

そこからめるるにガンプラの組み方をご教授してもらうこと三時間ほどでようやくワタクシのガンプラが組み上げられ──。

 

「……でっ!できましたよ!めるる!ワタクシのビギニング30ガンダムがっ!」

「おぉ!やっぱりかっこいいよな!こいつ!好きなんだよ僕!このキットも作品も!」

 

ワタクシの視界に映るひとつのガンプラ、ビギニング30ガンダムは彼の作りかたに沿ってやってみたはいいものの……色分けされて貼ったシールはよれよれでランナーから外したパーツの処理が残ってたり甘かったりで……もう見てもいられないくらいの不出来になってはいたんですが……

 

「時間を忘れてしまうくらい楽しいですねガンプラ!けど、これだとまともな状態じゃ……」

「組み上げてしまっても、また分解してキチンと作業していけばよくなっていくし〜これはこれでいいんだぜホノカ」

「そう、なのでしょうか?」

「自分の思う理想を見つけていくのがプラモデルのいいとこなんじゃん!何度だってやり直せるし!」

「じゃあまたそのときは教えてくださいね?めるる?」

「もちろん!ってか彼氏なんだからそれくらいやるだろ〜」

 

居ても立っても居られなくなったワタクシは彼の制服に着替えて、都立星羅高等学校へと向かうことに。

 

「おいっ!ちょっと!僕を置いていく気かよっ!」

「すぐに帰ってきますから!」

 

◇◇◇

 

夏休み期間の最後の週に学校に呼び出されたことになったわたし。

もうフィギュア製作の作業は山場だし、あとは何度か出力を繰り返して塗装していくだけになってはいるんだけど……どうしてホノカさんが?わたしを?

 

「ところでなんで私までいるの?カグヤとのデートがこれからあるんだけど?」

「や〜そのね?ハルナ?ホノカさんになにかあったかもしれないから保険的な?」

「人のことこき使いすぎじゃない?帰りたいんだけど……ってかまだ来ないのホノカさん?」

「あと五分くらいで来るって〜」

「アカネはどうしたの?また生徒会の仕事?」

「今日はなんか用事があるらしくて朝から居ないんだよね〜?なんか護身用にペティナイフ持ってったみたいだけど」

「まぁいいや、来たんじゃない?」

 

◇◇◇

 

ガラガラガラと扉を開けてホノカさんが部室へとやってきた。

手元にあるのはガンプラだけのようだけど。

 

「ワタクシと!ガンプラバトルをしませんかエリカ先輩!?」

「ってかその汗大丈夫?ホノカさん」

「この前は失礼な物言いをしてごめんなさいハルナ先輩……!」

 

ホノカさんは入ってきて早々に顔を合わせたハルナに頭を下げて謝罪をしていた。

 

「私は別にいいけど……エリカは?」

「ガンプラバトル用に一応アスティカシアは持ってるけどGP・デュエルするのホノカさん?」

「ぜひっ!いますぐにでも!自分のガンプラを動かしてみたいんです!……だめ、ですか?」

「やろうか!バトルっ!」

「はいっ!」

 

◇◇◇

 

「ビギニング30ガンダム!ホノカ!いきますっ!」

「ガンダムジャスティス・アスティカシア!エリカ!でるよっ!」

 

小惑星〈アクシズ〉。

機動戦士ガンダム 逆襲のシャアに登場。物語終盤シャアと一騎打ちになったアムロは地球に降りかかるアクシズを阻止するためにνガンダムで押し返そうとする。そこに現れた地球連邦宇宙軍とネオ・ジオンの両軍の機体が取り囲み、人々の想いに感応したサイコフレームによって落下は免れた。

元同人作品であり、続く機動戦士ガンダムUCではフル・フロンタルからアクシズ・ショックと呼ばれ語り継がれることとなる。

 

開始はやばやにホノカは連続射撃を撃ち込む。

展開したifsユニットと三又サーベル六本を遠隔操作兵器(ファンネル)として宇宙に飛び出していく。

高速回転する竹蜻蛉がエリカのジャスティスを襲っていた。

 

「……素組みなのにっ!この反応速度っ!本当にホノカさんが作ったの!?」

 

対応するエリカはマシンガンを連射したはいいものの、それをやりすぎたのか銃身が焼き切れてしまう形相を呈していた。

 

「これじゃ!使いものにならないかっ!」

『どうしたんですか!エリカ先輩!……気迫が足らないですよ!』

「……そこまで言われるまでも!ないけどねっ!」

 

両肩のGNドライヴを解除して両腕に持たせナックルとして使用するエリカ。

そこから打ち出された硬い握り拳がホノカの射撃武器を所持していたビギニングの右腕を容易く破壊させる。

 

『まだっ!まだ終わってませんっ!』

 

片腕が損傷したホノカのビギニングといまだ健在のエリカのジャスティス。

 

「とびきりのを!いっちゃうよ!ジャスティスアスティカシア!〈TRAMS-AM!〉」

 

エリカの掛け声に呼応したジャスティスが機体を紅く染め上げる。

 

(無理させて悪いけど……!持ち堪えてよね!アスティカシア!)

(だから未完成でトランザムはやめろっておやっさんに言われてるでしょ?なんで使うのかなぁ?)

(それよりフィギュア製作はやめに終わらせた方がいくない?)

(てかアイス食べたいんですけど〜!)

 

「うるさい!少し黙ってて!」

『誰と話してるんですかっエリカ先輩!倒しちゃいますよ!』

「できるもんなら──!」

 

両者一歩も譲らずに肉弾戦(殴り合い)を繰り広げていた。

ぶつかり合う拳と気持ちが世界を優しく包み込む。

 

『ガンプラが!こんなに楽しいなんて!はじめて知りました!もっとはやくやれば良かった!」

「わたしもだよホノカさん!」

 

お互いのガンプラが満身創痍になりボロボロになりながらも、清々しいくらい彼女たちは青春を謳歌していた。

こんな毎日が続いていくことを願って──。

 

***

 





□新規設定ガンプラ

ビギニング30ガンダム

形式番号:GPB-X80-30F/H
武装:ビームライフル
  ビームバルカン
  ビームサーベル×15
  シールド

特殊兵装
ifsユニット 

ビルドダイバーズ二次設定。
九条穂乃果がはじめて作り上げたガンプラ。めるるによって助言されながら組まれてはいるが、かなり乱雑にパーツ処理されてしまっているためガンプラバトルではかなり不利である。

***
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