(追記)
お久しぶりです。あの後、色々と設定を推敲し直した結果、小説の一部の話を削除、小説の全内容を変更することにしました。今はプロローグのみですが、対策委員会編の話も変更ないし追加していきます。
「……………先生、起きて下さい。」
声が聞こえる、遠くからのようでいてとても近いような声が。
夢と現実が混濁したようなまどろみの中で二宮は微かに聞こえる声に煩わしさを感じていた。
少しずつ眠気が覚めていくような感覚にあったが、次の瞬間…………
バシン!!!
二宮の顔に何かが強くぶつかり、一気に眠りから覚醒するとともにその何かを払い除けて飛び起きる。
完全に覚醒した二宮の目の前には太刀川慶………二宮が個人的に嫌っている男がはたくような手をして座っていた。
二宮はそんな太刀川の様子を見て、状況すぐに理解すると共に彼に対して怒りを抱く。
「おっ、やっと起きたか。さっさとしろよ、お前が最後だぜ。」
「……………………おい、太刀川。これはどういう…………いや、ここがそうなのか………?」
太刀川にキレていた二宮だったが、周囲の状況を見て冷静になり、太刀川に聞く。
そこは見慣れた二宮にとって見慣れている自室でも二宮が隊長を務める二宮隊の隊室でも無い。
そこは二宮が横になっていたソファーに観葉植物、大きめのデスクと見覚えのない景色が続いている大窓がついた執務室のような部屋だった。
「ああそうだ。迅の
「そうか………………ここが………。」
「あの……………すみません、二宮先生、太刀川先生………?」
未だ現実を受け入れられずに呆けている二宮に先程薄っすらと聞こえていた声と同じような声が話しかける。
そちらを振り向くと、白いスーツのような服を身に纏い、黒髪のロングヘアにメガネをかけ…………何よりも頭上に天使の輪っかのような円環………もといヘイローを浮かべる少女がいた。
「あの…………よろしいでしょうか……?」
「ん?ああ大丈夫だ。二宮には俺から話しとくからリンは来馬たちを連れてきてくれ。」
「分かりました。それでは少々お待ち下さい。」
そう言うと太刀川に「リン」と呼ばれた少女は一礼をして部屋を出ていく。
今の会話から二宮は来馬たちも太刀川同様に先に起きていることを悟る。
二宮はリンが部屋から出て、太刀川の他に誰もいないことを確認して聞く。
「色々と気になることはあるが、取りあえず今の状況を説明しろ。」
「そうだな。んじゃ、取りあえず俺たちが起きたときから話してくぜ。」
そして、太刀川たちが起きたときの状況を話す。
要約すると、寝ていた太刀川たちを先程の少女───七神リンが起こし、この世界──キヴォトスについて説明し、太刀川たちにキヴォトスで「シャーレの先生」というものになってくれと頼まれた。
太刀川はそれを承諾しようとしたが、来馬がまだ二宮の意見を聞いていないのに勝手に決めるのは良くないと言ったため、四人は二宮が起きるまで別室に待機していた。
少し時間が経ち、そろそろ起きるだろうということで太刀川とリンが二宮を起こしに来て今に至るということであった。
二宮は自分の意見を待つよう進言してくれた来馬に感謝するが、太刀川たちが起きた時に何故一緒に起こさなかったのか疑問に思い聞く。
「なんで、お前たちが起きたときに一緒に俺も起こさなかった。話を聞く限り、別の部屋にいたわけでも無かっただろう。」
「いやおまえがいくら起こしても起きなかったからだよ。」
(……………俺が、そんな太刀川みたいなことに……。ダメだ、こいつの前でこんな失態を晒すなど。これは俺の不覚と屈辱として戒めなければ………。)
二宮は太刀川の言葉に内心で屈辱を示していた。
その後、太刀川とキヴォトスに来る前にボーダーの上層部と話した内容の擦り合せをしていた二宮は、リンが連れてきた来馬、堤、加古と合流し、リンの案内で彼らは職場となるシャーレの本部、サンクトゥムタワーに向かうことになった。
「おーやってるやってる。話には聞いていたが、マジでみんな銃持ってんだな。」
「それに、あの二足歩行の動物やロボットも気になるわね。色々と興味を引くものが多いわ♪」
「……………お前ら、遊びじゃないんだ。呑気なこと言ってないでさっさと行くぞ。」
「何だよ二宮〜。ノリ悪いぞ〜。」
「そうよ、つれないわね。」
「まぁまぁ二人とも……。」
呑気な太刀川と加古に愚痴る二宮に、二人を宥める堤。
そして、彼らの近くにいる青い髪にリクルートスーツを少し着崩したミレニアムのセミナーに所属する生徒、早瀬ユウカもまたこの状況にぼやいていた。
「連邦生徒会に治安の悪化に対しての改善を訴えに来ただけなのに何でこんなことに………。」
「色々と言いたいことはありますが、こうなってしまったからには仕方ありません。私たちで鎮圧しましょう。」
「しかし、数が多いですね。矯正局から脱出した不良たちが暴動を起こしているとのことでしたが、かなりの規模ですね。」
「先生方は安全なところで退避をお願いします。私たちは銃弾を受けても痛いだけで済みますが、先生方はそうはいきませんので。」
トリニティの正義実現委員会に所属する羽川ハスミはユウカの言葉にやるしかないと励まし、ゲヘナの風紀委員会に所属する火宮チナツは暴動を起こしている生徒の多さに感嘆していた。
また、トリニティで自警団をしている守月スズミは二宮たちに安全なところへ退避するよう促す。
「いや、俺たちも参加する。お前たちだけにさせるわけにはいかないからな。」
「えっ!?し、しかし先生方は銃はおろか武器すら無いですよ!?どうやって戦うつもりですか!?」
「それに関しては後で詳しく説明する。今はあまり時間がないのでな、行くぞ。」
そう言うと、二宮たちはトリオン体に換装し、それぞれの武器を出現させていく。
その様子を見て、ユウカたちは非常に驚いていた。
「せ、先生!?ふ、服装が一瞬で………そ、それに何もないところから武器が………?」
「言っただろう、後で説明すると。行くぞ。」
「…………分かりました、取りあえず今はそれで納得しておきます。でも、この後にちゃんと説明して下さいね!」
「す、すごい………。」
ユウカから見て戦況は大きく傾いていた。非常に速い勢いで不良たちが倒されて統率が乱れ、不良たちは混乱に陥っていた。
太刀川は踏むと跳ねる青い板………グラスホッパーでチナツの支援の元、不良をバッタバッタとなぎ倒し、
二宮はユウカのガードの後ろから真っ直ぐ飛ぶ弾…アステロイド、曲がる弾…ハウンド、爆発する弾…メテオラの射撃によって不良を一掃、
加古は瞬間移動をするテレポーターとハウンド、体のどこからでも出現させられるスコーピオンで不良を翻弄し、ハスミの狙撃で的確に倒していき、
来馬と堤はスズミの閃光弾で動きが止まったところを
「あっという間に制圧してしまうなんて、先生たちはとてもお強いんですね!」
そんな風に二宮たちを褒めているユウカに対して、二宮はとある疑念を抱いていた。
(あの不良たちの強さはだいたいがC級、よくてB級下位程度………………しかし、かなり戦術的な動きが出来ていた。なんとか制圧は出来たが、不良たちがあのレベルの戦術を練れるとは思えん。優秀な指揮官がいると見るべきか。…………だが、それよりも、弾トリガーの攻撃を受けた時の反応が気になるな………。)
『お前ら、攻撃した時の手応えはどうだった?こっちは当たってもすぐには気絶しなかった。一、二発では痛がる程度で何度も攻撃を加えてやっと気絶した。』
『俺の方もそんな感じだ。普通弧月を生身で受けたら気絶するのに全然気絶しなかったぜ。旋空当ててようやく気絶したな。』
『ぼくたちの方も同じ感じだったよ。あ、あと少し銃弾を受けたんだけど、その時にトリオン体にもダメージが入っていたよ。』
『あ、それ俺もあったな。シールドで銃弾は防げたが。』
(トリオン体へのダメージ……これは不良たちもトリオン体になっていたということで説明が付くが、そうすると不良たちにダメージがなかったことに疑問が残る。例え生身でもトリガーの攻撃を受けて気絶しなかったのはおかしい。ユウカたちがトリオン体に換装していなかった以上、この世界の人々は元からああいう体だと考えるのが自然か……)
「わかった。取りあえず、鎮圧は完了だ。………七神か?……ああ、鎮圧は完了した。わかった、それでは先に行って待っている。」
「七神から連絡があった。先にシャーレの地下室に行って待ってて欲しいとのことだ。外の警戒は早瀬たちに任せて俺たちは地下室に行くぞ。」
「そんじゃ行くか。」
「それじゃあ、早瀬さん、火宮さん、羽川さん、守月さん、よろしくね。」
「分かりました、先生方も気をつけて下さい!」
そうして、二宮たちはシャーレの中へ入っていった。
皆さんはボーダー隊員になったら何のポジションにつきたいですか?私はシューターをやってみたいですね。合成弾とか置き弾とか面白そうですし。