トリガーアーカイブ   作:ヘラモリ

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堤大地、開眼。


プロローグ②

サンクトゥムタワーの中に入った二宮たちは手分けして地下室を探すことにした。

 

 

「不良の残党がいるかもしれん、トリガーは起動したままにしておけ。」

 

 

二宮の提案によりトリオン体の状態で地下室を探す五人。すると、堤が地下室に繋がる階段を見つけた。

 

 

「おーい、コッチに階段があったぞ!」

 

「わかった〜!今そっちに行くから先に入ってて〜!」

 

 

来馬の言葉を聞いた堤は先に地下室の中に入っていく。地下室に入ると堤は誰かがいるのを見つけた。

 

 

「うーん……これが一体何なのか、全く分かりませんね。これでは壊そうにも……。」

 

 

堤は仮面をつけた狐耳の少女にバレないように近付く。

すると、その狐耳の少女がこちらに気付く。

 

 

「……あら?」

 

(まずい!見つかった!取りあえず、気を起こさせないように……)

 

「や、やぁ、君はこんなところでどうしたんだい?」

 

「あ、ああ……。」

 

「……………?」

 

「し、し、失礼しましたーーー!!!」

 

(なんだったのかな、あの子は…。それに、久々にしっかり目を開いた気がする…。もしかしてオレの顔が怖かったのかな…。)

 

 

堤は逃走した狐耳の少女、狐坂ワカモを見てそんなことを考えていると、地下室に4人とリンがやって来た。

 

 

「遅れてすみません、堤先生。……何かありましたか?」

 

「ん?ああいや何でもないよ。」

 

「……そうですか。では、先生方にはコレをお渡しします。連邦生徒会長が先生方に残したものです。」

 

「………タブレット端末か?」

 

「はい。正しくは『シッテムの箱』です。」

 

「…………シッテムの箱…………。」

 

聞いたことはないはずの言葉、しかし来馬の耳にはやけに耳に馴染むような言葉であった。

来馬は他の4人の顔を見る。彼らもまた来馬と同じような感覚を覚えていた。続けてリンは言う。

 

 

「普通のタブレットに見えますが、製造会社、OS、システム構造、動く仕組みのすべてが不明の物です。連邦生徒会長はこの『シッテムの箱』は先生方の物で、これでタワーの制御権を回復させられると言っていました。私たちには起動することが出来ませんでしたが、先生方なら起動させることが出来るかもしれません。」

 

 

そう言ってタブレットを渡すリン。二宮はそれを受け取り、タブレットを起動する。

すると、画面が光りパスワードの入力画面が表れる。その瞬間、彼らの脳裏に1つの言葉が浮かぶ。二宮は戸惑うことなくその言葉を入力する。

 

 

『……我々は望む、七つの嘆きを。……我々は覚えている、ジェリコの古則を。』

 

ーーーー接続パスワード承認。現在の接続者情報は二宮、太刀川、加古、来馬、堤、確認できました。

 

〔シッテムの箱へようこそ、二宮先生、太刀川先生、加古先生、来馬先生、堤先生。生体認証及び認証書生成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに変換します。〕

 

 

画面から強い光が放たれ、5人は反射的に目をつぶる。

 

 

 


 

 

 

彼らが目を開くと、そこには天井が無く、壁の一部が壊れた教室のような場所であった。

空は青く澄んでおり、窓からは青い海が見える。そして、その教室の真ん中の席に一人の少女が眠っていた。

 

 

『むにゃ、カステラにはぁ……いちごミルクより……バナナミルクのほうが……。』

 

 

そんな寝言を呟く少女。寝たままにするわけにもいかないので、二宮はその少女を起こす。

 

 

「おい、起きろ。太刀川でもあるまいに…。」

 

「おいなんだと二宮。」

 

「事実を言ったまでだ。お前がいつも講義を欠席し、出てきたかと思えば遅刻するようなやつだからだ。」

 

「まあまあ、二人とも…。」

 

 

口論を始める太刀川と二宮、そしてその二人を止める来馬。すると、眠っていた少女が起きる。

 

 

『う〜ん………。…………せ、先生!?もしかして太刀川先生、二宮先生、加古先生、来馬先生、堤先生ですか?!』

 

 

眠りから覚めた少女は飛び起きる。

目の前にいるのはそれぞれ違う個性的な服を着る成人男性4人に成人女性1人。

驚くのも無理はない。だが、どうやら少女は二宮たちを知っているようだった。

 

 

『あ、そうだ!自己紹介ですね!私はアロナ!この『シッテムの箱』に常駐しているシステム管理者であり、メインOS、そしてこれから先生方をアシストする秘書です!よろしくお願いします!』

 

「よろしく頼む。俺たちの自己紹介もするか?」

 

『いえ、皆さんについてはこの『シッテムの箱』に記録されているので大丈夫です!あ、そうだ!では、先生方から形式的ではありますが、生体認証を行います!』

 

 

そして、アロナの指示に従い、それぞれアロナと指を合わせる。

 

 

『ちょっと待ってて下さいね。今確認しますので。』

 

(そこは自動認識じゃないんだね……)

 

『はい、終わりました!』

 

「流石AI、確認も早いな。」

 

『えへへ、ありがとうございます。』

 

「アロナ、早速ですまないがサンクトゥムタワーの制御権を回復することは出来るか?」

 

『はい、お任せ下さい!少々お待ち下さいね!』

 

 

しばらくしてアロナがサンクトゥムタワーの制御権を回復、回収した。

 

 

『サンクトゥムタワーの制御権を回収できました!このまま制御権を連邦生徒会に移管できますが行いますか?』

 

「ああ、頼む。」

 

『分かりました!それでは制御権を連邦生徒会に移管します!』

 

「ありがとう。また何か頼むことがあるだろうが、その時は頼む。」

 

『はい!このアロナを何時でも頼って下さい!……………あ!そういえば、先生方に一つ提案があるのですが…………。』

 

 

リンに頼まれていたことが終わり、戻ろうとする二宮たちにアロナは一つの提案をする。

 

「何だ、言ってみろ。」

 

『このシッテムの箱と先生方のトリガーを接続し、アロナが先生方のサポートをすることが出来ますが、いかが致しますか?』

 

 

 


 

 

 

 

五人の意識が戻る。どうやらリンの方でもサンクトゥムタワーの制御権の確保が確認できたようだ。

 

 

「サンクトゥムタワーの制御権が連邦生徒会に移行されたことを確認しました。それでは、先生方がこれから働くことになるシャーレとサンクトゥムタワーの施設についてご案内します。」

 

「あぁ………。」

 

 

そして、リンから説明を受ける間、二宮たちはシッテムの箱であった出来事をトリオン通信で話していた。

 

 

『いやーしかし、アロナがトリガーについて知ってたのは驚いたぜ。アロナはデータベースにトリオンとトリガーについての情報が載っていたって言ってたが、何で載ってたんだろうな。』

 

『うーん、やっぱり失踪した連邦生徒会が近界民とか………?』

 

『でも、それだとボーダーのトリガーについての情報が載っているのはおかしいわ。』

 

『………情報が足りなすぎる上にこのキヴォトスそのものがあまりにも不可解すぎる。現時点では連邦生徒会長がトリオンとトリガーについて知っている可能性が高いくらいしか分からんな。』

 

『まぁ、何にせよトリガーのサポートをしてくれるのは嬉しいよね。実質、オペレーターと同じようなことが出来るわけだし。』

 

『それもそーだな。オペレーターがいるといないとじゃかなり変わるからな。アロナが俺らの戦闘のサポートもしてくれんのは助かるぜ。』

 

 

そして、リンからの説明が終わった二宮たちはユウカたちの元に向かう。

サンクトゥムタワーの玄関にはユウカたちが待っていた。

 

 

「おー待たせたな。こっちは終わったぜ。」

 

「あっ、先生方も終わりましたか!こちらも先程ヴァルキューレの方々が来て下さって不良を護送してくれました!」

 

「そうなれば、今回はこれで終了だ。後のことは俺たちがやっておくからこれで解散………の前にお前たちにまだ俺たちのことについて話してなかったな。」

 

「あ、そうですね!先生方が何もないところから武器を出したり、爆発したり曲がったりする弾について詳しい説明をお願いします。」

 

「そうだね………取りあえず、そっちについて話す前にぼくたちがキヴォトスに来る前の話をしようか。」

 

 

そうして二宮たちは所属しているボーダーと彼らが使うトリガー、もといトリオンについてボーダーの上層部から許可をもらっている部分を掻い摘んで話し出す。

一部疑問に思う部分もあったが、ユウカたちはその説明に概ね納得してくれたようだった。

 

 

「トリオンにトリガー…………そのようなものがあるとは…………」

 

「一つ聞きたいのですが、このことについては他の方たちに話してもよろしいでしょうか?」

 

「うーん、まぁ話しちゃいけないことは無いけど、あまり言いふらすようなことは止めてほしいかな。」

 

 

来馬はチナツの質問にそう返す。

トリオンやトリガーはキヴォトスにとっては未知の存在であるが故に好奇心に走って彼らのトリガーを弄ろうとしたり、盗もうとしたりする者が現れることを警戒し、来馬たちは生徒たちにトリガーやトリオンについて話すとき、言いふらさないことを約束させることを決めていた。

 

 

「なるほど、わかりました。」

 

「取りあえず、こちらはもうこれで終わりだ。今日はこれで解散にする。火宮、早瀬、羽川、守月、今日は助かった。今後もよろしく頼む。」

 

 

ユウカたちは二宮たちに挨拶をして各々の学園に帰っていった。

 

 

これから彼らはこのキヴォトスでシャーレの先生として様々な事件や問題に立ち向かう。その先に待ち受けるものは何なのか、今はまだ分からない。




これにてプロローグは終了です。次回からは対策委員会編が始まります。
先生は来馬先輩メインで、しっかり書けるように頑張ります。

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