トリガーアーカイブ   作:ヘラモリ

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便利屋68初登場。あのワートリキャラも登場します。


便利屋68

アビドスに戻った来馬はこのまま部屋で寝ようとしたが、ホシノたちも一緒に寝ようと言ってきたのだ。

もちろん、最初は断わろうとしていた来馬だったが、もう夜遅くであり今から帰るのは色々と危ないこと、折角の機会だからみんなでお泊り会をしようということで、結局寝ることになった。

ちなみに、流石に男女が一緒に寝るのはまずいということで来馬とホシノたちは別々で寝ることになった。

結局、その夜は何事も無く過ぎて、朝を迎える。

来馬はリンに昨日の報告を済ませた後、保健室にいるセリカの元へと向かった。

 

 

「おはよう、黒見さん。腕は大丈夫?」

 

「あっ、先生。まだ赤いままだけど、痛みは引いてるから大丈夫。あ、あと……私を助けてくれて本当にありがとう、来馬先生!もし先生がいなかったらどうなっていたか……。」

 

「それを言うならぼくもだよ。黒見さんのおかげで小鳥遊さんたちが来てくれるまであの場を抑えることができたから。」

 

「……………でも、私のミスで先生にダメージを負わせちゃったし………。もし先輩たちだったらそんなことにはならなかった筈だし、アヤネだったらもっと上手く先生をサポート出来ていたし……」

 

「あ、あとその黒見さんっての止めて!何かよそよそしく感じるし………せ、先生はアビドスの一員だと思ってる。だから、これからはセリカって呼んで欲しい。」

 

「………うん、分かったよ。よろしくね、セリカ。」

 

 

自分をアビドスの一員と認め、下の名前で呼んで欲しいと言うセリカに感謝する来馬。

彼女が心を開いてくれたことが来馬にとっては非常に嬉しく感じていた。

すると、いつの間にか来てそのやり取りを見聞きしていたホシノたちがわざとらしく口をとがらせて言う。

 

 

「あぁ〜、セリカちゃんだけ名前呼びだ〜。抜け駆けするなんて、おじさん悲しいよ。」

 

「えっ、みんな!何でここに……ってかさっきの聞いてたの!?別に良いでしょ!?」

 

「ごめんね、セリカちゃん。私たちもセリカちゃんが心配で……」

 

「そうです!ここはいい機会ですし、私たちも名前で呼んでもらいましょう☆」

 

「いいね〜。それならみんな同じだしね〜。」

 

「ん、平等でいいと思う。」

 

「それじゃあ……今後は私たちも名前呼びということでよろしくお願いします、先生。」

 

「分かったよ。それじゃあ、ホシノ、シロコ、ノノミ、アヤネ、セリカ、改めてよろしくね。」

 

 

 

 


 

 

 

民間軍事会社カイザーPMCの社長室に一体の恰幅の良いオートマタ―――カイザーPMC理事が席に座り、とある書類を眺めていた。

その書類は彼が部下に命令して調べさせていたアビドスについての報告書であった。

 

 

「『アビドスはヘルメット団鎮圧の支援をシャーレの先生に要請。結果としてヘルメット団はシャーレの先生の一人、来馬先生の説得により投降。結果として、ヘルメット団を利用したアビドス校舎の掌握は失敗。』…………ふん、所詮は寄せ集めの不良集団に過ぎん。出来れば儲けもの程度の気分ではいたが、やはり失敗に終わったか。」

 

 

そう呟くと、彼はその書類をファイルにしまい、机に置かれたもう一枚の書類を眺める。

それは、彼らがとある者の協力を得て秘密裏に開発しているトリオン兵についての報告書であった。

 

 

「『現在開発中のトリオン兵、バムスターとモールモッド改・プロトタイプによるシャーレの先生の戦力調査報告―――今回の戦力調査で測ることが出来たのは来馬先生と二宮先生のみであった。来馬先生はアビドスの生徒黒見セリカと共に戦い、バムスターを撃破。しかし、モールモッドα・プロトタイプを撃破することは出来ず、モールモッド改一機で倒すことが可能である。二宮先生についてはその正確な戦力を測ることはできなかったが、トリオンキューブとトリオンキューブを合わせて射出した弾でモールモッド改・プロトタイプの機体を貫通し撃破。その戦闘能力は非常に高いと推測されるが、正確な戦力の把握には至っておらず、今後も調査が必要。』、か………。今回はモールモッド改の動作テストも兼ねていたが、そちらの方は問題無いようだな。来馬先生だけでも分かれば儲けものだと思っていたが、二宮先生の方も少しだけ知ることが出来たのは僥倖だったな。」

 

 

そうして、理事はその書類もファイルにしまい、また一人呟く。

 

 

「しかし、今回は連邦生徒会の対応が早いな。ヴァルキューレ警察学校とクロノススクールによる情報統制が早い段階で行われている。これは、シャーレの先生が主導で対応していると考えるべきか。」

 

 

彼はパソコンのニュースサイトを見ながら、連邦生徒会の対応の早さ、そしてそれを主導していると考えられるシャーレの先生への警戒を強める。

そして、電話を取り、とあるところに通話する。

 

 

『はい、便利屋68です。』

 

「仕事の依頼をしたい。」

 

 

そうして、仕事の内容を話して電話を切る。

 

 

「ヘルメット団による制圧は失敗に終わったが、次はあの『便利屋68』だ。今度こそ、奴らをアビドスから追い出すことが出来る。」

 

 

彼はカメラアイを鋭く光らせ、そう不敵に笑っていた。

 

 

 


 

 

 

対策委員会の部室に戻って来た来馬たちはアビドスの定例会議を開始する。

 

 

「本日の議題は私たちにとって最も重要な『学校の負債をどう返済するか』について、具体的な方法を議論します。今回は来馬先生も参加されるので、有意義な会議にしていきましょう!」

 

「よろしくです〜☆」

 

「よろしく。」

 

「いつもは有意義じゃないみたいな言い方に思えるんだけど………。」

 

「うへ〜、よろしくね〜先生〜。」

 

「うん、みんなもよろしく。」

 

「それでは、意見のある方は挙手をお願いします。」

 

 

そうして始まった借金返済に向けての会議であったが、出された意見は………

 

黒見セリカ:ゲルマニウムブレスレット(却下)

砂狼シロコ:銀行強盗

小鳥遊ホシノ:他学園のバスジャック

十六夜ノノミ:アイドル活動

 

といったものであり、どれもオススメ出来るようなものではなかった。

 

 

「取りあえず案は出たけど、銀行強盗、バスジャック、スクールアイドル、先生はどれが良いと思う?」

 

 

そう質問するホシノだが、隣ではアヤネが震えており、怒りを我慢しているのが来馬にも伝わってきていた。

 

 

「うーん、結論を出す前に一つぼくからも提案したいことがあるんだけどいいかな?」

 

「取りあえず案は出たけど、銀行強盗、バスジャック、スクールアイドル、先生はどれが良いと思う?」

 

「いいよ〜、じゃあ先生からの意見も聞いてからにしようか〜。」

 

 

それを聞いたアヤネは少し怒りが収まる。そして、来馬に釘を刺すような視線を向ける。

先のような変な案ではないか疑っているようだった。

 

 

「意見を出す前に一応聞いておきたいんだけど、みんなはどれくらいまで戦える?」

 

「ど、どれくらいまで戦える?うーん、どうだろう………。私たち他校の生徒と戦ったりしたことがほとんど無いのよね。」

 

「あ、でも私たちは借金返済のために賞金がかけられている指名手配犯を捕まえたりしてますのである程度は戦えますね♪」

 

「ん、それだったらホシノ先輩はものすごく強い。たぶん、ホシノ先輩と私たちで戦ってもホシノ先輩が勝つと思う。」

 

「か、買い被り過ぎだよシロコちゃん。私はそんなに強く無いよ。」

 

「でもそれと先生の案にどんな関係があるの?もしかして、変なものじゃないでしょうね?」

 

 

セリカは変な提案ではないのかと疑い、来馬に目を鋭くして言う。

来馬は変なものではないという前置きを置いた上で、続けて話す。

 

 

「ぼくの提案は傭兵……というよりは何でも屋に近いかな。つまりは他の学区に赴いて、治安維持の仕事を請け負ったり、探し物や要人警護とかの依頼を幅広く受ける事業を始めてみるのもいいんじゃないかなって思うんだ。」

 

「なるほど……それなら元手が無くとも始められるので良いと思います!」

 

「うーん……良いと思うけど、色々課題もあるよね〜。依頼の段取りはどうするか、とか。」

 

「そもそもの話をしますと、今のアビドスで始めたとして依頼が来るかどうか………」

 

「一応、シャーレの公式モモッターで告知するし、シャーレの依頼を斡旋したりも出来るから依頼が来るかどうかは何とかなると思うよ。依頼の段取り……というよりはノウハウについてはシャーレの依頼をこなしていくことで覚えられると思うからそこも大丈夫かなって思うんだ。」

 

「なるほど……それでしたら私たちでも無理なく出来そうです!」

 

「私も良いと思うわ!あまり難しいことをしなくてやりやすいし。」

 

「私も良いと思います♪」

 

「ん、銀行強盗が出来ないのは残念だけど、私もそれは良いと思う。」

 

「みんなが賛成ならおじさんも賛成だね〜。」

 

「それじゃあ、今後の負債の返済は何でも屋事業に決定だね。」

 

 

そうして、アビドスの今後の活動が明確に決定されたが、ここで来馬がとある疑問を抱く。

それについて来馬はホシノたちに聞く。

 

 

「そういえば、何でも屋事業をやる場合は会社として届け出を出す必要があるんだけど……アビドス廃校対策委員会って連邦生徒会から正式に認可されている部活なのかな?」

 

「あっ、そ、それが………こんな状況で正式な認可をもらっていなくて………。」

 

「も、もしかしてそれが無いと活動出来なかったりするの……?」

 

 

セリカは何でも屋の活動が出来ないことを危惧して来馬に恐る恐る聞く。

来馬は首を横に振り、彼が気にしているのは別の部分であることを話す。

 

 

「ううん、何でも屋の活動自体はできるんだけど………、今後借金の返済が終わって本格的に復興のためにアビドス高校として自治区の運営………つまりは生徒会としての活動をする必要があると思うんだ。でも、ぼくが調べた時、アビドスの生徒会は活動を停止していたんだ。だから、その時にアビドス廃校対策委員会が代わりを務めることになると思うんだけど、正式な認可を受けないと違法になっちゃうから、早めに確認したかったんだけど………その感じだとまだ認可はもらって無いってことで良いのかな?」

 

「そうだね〜。まだ認可はもらって無いね〜。」

 

「教えてくれてありがとうホシノ、アヤネ。それだったらぼくの方で認可の申請をしておくよ。」

 

「ありがとうございます、来馬先生!」

 

 

そうして、今回のアビドス定例会議は借金返済のお金稼ぎとしてアビドス何でも屋を始めることに決定した。

 

 

 

 


 

 

 

 

「うへ〜、みんなは何食べる?」

 

「ん、いつもの柴関ラーメン。」

 

「私も柴関ラーメンでお願いします☆」

 

「私も柴関ラーメンで………」

 

「ぼくも柴関ラーメンにするよ。」

 

「みんな柴関ラーメンじゃない……。ってか、何でまたうちに来たのよ……。」

 

 

定例会議が終わり、解散となった一同であったが、柴関ラーメンに集まってラーメンを食べていた。

ちなみにセリカはバイト中であり、ホシノたちがラーメンを食べている間も他の客にラーメンを運んだり、接客や掃除をしていた。

 

 

そうして来馬たちがラーメンを食べていると帽子を被り、ショットガンを手にした一人の少女が入って来る。

 

 

「いらっしゃいませ!何名様でしょうか!」

 

「あ、えっと……こ、このお店で一番安いメニューはいくらになりますか?」

 

「そうですね…一番安いメニューは580円の柴関ラーメンになりますね!とっても美味しいですよ!」

 

「580円ですか…!ありがとうございます!あ、あと5名です!ち、ちょっと待ってて下さい!」

 

 

そう言い残して少女は店を出ていく。少しして先ほどの少女に加えて、スナイパーライフルを持った赤い髪に角が生えている少女、白い髪に大きな鞄を持った少女、白い髪に黒のメッシュが入り角が生えている少女…………そして、ボサボサの黒髪に黒いマスクをつけた細身の青年が入って来る。

 

 

「やっと見つかったね!600円以下のメニュー!」

 

「当たり前よ、何事にも解決策はあるもの。これも想定内よ。」

 

「す、すごいですアル様!」

 

「はぁ……」

 

「さっさと食ってスタミナつけんぞ。」

 

 

ぞろぞろと入ってくる五人を見て、来馬はよく見知った顔がいたことに非常に驚き、席を立ってその名前を呼ぶ。

 

 

「えっ………、か、影浦くん!?」

 

 

その言葉に来馬の方を向く五人。すると、五人の中で唯一いる青年が来馬の姿を見て、非常に驚いた顔をする。

 

 

「………はぁっ!?来馬さん!?何でこんなとこにいんだよ!?」

 

「迅くんや忍田本部長からお話とか無かった?」

 

「あっ………そういや前に忍田さんから何か話されたな………。急に飛ばされて忘れちまってた……。」

 

「どうしたの、カゲ?知り合いの人?」

 

「俺がこっち(キヴォトス)に来る前にいたボーダーってとこの友人(ダチ)の部隊の隊長ってだ。色々と世話にもなっている。」

 

「初めまして。シャーレの先生をしている来馬辰也です。よろしくね。」

 

「あなたが噂のシャーレの先生ね!私は便利屋68の社長をしてる陸八魔アルよ。よろしく。」

 

「くふふっ、浅黄ムツキだよ〜!よろしくね〜せ〜んせっ!」

 

「あっ、えっと伊草ハルカです……。よ、よろしくお願いします………。」

 

「…………鬼方カヨコ、よろしく。」

 

「影浦くんは今この子たちと一緒にいるの?」

 

「そうだな。こっちに飛ばされてすぐに会った奴らだ。色々あってこいつらが経営してるっつー便利屋68に入れてもらった。そういや来馬さん以外にこっちに来てる奴はいんのか?」

 

「そうだね。今分かってるのは一緒にシャーレの先生をしている太刀川くんと二宮くん、堤くんと加古さん、後はミレニアムってところにいる冬島さんだね。」

 

「ゲッ、ファントムババアも来てんのかよ………。」

 

 

そうして、来馬と便利屋68が挨拶を交わしていると、セリカが大盛りのラーメンを運んでくる。

その量に五人は驚きを隠せないでいた。

 

 

「おまたせしました!柴関ラーメンです!」

 

「って何か大きくない…?どう見ても580円の量じゃないでしょこれ。」

 

 

ムツキがそう言うと、セリカと大将が答えた。

 

 

「そんなことありませんよ!確かにいつもの量ですよね、大将?」

 

「ああそうだな。もしかしたらちょいと手元が狂っていつもより多いかもしれないけどな。」

 

「ま、まぁ何れにしてもこれだけの量を食べられるのよ。しっかりと食べて腹ごしらえしなきゃね。腹が減ったらナントカよ。」

 

「それを言ったら『腹が減っては戦ができぬ』じゃない、アルちゃん?」

 

「……まぁ、取りあえず麺が伸びる前に食べよう、社長。」

 

「そ、そうね。みんな早く席に着くわよ!」

 

「来馬さん、すまねーが俺らも忙しくてな………。また、こっちが落ち着いたらシャーレってとこに伺うぜ。」

 

「うん、それじゃあ落ち着いたらまたシャーレに来てね。誰かは必ずいると思うから。」

 

 

そうして来馬は席に戻り、五人は食べ始める。彼女たちが食べ終わる頃、来馬たちは会計を済ませて便利屋の五人に挨拶をして学校に戻っていった。

そして、五人も食べ終わり、会計を済ませて店から出た時…

 

「社長、気づいてなかった?」

 

「え、な、何が…?」

 

「さっき私たちの向かいの席に座ってたやつら、アビドスの生徒だよ。」

 

「アル。今回のアビドスの襲撃、俺は参加しねーからな。」

 

「「「え?」」」

 

 

 

 

 

 

「な、な、な、何ですってーーーーー!!!???」

 

 

 

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