トリガーアーカイブ   作:ヘラモリ

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vs便利屋68です。戦術とか戦略ってこんな感じで大丈夫ですかね……?すごく不安です……。


便利屋68②

「………ちょっとカゲ、それってどういうこと?」

 

 

柴関ラーメンから場所を変え、路地裏に移った便利屋68。

カヨコは影浦の不参加について問いただしていた。

 

 

「やっぱりあの来馬せんせーがいるから?」

 

「そうだ、俺が参加しねーといったのはそれが理由だ。こっちに来る前………つまりボーダーにいたとき、来馬さんは色んな奴から慕われてたからな。かく言う俺も来馬さんを慕ってるからな。」

 

「ぐっ………!確かに私たちもラーメンを大盛りにしてもらった手前、行きづらいけど………私たちだって仕事で来てるんだからそこはしょうがないでしょ!?」

 

 

アルは影浦に仕事だから仕方ないと諭すが、その実アルもアビドスを攻めに行きたく無いという思いが強かった。

しかし、今回の依頼人は正体を明かさずともかなりの大物であると考えており、万が一失敗した場合自分たちが何をされるかわかったものではないからである。

自分はともかく大切な社員たちを守るためにもアルは良心を痛めつつも襲撃を敢行することを決めていた。

 

 

「……………それは分かってる、お前らにだってこっちに来てからは色々と世話になってるからな。だが、俺としちゃあアビドスの連中からは悪意が刺さってこなかったんだよ。それに、あのラーメンを大盛りで持ってきてくれた時のあのネコ女とイヌのおっさんからは確かに優しいっつう感情が刺さった。そう考えると、俺としちゃあ敵対したくねーんだよ。」

 

「あ、あぁぁ……。ど、どうすれば……。」

 

 

影浦は自分の言っていることが単なる感情論から来るわがままでしか無いことを理解していた。

アルたちはキヴォトスに飛ばされて来た影浦を拾い、しばらく一緒に暮らし信頼関係を築き上げた頃、彼の副作用(サイドエフェクト)である『感情受信体質』について話されており、彼のデリケートな問題について理解していた。

しかし、この場において正しいのはアルたちであり、いくら副作用の影響で感情的になりやすいといっても居候の身分でもある影浦にはアルに従う必要があった。

それでも、影浦はライバルであり友人の村上を通じて交流したときもいかつい見た目の自分にも臆したりする無く丁寧に接してくれる来馬の人柄を慕っており、またチームメイトの北添も来馬を尊敬していることもあって、敵対したくは無かった。

無論、彼は最悪便利屋68を追い出されることを承知の上で不参加を表明している。

束の間の静寂がアルたちの間に流れていたが、そんな重い空気に耐えかねたムツキが口を開く。

 

 

「どうする、アルちゃん?カゲくんは〜こう言ってるけど、アルちゃんの返事を待ってるわけだし、このまま時間を潰す訳にもいかないでしょ?」

 

「えっ、どっ、ど、どうするって私が決めるの!?」

 

「だって社長のアルちゃんが社員の処遇を決めるのは当然じゃない?私はアルちゃんの決めたことなら何でも良いし。」

 

「わ、私もアル様が決めてくださるなら………それに従うだけですので………。」

 

「まぁ、私も社長の決定ならそれに従うつもりだから。」

 

「………………。」

 

「………………取りあえず、カゲは追放しないわ。確かに私たちの仕事にカゲの協力は必要不可欠だけど、カゲの気持ちだってよくわかるもの。それにカゲがそこまで言うってことはその人はとても優しい良い人だってのは分かるわ。そして、不参加についても認めるわ。ただ、今回の仕事には一緒に来てもらうこと、私たちの視界から外れないことが条件よ。それが飲み込めるなら不参加を認めるわ。」

 

 

社長として影浦の処遇についての決定を伝えるアル。

それに、影浦は納得したように頷く。

 

 

「分かった、それで良い。すまねーな、俺のわがままに付き合わせちまって。追放ぐらいが覚悟してたんだがな。」

 

「私だってあなたの気持ちがよく分かるもの。それに、真のアウトローは不測の事態でもうろたえることなく余裕を見せるものなのよ。」

 

「流石です、アル様………!」

 

「ま、とりあえずカゲの処遇は決まったし、そろそろ行こうか。時間が無くなっちゃう。」

 

「えっ、もうこんな時間なの!?みんな早く準備して向かうわよ!」

 

 

アルの号令でいそいそと出発の準備を始める五人。

すると、カヨコが影浦に話しかけてくる。

 

 

「カゲってやっぱ優しいよね。」

 

「あ?んだよ急に。」

 

「だって、自分が参加しないって決めたときもそこで私たちを倒していれば良かったのに、そうしなかったから。」

 

「さっきも言っただろ。俺はこっちに来てからオメーらに世話になってるからあまり敵対したくねーってよ。そんだけだ。」

 

「ふふっ、じゃあそういうことにしておくよ。」

 

「…………その生ぬるい感情で刺してくんな。」

 

 

そうして、アルたちは一悶着ありつつも雇った傭兵たちを引き連れてアビドス高校へと向かっていった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

校舎に戻った来馬たちは部室で今後の活動について細かい部分を話し合っていた。

すると………、

 

 

「これは………!皆さん、敵襲です!校舎の南15km地点付近で大規模な兵力を確認!」

 

「ヘルメット団はみんなヴァルキューレに連行されたはず………」

 

「これは、日雇いの傭兵です!」

 

「へぇ〜、傭兵なんて雇うの高いと思うけどね〜。」

 

「このまま近づかせるわけにも行かないでしょ?早く行くわよ!」

 

 

セリカはすでに準備をし始めており、それに続いて来馬たちも戦闘の準備をし始める。

全員の戦闘準備が終わり、対策委員会は来馬の号令によって傭兵たちを迎え撃ちに出動する。

そして、来馬たちが校門の前に到着すると、そこには傭兵に加え、便利屋68の面々が揃っていた。

 

 

「あ、あんたたちは!柴関ラーメンのときの!せっかく特盛にしてあげたのに、この恩知らず!」

 

「ぐうっっ………!」

 

「あの時はありがとねー!でも、私たちも仕事だからぁ〜、それはそれ、これはこれってことで。」

 

「残念だけど、私たちも受けた仕事はきっちりとこなさないといけないから。そうでしょ、社長?」

 

「うふふ………もちろんよカヨコ。仕事はきっちりこなす、それが私たちのモットーよ。」

 

「相手が便利屋68ということは影浦くんも……!」

 

 

来馬はアルたちの発言から部活のようなものではなく、れっきとした企業として望んでいることを理解する。

同時に、彼は影浦が参加することを危惧していた。

ホシノたちやアルたちは知らないことだが、影浦はボーダーでもトップクラスの攻撃手(アタッカー)である。

順位やポイントこそ低いが、それは彼の副作用によるいざこざで手を出してしまったことによる懲罰でのポイントの没収が原因であり、その実力は本物である。

来馬が隊長を務める鈴鳴第一でエースをしている攻撃手4位の村上とは、個人ランク戦でしのぎを削るライバルであり、総合の勝率で上回るほどの実力者なのだ。

しかし、そんな来馬の心配は杞憂に終わる。

 

 

「いや、カゲは参加しないわ。彼の意向で参加しないことになったのよ。」

 

「だから来馬先生も安心していいよ!」

 

「オメーらにはラーメンの恩もあるし、来馬さんもいるからな。俺はあんまりこういう形で戦いたくねーんだよ。」

 

「いや、何で敵なのに参加しないなら何で一緒にいるのよ!ってか普通追い出されてもおかしく無いでしょ!?」

 

「あははっ!アルちゃん、アビドスの子たちからも突っ込まれてるよ。」

 

「だ、だって私だって本当は戦いたく無いのよ!」

 

「なら辞めれば良いじゃない!仕事でも何でも、こっちはとんだ迷惑なのよ!」

 

 

アルとセリカのコントのようなやり取りでその場の空気が緩んでいく。

しかし、このままでいるわけにもいかないとカヨコがアルに発破をかける。

 

 

「社長、このままだと収集がつかないから。せっかく雇った傭兵たちのお金が無駄になっちゃうよ。」

 

「そ、そうね!さぁ、覚悟しなさいアビドス!行くわよ、みんな!」

 

「う〜ん、やっぱこうなっちゃうか。」

 

「行くよ、みんな!」

 

 

便利屋68&傭兵集団vsアビドス廃校対策委員会の戦闘が開始する。

ちなみに、影浦は戦闘が始まってすぐ近くの家の屋根に飛び乗り、そこから観戦していた。

 

 

「死んでください!死んでください!死んでください!」

 

 

先陣を切ったのは伊草ハルカである。彼女は突撃しながらショットガンで弾をばら撒くように撃ち続ける。

一方の対策委員会もホシノが最前線で盾を構えてショットガンの猛攻撃を防ぎ切る。

続けてノノミがしっかりとホシノの後ろに立ち、ミニガンで広範囲を銃撃する。

来馬はさらに後方から遮蔽を利用してアステロイドで支援射撃を行う。

残るシロコとセリカは共に建物の陰を縫って、便利屋68と傭兵集団に側面からの奇襲を行おうとする。

 

 

「こっちから奇襲を仕掛けに行こう。」

 

「そうね。とりあえず、一度仕掛けたら一旦引いて………シロコ先輩、危ない!」

 

 

セリカは咄嗟にシロコの制服を掴んで後ろに下がらせる。

直後、ちょうどシロコの頭があった位置に狙撃が飛んでくる。

狙撃の主は便利屋68の社長、陸八魔アルであった。

 

 

『みんな、西側から二人来てるわ。』

 

「私が抑えに行く。正面は頼んだよ、ハルカ、ムツキ。社長はどうする?」

 

『二人の相手はカヨコに任せるわ。私は正面の相手をするからそっちは頼んだわよ、カヨコ。』

 

「分かったよ、社長。それじゃあ何人か傭兵貰ってくね。」

 

 

カヨコは近くにいた傭兵を何人か引き連れてシロコとセリカの元に向かい、立ち塞がる。

現在、二つの地点で戦闘が巻き起こっていた。

 

 

 

 

一方、正面にて銃撃戦を繰り広げていた来馬、ホシノ、ノノミの三人だったが、傭兵の数の有利とムツキが投げる爆弾によって少しずつ押されていた。

アヤネもヘリによる支援を行おうとしたが、互いに近い距離での戦闘になっており、下手すれば味方を巻き込んでしまう恐れがありるため出来ずにいる。

また、後方からはアルによる狙撃も飛んできており、射撃の圧力は便利屋が圧倒的優位に立っていた。

 

 

「う〜ん、やっぱり狙撃が厄介だね。的確にこっちの急所を狙ってくるよ。かなり腕が立つね。」

 

「みんなは大丈夫かい?危なくなったら無理しないで下がって。」

 

「一応大丈夫ですけど、時々飛んでくる狙撃に当たって痛いですね……。」

 

「誰かが狙撃手を抑えに行く必要があるね。」

 

 

狙撃手を抑えるためにどうするべきか考えていた来馬。

すると、来馬はキヴォトスに来る前ボーダー本部開発室長の鬼怒田から教えられた、トリガーに追加した新機能についての話を思い返し、とある作戦を思い付く。

 

 

「……………そうだ!アヤネ、ぼくのレーダーはアヤネのパソコンに表示されてる?」

 

『はい、来馬さんのレーダーはこちらでも把握出来ています。』

 

 

実は来馬はキヴォトスに合わせて使用トリガーの変更をしていた。

彼はスパイダーの他にサブトリガーの突撃銃(ハウンド)をスターメーカーに変更していたのだ。

スターメーカーは銃手(ガンナー)トリガー専用のオプショントリガーであり、弾が命中した箇所に目印を付けるトリガーであり、その情報はオペレーターのレーダーと共有されるが、共有するレーダーはトリオンレーダーであり、本来通常のレーダーに適用することは出来ない。

しかし、来馬たちシャーレの先生として呼び出された五人のトリガーは鬼怒田の手によって特別

な機能を与えられていた。

彼らのトリガーには接続端子が付いており、パソコンなどの電子機器と接続してレーダーの共有を行い、トリガー使いのオペレートをすることが可能になっているのだ。

無論、スターメーカーのマーキングにも対応しており、これを活かすことで様々な状況への対応が可能になっている。

尚、これを含めた新機能を搭載したトリガーは時間と予算の都合上、五人分しか開発出来なかったのはここだけの話である。

 

 

「だったら、ぼくに考えがあるんだけど、良いかな?」

 

 

 


 

 

 

『おっ、アビドスの子たちが引いていくね。何かあったかな?』

 

「こっちも引いていった。たぶん合流して体勢を立て直しにいくんだと思う。合流されると面倒だから、このまま詰めていこう。一応、地雷や爆弾に気をつけて。」

 

『オッケー!』

 

『はい!い、行きます!』

 

 

アルたちはシロコたちが合流される前に倒すため一気に攻めに出る。

それに対してホシノたちは広範囲に地雷や爆弾をばら撒いて応戦するが、周囲に大きな爆煙を起こすだけで、ハルカたち前衛陣には全くダメージを与えられなかった。

 

 

「ヒュー、あっちも凄い爆発だね〜!ハルカちゃんは大丈夫?」

 

「あ、はい……。あんまり爆弾が集中していなかったので………。」

 

「ハルカ、奇襲に気を付けて。こっちから離脱した二人が来てるかも。」

 

「了解です!」

 

「大詰めよ、みんな。このままアビドスを倒すわよ!」

 

 

アルたちはホシノたちをこのまま倒しに行くため、大きく前進していく。

すると、最前線を走るハルカに爆煙の中からホシノが盾を構えて突撃する。

ハルカはショットガンで盾を受け止め、その隙を逃すまいとアルの狙撃にムツキと傭兵たちの銃撃がホシノに殺到する。

ホシノはハルカを盾で弾くと、右にバックステップとローリングをして家の塀を背にしてハルカにショットガンでの牽制射撃をしつつ、盾で狙撃と銃撃を防ぎ切る。

民家の屋根から防がれたことを悟ったアルは反撃をさせまいとスナイパーライフルを構えて引き金に手を掛ける。

アルがホシノに狙撃をしようとした瞬間―――

 

 

タタタタタッ!!

 

 

「うわぁぁっ!!!?」

 

 

アルは死角から放たれた銃撃によって手を撃たれてしまい、狙撃に失敗する。

慌てながらもその場から逃げるアルは通信で今起きた出来事について話す。

 

 

「た、大変よ!こっちに来馬先生が来てるわ!今逃げてるけど、追ってきてるみたい!」

 

『……ちっ、やられた……。そういうことね……。』

 

 

カヨコは通信越しに舌打ちをしながらそう呟く。

彼女はアビドスの作戦は最初の爆発とホシノの突撃で前線を崩し、陣形を崩壊させてから倒していくものであると考えていた。

カヨコもそれを想定してハルカ含む前線組には慎重に動くように伝えており、爆弾には引っかからず、ホシノの突撃にも倒すことは出来ずとも対応して動くことが出来た。

しかし、それらは来馬が便利屋68の面々や傭兵たちに気付かれずにアルに近付くための(ブラフ)であり、結果として来馬はアルに奇襲を仕掛けることに成功した。

 

 

「取りあえず、社長はこっちと合流したほうが良いかも。先生はまだ追ってきてる?」

 

『えっと、今は……………あれ?来馬先生が追ってこなくなったわ!』

 

(追ってこなくなった?普通は逃すこと無く追ってくるはず………。社長がこっちに逃げていることを悟っていたとしても合流に時間がかかるからそれまでに倒そうとするはず……一人で来た以上はある程度の勝算があったと思うけど…………)

 

 

カヨコは来馬が追ってこなくなったというアルの報告に疑問を抱く。

彼女としてはアルがゲヘナ学園で風紀委員長を務めるヒナほどの実力者で無ければそう簡単に負けるとは思っていない。

しかし、来馬が一人で来たということはある程度の勝算もしくは仕留め切るだけの実力や策があると考えていた。

だが、結果として来馬はアルに銃撃を一度加えただけで、少し追う素振りを見せて引いていき、それがカヨコに疑念を生じさせていた。

しばらくしてカヨコたちと合流したアルは仲間のカバーがもらえる位置に陣取って再びスナイパーライフルを構え、いつの間にかホシノたちの元に戻っていた来馬を狙い、狙撃しようとする。

その瞬間、何処からか銃弾が飛んできてアルの腕に命中、アルは狙撃の中断を余儀なくされる。

 

 

「うわぁぁっ!?」

 

『どうしたの、社長!?』

 

「ま、また何処からか銃弾が……!でも来馬先生はあっちにいるはずなのに……!」

 

『撃った奴は見つけた?』

 

「ご、ごめんなさい。それが、すぐに隠れて見失ったわ……。」

 

『取りあえず、また位置を変えていこう。妨害に気を付けて。』

 

「そうね、そうするわ。」

 

 

その後、何度も位置を変えて狙撃をしようとするが、その度に銃弾が飛んできては失敗し、前線も押し切ることが出来ずにいた。

 

 

 

空が夕焼けで赤く染まって来た頃、

 

 

ゴォ〜ン、ゴォ〜ン

 

 

「あ、時間だ。」

 

「よーし、お前ら時間だ!帰るぞ!」

 

 

なんと、チャイムの音を聞いた傭兵たちは帰り支度を始めてしまったのだ。

アルたちはなんとか引き戻そうとするが、代金をケチった事を理由にそのまま帰っていった。

 

 

「あちゃー、傭兵たち帰っちゃたね。どうする、アルちゃん?」

 

「どうするも何もまだ戦うわよ。」

 

「まだやるつもり?こっちとしては帰ってくれた方がありがたいんだけどな〜。」

 

 

対峙する対策委員会と便利屋68。

すると、それぞれの元に後方でオペレートをしていたアヤネとセリカ、観戦していた影浦が戻って来る。

 

 

「傭兵たちが帰り始めたから戻って来たけど、まだ戦うつもり?」

 

「おい、雇った奴らが帰ったぞ。どうすんだ?」

 

「どうするも何もまだ戦うわよ。こっちだってこのままおめおめと逃げるわけにもいかないのよ。」

 

「それじゃあ再開する?」

 

 

再び対策委員会と便利屋68の間に緊張が走る。

すると、便利屋68たちの後ろから何者かが声を掛けてきた。

 

 

「おっ、何だ何だ。揃いも揃って。」

 

「太刀川くん!」

 

「太刀川先生……?何でここに……?」

 

「おっ、カゲもいんじゃん。久し振りだなー。」

 

「太刀川か……。」

 

「だ、誰………?」

 

「カゲが知ってるってことはボーダーの人?」

 

「あぁ、前にも話したがボーダーには攻撃手(アタッカー)っつうポジションがある。その攻撃手の中で一番強えのがそこの太刀川だ。」

 

「え!?この人が!?」

 

「おっ、お前らが便利屋68か?俺は太刀川慶、シャーレの先生をやっている。で、聞きたいんだが今どうなってんだ?」

 

「それは私から説明する。」

 

 

カヨコが名乗りを上げて太刀川にこれまでにあったことと今の状況を説明する。

太刀川はそれを聞いてウンウンと頷く。

 

 

「なるほどなるほど。つまりはこういうことだな。便利屋は依頼の達成のためにもホシノたちをアビドスから追い出したい。ホシノたちはアビドスを捨てる気は無いから戦うと………。一つ聞きたいがアル、その依頼人が何者か教えることは出来るか?」

 

「申し訳無いけど、それは無理よ。私たちには顧客の情報について守秘義務があるもの。そもそも、私たちも依頼人が何者か分からないのよ。素性を明かさずに、電話で依頼してきてたから。」

 

「何でそんな怪しい依頼受けたの……。」

 

「だって、正体不明の依頼人からの仕事とかかっこいいじゃない!私だって謎の依頼人からの仕事をこなすとかやってみたかったのよ!」

 

「あははっ、アルちゃんらしいね!」

 

「ふむふむ、なるほどなるほど………。」

 

 

そうして太刀川はしばらくの間考えた後、納得したように頷きホシノたちとアルたちにとある提案をする。

 

 

「よし、俺に良い案が思いついた。上手くいけば、どちらの目的を達成することが出来る。」

 

「ん、気になる。早く教えて。」

 

 

 

「おまえら、アビドスを出ていかないか?」

 

 

 

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