できるだけストーリーに重点を置く感じになりますのでご了承ください。
互いの自己紹介を終え、マリアンは謎の敵ラプチャーとの戦闘に移り、夏油はその戦闘を補助するために、指揮を執る。その指揮は彼の術式 呪霊操術の戦闘経験によるものか、呪霊とは差異があるものの、的確に敵の弱点と予測した箇所や、敢えて戦力が手薄になるよう誘導した上で、攻撃を集中させ、相手の攻撃を予測したうえで指示していた。
その結果、マリアンは予想以上にラプチャーの殲滅が早く完了して、その采配に感嘆していた。
マリアン「クリア!非戦闘状態に転換します。 素晴らしい采配でした!指揮官」
夏油「いや、此方は君一人だというのに無理をさせてしまった...」
マリアン「そんなことありません!私一人だったら、もっと時間がかかっていた筈...?」
マリアンが言い切る前に、夏油の目線が足に集中している事が分かった。どうやら先程の戦闘で足が損傷したようだ。
マリアン「あぁ、大丈夫ですよ。移動には問題ありませんから。」
夏油「大丈夫とは思えないが...あぁ、あった」(救急箱を取り出し、負傷した箇所に消毒して包帯を巻く。)
マリアン「...あの、指揮官、人間の治療はニケにとっては全然効果がない...。」
マリアンは治療は不要と説明しようとするが、夏油の顔を見てやめる。その顔は会話する際と変わらない顔だったが、治療の処置から本当に心配していると気付く。マリアンは微笑み、夏油を見つめる。
夏油「...?何か言ったかい?」
マリアン「いえ、何でもありません。おかげでもう治ったみたいです。」
夏油「本当か?...あまり無理をしないようにね。」
マリアン「ふふっ、指揮官はお優しいのですね。」
夏油は心配するが、彼女の様子から問題ないと察し、治療を終え立ち上がる。マリアンは夏油が立ち上がる際に、移動するように促す。
マリアン「移動しましょう。幸いにもランデブーポイントが近くにあります。移動中に詳しい説明をします。」
夏油「助かるよ、この状況を理解しきれなかったからね...」
二人は移動し、現状とこの世界に関して、そしてこの作戦の目的について諸々の説明を受けた。それは、かつて夏油が生きていた世界とは、全く異なるもので、その事実に驚愕の連続だった。
マリアンの説明に驚きながらも、移動中に手を顎に当てながら情報を整理していた。
夏油(この世界はラプチャーと呼ばれる人類の敵によって、地上に生きる人間は私以外が滅びた...そして今私は中央政府ニケ管理部所属の指揮官となり、マリアンと共に逸れた仲間と合流、その後、現在人間が拠点とする基地 アークに帰投する。
...馬鹿馬鹿しいと片付けるには簡単だが、周囲から呪力を全く感じない事から地上の人類が滅びたという話は信憑性がある。何より、何故私が、どうやってこの世界に来たのか全く分からない...
そして、ラプチャーに対抗するために生まれた存在...ニケ。マリアンのような女の子が、ラプチャーから人類を守り、地上を奪還する為に、人間をやめて兵士になる...
彼女から聞いているあたり、ニケは人間より低く見られている...。我が身可愛いさに命を物として切り捨てて...私はただでさえこの世界の知識はマリアンからしかない。何でも直ぐに決めるのは軽率だ...。)
マリアン(やはり記憶が混濁しているのでしょうか?...無理もありません、輸送機が墜落して五体満足だっただけでも奇跡のようなもの、指揮官がちゃんと以前の記憶を取り戻せるように、私がサポートしないと...!)
夏油がニケの処遇に対して怒りを覚えるが直ぐに冷静になり、この現状に向き合う。対してマリアンは、夏油が「指揮官ではなく、ニケ管理部に所属していない」と言う発言から、記憶喪失と判断して全力で夏油をサポートすることを決心する。
因みに夏油は、マリアンが夏油は記憶喪失していると判断していることに気づいており、この世界で活動するのに動きやすいと判断した為、敢えて記憶喪失だと肯定した。
情報の整理が大体完了した夏油、マリアンは合流地点に到着することを夏油に伝える。
マリアン「もうすぐランデブーポイントに到着します。体調はどうですか?」
夏油「蘇生した時より、調子が良くなってきているよ。」
マリアン「心臓が止まっていたのに、凄い回復力ですね指揮官...。」
夏油の言葉を疑うマリオンだが、様子を見て蘇生直後より調子が良くなってきていると分かり驚愕する。だが、それでも夏油の事を気にかけているのか、突然夏油の腕を組む。
マリアン「でも、大事があっては大変です。私が支えますね。」
夏油「そこまでする必要は...いや、ありがとう。辛くなったら言うよ。」
マリアン「はい。」
マリアンの行動に動揺するが、その厚意を素直に受け取る夏油と腕を組んで支えながら微笑むマリアン。
その直後、マリアンはラプチャーの接近を察知して戦闘を開始、殲滅して再び合流地点へ向かい、到着する。
マリアン「ここで間違いないはずなのに...え?...どうして誰もいないんだろう?
まさか、輸送機が墜落して計画が変わったとか...?」
夏油「...いや、どうやら離れる必要があったみたいだ。」
マリアンが夏油の発言に質問する前に、遠くから銃声が響き渡る。マリアンは夏油の発言を理解して銃声が響いた方向に顔を向ける。
マリアン「射撃音...! 行きましょう!指揮官!」
夏油「ああ、」
──── 場面が変わり、銃声の発生源には、黄色と灰色を基調とする服と、赤と黒を基調とする服を着た二人の女性が話し合いながら、ラプチャーに応戦していた。
???「もう、いつまでここで待てばいいの?」
??「合流するまで、」
???「死ぬまでじゃないよね?」
??「合流するまでよ。」
???「さっき見たでしょ!?墜落するとこ! あの爆発から生き残れるわけないよ!」
??「まだ死亡報告は入ってきていない。」
???「その報告が入るまでここでずっと待つの?」
??「ランデブーポイントはここ、 ここを離れると作戦がダメになるかもしれない。」
???「すでにダメだと思うわ!」
二人の女性が問答を繰り返している中、マリアンと夏油は二人に合流し、突然現れたマリアンと夏油に驚く二人。マリアンは二人の反応を気にせず報告する。
マリアン「合流します!」
???「うわ!ビックリした!」
??「!!」
マリアン「マリアンです! 指揮官と共にランデブーポイントに合流しました!」
夏油「どうやら無事みたいだね。」
合流して安堵するが、黄色い服を着た彼女だが、夏油が爆破による墜落に生き残ったとは思えず勘ぐる。夏油も質問に答え、マリアンは夏油の状態を二人に伝える。
???「えっ、本当に? あの爆発で生き残ったの? ニケはまあいいとして、あなた人間よね?」
夏油「...人間だよ。」
???「何!?今の間! 本当に人間か怪しいんだけど!! というかあなた指揮官なの!?」
夏油「どうやらそうらしいね。」
マリアン「実は墜落の影響で記憶が混濁していて、覚えていたのは自分の名前だけだったんです...。」
???「本当に大丈夫なの、それ...。」((≖ࡇ≖)で夏油を見つめる)
解消されるどころか、更に怪しまれる夏油。その時、赤と黒の服を着た女性が夏油に近づき、認証を開始する。
??「ちょっと失礼します。 指揮官認識コード、アクセス。...分隊04-Fの指揮権、変更完了。」
赤と黒の服を着た彼女の行動に、黄色い服を着たもう一人の女性が、その行動に対して驚愕する。
???「ちょっと! こんな人間かも分からない奴と、そんな軽率に...!」
??「緊急事態よ。ラプチャーが現れた。」
???「それは...そうだけど...!」
??「現時点をもって、あなたは私たちの指揮官となります。前指揮官は命令を下せる状況ではないため、別途の命令権引継ぎプロセスはありません。一刻を争う状況です。 詳しい説明は戦闘が終わってからにします。」
夏油「あぁ、よろしく頼む...。」
赤と黒の服を着た彼女の説明を聞いた夏油は直ぐに承諾、承諾を確認した彼女はマリアンの所属と兵科を確認する。マリアンの所属と兵科を聞いたもう一人の女性は、この状況に対処できると判断し、夏油に再び問う。
??「マリアンと言ったわね? 所属と兵科は?」
マリアン「シルバーガン分隊所属です。 兵科は機関銃射手です。」
???「...兵科もちょうどいいわ。 ...あなた、名前は?」
夏油「夏油傑。」
アニス「夏油傑ね、私はアニス。こっちはラピ。 現在ラプチャーがこちらに向かって接近中だけど...どうするの? 指揮官様?」
ラピ「命令をお待ちしております。」
互いの自己紹介を終え、敵の接近を伝えるアニス、ラピは命令が下されるまで待機し、マリアンはいつでも戦闘に移れるように銃を構えている。三人の顔を見た夏油は命令を下す。
夏油「前方に接近中のラプチャーと交戦、殲滅する。」
ラピ「ラジャー。」
アニス「よし、やってみよう!」
ラプチャーの軍勢が前方に迫ってくるが、最初の戦闘より戦力を確保できたため、それぞれの役割を分担して対処していく。
夏油「アニスは出来るだけラプチャーが密集している箇所に攻撃して戦力の分散と装甲を破壊、マリアンは弱っているラプチャーのトドメとアニスの援護、ラピはアニスの攻撃で露出したコアや関節などの弱点を重点的に攻撃してくれ。」
マリアン「了解!」
ラピ「ラジャー!」
アニス「オッケー!」
その後、攻撃する前に怯ませたり、遮蔽物に誘導して攻撃を回避するなどして対処...。僅か数分でラプチャーの殲滅に成功する。
アニス「楽勝だったわね。」
ラピ「こちらの損傷無し、お見事です指揮官。」
夏油「ありがとう。でも、君たちのおかげで被害を出すこと無く倒せたんだ。みんなお疲れ様。」
マリアン「指揮官...!」
夏油の賞賛にアニスとマリアンは頬を緩め、笑みを浮かべる。ふと我に返ったマリアンはアニスとラピに、指揮官と共に地上に出たのかを問う。
マリアン「ところで、どうして急に指揮官を地上へ? まさか...」
アニス「そう、前の指揮官様は死んだわ。 対人火器をラプチャーにぶっ放しちゃったの。」
アニスの発言にマリアンは絶句し、アニスはその散りざまを事細かく伝える。その話を聞いたマリアンは顔を俯き、悲しむ。
アニス「「ラプチャー!人類の敵!」とか何とか言ってね。
小口径の火器がラプチャーに通じるわけないのに、どうしてあんなことを...」
マリアン「...守れなかったんですね。 お二人は。」
アニス「違うわ。私たちは指揮官様を守る。 何があっても。この命に代えてもね。でもね、自分から死のうとするする人を守るのは無理。」
アニスの返答に何も返せなかったマリアン、そんな中、ラピは夏油にもう一度名前を確認し、アニスに検索するように伝える。
ラピ「失礼ですが、指揮官の名前は夏油傑。お間違いないですか?」
夏油「あぁ、間違いない。」
ラピ「アニス。」
アニス「うん、検索してみるね。どれどれ......うん?」
アニスの検索が終わった時、その情報に首を傾げ疑問を浮かべる。また、そのアニスに反応するラピは直ぐに訪ねるが、アニスの報告を受けて反射的に声が出る。
ラピ「どうしたの?」
アニス「...この指揮官様、完全な新人みたいよ。」
ラピ「...は?」
アニス「昨日、士官学校を卒業したんだって...それにしては凄い指揮だったけど。」
夏油(この世界の指揮官は随分人手不足と見える。)
ラピ「......取り敢えず近くの市街地まで移動しましょう。ここは危険です。」
士官学校を卒業して間もない人間をいきなり作戦に参加させる上層部と、初陣でここまで冷静な判断と命令が可能な夏油に困惑しつつも、四人は長居してラプチャーと遭遇する事を避けるため、市街地への移動を開始する。
...絶望のカウントダウンが近づいている事は、誰も知る由もなかった。
今回みたいに初めて登場するキャラクターが複数いる場合は、その話だけ色を付けるようにします。じゃないと自分も分からなくなっちゃうので。
次回か次々回辺りで第0章が終わる予定ですので、乞うご期待ください。
ラピとアニスに合流した後、市街地に向かう道中の話...
マリアン「状況終了しました。」
夏油「みんな、お疲れ様。」
ラピ「お疲れ様です、指揮官。」
アニス「いやー、ラプチャーが簡単に片付いて楽ね~。さっすが指揮官様!」
夏油「いや、君たちがいたからこそ早く殲滅できたんだ。礼を言うのはこちらの方さ。」
アニス「...やっぱり変わってるわね~指揮官様って。」
夏油「そんなにおかしいのかい?」
ラピ「他の方々は基本、ニケを人間扱いしないので。」
マリアン「でも! 私は指揮官の優しさがとても励みになるんです! 戦闘の励みになりますし!」
夏油「そうか、私でも役に立てる事があるならなんでも言ってくれ。」
アニス「ラピ...」
ラピ「何? アニス。」
アニス「指揮官様って、本当に記憶喪失なのかしら? 戦闘中の指揮能力の高さからそうとは思えないんだけど...」
ラピ「確かに、指揮能力はとても高いし、指示も的確ね。」
アニス「やっぱり記憶喪失って噓なのかしら?」
ラピ「...ちょっと試してみるわ。」
アニス「えっ? ラピ??」
ラピ「指揮官、質問よろしいですか?」
夏油「なんだい? ラピ??」
ラピ「100年以上の昔、勝利の女神と称された分隊が存在します。その分隊名を教えてください。」
夏油「100年以上前!?...すまない、分からないな。」
アニス「うん、間違いなく記憶喪失ね。」(≖ࡇ≖)
マリアン「私の言ったことを疑っているんですか!?」
ラピ「ごめんなさい。でも指揮官の能力が高くて本当に記憶喪失なのか疑問になってしまって...」
夏油(この世界の知識が全く分からないんだけどね。)
アニス「どうにか直す方法はないのかしら?」
マリアン「安心してください!指揮官! この任務が終わったら記憶が戻るようにお手伝いします!!」
夏油「ありがとう、マリアン。(...結局その分隊名は何だったんだ??)」