関係ありませんが、新しい仮面ライダーのデザインがシンプルでかっこよかったです。
自我、己の在り方とは
アリスが眠り姫と呼ぶ存在がいるであろう場所を、夏油たちはついていく。やがてアリスは緑色に輝く円柱のガラス、カプセルが所狭しと何本か並んでいる部屋に入る。
アリス「ここです! 眠り姫たちがいるところ!」
ラピ「...ここは?」
アリス「私が紹介しますね。この方は青い髪のお姫様!」
そう言ってアリスは端末を操作し、床からカプセルが現れ囲まれている鉄のプレートが床に収納される。
床から現れたカプセルの中には、所々傷や部位が欠損し頭部の上部が無いニケが浮いていた。
ラピ「!!」
アニス「な...!」
ネオン「きゃあ...!」
夏油「...この人が、眠り姫。」
アリス「そして、この方は黄色い目のお姫様!」
先ほど床から出たカプセルの隣にある端末を操作するアリス。同じようにカプセルが開かれ、上半身だけが残り同じように頭部の上部が無いニケが、カプセルの中で漂っていた。
アリス「ここにいる方は皆、眠り姫です!
私たちはこの方々を起こして、一緒に幸せな世界へ行くんです!
そして、一緒にお菓子を食べて、牛乳も飲んで...!」
ルドミラ「アリス。」
アリス「はい、女王様!」
ルドミラ「牛乳の話をしたら飲みたくなったわ。持ってきてくれる?」
アリス「あっ!はい!女王様!」
牛乳が飲みたいというルドミラの言葉を聞いて、喉が渇いたと考えたアリスは、笑いながら駆け出して部屋を出ていく。沈黙の中、ラピがカプセルに入っているニケについてルドミラに訪ねる。
ルドミラ「......」
ラピ「...地上で『救出』されたニケたちね。」
ルドミラ「そう。」
アニス「皆死んでるけど、死体を集めてどうするつもり?」
ルドミラ「まだ、死んでいないわ。」
アニス「頭が空っぽでしょ! 脳が無いの!」
夏油「......」
アニスの発言に、ルドミラは少し口を閉じるが、すぐに頭部の無いニケを保管する理由について再び話し始める。
ルドミラ「......ニケを救出すると、こうやって脳だけ消えたケースが殆どなのよ。
これが何を意味するか、分かる?」
ルドミラ「ニケは脳が死んだら終わり。二度と復活できない。だから、奇跡を祈りながら、脳が戻るまで安全なところに保管するのよ。
誰かが、見つけてくれる事を祈りながら。」
ネオン「......」
夏油(もしこれが意図的に行っていたとすると、ラプチャーはニケの構造を把握している。
...恐らく内通者を通して知ったのか。)
ルドミラ「私たちはそういう仕事をしている。彼女らが望んでいた奇跡を、現実にしてあげる仕事を。」
ラピ「...見つけたことはあるの?」
ルドミラ「ええ、数十人は助けたわ。
勿論、脳とボディが離れていた時間が長いからシンクロが合わなかったり、精神崩壊や記憶喪失になったケースも多かったわ。でも、
結局、生き残ったわ。生き残ったのよ。それで十分だわ。」
ネオン「...大変ですね。」
夏油「この不安定な環境の中で迷ったニケを、二人で助け続けてきたんだね。」
ルドミラ「ええ、大変だけど、やりがいのある仕事だと思ってるわ。
...でも、貴方たちに、これを見せたくはなかった。最悪のケースを目の前にすると、そんな未来を想像してしまうから。」
夏油(...やっぱり、優しいんだな。この人は...)
夏油は心配と悲しみの入り混じったルドミラの表情に、ラピたちが北部でこうなる可能性を想起してしまうこの状況を、直面させたくなかったと気づく。
ルドミラの発言と思いから、かつての自分を思い出す夏油。
五条『そもそもさぁ、帳ってそこまで必要?別にパンピー*1に見られたって良くね〜?
呪霊も呪術も見えねぇんだし。』
夏油「駄目に決まってるだろ、呪霊の発生を抑制するのは何より人々の心の平穏だ。
その為にも、目に見えない脅威は極力秘匿しなければならないのさ。それだけじゃ無い...」
かつて『弱きを助け、強きを挫く』を心情に呪術師として活動していた夏油。ルドミラもこの光景を見せないことで、ラピたちに脅威を隠したかった。
その思いやりを見て、夏油は一瞬夜蛾先生に怒られた後のやり取りを思い出した。公にできないこの活動を、アリスと今まで二人きりで続けてきたことに敬意を表す。
ルドミラ「...悪かったわ、余計なものを見せてしまって。」
ラピ「いや、貴方達に敬意を表す。」
アニス「私も。」
ネオン「私もです。」
夏油「優しいんですね、ルドミラさん。ありがとうございます、気遣ってくれて。」
ルドミラ「しもべ...ありがとう。でも、敬意はしばらくしまっておきなさい。」
ルドミラとアリスの使命に心から敬意を表すラピたち、夏油は心の中で呟いた言葉をルドミラに伝える。しかし、ルドミラはその敬意を内に秘めるよう言う。ルドミラの発言に一同は疑問を浮かべた。
ルドミラ「最近は、迷子になったり救出を求めるニケがかなり減ったの。」
ラピ「何故?」
ルドミラ「分からないのよ。でもここ数年で、その数が明らかに減った。アークへの生還率は変わらないのに、何故かしら。」
アリス「女王様ー! 女王様ー! ぎゅ、牛乳が切れてしまいました! どうすればいいでしょうか?」
ルドミラが生還率が変動しないのに迷子、救出を求めるニケの係数が減少した現状について疑問を抱いている最中に、慌てた様子でアリスが戻ってきた。どうやら牛乳が尽きたことをルドミラに報告しに来たらしい。
慌てた様子のアリスを見て、ルドミラは自身の口元を指さしてアリスに問いかける。
ルドミラ「...まあ、アリス。口元についた牛乳は何?」
アリス「...あっ!」
夏油「ふっ...また今度来た時に、牛乳でも持ってこよう。」
アリス「わあ! ありがとうございます!!」
ルドミラ「あら、気が利くじゃないしもべ。」
アニス「他に何か欲しい物とかある? また来るときに買って来るわ。
指揮官様が。」
ルドミラ「ふふっ、じゃあ紅茶の茶葉が欲しいわ。今度来た時ティーパーティーでもしましょう。」
夏油「では紅茶に合うお菓子も持ってまいります。女王様。」
アリス「皆さんと一緒にティーパーティー...今からでもすっごく待ち遠しいです!!」
ルドミラ「さあ、そろそろ出発しましょう。しもべたちはまだやるべき事があるもの。」
そう言ってルドミラは部屋を出て行き、研究基地の正門に向かって廊下を歩く。その後に、アリスは駆け足で、夏油たちは歩いて続いていく。
研究基地を出た夏油たち、その先の道をルドミラとアリスは案内するためしばらく歩いていた中、ルドミラは立ち止まり案内を終える。
ルドミラ「さあ、見送りはここまでよ。これからも頑張りなさい、私たちはここに残るから。」
夏油「ありがとうございました、ルドミラさん、アリス。」
アニス「何? 一緒に行かないの?」
ルドミラ「私たちはここまでよ、残念だけど仕方が無いの。」
夏油「この北部で任務を行うには、二人が必要なんだ。二人がここから去ったら、北部で迷ったニケを助けられなくなるから。」
ルドミラ「そう、私たちは道に迷った仲間を捜すのが仕事。しもべの任務は非常に興味深いけれど、また迷える誰かが、北部を訪れるかもしれないから。
家も取り戻したことだし、私たちの仕事をやらなければね。...眠り姫たちのお世話もあるし。」
アニス「思ったより真面目なのね。」
ルドミラ「やるべき事と、やりたい事の判別がつくだけ。」
アニスはルドミラもついていくか尋ねるが、ルドミラはそれを断り北部で逸れたニケと、研究基地のカプセルの中にいる眠り姫を見守る為に、ここに残るという。残る理由を夏油も交えて説明した後、ルドミラはアリスに夏油たちを見送るよう伝える。
ルドミラ「アリス。しもべとその仲間たちは、更に強い力を手に入れる為に、しばらくここを離れるわ。
大丈夫か?」
アリス「はい! ここで待っています!!」
ルドミラ「仕事が終わった時にでも、顔を出してくれた嬉しいわ。任務がどうなったか、気になるから。
その時は、皆でティーパーティーしながらでも話しましょ。」
夏油「はい、必ず寄ります。」
アリス「お菓子と紅茶、楽しみにしていますね!」
ルドミラ「では、行ってきなさい。」
ラピたちはルドミラの激励を聞いて歩きだす。夏油も続いて歩き出そうとするが、ルドミラが呼び止める。
ルドミラ「しもべ。要らない世話かもしれないけど、二つ言っておくわ。
新しい出会いとは、相反する世界が、接触することと同じなの。違和感を感じることも、恐れを感じることもあるでしょう。
その違和感に耐えられなくなっても、その恐れがいくら大きくなっても、絶対に、相手の世界を壊してはダメよ。」
夏油「...」
ルドミラ「相手の世界を認め、その過程で自分の世界を一部譲ることになったとしても、相手がずっと生きてきた、何より大切にしている世界を、
絶対、壊さないように。」
ルドミラ「私が言っている意味、分かるかしら?」
夏油「はい、分かってます。」
ルドミラ「そう、もう一つ。貴方の事、彼女たちには打ち明けたの?」
夏油「いえ、まだです。...
でも、この任務が終わって、皆が落ち着いてきたら話そうと思っています。」
ルドミラ「ならいいわ、これから貴方に多くの苦難が降りかかるけど...
何かあったら、彼女たちを頼りなさい、武運を祈るわ。」
夏油「はい。」
アリス「行ってらっしゃ~い!!」
ルドミラは微笑みながら、アリスは笑顔で元気よく手を振って見送られ、歩き出す夏油たち。当初の目的であるピルグリムを追跡する為に、再び北部の調査を開始する。
ルドミラたちと別れた夏油たちは、研究基地で見つけた北部全体地図に赤い円で囲まれた範囲の中で、目撃情報が最近で遭遇確率が最も高いと予測した座標に到着した。
そこは夏油たちのいる座標の左右に山がそびえたっている特徴があり、直ぐに見つけて到着することができた。
ラピ「ポイントに到着しました。ルドミラの調査結果によりますと本日、ここで遭遇する確率が高いとのことです。
潜伏をお勧め...」
ネオン「みなさん、あそこを見てください。」
ラピが潜伏を提案しようとする中、ネオンが皆に声をかけて指さした方向を夏油たちは見つめる。その先には、雪で覆われた平地があり背を向けたまま座っている人影が見えた。
夏油はその人影に警戒心を強めて、ラピたちを追跡させていた呪霊を向かわせる。
夏油(こんなに呆気なく見つけられるものなのか...?)
アニス「...あいつよ、ピルグリム。」
ネオン「そうみたいですね。」
アニス「運がいいのか、それとも...」
夏油「到着して早々発見...なんて上手くいきすぎて怖いくらいだね。」
アニス「そうだよね。...呼んでみる?」
ラピ「いや、指揮官。射撃の許可を。」
夏油「あぁ、許可する。」
アニス「えっ?」
ネオン「!! ついにラピも火力の道を進むんですね。
でも、闇雲に火力を注ぐのはよくありません。真の火力というものは...」
アニス「ちょっと待って。」
ネオンが嬉々として火力道についての道を語ろうとしている最中に、アニスは割り込み夏油が直ぐに許可を出した理由について聞く。
アニス「何で射撃の許可を出したの、指揮官様?」
夏油「二人とも、あそこにいる彼女の周りをよく見てごらん。」
アニスとネオン「「......」」
ラピ「足跡が何処にも無いでしょう?」
アニス「確かに...」
ネオン「風が吹いているならまだしも、今は感じませんからね。歩いていたなら必ず足跡が残る...」
アニス「つまり、罠?」
ラピ「その確率が高いと思う。構えてから射撃で...」
ラピがピルグリムと思われていた存在を標的とし、銃を構え射撃しようとした瞬間、
という大きな音がが周囲に響き渡りながら雪の上に座っていた姿が爆発した。爆風の勢いが凄まじく、50m程離れていた夏油たちに吹き飛ばされそうなほどの爆風が襲い掛かる。
アニス「うあっ!」
ラピ「これは...! 指揮官!お手を!」
夏油「あぁ!」
ラピの差し伸べた手を強く握り閉める夏油、手を握ったことを確認したラピは全員に大声で呼びかけ、爆発した方向とは逆方向に走り出す。
ラピ「みんな、走って!」
アニス「この音って...まさか。」
夏油「あぁ、雪崩だ。さっきの爆発で、左右の山から雪が流れてくる!」
アニス「もうっ、雪崩、多過ぎじゃない!?」
ネオン「大丈夫です! 今度は逃げきれますよ!」
ラピ「しっかり握っていてください、指揮官!
今度は絶対に離しません。」
雪崩から逃げるように、全速力で駆けだす夏油たち。夏油が強く握ってきた手を感じたラピは、夏油が離れないようにしっかり握り返す。
しかし、夏油は急にラピを突き飛ばす。
夏油「っ!!」
ラピ「!? 指揮官!!」
急に突き飛ばされたラピは困惑したが、直ぐに助けるために手を伸ばす前に、夏油とラピの間に何かが見えない速度で通り過ぎることを風圧を通して肌で感じた。
そして夏油は、その風圧で夏油の体はよろめき倒れる。直ぐに体を起こすが、目の前には左右から迫りくる雪の波を遮る大きな影が不気味な笑みを浮かべて立ち塞がっていた。
ラピ「トーカティブ!!」
トーカティブ「また会えて嬉しいな。」
アニス「コイツ!!」
トーカティブ「貴様らに用はない、人間もどき。」
そう言ってトーカティブはビル8階程の高さまで飛び上がり、雪崩から逃れる。ラピたちはトーカティブを攻撃しようとするが、夏油を盾にして離脱された為、攻撃できず雪崩から逃れるために退避を続行した。
雪崩が収まった頃、ラピたちは再び指揮官と逸れてしまったことに頭を抱えていた。
アニス「あのピルグリムに見えたのは、アイツの罠だったってことね...」
ラピ「そう考えるのが妥当でしょうね。」
ネオン「私たち...これからどうしましょう?」
アニス「...追跡出来るように端末が使えればいいけど、通信が途絶した状態は続いている。
手がかりゼロね、本当最悪。」
ラピ「仕方ないわね...」
来た道を引き返して、再びアンリミテッドの協力を要請して夏油の捜索に移ろうとしたラピは、
夏油が攫われたことで警戒心が高まっていたのか...
ラピ「そこで止まって、両手を上げて!」
アニスとネオン「「!!!」」
ラピの声に直ぐに反応したアニスとネオンも、直ぐにラピが構えている方向に銃を向ける。注視すると、後ろにいた存在は人型でありラピの声に反応して直ぐに両手を上げた。
近づこうと少しずつにじり寄るラピたちだが、人影がラピたちに声をかけてきた。
??「ちょ、タンマ タンマ! 俺は君たちと争う気は無いんだ、話を聞いて欲しいんだよ。」
アニス(この声って...)
ネオン(人間...それも男ですね。)
ラピ「貴方は何者なの?」
??「言ったら銃を下ろしてくれる?」
ラピ「無理ね。」
??「ええ~!? それ困るんだけど~」
気の抜けた声にアニスとネオンは警戒心が薄れていくが、ラピは接近を続けてその容姿が明らかになってくる。髪はハイトーンのペールブルーで長髪、この北部の環境に合わない黒い薄着を身に着けている男とラピは気付く。
明らかに軍組織とは無関係であると判断し少しずつ近づくラピに、彼は構わず話を続ける。
??「ていうか、俺の話聞いてくれないとそっちも困るよ?」
ラピ「......」
ネオン「困るって、具体的にどのような話なんでしょうね?」
アニス「是非とも聞かせて頂きたいわね?」
??「知りたいんでしょ? 夏油の居場所。」
ラピ・アニス・ネオン「「「!?」」」
警戒心が緩まっていたアニスとネオンは、彼の言葉を聞いて再び警戒心を強め銃を向ける。ラピは更に警戒心を強めて距離を取る。
その状況を見た彼は、もどかしそうに話し続ける。
??「ヤバいんでしょ? 君らの指揮官。俺ならその場所に案内できるけど?」
ネオン「本当に案内できるんでしょうか?」
アニス「信用できる訳ないでしょ? この極寒の地域をあんな薄着でいるのよ。きっとトーカティブみたいなラプチャーに決まってる。」
??「俺あの
ラピ「...本当に案内できるの?」
アニスとネオン「「!?」」
ラピの言葉に驚愕するアニスとネオン、彼はラピの言葉に微笑みながら答える。
??「勿論、教えられるとも。」
アニス「ラピ!? あんな怪しいヤツを信用すんの!?」
ネオン「私もこの環境で師匠を知ってるって怪し過ぎます!」
ラピ「確かにそう、でも手掛かりは今奴しか持っていない。」
アニス「でも!!」
ラピ「私が銃を構えて、いつでも対処できる様にする。もし私がやられたら、お願い。」
アニス「っ...」
ネオン「ラピ...」
ラピの決断に現状から渋々要求を聞き入れるしか無いと判断したアニスとネオンは、ラピの申し出にこれ以上口出ししなかった。
ラピ「聞こえてた?貴方が先頭に立って案内して、少しでも変な動きをしたら...」
??「分かってる、俺を撃つんだろ?
それじゃ!早速行こうか。」
ラピの条件を快諾した男は、軽い足取りで雪道を進んでいく。その背後にラピ、離れた場所からアニスとネオンが銃を構えて男の後に続く...
更新が遅れてしまって本当に申し訳ありません!これからはペースを乱さない様に更新していける様心がけていきます。
また、読みづらいところとか、不自然だなってところがあれば感想などで教えて頂けると幸いです。この作品に対する感想があれば気軽に書き込んでくださると、投稿の励みになります。
継ぎ接ぎを隠した真人は、アークのゲームセンターに来ていた。
真人「いや~、こういう場所も案外悪くないね~。次は~...なんだこれ?
THE HOTEL OF THE DEAD2? シューティングってことか、次はこれにしよう!」
生き生きと夏油から貰ったクレジットでゲームセンターを満喫する真人、THE HOTEL OF THE DEAD2と書かれた筐体の前に立つ。
真人「何々? 『絶望の館で、生き残りを賭けた戦いが始まる。』? つまりゾンビを血祭りに上げればいいってことね。難易度はぁ...一番右の奴でいいや。」
筐体に書かれたキャッチコピーを読んだ真人は、100クレジットを入れて肩をほぐしながら銃型のコントローラーを筐体に向け、難易度をVery HARDに設定してプレイを開始する。
真人「ほらほらどうしたよ!まだ触れてすらないじゃん!」
プレイに夢中になった真人は、人がいることを忘れ大声ではしゃぐ。初めはよく声が響くことで、周囲の人は迷惑そうな視線を向けるが、ノーダメージで次々とステージを突破する真人に興味が出て来たのか、数十分で人だかりができた。
そして終盤に入った時、盛り上がりは最高潮となりノーダメージでクリアできるかの賭けができるほど周囲は盛り上がる。その光景を人だかりに入らず、遠目で見る人が一人いた。
???「...ふむ。」
真人「次のステージはどんな敵がでるんだろう!?」
モブA「これ最終ステージだぞ!?」
真人「えっ?そうなの??」
モブB「これ下手したらノーダメ全クリで、スコアカンストいけるぞ!!」
真人「いいね、俄然燃えてきた!」
モブD「頑張れー! お兄ちゃん!」
モブA「俺たちにノーダメ全クリ、スコアカンストの画面を見せてくれ!!」
真人は周囲に気にせずゲームに集中して楽しみ、周囲の人は真人が偉業を達成する瞬間を瞬きせずに見守る。攻撃が被弾しそうになると悲鳴を上げ、真人が攻撃を被弾しないように対処すると揃って溜息をこぼす。
そんなやり取りが何回か続いたラスボスも、真人の動体視力と反射速度、並びに戦闘センスを総動員して一度も被弾せず全てのステージを攻略した。
ラスボスのHPバーが無くなり、ムービーが流れた瞬間、周囲の人々は驚天動地の感動の嵐を巻き起こしていく。真人は周りを気にせず少し流れた汗を頭から払い落とし、両腕をめいいっぱい伸ばす。
モブA「あんた本当にスゲーな!」
モブB「Very HARDをノーダメージでクリアなんて初めて見たぜ!」
モブC「久々にいいもん見せて貰った! これ、釣り合わないかもしれないが、受け取ってくれ!」
そう言って周りの人たちが真人にクレジットを手渡していく。注目されて居づらい雰囲気になったことに気づき、お礼を言いながら退散していく。
真人「あっ...どうも~。」
モブD「また今度、コツを教えて!」
真人「また今度ね~」
モブD「絶対だよ!」
真人(何か約束取り付けちゃったよ...まあこんなに貰ったから、もう少し遊べ...)
???「遠方から拝見させて頂きましたぞ!素晴らしいゲームセンスですぞ!」
真人「??」
???「貴方程のゲームセンス、そして真剣にゲームを楽しむ心があればきっと...」
真人「あんた誰?」
???「おおっ! 私としたことが、自己紹介を忘れてしまいましたな。
失礼しました、私はエレグと申しますぞ! 貴方の名前はなんですかな?」
真人「...真人。」
エレグ「ふむ、真人氏ですな!」
真人「真人...氏??」
エレグ「所で話は変わりますが、真人氏はBOOM!をご存知ですかな??」
真人「ぶーむ??」
エレグ「ご存知ではなかったですか...しかし!問題ありませんぞ!このエレグが、BOOM!の素晴らしいさを全て教えますゆえ!!」
真人「......」(≖ࡇ≖)
エレグ「BOOM!とは、ip Softwaveから発売されたFPSゲームであり...」
真人「...」(≖ࡇ≖)
エレグ「まあ、ゲームのジャンルは先ほど遊んでいたTHE HOTEL OF THE DEAD2と同じくシューティングのようなものですが、BOOM!は!!...」
真人「」(≖ࡇ≖)
エレグ「BOOM!の面白さは探せば探すほど出てきますが、強いて言えばモンスターを蹂躙していく爽快感がサイコーなんですぞ!!」
エレグのBOOM!の語り...いや布教は止まることなく、まさに水を得た魚の如く、話せば話すほど尽きることなく話題が上がり説明を続ける。
エレグ「毎回アップデートが...おっと、私としたことが少し熱くなってしまいましたぞ...
それでは真人氏!これから一緒にBOOM!を...真人氏??」
真人「逃げま~す!!」
エレグ「待って下さい!真人氏!!きっと貴方もBOOM!が好きになりますぞ~!!!」
今日、アークのゲームセンターで初めてTHE HOTEL OF THE DEAD2のVery HARDをプレイし、ノーダメージ全クリスコアカンストを叩き出したゲーマーが現れ、そのゲーマーを追い掛け回すエレグによってネットの掲示板で話題になったそうな...