ラピたちと合流できた夏油、スノーホワイトと協力しヘレティック モダニアの撃破を開始する。アーマーの胸部にモダニアが搭乗すると同時に閉じ、翼を展開して上空に向かって飛翔する。
空高く飛び上がったモダニアは両翼からミサイルが3発ずつ発射され、被害を最小限にするために、ラピたちはミサイルに攻撃して爆破させる。しかし、対処しきる事ができず残り3発が急接近するが、ラピたちは障害物に身を隠すことで回避する。
ラピたちが攻撃する中、夏油はスノーホワイトの弾丸を爆破したモダニアの能力に関して分析していた。
夏油(スノーホワイトが対艦ライフルを発射した時、モダニアに被弾することなく爆破した。
その光景を見て、スノーホワイトは磁場と言っていた...しかし、一隻を沈められる威力の弾丸を爆破できる出力をニケの体に収めるなんて考えづらい。
そうなると、外付けで装着しているアーマーに動力源がある。そして背後からの奇襲、突然の事で磁場を展開できなかったとも考えられるが、何発か逸れた程度で被弾していた...
本体であるニケの身体の保護を最優先するなら、正面につけているのか?)
磁場を発生させる動力源について考えている中、モダニアのアーマーに取り付けられている、本体の保護を目的とした武装であると仮定し、光を発している頭部に動力源があると予想する。
夏油「頭部に集中攻撃してくれないか? 恐らくアーマーを動かす動力源がそこにある!」
アニス「動力源を壊せば、攻撃も通る!?」
夏油「多分ね、スノーホワイトは右の翼を頼む!」
スノーホワイト「分かった。」
ネオン「火力ぅうー!!」
ラピ「ラジャー! 攻撃を頭部に集中します!!」
ラピ、アニス、ネオンがアーマーの頭部に攻撃を集中させ、スノーホワイトは右の翼に攻撃する。磁場の影響か、ラピたちの攻撃は全て逸れていたが、次第に被弾するようになってきた。
アニス「当たってきてるわ!」
ネオン「このまま押し切ります!!」
スノーホワイトの弾丸を防いだ時とは異なり、現在は翼から発射されるミサイルにもエネルギーを回しているため、ラピたちの攻撃を爆破ではなく、逸らしていた。
しかしモダニアは、背後から右翼に攻撃することから敵は2部隊と疑い、背後にも磁場のバリアを形成するが、まるで効果がなくラピたちのバリアの出力が下がったことで攻撃が被弾し始め、右翼が耐えられず爆発する。
モダニア(...対艦ライフル程ではありませんが、背後から高威力で連射してきている。
コアが破壊される前に仕留めましょう。)
右翼が破壊されたと同時に、アーマーの頭部から黄色に煌めく光が収束する。この行動から夏油は、コアが頭部にあると確信し、一気に戦いを終わらせられる攻撃を仕掛けてくると気づく。
夏油「攻撃の予備動作か!?」
スノーホワイト「身を隠せ! 消し飛ぶぞ!!」
アニス「やっと攻撃が当たり始めたのに!!」
ネオン「気づいたら消えていたなんて嫌です!」
直ぐに身を隠したラピたち、モダニアは攻撃を繰り出し周囲にビームを照射する。前方のラピたちは勿論、背後にいるであろう敵に対しても攻撃する。
手ごたえがあったのか、背後からの攻撃はピタリと止まった。瞬間、アーマーの頭部が砕け散る。
モダニア「!?」
スノーホワイト(
アーマーの頭部が爆散してモダニアの目の前に、頭部が大破した警告のホログラムが表示される。大破した影響か、全体の出力が低下し磁場による弾道の軌道を逸らす機能が停止し、ラピたちの攻撃が当たるようになる。
ラピ「攻撃が当たるようになりました!」
アニス「指揮官様の勘が当たったわね!」
夏油「翼からミサイルが発射された時、直ぐに対処できるから攻撃しなくていい。
モダニアの本体である胸部に集中しよう!」
スノーホワイト「この隙に一気に叩くぞ!!」
ネオン「火力ぅぅううう!!!」
ラピたちの弾幕で片翼分のミサイルを集中攻撃すると、発射した際でも直ぐに対処する事ができた。モダニアはミサイルによる攻撃を続けるが、ラピたちの弾幕によって直ぐに爆破させられてしまう。
モダニア(出力が低下し、磁場による防御が不可能になり、攻撃も通らない...
これではコアの修復が終わる前に、アーマーに限界が来てしまいますね。)
現在のモダニアは、ミサイルの生成と発射、コアと右翼の修復にエネルギーを費やしている。その影響でエネルギーの消耗が激しい磁場の生成を止めて、攻撃と回復に専念するが限界が近づいていた。
胸部の破損を防ぐために、モダニアはミサイルを完全に停止させ、しばらく滞空を続ける。その行動にスノーホワイトと疑問を抱くが、直ぐにその真意を理解する。
スノーホワイト(攻撃を止めた?...何かあるな。)
アニス「急に攻撃を止めたわ!」
ネオン「私の火力を、存分に堪能しなさい!!」
ラピ「......」
硬直するモダニアだが、数秒後にモダニアの姿が目の前から消え、更に後方に後退して距離を取る。瞬時に右翼と頭部にエネルギーが集中し、瞬く間に右翼とコアが修復される。
その回復速度に驚愕するラピたち、更にモダニアは修復を終えた。そして、距離を取ったことで命中率が低下したと判断し、モダニアは遠距離の攻撃を開始する。
モダニア(応急ですが、修復は間に合いましたね...さて、
ならばこちらの体制が立ち直るまで、距離を取って攻撃しましょう。)
夏油「距離を取って修復したということは、あの距離からでもこちらに攻撃できるという事か。」
スノーホワイト「万全に立ち直って攻撃を再開するつもりだな。」
アニス「折角壊したのに!!」
ラピ「でもこれくらいしか、私たちに手は無い。」
ネオン「壁がデカいほど燃え上がります!!」
アニス「壁が厚すぎるのよ!!」
モダニアの修復を終えたモダニアを確認した夏油たち、モダニアは先ほど攻撃していた丸いミサイルとは異なり、翼が生えているミサイルが両翼から2発発射され、急速でラピたちの元に向かって来る。
夏油は直ぐにラピたちに障害物に身を隠すように伝え、急接近するミサイルの迎撃を開始する。
夏油「先程のミサイルより早い...障害物に身を隠してやり過ごそう!」
ラピ「ラジャー!」
アニス「了解!!」
夏油(強度が分からない以上、呪力を込めて迎撃しよう。)
夏油はモダニアとの側面にイカ呪霊を放ち、ミサイルを迎撃する。モダニアは側面から放たれている弾丸が、先程背後の攻撃と同じと分かり、協力者がいるであろう座標を弾道から逆算して攻撃する。
モダニア(攻撃しても防がれますか...なら邪魔者を排除しましょう。今なら
スノーホワイト(攻撃目標を変えて、妨害する敵に対して攻撃するか...)
モダニアは側面からの攻撃に対してミサイルを集中させ、攻撃を停止させようとする。しかし、攻撃対象が変わったことに気付いたのか、ラピたちの攻撃がモダニアの両翼に被弾する。
モダニア(私からの攻撃が止まったから、攻撃対象が変わったと判断することはできますが...
あまりにも速すぎる、まるでこちらの攻撃を予見していたように...)
アニス「今のうちよ!!」
ラピ「攻撃を集中する!」
モダニアのミサイルが側面の攻撃に変更した瞬間に、ラピたちが攻撃を再開した事に動揺するモダニア。この状況は、戦場から離れた夏油の呪霊によって、攻撃対象を変更したことを隠れながら確認できたことによってできた。
夏油はスノーホワイトにハンドサインを送り、スノーホワイトは頷いてラピたちに攻撃を再開するように伝え、奇襲に成功した。奇襲に成功し動揺しているモダニアの隙をついて、攻撃をコアのある頭部に再び集中するラピたち、バリアの展開が間に合わず破壊され、連鎖してアーマーの各関節から爆発が発生する。
大破したアーマーの胸部から、モダニアの顔が露わになる。
モダニア「...おかしいですね。性能にしろ、何にしろ、どうみても私が優位なのは確かですが。
何故、互角になるのでしょう?」
アニス「さあね、私たちも知らない。」
ネオン「もしかして、自分を過大評価してたんじゃないですか?」
モダニア「...ん? プロテクターが...」
アニスはモダニアの問いかけに対して答え、ネオンはモダニアを煽る。瞬間、モダニアの目元を覆っていたバイザーがひび割れていき、『バキッ』と音を立て見えた顔に夏油は目を見開き見つめ続ける。
夏油「っ...!!」
モダニア?「あら...やっぱりニヒリスターも一緒に来るべきだったでしょうか?」
ラピ「...っ!!」
アニス「あなた...!」
ネオン「??」
夏油に続いてラピとアニスも同じように動揺し、ネオンだけ何故動揺するのか分からず困惑する。その顔には、3人に身に覚えがあった...
????『心配なさらないでください。...私があなたをお守りします、』
夏油(本当は...否定したかった...)
????『指揮官、ここにも包帯を巻いて下さい。』
夏油(私の...思い違いだと思っていた...)
????『ふふ、ありがとうございます。もう全然痛くありません。』
夏油(いや、思い込んでいたんだ...)
????『ここ...で...す。
かつて失った仲間...その名を夏油はモダニアに向けて言い放つ。
夏油「マリアン......」
モダニア?「...?」
夏油「マリアン...どうして...」
モダニア?「私のことですか?」
夏油の発言に呆れているモダニア、面倒そうな表情で再び自己紹介を始める。
モダニア?「悪いですが、人違いのようです。
私はモダニア、クイーンに仕える...」
モダニア?「.........マリアン?」
モダニア?「マリアン。」
モダニア?「不思議ですね。何だか、凄く懐かしい響きです。」
夏油が発した名前を何度も連呼するモダニア、瞳の光が消えて何度もマリアンの名前を言い続ける。
モダニア?「マリアン、マリアン、マリアン。
マリアンマリアンマリアンマリアンマリアン。
マリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアンマリアン。」
夏油たちがその様子を見て困惑している中、モダニアが名を発していくごとに、モダニアを中心に周囲に振動が発生する。同時にモダニアの体から黒いエネルギー波が発生し、突風を巻き起こす。
モダニア?「シルバーガン...分隊の...マリアンと...申します。
よろしく...お願い...します...」
夏油「!?」
振動が更に激しくなり、黒いエネルギー波が周囲の地面を抉り、削り取っていくほど暴れ狂い、被害が拡大していく。そんな中、夏油はモダニアに向かって駆け出す。
モダニア?「くっ...!」
夏油「マリアン!!」
ラピ「指揮官!!」
モダニア?「あ...ああああ!!」
夏油「聞こえるか!マリアン!!」
モダニア?「!!」
夏油の必死の声掛けを聞き取ったモダニアは、夏油の顔を見て驚愕して硬直するが、感情の糸が切れたかのように涙目になり、瞳から雫が溢れ出す。
モダニア?「指揮...官?」
夏油「!! そうだ!私だマリアン!!」
マリアン「指揮官!!...ああっ、ああああああああ!!」
夏油「こっちだ!手を!!」
ラピ「指揮官!!!」
マリアンに触れる寸前で、夏油の視界は黒く塗りつぶされる。巻き込まれる前に、ラピが夏油を引き戻したおかげか、夏油は負傷せずに済んで撤退することができた。その後、戦場を離脱した夏油たちは、付近にあったバンカーで休憩していた。
ラピ「大丈夫ですか...」
夏油「あぁ、私は大丈夫だ。」
アニス「よかった、今度は離れ離れにならなくて...」
ネオン「もう懲り懲りですね。」
夏油たちはお互いに遭難しなかったことに安堵する中、その様子をスノーホワイトは遠くから見守る。そしてこれからの行動について考える為、夏油は皆に状況説明を求む。
夏油「...状況を報告してくれ。」
ラピ「......ヘレティックが起こした爆発で、カウンターズ及びピルグリムが大破。現在、近くのバンカーで救助を待っています。
通信は依然として断絶状態にあり、外は吹雪が更に激しさを増し、視野は1m以下です。」
夏油「皆の負傷具合を教えてくれ。」
ラピ「私はあばら骨が破損し、コアを刺しています。
アニスは骨盤が大破しました。
ネオンは脊椎部分のスタビライザーが破損しました。
...全員が移動不可能な状態です。」
アニス「......」
ネオン「......」
ラピ、アニス、ネオンの状況説明を終えたラピは、スノーホワイトに視線を向けて、被害状況を説明する。
ラピ「ピルグリムは比較的良好ですが、片足が中破した状態です。
移動は問題ありません。」
夏油「救助が来る可能性は?」
ラピ「正直に申しますと、ありません。吹雪が酷過ぎて、絶えず地形が変化しています。」
アニス「まあ、きっとここでゆっくり死んでいくのね。」
状況説明を終えたラピ、説明を聞いたアニスはこの状況に絶望していた。しかし、夏油の言葉を聞いて驚愕する。
夏油「...私が救助要請をしに行くよ。」
ラピ「無理です。外に出たら10分、いえ、5分も持たないでしょう。」
夏油「しかし私はこれといった外傷は無い、これしか無いんだ。」
ラピ「得策ではありません。絶対に認めません。
...指揮官を何度も危険な目に遭わせてしまいました。それなのに、そんな死と紙一重な状況に追いやるなど、絶対にありえません。」
夏油「......」(ラピの言っていることは正しい...)
ラピの訴えを聞いた夏油は項垂れながら、スノーホワイトと目線を合わせてハンドサインで会話する。
スノーホワイト(すまない、私のミスだ。)
夏油(いや、あの時遅れて避難が遅れた私のせいだ。
...だからこの状況は、私が何とかする。)
スノーホワイト(...出来るのか?)
夏油(あぁ、信頼できる人が、君と同じ様に呪霊の存在を知った人がいる。)
スノーホワイト(そうか...)
夏油(......)
夏油がスノーホワイトに救助を要請する方法についての詳細を伝え、早速準備する夏油だが、スノーホワイトの様子を見て大破している足を注視した。
夏油(その足...大丈夫かい?)
スノーホワイト(...心配ない、肉が焼きただれて歩けないだけだ。足の骨格の被害は無い。)
夏油(...その足を直そうか?)
スノーホワイト(...は?)
夏油の発言に驚愕して目を見開く。声が出そうになったが直ぐに冷静さを取り戻し、非現実的だと言い放つ。
スノーホワイト(いくらお前が人外じみているとしても、傷の治療ができる筈が)
夏油(そうだね、私
スノーホワイト(...お前の呪霊なら出来るのか?)
夏油(機械や部品なら未だしも、肉体の負傷なら直せる。)
スノーホワイト(私の負傷が治せるなら、何故、
夏油(出来る事なら治療したい。でも、彼女たちは呪霊を知らない、出来れば知ってほしくない。
今話すのは彼女たちの精神的負担になるし、最悪人質にされる可能性だってある。)
スノーホワイトは治療しない理由について、夏油に訪ねる。夏油はラピたちが呪霊や夏油の存在について知らない事、その存在を広げない為の措置であると伝える。
スノーホワイトは夏油に、見捨てるかもしれない危険性を伝える。その問いに夏油は迷いの瞳でスノーホワイトに返答する。
スノーホワイト(...私を信じるのか? お前たちを見捨てるかもしれないんだぞ?
逃げてしまった方が、目撃者もいないし楽だ。)
夏油(モダニアを追いかける時、君は私を信じて同行させてくれた。
私も君を信じる。)
スノーホワイト「......私が救助に行こう。」
ラピ「でも、貴方の片足は...」
スノーホワイト「移動に支障はない、ここから救助要請するまでなら持つだろう。
約束する。...必ず助けに来る。」
そう言ってスノーホワイトは、焼きただれた片足を引きずるように歩き始め、バンカーの扉を開けて救助要請に向かった。スノーホワイトが外に出ると、黒い薄着を来た長髪の中性的な男がスノーホワイトを待っているかのようにバンカーに寄りかかっていた。
??「おっ?来た来た。夏油から話は聞いてるよ、助けを呼ぶために足を治す必要があるんだろ?」
スノーホワイト「お前が治せるのか?」
??「一応ね、直ぐに終わるから足出して。」
男の言う通りにスノーホワイトは、負傷した足を男に向けて差し出す。男は片手で負傷していない箇所に触れてポツリと呟いた。瞬間、スノーホワイトの焼きただれた皮膚は、周囲の肉体が筋肉や皮膚などの組織を形成していき、火傷も消えて完治する。
この現象を目の当たりにしたスノーホワイトは、改めて驚く。
??「無為転変。」
スノーホワイト「...本当に治せるとは......」
??「問題ないね、それじゃあ行こうか。」
スノーホワイト「治療は済んだ、後は私だけで向かう。」
??「...それじゃあ、俺は勝手についていってもいい??」
スノーホワイト「私を疑っているのか?」
??「い~や、ただ帰ると暇なだけ。だからお願い! 俺も同行させてよ!」
スノーホワイトは足を何回か踏みしめて異常がないことを確認した後、男と共に歩き出す。夏油たちが救助されるのは...彼らが向かって約3時間が経過した後のことだった...
ニケの夏イベでBOOM顔を対消滅できる所まで行って満足したけど、エレグモードとかいう
とんでもモードを見つけて超困惑した。
というか滅茶苦茶遅れてしまった...本当に申し訳ありません。
夏油たちが任務で野営していた時のこと...
アニス「......」
ラピ「......」
ネオン「...師匠。」
夏油「何だい?」
ネオン「暇です。」
夏油「今昼だし、昼寝でもするかい?」
ネオン「暑さとぐっすり眠ったため眠気がありません。」
夏油「確かに。」
アニス「ここら辺の暑さって異常よね?」
ラピ「でも任務は終えた、後は帰るだけ。」
ネオン「炎天下の中移動するのも辛いですけど、そのうちここがサウナになりそうですよ。」
夏油「暑さを紛らわすもの...怪談なんかどうだい?」
アニス「えっ」
ネオン「怪談...って怖い話ですか?」
夏油「そう、怖い話を聞いてこの場を涼しくしようと思ってね。」
アニス「ふ、ふ〜ん。怖い話ね。」
ネオン「私は自前の火力があるので怖いと感じられないかもしれません。」
(´ω`)
アニス「暑く無くなるなら何でもいいわ。それじゃあ言い出しっぺである指揮官様からお手本を。」
夏油「いいよ、話は決めてある。」
アニス「準備がいいわね、指揮官様。ラピも参加する?」
ラピ「いや...私は...」
ネオン「大丈夫です!怖くても、私の火力で吹き飛ばせます!」
ラピ「そうじゃなくて...」
アニス「もしかしてラピ、怖いの?」
ラピ「違う。幽霊や怪奇現象なんて非科学的な物は、興味無いだけ。怖くないわ。」
アニス「じゃあ問題無いわね! 指揮官様、始めちゃって〜。」
夏油「分かった、ある昔にとある法師がいたんだ。」
アニス「法師?」
夏油「簡単に言うと、僧侶かな?」
ネオン「昔ってどれぐらい昔なんですか?」
夏油「ラプチャーがやってくるよりも昔...コンピュータや車がない時代だ。
話を続けるね、琵琶という弦楽器を弾きながら物語を語る、僧侶姿の芸能者。琵琶法師と言うんだ。」
アニス「吟遊詩人みたいな感じ?」
夏油「そう、中でも彼は『ひとたび彼の語りを聞けば、鬼神も泣いて逃げ出す』なんて言われる程の怪談の名手でね。
ある日とうとう、土地の領主からお声が掛かった。」
ネオン「『怪談で民衆を怯えさせるな!』って言ったんですか?」
夏油「その反対なんだ、領主は法師の評判を聞きつけ、召し抱えることに決めたんだよ。」
アニス「? それならいい話じゃない??」
夏油「そこまでならね、当然これで終わらない。
ある夜に、彼は領主に呼び出され広間にやってきた。
家来に加えて、領主の妻子まで集まる大きな催しだった。法師は領主に命じられるまま、広間で演奏を行なった。」
夏油「結果、あまりの恐怖に領主の子供達が泣き出し、妻は失神、怒髪天をついた領主は彼を嬲り殺しにしてしまったという訳さ。」
アニス「......」
ネオン「......」
夏油「......以来、いわくつきの広間として、世に知られるようになった。
怖い話をその広間ですると、現世を恨み鬼と化けた法師が、琵琶の音を奏でながらやってくるのだとか。」
アニス「それって...実話なの?指揮官様??」
夏油「アニス、怪談でそこ明かすのは無粋ってものだよ。お話を最後まで明かすと面白味が無くなってしまうからね。」
アニス「まぁ、、、そこそこ面白かったわね。」
ネオン「琵琶法師さんが可哀想でしたが、でも話すだけで恐くなるのは興味あります!」
ラピ(ホッと胸を撫で下ろす。)
夏油「でも、その広間の場所は分からないんだ。伝え聞かせる間に詳しい情報が摩耗していき、一体何処で行われたのかよく分かっていないんだ。」
ネオン「そうなんですか?」
夏油「アークは含まれないだろうけど、地上の何処かにその広間がある。私たちの知らない場所か、過去に通った場所か...」
輪を囲っている夏油たち、そんな中、ラピ、アニス、ネオンの背後から冷たい隙間風が流れ込む。
アニス「...えっ...」
夏油「もしかしたら、、、ここなのかもしれない。」
夏油がいい終わると同時に、弦楽器の音色が廃墟に響き渡る。
アニス&ネオン「「きゃぁああああ!!」」
夏油「とまぁ、話はコレでおしまいだ。大丈夫かい?二人とも、結構大きな悲鳴だったけど。」
アニス「私はさっきの音にビックリして...」
ネオン「私はアニスの悲鳴に驚きました。」
アニス「貴方も一緒に驚いたでしょ!」
ラピ「すぐに出発しましょう、指揮官。」
夏油「ああ、そろそろ帰ろうか。」
ネオン「冷や汗までかくとは...」
アニス「指揮官様!帰ったらシャワー使わせて!!」
夏油「分かったよ。」