ぶっちゃけ「サ終すんのか!?」って思ってました。
スノーホワイトに渡された弾丸に、アンチェインドという単語について知った夏油たちは、アークに戻る為に来た道を戻っていた道中だった。マッピングされた目的地である、アークに通じているエレベーターのピンが見えてきた時に、アニスが夏油に話始める。
アニス「それで、さっきの話...大丈夫なの?」
夏油「あぁ、大丈夫さ。彼女は十中八九、あの偽造書類を提出しない。」
ネオン「殆どですか!?」
ラピ「その根拠は何ですか?」
夏油「これだよ。」
そう言って夏油が取り出したのは、先ほどスキャン装置で調べた弾丸。アニスはその弾丸から、出てきた単語を口にする。
アニス「アンチェインド??」
夏油「そう、これがある限り...というより、アンチェインドの情報に関する情報を手に入れない限り、迂闊に手は出せないよ。」
ネオン「??どういうことですか???」
夏油「この理由を説明する前に、シュエンの行動理念について考えてみようか?
まず、シュエンが初めて接触してきた時だ。」
ネオン「トーカティブでしたよね?」
アニス「データベースにまともな情報が無かったトーカティブを捕獲っていうんだから、今思えばかなり危険だったわよね。」
夏油「うん、シュエンはトーカティブについて調べるや、部品を持ち帰るのではなく、
アニス「ワードレスと一緒に行ったけど、アイツが出鱈目で二人の能力が効かなかったのよね...」
ラピ「...ワードレスの性能を宣伝する為?」
夏油「私もそう考えている。」
ネオン「宣伝?」
キョトンと頭を傾げるネオンの隣で、アニスはラピの発言から少しずつ分かってきて、夏油に向かって問いかける。
アニス「つまり、あの任務はワードレスのデモンストレーションってこと?」
夏油「あの任務自体、かなり無茶苦茶な作戦ではあるけど、トーカティブというアークに情報が無い存在を捕まえたら?」
ラピ「過程はどうあれ、かなり注目されるでしょうね。」
夏油「そうなるとミシリスの株価は上がり、シュエンも優秀なニケを製造できるという実績を得られる。」
ネオン「つまり、シュエンは自分の優秀さを知らしめたいんでしょうか?」
ネオンの発言に夏油が頷き、シュエンの行動理念から今回の任務での変装について話始める。
夏油「そうだろうね、今回の件もそうだ。シュエンの行動理念が実績なら、態々シフティーに化けてまで任務に同行しなかっただろう。」
アニス「そうだけど、あのクソガキのことだから私怨も入ってそう...」
アニスが目を顰めてシュエンの行動について考える中、ラピはシュエンの行動目的が夏油たちの妨害だけと考えて思考する。
ラピ「指揮官の言った通り、私たちを妨害したいなら中央政府に報告すればいい...特殊別働隊と言えど、憂さ晴らしに地上に出た報告するなら警戒されて監視される、全て話せば弾丸は押収される...」
ネオン「......あっ、押収されたら独り占めできませんね。」
アニス「その上私たちを監視してる理由についても聞かれるかも?」
夏油「その通り、シュエンが最も恐れているのは中央政府に知られること。報告すれば感謝だけはされるかもしれないが、会社の実績にはならない、出来る事ならこの弾丸についての技術や情報を独占したいんだろう。」
アニス「そういえば指揮官様が言ってたわね、
夏油「ここからは完全に私の推測だが、恐らくシュエンはこの弾丸について調べ上げて、その技術を独占するつもりなんだろう。」
ネオン「その...独占したら...どうなるんですか??」
ラピ「技術を他社から秘匿して、経済面でも権力面でも更に高くなる...」
アニス「つまり、エリシオンとテトララインに共有せず、お金ガッポガッポ儲けて、三大企業の関係が対等じゃなくて、ミシリストップになっちゃうわ。」
ネオン「今以上に偉くなっちゃったらもうどうしようもありませんよ...」
今回の件で三大企業の未来が大きく変わること知り、ラピは肩にかけている銃のベルトを握る力を無自覚で強め、アニスは少し俯きながら腕を組み、ネオンはアニスの説明を聞いてギョッとした表情を見せて心底嫌な顔で深刻な顔を浮かべる。
夏油はそんな彼女たちを見て、弾丸を握り閉める。
夏油「少なくとも、この弾丸についての情報が全て明らかになるまでは、シュエンに絶対に渡さない。...マリアンを救う唯一の手がかりなんだ。」
ラピ「はい、私も同じ気持ちです。」
アニス「こうなったら、とことん反抗してやるわ!」
ネオン「今度の壁は権力ですか...ふっふっふっ、これは気合が入ります!!」
新たに決意を固めた夏油たちは、話が終わると同時にエレベーターに乗り、アークに帰還する...
アークに続くエレベーターに乗っている中、夏油はラピたちに注意を促す。
夏油「恐らく、今シュエンは血眼になって弾丸に関する情報を手に入れようとするはずだ。焦っている影響で監視、最悪弾丸を強奪してくるかもしれない。」
ラピ「十分に注意が必要になりますね。」
アニス「もとより警戒を解く気なんてさらさら無いわ、私たちにとってアークは味方より敵が多いもの。」
ネオン「私たちは師匠の護衛も任務ですからね!」
夏油「あと、弾丸の名称についてもあまり話さない方がいいだろう。」
ネオン「では隠語はいかがですか?」
アニス「それって、スパイ映画とかで名前を隠すときに使う奴?いいね、何か候補はある?」
ネオン「火力!威力!破壊力!」
アニス「それ平常運転でも言うじゃない...」(≖ࡇ≖)
ネオン「じゃあ、アニスは何かあるんですか?」
アニス「指揮官様の好物でいいんじゃない?」
ネオン「ざる蕎麦ですか? 適当だと思うんですけど。」
アニス「こういうのは関係性が無いのがいいのよ、探られにくいからね。」
アニスとネオンがアンチェインドの隠語について話している間、アンチェインドの調査の他に、今後の任務についてラピは夏油に自身の考えを話していた。
ラピ「指揮官、エクシアが言っていた通り、中央政府のデータベースに弾丸の情報があると考えられます。しかし、中央政府のデータベースを無断で閲覧する行為は犯罪です。」
夏油「そしてその中央政府は、私たちに注目されている...潜入して調べる線は無しだね。」
ラピ「情報面もそうですが、戦闘面や移動面でもやはりオペレーターのバッグアップや物質の協力が必要だと考えられます。
私たちだけで、これ以上過酷な任務を続行するのは現実的ではないありません。」
夏油「...今回の件を皮切りに後ろ盾を作るべきと考えているんだね。」
ラピ「はい、出来る事なら副司令クラス...三大企業のCEOの支援を受ける必要があると考えられます。
アンチェインドというキーワードを入手したこの状況、彼らの手助けがあったら簡単に片づけられます。」
ラピと夏油の会話が聞こえたのか、アニスとネオンはその考えに難色を示していた。
アニス「あの
ネオン「中央政府に密接に関わっていますし、こちらの情報を流されるんじゃないんですか?」
アニス「うんうん。協力するなら
ラピ「確かに、後ろ盾と情報を共有するのが、毒になるかもしれませんが、得の方が多いと思います。
どうしますか? 指揮官。」
夏油「......」
夏油は顎に手を添えて協力者について考える、瞳を閉じて数秒経過した後、決断を下す。
夏油「...分かった、企業と同時にアンダーソンさんの協力を結ぶ。」
アニス「マジ?」
夏油「マジだ、ラピの言う通りこれ以上過酷な戦いでは、支援が無いと厳しいだろうね。今回も地雷のスキャンとスキャン装置の特定が必要だった。
だからアンダーソンさんと協力関係になり、オペレーターの配属とアンダーソンさんを経由して、出来る事なら2社の協力関係を形成し、物資の支援もして貰おうと考えている。」
ラピ「ですが、私たちで提供できる物はこの弾丸...」
ネオン「
アニス「上手くいくのかしら? 凄く不安だわ。」
夏油「大丈夫さ、そろそろラピの件も難しくなってきた。それに、私たちには切り札がある。」
ネオン「切り札ですか??」
アニス「信用していいって訳ね?」
夏油「あぁ。」
自信に溢れた夏油の表情から、ラピ、アニス、ネオンは夏油を信じて合意する。
ラピ「分かりました、指揮官。」
アニス「指揮官様がそう言うなら、私も信じる。」
ネオン「私もです! 一緒に頑張りましょう!師匠!!」
3人の言葉を聞いた夏油は、1つ頷き正面を向く。エレベーターはアークに到着し、灰色に輝く堅牢な金属扉が開かれていく。夏油たちが副司令室に踏み出す中、夏油はふと思い出したかのようにネオンに告げた。
夏油「あっ、ネオン。もしかしたら今日からスパイではなくなるかもしれない。」
ネオン「............えっ???」
エレベーターを降りて、アンダーソンと協力する為に副司令室に向かった夏油たち。ノックして扉を開けると、机にはアンダーソンが座り、その隣にイングリットが立っていた。アニスとネオンは面食らいながらも、夏油は協力の件を持ち掛ける。
夏油「こんにちは、アンダーソンさん。」
アンダーソン「君か、随分急な訪問だな。」
イングリット「報告か? では私は出て行く方がいいだろう。」
夏油「いえ、報告ではありません。出来る事なら、イングリット社長もご同席お願いします。」
イングリット「ふむ...分かった。話は何だ?」
夏油「単刀直入に言います。
アンダーソンさんとイングリット社長、私たちの後ろ盾になって頂けませんか?」
夏油の申し出にアンダーソンとイングリットは数秒固まるが、直ぐに後ろ盾が必要になった理由について夏油に尋ねる。
アンダーソン「...私とイングリットに君の後ろ盾になってほしい...か。」
イングリット「その後ろ盾についての説明の前に、何故必要になった経緯について教えてもらおう。」
夏油「戦力不足という点もあるのですが、現在この弾丸を調査してある単語を得られたのですが、アーク内のデータベースに何処にも記録されていないのです。
そのデータが記録されている中央政府のデータベースを閲覧したい状況になってしまいまして、お二人のクリアランスなら閲覧可能だと聞いて、お二人と協力関係を結んだ方が良いと判断しました。」
イングリット「中央政府のデータベースを閲覧したい...か。」
カウンターズが後ろ盾が必要になった理由について夏油から聞いたイングリットは、腕を組み夏油の顔を真っ直ぐ見つめて言い放つ。
イングリット「ハッキリ言おう。企業としては、こちらに何の利益も無いと思うが。」
アンダーソン「私も同じだ、何の利益もない。」
イングリット「そう言った上で聞こう。お前は私たちに何を提供できるつもりだ?」
アニスとネオンがあたふたと慌てている中、夏油は自信を持って二人に宣言する。
夏油「こちらの情報をお二人に提供できます。」
イングリット「情報か。残念ながら、私たちの情報力はお前たちの想像を遥かに上回る。
お前が今苦労して調べているその弾丸も、その気になればすぐに突き止められる。」
アンダーソン「最も、その弾丸を調べても、有用な物とは思えないが...」
イングリットとアンダーソンは夏油の提案に対してそれ程魅力的な点が無いと判断して、夏油たちを突き放す。しかし、夏油はアンダーソンに申し出る。
夏油「すみません、イングリット社長。アンダーソンさんと二人で話しても構いませんか?」
イングリット「二人だけでか?」
夏油「はい、出来ればラピたちも外で待っていて欲しい。お願いします。」
イングリット「...いいだろう。」
ラピ「...分かりました。」
アニス「なんか凄く不安になってきたわ...」
ネオン「師匠!ファイトです!!」
イングリットは一瞬その申し出に固まるが、直ぐに了承して外に出る。ラピたちも後に続いて副司令室を退室する。アンダーソンは四人が外に出たことを確認した後、夏油に尋ねようとするが、夏油は右手を顔の前に出し、親指、人差し指、中指を天井に向け唱える。
唱え終えると、夏油とアンダーソンの頭上に黒いドロドロとした液状の何かが二人を中心に球状になって包み込む。すると、二人を包み込んだ黒い半球は周囲の景色と透過し、外部から干渉できなくなるように遮断される。
アンダーソン「
夏油「はい、貴方は浸食の発生を内通者がいると言いましたね。」
アンダーソン「少なくとも、そう考えるのが妥当だ。」
夏油「その進展があったので、訪ねてきました。」
アンダーソン「!?」
夏油の発言にアンダーソンは目を見開き、動揺する。動転している心を落ち着かせて、夏油が入手した情報について詳しく聞く。
アンダーソン「つまり...内通者が分かったのか?」
夏油「今は言えません、こちらも死に物狂いで入手したので。」
アンダーソン「...欲しければ後ろ盾になれと...」
夏油「今後得られた情報も、貴方にのみに与えるという条件も付けます。...ダメですか?」
アンダーソンと夏油は互いに鋭い視線をぶつけ合う様に、互いを見つめる。数刻後にアンダーソンは瞬き、表情を和らげる。
アンダーソン「...いいだろう。だが、イングリットに対するメリットはあるのか?」
夏油「イングリット社長には、こちらの秘密を開示する許可を与えます。」
アンダーソン「いいのか? 君の特異な力を知る人間が増えても。」
夏油「構いません、例え知られても私にとってデメリットではありません。
寧ろこの状況で十分に使える手札だと考えています。」
アンダーソン「...こちらも言い詰められてれていてね、助かるよ。」
夏油「出来るなら今話した方が宜しいですか?」
アンダーソン「イングリットを納得させるなら、今すぐの方がいい。」
アンダーソンの提言に夏油は頷き、帳を一度上げて副司令室の扉に向かう。扉の先にいるイングリットを呼んで再び扉を閉める夏油。ラピたちはその様子に、自身の現実と乖離している雰囲気を感じ取る......
本編と違うストーリー展開になったから、どう進行させるかで時間をかけすぎてしまいました。すみません。次回はかなり短めになると思います。
夏油が地上で任務に従事している最中、副司令室では...
アンダーソン「...しかし、呪霊という超常現象が存在していたとは...いや、こちらには存在s」
言い終わる前に、扉からノックが響く。
アンダーソン「...入りたまえ。」
イングリット「私だ、彼らの調子はどうだ?」
アンダーソン「うん、やはりシミュレーションと実戦の乖離が激しいな。これが北部での活動報告書だ。」
イングリット「...ピルグリムらしき影は見えた、か。その後トーカティブと接触して撃退に成功。正体不明のラプチャーに遭遇...ヘレティックか?」
アンダーソン「その可能性が高いだろう。」
イングリット「こうしてトーカティブやヘレティックに出会い、そして生還しているとはな...」
アンダーソン「末恐ろしいな。」
イングリット「...ところで、例の件はどうした?」
アンダーソン「?例の件とは??」
イングリット「夏油の接敵時に敵の攻撃が当たらない現象だ。何か進展はあったのか??」
アンダーソン「.........特にない。」
イングリット「何だ今の間は。」
アンダーソン「何でも無い。」
イングリット「下手な噓は信用を失うぞ。」
アンダーソン「勘違いをさせてしまったのならすまない。だが、北部での戦闘は吹雪による通信途絶で検証しようがないのだ。」
イングリット「.........そうか。」
アンダーソン「...また何か分かったらこちらから伝える。」
イングリット「...分かった。」
副司令室の扉を開けてイングリットは退室する。
アンダーソン「...はぁ...毎週3~5回言い詰められると精神が疲弊する...。」(今度彼が来たら開示していいか頼もう...)