特級呪術師のデストピア   作:クモッ!

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 現在の活動にも一区切りつきましたし、ストレスが溜まってきたので近いうちにお祝いでカラオケでも行きたい所ですね。


合流、メティスとアブソルート

 野営の準備を終えた夏油たち、デコイ撒きを終えて帰ってきたアニスとネオンは、道中で3人のニケを拾って帰ってきた。その3人のニケは、アブソルートと共にヘレティックと交戦したミシリスが誇る最強分隊、メティス分隊だった。

 

 

????「......」( °▿° )

 

????「......」( °⌓° )

 

??????「......」

 

ウンファ「......」

 

ラピ「......」

 

ベスティー「......」

 

ネオン「......」

 

エマ「......」

 

アニス「......」(≖ࡇ≖)

 

シフティー「......」

 

夏油「......」

 

アニス「もっと増えちゃったよ...」(≖ࡇ≖)

 

 

 アニスがメティスを一瞥して、更に作戦メンバーが増えたことに困惑する。夏油はメティスに何があったのかを聞くため、状況説明するように頼む。

 

 

夏油「アニスとネオンが君たちを連れてきたが...何があったんだい?」

 

????「うむ、その前に自己紹介だ。私はラプラス、メティスの一員でアークのヒーローだ!」

 

??????「私はマクスウェル、研究員で装備開発と整備を担当しているメカニックよ。」

 

????「......」

 

 

 状況説明の前に自己紹介するラプラスとマクスウェルだが、白髪の黒と赤の装甲を身につけている一人だけが、腕組して沈黙する。マクスウェルはその一人に自己紹介するように促す。

 

 

マクスウェル「ちょっとドレイク、あんたも自己紹介しなよ。」

 

ドレイク「貴様如きに名乗る名は無い!!

 

マクスウェル「初対面の人にそういう態度は失礼でしょ? それにあなたが名乗らないと名無しさんって言われ続けるけど、それでもいいの?」

 

ドレイク「そうだな...すまない。」

 

アニス(直ぐに謝るのね。)

 

ネオン(言動の落差が凄いですけど、律儀で真面目なんですね...)

 

 

 マクスウェルに指摘されたドレイクは、その考えに同意して夏油たちに頭を下げて謝罪する。さきほどまでの言動との落差に、アブソルートを除く夏油たちは困惑する中、ドレイクは仁王立ちになるように足を開き、腕を重ねてポーズを取りながら自己紹介する。

 

 

ドレイク「私の名はドレイク!! 最高のヴィランだ!!!

 

夏油「カウンターズ分隊を指揮する夏油傑だ、分隊のメンバーはラピ、アニス、ネオンだ。宜しく...」

 

ラプラス「うん! 宜しく頼むぞ!!」

 

ラピ「......」(メティスに向けて会釈する。)

 

アニス「よろしく...」(顔が引きつりながらも笑顔を作る。)

 

ネオン「よろしくお願いします!!」(負けじと胸を張って元気よく声を出す。)

 

 

 自己紹介を終えたラプラス、ドレイク、マクスウェルは、夏油たちにどうしてアニスとネオンに拾われたのかという説明を行う。

 

 

マクスウェル「自己紹介終わり、確か何で合流したのか説明して欲しかったよね?」

 

夏油「ああ、頼む。」

 

ラプラス「実は、こちらの準備不足が原因で...動けなくなったのだ。」

 

夏油「動けなくなった?」

 

アニス「うん、会話は何とか出来てたけど...」

 

ネオン「体はピクリとも動けなかったんですよ。」

 

夏油「ということは、つまり...」

 

ドレイク「そうだ! 電池(エネルギー)切れで動けなかったというわけだ!!

 

 

 詳しく言及しようとした夏油を差し置いて、ドレイクが胸を張って堂々と動けなくなったことを伝えた。ハッキリ言うドレイクにマクスウェルは頭を掻きながら笑顔で、助かったことに安堵し、ラプラスは救助してくれたことに対して感謝を伝える。

 

 

マクスウェル「いや~危なかった~。まさかあそこでバッテリーが切れるとはね。」

 

ラプラス「非常用のバッテリーを分けてくれたこと、感謝する。」

 

ウンファ「間抜けな奴らだな。地上へ上がってくるのに、バッテリー点検もしないのか?」

 

ラプラス「私たちはコアの他にも、電気を補助動力として使っているからな。

 どうしても普通のニケよりは、気を付ける点が多い。」

 

マクスウェル「それもそうだし、作戦が終わってからすぐに上がって来たってのが一番大きいよね。」

 

夏油(任務から戻って来た後に、私たちの追跡を命じられた...ということか。)

 

アニス「直ぐに? それって働き過ぎじゃない?」

 

 

 ウンファの指摘から、ラプラスはエネルギー管理が難しいということを伝え、マクスウェルは帰投後に直ぐ任務を言い渡されたことを伝える。夏油はシュエンの命令で急遽追跡すると命令されたと考え、アニスはメティスの過酷な労働環境に耳を疑う。アニスの発言を聞いて思わず愚痴を零すマクスウェル。

 

 

マクスウェル「言われたらやるしかないよ。シュエンはこっちの事情なんかお構い無しなんだから。」

 

ドレイク「はっ! 言われた通りに動くなんて、豚と一緒だな!

 

マクスウェル「だったら、あなたが何か言ったら?」

 

ドレイク「シュエンは怖い。」( °⌓° )

 

夏油・アニス・ネオン(((正直...。)))

 

マクスウェル「...はあ。」

 

 

 シュエンの命令に対してげんなりするマクスウェル、そんな様子のマクスウェルを見て罵るドレイクだが、マクスウェルにシュエンに進言しろと言われて怖いから無理という。二人のやり取りを聞いていたラプラスは話を止める。

 

 

ラプラス「そこまで、自己管理もヒーローに必要なものの1つだ。私たちがいくら疲れても、悪党は待ってくれない。」

 

アニス「じゃあ、ヒーロー失格ね。」

 

ラプラス「!!...一般ニケにこんなことを言われるとは!

 まだまだ先は長いのか...!!」( °▿° )

 

ラプラス「君たち! 戻ったら特訓だ!」

 

マクスウェル「何が特訓だよ、バッテリー容量を増やすのが先でしょう?」

 

ラプラス「装備に依存するな! 真の正義は心から湧き出るものだ!」

 

 

 アニスの発言に納得するところがあったのか、ラプラスはその意見を真っ直ぐ受け止めマクスウェルとドレイクに帰投後は特訓するべきだと話す。しかしマクスウェルは再発防止のためにバッテリー容量を増やすべきだと言うが、ラプラスは正義からエネルギーや火力に変換するという持論を展開する。

 

 そのラプラスの持論に、ネオンが反応して手を挙げる。

 

 

ネオン「じゃあ、ここに正義の化身がいますよ!」

 

エマ「まあ。」

 

ドレイク「...お前、大きいな。それを寄こせ! ほら!

 

エマ「あ~これはあげられるものじゃないから、ごめんねぇ。」

 

ドレイク「遺憾だ。」( °⌓° )

 

 

 エマの胸部を見て正直に発言するドレイク、エマはあげられないと言うと凹む。話が収まる気配が一向に見えないウンファは、全員口を閉じるように伝える。そして任務途中からずっと尾行していた理由について尋問する。

 

 

ウンファ「全員黙れ。何故私たちを尾行した? このミシリスの犬ども。」

 

マクスウェル「シュエンに言われたのよ、あなた達を助けろって。」

 

夏油(合流しなかった点から見ても噓だな。)

 

ウンファ「お前の口から出た言葉の中で一番面白かったぞ。それを信じろと?」

 

マクスウェル「そうだよね? 白々しかったよね?」

 

ウンファ「何しに来た?」

 

マクスウェル「ヘレティックの破片を回収しに。」

 

夏油(こちらの目的は筒抜け、しかしこちらが動いた瞬間動き出した点から見ても帳の効果はある。そしてイングリットさんの考察を聞いた上で行動していなければ不自然だ。)

 

 

 マクスウェルは噓をつくが直ぐに看破され、本来の目的を話し、夏油たちの目的と一致する。このことから、帳での会話が聞かれていないこと、エリアHに向かう前に話したイングリットさんの考察を知っていなければ不自然なシュエンの行動から、副司令室から盗聴されていることを結論付ける。

 

 

ラピ「......」

 

アニス「...情報が漏れちゃったみたいね。」

 

マクスウェル「厳密に言えば突き止めたの。

 ミシリスにはアブソルート専門の情報部があるから、あなた達が何処で何をしているのか、くまなく報告されるのよ。」

 

マクスウェル「あなたたちがこっちに向かっていたから、理由を調べたわけ。

 そしたら、かつてヘレティックと交戦した場所だ、という結論が出たの。炎も全て消えた状態だし。じゃあ、目的は1つしか無いでしょう?」

 

マクスウェル「ヘレティックの破片が目的だと嗅ぎつけたシュエンが、私たちを送ったのよ。」

 

夏油(成程、聞いたのはアンチェインドという名前、そこからナノマシンを使用しているNIMPH、トーカティブの修復機能が同じナノマシンの治癒の効果と分析し、ヘレティックも同様の効果があると仮定してここに辿り着いたのか...)

 

 

 マクスウェルから夏油たちが特定された理由について詳しく説明し、副司令室での盗聴とそこからエリアHが目的地だと導ける思考能力に感心する夏油。エマはアブソルートに対する情報収集能力が高いことに驚き、ウンファはマクスウェルを睨みつける。

 

 

エマ「わぁ、私たち凄く注目されてるのね~。」

 

ウンファ「汚いことをするな。」

 

ラプラス「情報を活用するのは、戦術の基本だ。汚いとかそういう言葉は不適切だ。」

 

マクスウェル「長話はいいから、もう寝ようよ。明日から頑張って探さないとだから。」

 

ウンファ「おい、勝手に合流するな。」

 

マクスウェル「ぐう...」

 

ウンファ「......」

 

 

 ウンファの言葉も通らず、マクスウェルはすぐさま横になって就寝する。ウンファは言葉が出ずに眉をひそめる中、ドレイクがネオンに枕は無いかと問い詰める。

 

 

ドレイク「枕を出せ! 私は枕が無いと寝られない!

 

ネオン「あの...私たちも枕は無いんですけど...」

 

ドレイク「ならば仕方無い。寝る。ぐう...」( °⌓° )

 

 

 枕が無いと分かった瞬間、大の字で鼻提灯を作って寝始める。ネオンは何があったのかという表情でドレイクを見つめる、そしてメティス最後のラプラスが右手を胸に当てて宣言する。

 

 

ラプラス「私が寝ずの番をしよう! 弱い者を守るのが、ヒーローの使命だからな!

 皆、安心して熟睡するように!」

 

ラプラス「ぐう...」( °▿° )

 

夏油「立ちながら寝ている...」

 

アニス「バカじゃないの?」(≖ࡇ≖)

 

 

 意気揚々と見張り番を担当すると言っていたラプラスは、立ったまま鼻提灯を作って眠ってしまう。結局カウンターズとアブソルートのメンバーが、時間ごとに見張り番を交代することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 野営にメティス分隊が加わり、結局見張り役はカウンターズ分隊とアブソルート分隊のメンバー交互で行う事になった。深夜2時頃一人で見張り番をしていたウンファは、スナイパーライフルを抱えながら周囲を警戒していた。

 

 

ウンファ「......」

 

夏油『最後に一つ、他人の死を軽んじる君の人間性、直した方がいいよ。

 

仲間に見捨てられたくないのなら。

 

ウンファ「......」

 

夏油「もし昼の言い方が酷かったなら謝る、私も言い過ぎた。」

 

ウンファ「...お前如きの言葉で揺れるほど、私は軟弱ではない。」

 

夏油「そうか......」

 

ウンファ「......」

 

夏油「......」

 

 

 荒野の暗闇の中、二人の間に沈黙が流れる。が、ウンファは夏油に対して質問を投げかける。

 

 

ウンファ「お前の言葉...仲間に見捨てられたと言っていたが、何故そう言った。」

 

夏油「君とラピの関係は全く知らなかった、けど君がラピに対して怒りを含めた様々な感情を向けていた気がしてね。そして君は言葉遣いはきついけど、本当は犠牲者を増やさないためなんじゃないか?」

 

ウンファ「あいつらがこの作戦に邪魔だと思った、それだけだ。」

 

夏油「そう言って、味方を死地に送ることを避けていたように感じた。」

 

ウンファ「おめでたい奴だな、そう思いたいならそう思うといい。」

 

夏油「あぁ、そう思うよ。」

 

 

 微笑みながらウンファに返答し、夏油の顔を見て顰めるウンファは舌打ちをする。そして、質問を続きをふとこぼす。

 

 

ウンファ「......お前も仲間に見捨て()()()のか?」

 

夏油「いや......私は見捨て()。戦っていく内に戦う理由と守る理由が分からなくなってね。」

 

ウンファ「そんな理由で離れたのか。」

 

夏油「そうだ、明確に意思を固めていた筈なのに、私は迷って、悩んでいた。この苦しみを共有しようにも出来なかった。気がつけば私は、親友のもとを離れていた。」

 

ウンファ「.........。」

 

夏油「私の親友は、人混みの中でも構い無しに止めようとしてくれた。でも吹っ切れた私は、彼の声など聞こうともせず、去った。」

 

ウンファ「見捨てた癖に、親友とは図々しいんだな。」

 

夏油「私はあの時から、彼のことを親友()()()と思っていた。けど、最後の最後で、彼は私のことを『たった一人の親友だ』って言ったんだよ。

 こっちから勝手に切ったのに、彼は私を信頼して、親友と言ってくれた。」

 

ウンファ「......。」

 

 

 夏油の独り言を静かに聞くウンファ、夏油の生涯は決して生半可なものではない。その世界では心の底から笑えなかった夏油が、最後の最後で笑うことができた親友の言葉を、ウンファに伝える。話を終えた夏油はラピのことについて話す。

 

 

夏油「君とラピの関係に踏み込むつもりは無い、ラピも至らない点があって君が怒っているのだろう。」

 

ウンファ「フン......。」

 

夏油「もしいつか、ラピが君に心の内を打ち明かせた時、許さなくてもいい。」

 

ウンファ「は...?」

 

夏油「でも、仲直りはして欲しい。

 仲直りできなかったら、それはラピや君たち(アブソルート)にとって、生涯拭えない呪いに(心の底から笑えなく)なる。」

 

ウンファ「......。」

 

夏油「私が言える立場じゃないのは重々承知の上だ。」

 

 

 ウンファの前に立って、膝と頭を地面に付けて夏油は懇願する。ウンファは今まで指揮官を見て、プライドが無駄に高く、肝心な時に腰抜けになるのが殆どだった。

 しかし、今目の前の指揮官は、たった一体のニケに対して仲を戻して欲しいと頭を地面に付けて頼んでいる。関係無い外部の人間だと言うのに。

 

 ウンファは夏油を暫く見てから溜息を零し、返答する。

 

 

ウンファ「......考えてやる。」

 

夏油「ありがとう。」

 

ウンファ「勘違いするな、約束した訳じゃない。分かったらさっさと寝ろ。」

 

夏油「ああ、見張り番中にすまなかった。」

 

 

 ウンファに睨まれつつも、夏油は笑顔で感謝と謝罪を告げてテントに戻っていく。ウンファは夏油の行動に困惑しつつも、その認識を改める。

 

 

ウンファ「......変な奴。」

 

 

 言葉と同時に、ウンファの目の前の地平線から朝日が顔を出す。スナイパーライフルを軽く点検して再び見張り番に戻るのだった......

 

 

 

 

 

 

 

 

 起床後、移動を再開して広大な荒野を歩き続ける中、巨大な地面の裂け目を繋ぐ古い石橋を発見する。老朽している石橋の耐久性に疑問を抱くアニスは、シフティーに渡れるか尋ねる。

 

 

アニス「この橋、全員で渡れるの?」

 

シフティー「えっと...一応、データ上では20年前に造られた橋ですけど。貨物車の主な移動路だったそうです。

 ニケ9機は...ちょっと危なそうですから、分けて移動することをお勧めします。」

 

夏油「なら私を含め10人として、5人ずつに分けるのがいいだろうね。」

 

マクスウェル「いいや、分隊ごとに分けて渡ろう、先に渡って。アブソルートとカウンターズの皆さん。」

 

 

 夏油の進言に、マクスウェルは異なる意見を提示し、先に渡るように指示をする。アニスはマクスウェルの進言に難色を示す。

 

 

アニス「私たちが?」

 

ドレイク「行けと言ったら行け! ごたごた言うな!

 言う通りにしろ!

 

アニス「私たちはあなたの部下なの?」

 

ドレイク「それは違う。」( °⌓° )

 

アニス「もう、合わせてあげるのもしんどいね。」(≖ࡇ≖)

 

 

 覇気のある声でアニスに先に渡れと言うドレイクに、アニスは部下なのかと疑問を投げる。アニスの疑問にスンッと冷静になり違うと否定するドレイク、アニスは呆れ顔で疲れると言う中、マクスウェルは先に渡るように再び進言するが、ウンファは断る。

 

 

マクスウェル「そう言わずに、先に行ってくれない?」

 

ウンファ「尾行なんかする奴らを後ろに残したく無い。」

 

ラプラス「皆、ストップ! 私たちが先に渡ろう!

 ヒーローなら当然、力なき者たちのために先頭に立って危険に立ち向かうべきなのだ!」

 

マクスウェル「じゃあその代わり、ベビーと一緒に行くってば。」

 

夏油「?...ベビーって私のことか...??」

 

マクスウェル「そう。」

 

アニス「は?何で?」

 

 

 話が進まないと考えて、自らの分隊が先に行くと進言したラプラスに、追加条件で夏油と共に行くという条件を付けるマクスウェル。その条件に対して何故かアニスが尋ねる。アニスの疑問にマクスウェルは微笑みながら答える。

 

 

マクスウェル「何であなたたちの指揮官をベビーって言うのかというと...」

 

アニス「違う、何で指揮官様と一緒に行くの?」

 

マクスウェル「あぁ、そっち? あなたたちが私たちを裏切るかもしれないでしょう?」

 

ベスティー「わ、私たちはそんな卑怯なことしないわ。」

 

マクスウェル「うんうん、ベスティーは絶対そんなことしないよね。でも、そうじゃない子もいるから。」

 

ウンファ「...チッ。」

 

 

 背後からの奇襲を警戒していたマクスウェルは、ウンファに視線を移して不敵に笑みを浮かべる。ウンファは苛立ち舌打ちを打つ中、夏油はマクスウェルの提案を了承するが、ラピは反対する。

 

 

夏油「...分かった、一緒に行こうか。」

 

ラピ「反対です。」

 

夏油「ふむ...じゃあラピが納得できる条件を提示して欲しい。」

 

ラピ「私も同行する、それが条件です。」

 

夏油「という事だが、それでいいかい?」

 

マクスウェル「はいはい、大丈夫。どうせ3人でも4人でも一緒でしょう?」

 

 

 ラピも同行することを条件として、メティス分隊にラピと夏油が先に橋を渡ることが決定する。その決定に、アニスの不安は消えないままだった。

 

 

アニス「...大丈夫かな?」

 

ラピ「念のため、でも大丈夫でしょう。」

 

アニス「ならいいけど。」

 

マクスウェル「さあ、涙ぐましいお別れはそこまでにして、行こうか?」

 

ラプラス「出撃だ!」

 

 

 アニスは不安が解消されることは無く、マクスウェルは出発するよう促し、ラプラスはニカッと笑いながら先頭に立って進む。マクスウェルとドレイク、ラピと夏油も後に続き、難無く橋を渡りきる。

 

 

マクスウェル「よし、渡り切ったね。」

 

ラプラス「うむ!? この気配は...!」

 

夏油(ラプチャーが接近しているな...先に先手を)

 

ラプラス「そこだ!」

 

 

 空中を浮遊するラプチャー部隊を確認した夏油は、先手を打って攻撃しようとするが、ラプラスが一歩早くに両手持ちの巨大な砲台を向けてすかさずビームを発射する。ラプラスの攻撃は見事に命中して、ラプチャー部隊は爆散する...がその残骸が橋に墜落し始める。

 

 

夏油(っ...少々強引になるが仕方ない!)

 

 

 残骸に向けて夏油はすかさず右手を銃のような形を作り、左手を右手首を支えるように構え、右手に呪力を集中させる。呪力によってパワーとスピードを強化したイカ呪霊を、残骸目掛けて発射、命中して爆散する。橋は爆発痕は少し残ったが倒壊せずに済んだ。

 

 マクスウェルはラプラスの行動に怒り正気を疑うように発言し、ラプラスは行動に対して悪意は無いと弁明、ドレイクはラプラスの行動に対して間違った解釈をする。

 

 

マクスウェル「あなた、頭おかしいんじゃないの!」

 

ラプラス「わ、わざとじゃない。」( °▿° )

 

ドレイク「素晴らしい! 何時でも奴らなど倒せるという警告という訳か!

 やはりリーダー! お前を認める!

 

マクスウェル「もう、もし残骸が橋に激突してたら、8kmも回り道しないと合流できなかったんだよ!」

 

 

 マクスウェルが必死に最悪の事態が発生した場合を説明するが、ドレイクは問題があったのかと言わんばかりの表情で質問する。

 

 

ドレイク「何か問題でも?」( °⌓° )

 

マクスウェル「問題が多すぎるのが問題なの!」

 

ドレイク「だが橋は無事だぞ?」( °⌓° )

 

マクスウェル「そうだけど!...シフティー! あっちに連絡して! 不純な意図は全く無いって、事故だって!」

 

シフティー「あの...回線が指揮官の周りに限定されていて、あちら側に連絡する方法がありません。」

 

 

 必死に悪意は無いことを伝えようと、シフティーに弁明するよう頼むマクスウェルだが、シフティーも指揮官を通してではないと連絡できないことを伝える。マクスウェルが何とかして欲しいと頼む前に、夏油がカウンターズに支給された無線機から連絡できたことを伝える。

 

 

夏油「...いや、どうやら手遅れみたいだ。」

 

マクスウェル「へっ...?」

 

夏油「ウンファから伝言、『渡り切ったら尋問する、そこで待っていろ。動いたら殺す。』だって。」

 

マクスウェル「はぁ...最悪。」

 

 

 ウンファからの伝言を聞いたマクスウェルは項垂れて、諦めなのか疲労の影響なのかその場で座り込む。ラプラスは慌てながらも弁明すると宣言し、ドレイクは他人事のようにマクスウェルを気遣う。

 

 画面越しのシフティーでさえ困惑と呆れの表情をする中、一人だけ全く違う感情を向けていた...

 

 

ラピ「......」(指揮官、貴方は...一体...?)




 UA(ユニークアクセス)数が10000を超えた...感無量です。ありがとうございます。投稿ペースは不規則ですが、これからも精進します。

 関係無いんですけど、皆さんはメティス分隊を始めて見てどう思いましたか? 私はマクスウェル以外はインパクトあって、マクスウェルが苦労人で常識人ポジションだと思ってました。



にけ さんぽ




 目標地点に向けて、荒野を移動している最中、橋を渡る前の事...


エマ「夏油さんってカウンターズの指揮官だったのね~、ラピと一緒の分隊なんて。」

ラプラス「私も驚いた! まさかショッピングモールで強盗を捕まえた君と、こうして出会うとは。
 これも何かの縁! 君もヒーローを目指さないか!?」

夏油「生憎、ヒーローが似合わないのは私がよく知っている。」

ドレイク「ではヴィランだな!!

夏油「ヴィランという立ち位置でも無いさ。」

ドレイク「そうか、残念だ。」( °⌓° )

アニス「というか、これ以上役職増やしたら指揮官様パンクしちゃうわよ。」(≖ࡇ≖)

マクスウェル「じゃあ私の研究に付き合ってよ、ラプラスやドレイクとは違って体動かさないから!」

ベスティー「け、研究って...どんな?」

マクスウェル「まあ、新装備の実地訓練とか研究かな?」

ネオン「寧ろ私が行きたいですね。」

エマ「ネオンったら、本当に火力に目が無いのね~。」

ネオン「勿論です! 私の火力の道もまだ発展途上...いつか師匠を超える為に日々邁進しているのです!!」

ラプラス「ほう! 師匠とは素晴らしい、是非ともお目にかかりたい!!」

アニス「もうお目にかかっているわよ。」

ラプラス「....??」( °▿° )

ネオン「何を隠そう、私たちの指揮官が私の師匠なのです!!」

エマ「そうなの~?」

夏油「師匠というより、アドバイザーの方が適切かな?」

ベスティー「い、意外。どんなことを教えているの?」

ラプラス「私も是非とも聞きたい! ヒーローを目指す同志として!!」

アニス「だからヒーローじゃないってば。」(≖ࡇ≖)

ドレイク「フッフッフッフッ...

アニス「何で笑っているの?」

ドレイク「どんな内容なのか楽しみだったからだ!

アニス「あぁ、そうなのね。」(≖ࡇ≖)

ドレイク「だから早く聞かせろ!!

エマ「私も気になるわぁ~♪」

ベスティー「私も、聞きたい。」

夏油「私よりネオンから聞いた方がいいと思うが...」

マクスウェル「えぇ~、折角だからベビーが話してよ~♪」

ネオン「そうですそうです! 師匠が話してください!!」

夏油「そんな大したことは教えていないんだが...」

ウンファ「やかましいぞ、静かに移動も出来ないのか?」

ラピ「......」


 夏油に対して押し寄せるニケの分隊、それぞれ異なる分隊の集まりだというのに、和気藹々と会話する彼女たちに、ラピは静かに微笑んでいた。


ラピ「そういえば指揮官、エマとはスーパーで出会ったと聞きましたが...」

夏油「あぁ、アークのスーパーで出会ったよ。」

ラピ「エマの料理...見たんですか?」

夏油「シチューとパンだったが、シチューは美味しかった。」

ラピ「そうなんですか...?」

夏油「でも出来ればもうあのパンは二度と口にしたくない...」

ラピ(あの時、一日中寝込んでいたのは...)
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