(もしかして終盤で声優が変わるとかあるのでしょうか?)
ラプチャーが夏油たちの目的地である、ヘレティックとの交戦地に近づくにつれて、かなりの数が密集している。長時間かつ乱戦が展開されながらも目的地に到着し、それぞれ安否を確認やエネルギーの充填やリロードを済ませていく。
シフティー「目標地点に到着しました。」
ネオン「お疲れ様です。」
ベスティー「お、お疲れ様。」
エマ「みんな大丈夫?」
ドレイク「問題無い!」
ラプラス「私もだ!」
ウンファ「喧しいぞ。」
ラピ「指揮官、大丈夫ですか?」
夏油「ああ、問題無いよ。」
アニス「何とか切り抜けられたわね。」
マクスウェル「今のうちにエネルギーの補給やリロードしちゃおう。」
手早く簡易的な治療やエネルギーの充填、銃弾のリロードを済ませた後、周囲を見渡すがクレーターや戦闘跡以外に何も無い場所だった。クレーターや戦闘跡の数は道中より多いが、そこまで代わり映えしない風景に訝しむ一同。
ラプラス「ところでここだが、目標地点なのに何も無い。」
ネオン「確かに何もありませんね。」
アニス「本当にここなのかしら?」
マクスウェル「シフティー、ここで間違い無いの?」
シフティー「はい、座標上では間違いありません。」
シフティーの返答にマクスウェルは、顎に手を添えながら思考するマクスウェル。ラピもマクスウェルと同じ疑問を抱いており同意する。
マクスウェル「...可笑しいね。」
ラピ「平坦すぎるわ。」
マクスウェル「だよね? ヘレティックと戦った場所がこんなにキレイな筈無いよね。」
アニス「少なくとも、巨大なクレーターの中心にあると思ってたわ。」
ネオン「覚えていないのですか?」
マクスウェル「勘弁してよ、こっちだって死にかけたんだから。覚えている訳無いでしょう?」
ラピ「...座標がダミーデータなのかしら。」
シフティー「えっと...近くの環境をマッチングしてみますね......」
そう言ってシフティーはラピたちの位置情報を確認するために、ホログラム越しにキーボードを叩き始める。次第にシフティーの表情が曇り始め、異常を見つけたのか驚いた表情で声を張り上げる。
シフティー「!! 偽の地形です!」
マクスウェル「なっ...!?」
ラピ「!?」
夏油「っ...!!」
元から奇襲を伺っていたのか、地上から現れた触手がメティスとラピに向かって迫りくる。ラプラスとドレイクは周囲を警戒していたが、地中からの攻撃に対応できず反応が遅れ、ラピとマクスウェルはシフティーの報告で動揺している隙に奇襲を合わせられる。
夏油「...大丈夫か!」
ラピ「指揮官!?」
触手が向かってくる中、ラピの前に夏油が割り込み、触手の切っ先に腕を十字に組んで軌道と威力を逸らした事で、ラピに触手が被弾することは無かった。メティスの面々もかすり傷程度で済み、素早く反撃に移る。
マクスウェル「くっ...!!」
ドレイク「ちぃっ...!!」
ラプラス「こんな浅はかな手を!」
ラプラスの両の手によって支えられている巨大なビーム砲から、一瞬黄色く煌めき4本の触手の鋭い切っ先が溶けてなくなっていた。反撃を受けた触手は地面に戻ることを確認した後、被害状況を確認する。
ラピ「みんな! 被害状況は!」
マクスウェル「軽微!」
ドレイク「擦り傷だ!」
ラプラス「私も問題ない!」
ネオン「師匠!!」
夏油「前腕部*1の肉が貫かれた、止血すれば問題ない。」
アニス「ホントに大丈夫なの!?」
夏油「あぁ、触手の針自体の直径もそこまで大きくなかったのが幸いだった。」
ラピをかばった夏油の前腕部には、直径約5~6cm程の穴がぽっかり空いており、穴から止めどなく夏油の血液が溢れている。夏油は直ぐに応急処置に取り掛かり、アニスとネオンは夏油の負傷に動揺し、ラピは冷静を装いシフティーにラプチャーに動きがあるか確認する。
ラピ「シフティー! ラプチャーの反応は!?」
シフティー「ラ、ラプチャーの反応はありません!」
ラプラス「何...!?」
ベスティー「そ、そんな筈無い。この隙を狙ってくる。」
シフティー「偽の地形の下にジャマーが存在する可能性が高いです!」
ウンファ「地形の規模は? 依然の地図と比較して相違部分を伝えろ。」
シフティー「分かりました!」
座標以外に地形に違和感があると勘付き、直ぐにシフティーにヘレティックと交戦した当時の地図と、現在の地図を比較して変化した所を探すよう指示を送るウンファ。シフティーは再び素早くキーボードを叩き始め、分析結果を伝える。
シフティー「...過去に比べて、現在の地面が200mくらい盛り上がっています!!」
マクスウェル「こいつら、何をそんな大切に隠しておいたのかな? ねぇ~?」
エマ「少なくとも、私たちにはどうしても見せたく無い物でしょうね~」
ラピ「...あっちも本気なんでしょうね。」
シフティー「上空にラプチャー多数接近!」
シフティーのラプチャーが接近してくる呼びかけと同時に、地中から数え切れない程のラプチャーが、夏油たちを中心に円を描くように這い出てきた。地中からのラプチャー出現後、上空から同等の数のラプチャーの軍勢が向かってくる。
エマ「上空のラプチャーを確認したわ、総数は地中と同じくらい。」
ラピ「上下で取り囲むつもりね、シフティー、全体の規模は?」
シフティー「肉眼で確認した結果、100機あまりです!」
ラプラス「卑怯な悪党ども...!待ち伏せなんて、恥を知れ!」
マクスウェル「まあ、でも姿を現してくれてよかったよね?」
ベスティー「うん、これで外すことは無い。」
ドレイク「フフフ! 良い! そう来ないと!」
アニス「指揮官様、本当に大丈夫?」
夏油「大丈夫、私を気にせず戦いに専念してくれ。」
ネオン「...分かりました、師匠。」
ウンファ「私たちは空、メティスは地上のラプチャーを、
ラピ「ラジャー。」
状況確認と陣形を決めた時、空中と地上のラプチャーがそれぞれ射程距離内まで接近する。ラプラスはビーム砲を、ウンファはスナイパーライフルを向けて交戦開始の狼煙を上げる。
地上のラプチャーは飛び掛かるように攻撃してくるが、至近距離でドレイクがショットガンを発射して機体の内部が散乱する。ドレイクの背後でマクスウェルが後方にいるラプチャーのコアを、狙い撃ちして確実に戦力を削いでいく。
二人の攻撃を防ぐために、ラプチャーもバリアを展開して弾幕を防ぐが、ラプラスの砲身にスパークが迸り小刻みに振動した後、触手を撃ち抜いた時より太いビームを発射してバリアごとラプチャーを破壊...というより溶かしていく。
一方アブソルートは、バリアの機能を持つラプチャーを展開する前にコアを撃ち抜いていくウンファ、装甲の耐久力を削ぐようにガトリングを面で攻撃し、ベスティーは手薄になった箇所にロケットランチャーを集中する。
ラピはアブソルート、アニスとネオンはメティスの攻撃で中破したラプチャーに攻撃し、着実に撃破していく。瞬く間にラプチャーの数が減っていき、一分と経たない内に半数以上のラプチャーを撃破した。
ラプラス「ハッハッハー!! どうだ悪党共め!!」
エマ「元気ね~♪」
ベスティー「こっちも、負けられない。」
ドレイク「私も元気だ!!」
ウンファ「鬱陶しいぞ、口じゃなくて手を動かせ。」
マクスウェル「ごめん! そっちのヤツお願いできる!?」
ネオン「お任せを!」
アニス「分かった!」
ラピ「......」
応急処置を終えた夏油は、戦況を確認するが助言することは無いと判断して、呪霊を介して残りのラプチャーの総数を確認し、漏瑚たちと念話越しで会話を始める。
夏油(残りのラプチャーは...地上と空中合わせて50を切ったか...
地中からの攻撃が可能とは、今後の任務でも地中用に呪霊を配置しなければならないな。)
陀艮(ぶふぅ~...?)(それより大丈夫...?)
真人(そうそう、その傷、治そっか??)
夏油(いや、今負傷を直すのは不自然だろう。)
花御(では治癒してそのまま包帯で隠すというのは? それでしたら傷を見られることもありません。)
夏油(...分かった、そうしよう。)
漏瑚(早く済ませろ、戦いに集中している今しか無いぞ。)
夏油(ああ、済まない。頼むよ真人。)
真人(おっけー。)
真人が顕現し夏油の両腕に触れて、先ほど受けた傷口を無為転変で治す。包帯で巻いたことで肉眼で確認することはできないが、傷口の痛みが完全に無くなったことを、手を握ったり開いたりして確かめる。
傷の治癒を終えた夏油は、地中にまだ残っているラプチャーの状況を把握する為に、戦闘力の無い四級呪霊を四体を、夏油を中心に四方向に放って動向を確認する。
夏油(とにかく情報が欲しい、大きさ、形状、特徴、何でもいいから触手を出したラプチャーと接触する。)
漏瑚(弱い呪霊を放ったのは、攻撃されて消滅したことを確認しやすくするためか。)
夏油(それもあるが、見張らせている呪霊と同じように視覚、聴覚の共有ができる呪霊だからだ。)
花御(...どうやら視認できたようですね、丁度夏油の真下でしたか。)
真人(なんかダ
陀艮(ぶ~ふぅ~。)(
夏油(それだけじゃないな、そのラプチャーの更に地中に部屋のような空間が広がっている...)
触手による奇襲をしたラプチャーを確認した夏油は、その実態を呪霊を介して分析する中、そのラプチャーの数十m直下に小さな部屋から大きな部屋が点々と広がっており、ドーム*2程の規模になっていた。
真人(なんかアリの巣みたいだね~。)
花御(確かに、大小疎らな部屋にそれぞれ役割が分かれている所を見るに、真人の考えは正しいと思います。)
夏油(部屋の話は後にしよう。奇襲後にラプチャーの大軍を仕向けたからには、また奇襲を狙っているに違いない。)
真人(さっきと違って、戦闘に集中している所を一瞬で、か。)
花御(仮に避けられたとしても、空中と地上のラプチャーの注意は削がれる。大破まではいかずとも、かなりの負傷は免れませんね。)
陀艮(ぶふぅ...)(どうしよう...)
地中にある蟻の巣のようなコロニーの分析を止めて、夏油たちは地中にいるラプチャーの対処について考える中、奇襲が達成すれば被害は広がるという結論に行き着いてしまう。どうにか奇襲を回避する方法に関して考える夏油たちだが、黙っていた漏瑚が夏油に質問する。
漏瑚(夏油、確かここら一帯は焼け野原になっていたのだったな?)
夏油(??...ああ、シフティーからそう聞いた。*3それがどうかしたのかい?)
漏瑚(奴が奇襲を仕掛ける前に、儂の術式で地上に炙り出す。)
漏瑚が地中のラプチャーを、地上に引きずり出す役目を名乗り出た。漏瑚の挙手に夏油は一瞬固まり、真人は漏瑚に戦いの機会を奪われることを危惧して
夏油(......本気か??)
真人(抜け駆けなんて許さないぞ漏瑚! なら俺が潜ってバラバラに...)
漏瑚(ならん、お主だとどうしても攻撃までの時間が長くなる。その間に奇襲されるのが落ちだ。)
真人(ぐぬぬぬぬぬ...)
漏瑚(陀艮は攻撃するには不向きな条件、花御は問題無いが些か不自然だ。)
陀艮(ぶふぅ...ぶふぅ...??)(でも...非術師って術式見えないんじゃなかった??)
呪霊、術式は呪術を扱えない非術師からは見えない。しかし、それは個人差がありハッキリ見えずとも気配を感知できる人間も存在する。その点の説明を漏瑚は補完して陀艮に伝える。
漏瑚(陀艮の言う通り、本来術式は非術師には視認できん。だが、死と隣り合わせのこの状況は我々呪霊を視認しやすい環境だ、そして呪霊を感知できる者ならば環境無しに話は変わる。)
花御(...漏瑚、先ほどの発言は、呪霊を感知できる者が彼女たちの中にいるようでしたが?)
真人(ああ、あの子か。結構前から気付いている素振りしてたよね。)
陀艮(ぶふぅ...?)(誰...?)
夏油(ラピだ、彼女は発電所の任務から呪霊を見えているような素振りをしていた。)
真人(今回はそれが顕著だったね~。)
花御(...そうでしたか、あの橋の時...。)
ラプラスがラプチャーを撃墜した時、夏油が放った呪霊が見えているように視線が動いていた事から、ラピが呪霊を認識していることを共有した。そして、その事から術式だけでなく、夏油と呪霊の関連性について情報が拡散する恐れがある事を漏瑚は説明する。
漏瑚(今この状況でこちらの素性が露見するのは避けねばならん、特にあの
真人(でもラピってずっと一緒にいる仲間でしょ? なら別にいいんじゃない??
寧ろこっちも隠れる必要も無くなるし。)
夏油(できればこの状況で、こちらの素性を明かすことは避けたい。でも、もう隠し通すことも難しくなるだろう。
せめてマリアンの一件が片付いたら、ラピたちに話そうと思っている。)
花御(それまでは何とか隠す必要があるのですね。)
陀艮(ぶふぅ?)(どうして?)
夏油(私の気持ちの整理...というより、踏ん切りかな?)
この世界で生きていくという事か、本来の自分を明かす事か、夏油の内に秘めたる決心をつける為に、必ず助け出すことを決意する。夏油の決意を聞いた漏瑚は話を戻し、地中にいるラプチャーを漏瑚が攻撃していいか確認する。
漏瑚(話を戻すが、儂が攻撃する手筈で構わんな? 夏油。)
夏油(...分かった。しかし抑えてくれ、こちらまで被害を受けたら一溜まりも無い。)
漏瑚(ふん、そこまで未熟ではないわ。)
真人(ちぇっ、夏油! 今度戦う時は俺を出してね~!!)
夏油(分かった、分かった。)
花御(漏瑚、ご武運を。)
陀艮(ぶふぅ、ぶふぅ~!)(漏瑚、頑張って~!)
念話を止めて意識を戦場に戻し、ラピを特に注意しながら漏瑚を顕現させる夏油。同時に地中に潜んでいるラプチャーも、先ほど攻撃した触手を、今度はアブソルートに狙いを向ける。
予定通りに漏瑚は地面に手を付けて、攻撃の態勢に入る。夏油は漏瑚に地中のラプチャーが攻撃態勢に入ったことを伝える。
夏油(漏瑚、触手が動き始めた。攻撃準備は?)
漏瑚(もう済んでおる、何時でも撃てるぞ。)
夏油(よし、始めてくれ。)
漏瑚(精々耐えて見せろ、
一方地中に潜んでいるラプチャーは、アブソルートと交戦中のラプチャーに動きを止めるように指示を送り、膠着する瞬間を虎視眈々と狙っていた。そんな中、地中の温度が急激に上昇し始め、胴体に肉体全体を浮かせられるほどの押し上げる力がかかる。
その力の波動は地上で交戦しているメティス、アブソルート、カウンターズも感じていた。
ラプラス「む?」
アニス「地震?」
ネオン「私は感じませんよ?」
マクスウェル「...いや、確かに地震だわ。」
ドレイク「地震程度で狼狽えるほど、私は軟弱ではないぞ!」
ウンファ「...ただの地震じゃないな。」
ベスティー「かなり、大きいよ。」
エマ「みんな気を付けて~。」
ラピ「指揮官、注意を...」
ラピが夏油に注意を呼びかけようと振り返った刹那、夏油はラピの隣で立っており、先ほどまで応急処置していた場所を中心に、地割れが広がっていく。
やがて地割れが夏油たちの外周を取り囲んでいた地上のラプチャーまでに達し、地中から蜘蛛のような巨大なラプチャーが、溶岩に押し上げられたように姿を現す。
ラピ「えっ?」
ウンファ「はっ?」
ラプラス「ほへっ?」
シフティー「......???」
ラピ、ウンファ、ラプラスはこの事態に困惑し、シフティーは状況が理解できず硬直して声も出なかった。他の面々も同様にこの状況にただ硬直していた。
地中から押し出されたラプチャーは、夏油たちの上空を覆うように空を舞い、やがて残っている空中のラプチャーを押し潰して地上に叩き付けられる。元々交戦していた地上のラプチャーは、ある機体は押し上げられた際に散らばった瓦礫に潰れ、ある機体は溶岩にコアが溶かされ、または体が固まって動けなくなり壊滅状態になる。
漏瑚(どうだ夏油、お主の予定通りになったか?)
夏油(予定以上の成果だよ、あとは地中から引き摺り出したあのラプチャーだけだ。)
地中から強引に姿を晒した巨大なラプチャーは、先ほどの脚部の関節にある溶岩が固まったことによって、機能不全を起こして機械音を響かせながら立ち上がろうと必死に動く。その間に巨大ラプチャーについて、夏油はシフティーにデータベースに情報があるか尋ねる。
夏油「シフティー、あのラプチャーについての情報は何かあるかい?」
シフティー「......あっ、はい! 少々お待ちください...
コードネームハーベスター、潜伏して奇襲を得意とするラプチャーです。先ほどメティスと指揮官を奇襲したのも、ハーベスターによる攻撃だと考えられます! 背部にミサイルと先ほどの触手を展開して攻撃します!」
ラプラス「そうか! お前が姑息にも、不意打ちをした悪党か!!」
ドレイク「わざわざ姿を表すとは、覚悟ができたということか??」
マクスウェル「じゃあ、たぁっぷりお返ししなきゃね~。」
ラプラスたちの視線がハーベスターに集中する、ハーベスターも攻撃できるように立ち上がるが、足元が覚束ず背部のミサイル発射口が溶岩が固まり発射できない。直ぐに触手での攻撃を開始しようとする。
マクスウェル「させる訳無いでしょ?」
ウンファ「...やはりノロいな、隠れて攻撃する事に特化していると。」
その希望もウンファとマクスウェルが、触手を撃ち抜いていき殺傷能力が無くなる。
ドレイク「ハッハッハ! 逃げないその気概は褒めてやろう!!」
エマ「というより、思うように動けないんじゃないかしら?」
ドレイク「...そうなのか?」
脚部の関節部に攻撃を集中するドレイクとエマ、足が大破して千切れ飛び少しずつ短くなっていく。二人の攻撃が少しずつ足の根本に近づいていき、やがてまともに立つことさえできない長さになる。
ラプラス「正義の一撃を受けてみろ!!」
ベスティー「これで、終わり。」
ベスティーのロケットランチャーがハーベスターのコアごと爆破させ、被せるようにラプラスがハーベスターの胴体を埋め尽くす出力のビームを浴びせ、溶けてなくなっていく。この区域一帯のラプチャーを壊滅させ、戦闘終了の合図を静かに呟くウンファと、戦闘態勢を崩し高らかに勝利宣言するラプラス。
ウンファ「状況終了。」
ラプラス「完全なる勝利! 見たか、悪党共! 正義は勝つ...!」
ベスティー「お、お疲れ様。」
エマ「案外何とかなったわね~」
アニス「ここまで戦力差があるなんて...」
ネオン「......」(なんて、なんて凄まじい火力ッ! 私もまだまだ、ということなのでしょうか。)
ドレイク「しかし、この程度か...物足りない。」
マクスウェル「はいはい、また今度の任務で発散してね。」
ラピ「......」
それぞれ戦闘態勢を解いて、リロードや銃の点検を手早く済ませる中、ラピは夏油に視線を向け、ハーベスターの出現に対して疑問を抱いていた。そんな中で、ラプラスはふと自身の体に、ある違和感を感じていた。
ラプラス「...ん?」
マクスウェル「...どうしたの?」
ラプラス「先ほど触手に刺された箇所が少し麻痺してる気がする。卑怯な奴らめ、毒を使ったのか...!」
夏油「......」
マクスウェル「そう? 私は何とも無いけど。」
ラプラス「所詮この程度のものさ、卑劣な手段の限界と言える。こんなもの、何とも無い。」
違和感に関してのやり取りをしている中、再び足元の地面から振動を感じる。
アニス「ん...? また地震??」
シフティー「じ、地面が不安定! もうすぐ崩れます!」
ネオン「ああ、地震じゃなくて地面が崩れるんですね。.........ん?」
マクスウェル「チッ...! 暴れ過ぎた!」
エマ「あとハーベスターが出てきて、地面に空洞ができたことも原因かも~。」
シフティー「全員! 落下に備えて!!」
ラピ「指揮官...!」
ラピは夏油を抱きしめて落下に備える、ハーベスターが出てきた所を起点に地割れが広がり、夏油たちは地下深くまで落下していく。落下中、暗闇が続いていたが、やがて灰色一色で統一されている開けた空間が広がっていた...
最近少し涼しくなって来ましたね、出来ればもうあんな熱地獄は嫌です。そういえば皆さんはバイオイベントのミニゲームはプレイしましたか? やり始めると凄い勢いで時間が溶けていきます、めちゃくちゃ楽しいです。
指揮官室で報告書を作成していた夏油、内容を書き上げて休憩している時の出来事...
夏油「ようやくひと段落か...」
真人「夏油もよく続けるよね~、それ続けて楽しいの?」
夏油「報告書を作らないと生活出来なくなるからね。」
花御「生活費は十分なのですか?」
夏油「贅沢しなければ問題ないよ。」
漏瑚「難儀だな。」
陀艮「ぶふぅ~...ぶふぅ。」(大変だね~...頑張って。)
夏油「ああ、ありがとう。」
いつものように呪霊と会話していた夏油だったが、夏油に呼び出しのチャイムが響く。
夏油「ん? 今日は誰も来ない予定だった筈だが...」
花御「私たちは戻りましょう。」
真人「早めに終わらせてね~」
夏油(分かっているよ。)「はい、今行きます。どのようなご用件...」
マルチャーナ「こんにちは、夏油さん。」
夏油「......また貴方ですか、タコのようなキャラクターについてはもう話しましたよね。
この宿所の中にはプールセットだけだったということで話は終わったと思うのですが...。」*1
マルチャーナ「そうなのですが...どうしてもあの可愛いたこさんの顔が頭から離れないのです...そこで今回は、夏油さんに問い詰める目的で来たわけではありません。」
夏油「?...では一体...」
マルチャーナ「私の見たたこさんのキャラクターを、現実の物にするために来ました!」
夏油「つまり...??」
マルチャーナ「貴方がプールで満喫しているたこさんのキャラクターを自作します!」
夏油「...........................貴方が自作するなら何故私のところに?」
マルチャーナ「夏油さんにアドバイスや助言を頂く為と、夏油さんがプールで満喫しているところ再現してもらう為に来ました!」
夏油「.............................................成程。」
マルチャーナ「実は、もうある程度キャラクターデザインは固まってきたんですよ。これです。」
夏油はマルチャーナから大きいサイズのスケッチブックを手に取り、マルチャーナが開いたページの絵を見ると......
マルチャーナ「絵の経験は無かったのですが、あの時の可愛さを再現する為に勉強しました。」
そこにはほぼ陀艮そっくりの絵が書かれていた、色も姿も身につけている衣服もほぼ同じ陀艮が描かれていた。夏油は瞼越しに目をこすり、夢なのかと絵をもう一度目を細めて見るが、変わらず陀艮そっくりの絵があった。
マルチャーナ「設定では、海の精霊で臆病で人見知りなんですけど、とっても友達思いだと思うんです。」
精霊以外はあながち間違いではないことを聞いて、夏油は顎に手を添えて、この状況をどうするべきか考える。
マルチャーナ「あと、この子の名前は、外見がたこなのでたこんちゃんにしようと思っています。」
名前も一文字違うだけで更に、夏油は頭を抱える。参考にしたというだけでかなり本物に近いことに更に顔を俯ける夏油。
マルチャーナ「それで更にデザインなどを明確化したいので、ベランダをお借りしてプールを広げたいのですが......? どうかなさいましたか??」
夏油「...............................................いえ、何でもありません。お好きにお使いください......。」
マルチャーナ「ありがとうございます、今日でお邪魔することは無くなるので手早く済ませます。本当に申し訳ございません。」
夏油「.....................お気になさらず......。」
心なしか微笑んでいるマルチャーナは、ベランダに向かってウォーターバルーンを広げて、当時のプールを再現したマルチャーナは、スケッチブックに何かを書き始めた。数分後満足したのか、手早く片付けてお礼と箱菓子を夏油に渡して帰っていった。
翌日SNSで、マルチャーナの生徒のアカウントから大量にたこんちゃんの手描き画像で埋め尽くされ、トレンド入りを果たした。
夏油「済まない陀艮、私の不注意だった...」
陀艮「ぶふぅ、ぶふぅ~。」(気にしてないよ、大丈夫だよ。)
真人「たった一日でトレンド入りじゃん、陀艮人気者だね。」