ヘレティックの破片の道が分かると発したメティスを先頭に、広大な地下基地を歩き続ける夏油たち。未だに直感で道が分かるという、確証も根拠も無いメティスの自身に違和感を感じつつ、本当に近づいているかシフティーに問いかけるアニス。
アニス「シフティー、どう?」
シフティー「えっと...順調に接近中です。目標地点に近づいています。」
アニス「...こんな時代に、直感みたいな非科学の結晶体が役に立つなんて。」
ラプラス「直感では無い! ヒーローセンサーだ!」
アニス「分かったから早く行ってよ。あと、何回も振り向くのやめて。」
シフティーの報告からアニスは、直感で目的地に進んでいる事実を知って、信じられない様子を見せるが、ラプラスは勢い良く振り返ってアニスにヒーロー特有のセンサーで感知していることを説明する。アニスはラプラスの反応にビックリしている中、ラピはメティスの先導を許したのか尋ねる為に、ウンファとエマに声をかける。
ラピ「ウンファ、エマ。」
ウンファ「.......」
エマ「......」
アニス「何? 忍術対決でもしてるの?」
ウンファとエマは口を開かず、ラピに手信号でのやり取りで伝える。アニスはラピたちのやり取りを見て忍者の印結びのように見えると茶化しながら、手信号から何を伝えようとしているのか静かに見守る。
途中でネオンも加わってしばらく経過した後、手信号の意味を汲み取ったアニスとネオンはエマが伝えたことを理解する。
アニス「え、ちょっと。何?」
ネオン「...本当ですか?」
アニスはエマの言葉に動揺し、ネオンは事実なのか疑う様子を見せる。ラピは口にせず静かに頷く、アニスは伝えられた事実に感情を抑えられず、思わず口にしてしまう。
アニス「はあ...くそっ。」
夏油「...どうかしたのかい?」
アニス「いや、何でもない。指揮官様は気にしないで。」
夏油「...そうか。」
アニスの言葉に夏油は様子を伺うように尋ねるが、アニスは夏油を心配させない為に、伝えられた事実を伏せる。夏油もアニスに追求せずに、そのままメティスの後ろを歩き続ける。
アニスとネオンの表情が暗くなってからしばらく経過して歩き続けた後、灰色のボックスが無造作に積みあがっている部屋に入った。マクスウェルは、部屋の中心に進みながら目的地に到着したと発言する。先に進むメティスを見つめながら、エマはシフティーに伝え、目的地に到着したか確認する。
マクスウェル「ここだよ。」
エマ「...確認したわ~ そうよ。」
シフティー「目標地点に到着しました。...作戦を実行してください。」
ラピ「ラジャー。」
シフティーの号令を皮切りに、ラピとウンファは躊躇いなく、一斉に銃弾を激しく発射した。先頭を歩いていたメティスメンバーは全員力なく倒れた。メティスが無力化できたことを、ラピは確認した。
ラピ「クリア。」
夏油「...いや、まだだ。」
ラピ「えっ?」
夏油の発言に違和感を感じたラピは、その理由を聞く前にメティスがフラフラと立ち上がり、震えて定まらない銃口を夏油たちを向ける。ラピは新しいマガジンを、マガジンリリースレーバーを押しながら、空になったマガジンを落としてリロードする。
ウンファは構えを崩さず、ボルトハンドルを手前に引き、空の薬莢を排出した後、ボルトハンドルを奥に押して装填する。今度は頭部を狙い撃ちするようにメティスに攻撃して、また力なく倒れながらもメティスの瞳は赤く輝き開いたまま、無表情で壊れた機械のように同じ言葉を連呼する。
ラプラス「ここだ、ここだ、ここだ。」
マクスウェル「ここだよ、ここだよ、ここだよ。」
ドレイク「こっちだ!こっちだ!こっちだ!」
夏油「......」
倒れたままこの場所だと言い続けるラプラスたち、夏油は静かに見つめながらかつて目の当たりにした現象を想起させていた。
マリアン『ここここここここででででででででですすすす。』
現在のラプラスたちの状態は、マリアンと同じ症状...浸食と酷似していた。エマは夏油に近づきながら、ラプラスたちの症状について話し始める。夏油はラプラスを見つめながら、エマに浸食が分かった理由を尋ねる。
エマ「ハーベスターを倒してから曖昧だったけど、ここに来て浸食状態だって確信したわぁ。多分...あの触手の攻撃を受けたからでしょうね。」
夏油「...どうして分かったんだい?」
エマ「眼球の反応、顔面の筋肉の動きを見れば分かるわ~...私、そういうの詳しいからぁ。」
エマも夏油と同じ体験をしたのか、浸食状態にあるラプラスたちの顔から視線を逸らす。ネオンは夏油にメティスに攻撃したことに動揺していないことと、無力化されていないことに気づいた理由について質問する。
ネオン「そういえば師匠...メティスへの攻撃に驚いてませんでしたね。それに真っ先に無力化されていないことに気づいていましたけど...」
夏油「浸食に気づいたのはメティスが先導して進んだ時だ、メティスの無力化は指先が動いていたからかな。そういえば先ほど放った弾、戦闘で使用する物と違うように見えたけど。」
ウンファ「ああ、殺傷能力の無いゴム弾を使った。」
ラピ「浸食されたニケはイレギュラーになるリスクがあるので処分するのが原則ですが、初期なら記憶消去によって回生したケースが多数あります。
3時間以内なら、まだ間に合うかもしれません。」
夏油「そうか...」
ラピの説明を聞いた夏油は、無表情に近い顔が少し安堵したように顔をほころばせる。そして、ベスティーは浸食に気づいたきっかけについて夏油に尋ねる。
ベスティー「し、指揮官は、浸食にはどうやって気づいたの? エマと同じ?」
夏油「いや、報告を受けたから知っていると思うけど、以前一緒に戦った人がいてね。その人もラプラスたちと同じ浸食の影響を受けていたんだ。
目的地がどこかも分からない時、先頭に立って私たちを誘導した...」
マリアン『作戦前に入力されました。 私が先頭に立ちますから、ついてきてください。』
夏油「そして彼女誘導した目的地は、ラプチャーが潜伏してニケを捕縛する場所だった。」
マリアン「ここここでででですす...」
夏油「あの時の彼女と今回のメティスの行動が合致していたから、そして攻撃を受けたタイミングは触手しか目立った事は無かったから気づいたんだ。」
ラピ「......」
アニス「......」
ネオン「......」
最初の任務で、マリアンが浸食による行動を想起しながらベスティーに伝える、ベスティーは辛いことを思い出させてしまったことを頭を下げて謝罪し、気にしていないと微笑み返す夏油。浸食を受けたニケは、ある場所に連れてくるよう誘導していると聞いたウンファは、この場所にも連れてくる理由があると結びつける。
ウンファ「ということは、私たちをここへおびき寄せた理由があるだろ。オペレーター。周りを調べろ。」
シフティー「中央の物質、ヘレティックの破片と推定されます。ラプチャーの反応は、今のところはありません。」
部屋の中心にある鉄製の箱が積み上がった台座にある端末を、ヘレティックのは破片だと仮定し、周囲にラプチャーの反応も無い事を確認したシフティー。罠にも見えるこの部屋の構成に警戒するアニスは、ヘレティックの破片に接触するべきなのか問いかける。
アニス「怪しいね。...これ、さらっと持っていっていいの?」
シフティー「指揮官、コネクティングデバイスを繋げて下さい。コントロール可否を確認しま...!!」
遠隔でのコントロールの準備を進めていたシフティーだが、モニターから高エネルギー、巨大なラプチャーが夏油たちの至近距離内にいると、突然反応があり慌てながらも全員に伝える。ラピとウンファはシフティーの報告を受けて、直ぐに銃口を構えて警戒態勢を取る。
シフティー「1m付近で高エネルギー反応! タイラント級以上です!」
ラピ「上か!?」
ウンファ「下だろう!」
夏油「いや、この部屋全体だ。」
シフティー「はい! 反応は部屋全体で感知されています! み、皆さんがいる部屋全体がラプチャーです!」
シフティーの報告が終わると同時に、『キイ...!キイイイ!!』という不快な金属音を響かせながら、部屋中の施設が動き始める。中央の台座の前後にある4つの支柱から丸いコアに接続されている重機に、そして天井からコー張り巡らされている円柱が台座の直上まで伸びてくる。
円柱の後ろから5つのカメラがある端末と、台座から出てきたコアが接続されて、けたたましい機械音を鳴らしながら触手も現れる。
ウンファ「チッ...!」
ラピ「あの触手よ! やられると侵食されるから気をつけて!」
ウンファ「指図するな、エンカウンター。」
ウンファの宣言と同時に、変形が終わったラプチャーが丸い球体にあるカメラ越しに夏油たちを見つめながら、再び金切り声のような金属音を響かせ、戦闘を開始する。支柱に端末が速く天井に向かっている端末や地下に向かっている端末が行き来しているが、巨大ラプチャーの側面から浮遊している小型ラプチャーが照準をラピたちに向ける。
ネオン「吹き飛ばします!」
エマ「援護するわね~。」
小型ラプチャーの群体に風穴を開けていくネオン、ネオンの撃ち逃したラプチャーをマシンガンを薙ぎ払うように殲滅するエマ。小型ラプチャーが全滅したと同時に、巨大ラプチャーのコアの周りにバリアを展開する。
アニス「させないっての!!」
ベスティー「うん、突き破る...!」
バリア展開と同時にコアに向けて集中砲火するアニスとベスティー、グレネードランチャーとロケットランチャーの攻撃によって、バリアは悉く砕け散る。次に支柱の前方右側から、発射口のあるタワーが地下から、台座から左奥の天井からタレットが現れる。
ラピ「火力を集中させる!」
ウンファ「攻撃の隙は与えるな、徹底的に潰せ。」
ラピは前方右側にある発射口のあるタワーを、ウンファは左奥にあるタレットを撃ち落とす。攻撃を悉く打破される巨大ラプチャーは、再びコアを振動させて紫色の電磁波を発信して、小型のラプチャーを呼び寄せる。
エマ「え〜いっ!」
ベスティー「邪魔...!」
ラピ「援護する!」
完全に動きを読まれた巨大ラプチャーは、増援の小型ラプチャーも再び壊滅する。キリがないと悟ったのか、円柱のコードから何本か切断されて、ハーベスターに搭載されていた触手を機敏に動かす。
触手の切先をラピたちに向ける中、ウンファは手早くリロードを終えて、触手の先にある針の付け根を狙い撃つ。針が千切れ飛んだ触手を引っ込め、新しい触手を生やす巨大ラプチャー。ウンファの迎撃より、触手の再生が早くエマに向かって刺突しようとする。
ラピ「っ! エマ!!」
ラピがすぐさまライフルを構えて、触手に照準を向けて発砲するが擦りもせずに、エマに向かう。その時、聞きなれない銃声と共に、触手はエマの頭上を勢いよく飛んでいった。
後ろを振り返ると、ハンドガンを構えた夏油が、銃口から硝煙が立ち上っている。飛んで行った触手に目を向けると、ウンファが擦り付けたであろう触手の横幅の3分の1を削った弾痕に小さな弾痕があった。
小さな弾痕は、夏油が放ったハンドガンによる攻撃の痕だと分かったラピ、夏油は全員に呼びかけるように大きな声で指示を送る。
夏油「アニス! ネオン! 二人は触手の根本、中央の円柱のコードを狙ってくれ!」
アニス「!...分かったわ!」
ネオン「分かりました! 天井から出てきたデカい柱を狙います!」
夏油の指示通りアニスとネオンは、天井から網のように貼っているツルのようなコードに向けて攻撃を集中していく。二人の波状攻撃によって、天井から伸びていたコードごと、触手に風穴を開けていく。
アニスとネオンは続けて、円柱の側面に攻撃を集中させていき、その甲斐あってか、両側面の触手の出が悪くなり、リフトに搭載されている重機の砲撃、地面から這い出るタワーによる爆弾の発射、天井から降りてくるタレットによる狙撃、巨大ラプチャーの攻撃スピードが心なしか遅く感じる。
側面からの攻撃によって、触手を生やすのは無駄だと考えたのか、両側面から触手を生やすことをストップして、ラピたちが攻撃できない死角、支柱の背面から生やすことにした巨大ラプチャー。死角によって攻撃を防ぐ利点があるが、両側面より距離が遠く、再生する分を犠牲に長さを伸ばす必要がある。
しかしこの状況でリスクなど言っている場合ではない、攻撃は鬱陶しいが確実に頭数を減らすことにかじを取り、今度は攻撃し続けているアニスとネオンを標的にする。
夏油「エマさん! 後ろから出てきた触手を頼めるかい!?」
エマ「まっかせて~。」
ラピ「火力支援します!」
背面から顔を出した触手は、再びエマのマシンガンで薙ぎ払うように穴だらけになり、千切れ落ちる。運よくエマの弾丸をくぐり抜けても、ラピの援護射撃で支柱から出ているところをピンポイントに集中砲火する。
触手の再生を始める為に、天井から経由して蓄えたエネルギーをコアに集中させ、攻撃の手を緩めて攻撃手段の補充に総動員する。
夏油「アニスとネオン! 側面はもういい、今度は正面を攻撃してくれ!」
アニス「りょうかぁいっ!」
ネオン「火力っ!
支柱の側面を攻撃していた二人が、今度は正面に攻撃を集中し始めた。触手を伸ばす穴ごと、天井に接続されているコードが、二人の弾幕の餌食となる。強い衝撃を受けたことで無理矢理剝がされ、爆発による高温状態が継続したことで溶けてただれ、火花を散らす。
エネルギー供給に滞りを感じ始めたのか、再びコードを排出して天井に接続しようとする巨大ラプチャー。触手による攻撃を中断し、戦闘態勢を戻すことに尽力する為、小型ラプチャーを呼び寄せる為に金切り声のような機械音を響かせながらバリアを展開する。
シフティー「っ!? コーリングシグナルです! 今、あのラプチャーを中心に、他のラプチャーを呼び寄せる音を四方八方に流しました!
早く対処しなければ周囲のラプチャーが一斉に押し寄せてきます!!」
夏油「この周囲には、ヘレティックの破片を中心に地面を覆いつくすほどのラプチャーがいた...」
シフティー「はい! 一斉に来たら、乱戦状態になってしまいます!!」
アニス「冗談でしょ!? あのアリみたいに腐るほどいたラプチャーがここに押し寄せるの!?」
夏油は地下に入る前、地上がラプチャーによって埋めつくされた光景を思い出す。その数は数えるのが馬鹿らしいほどであり、夏油とアニスの顔に焦りが見え始めるが、シフティーの報告に意にも介さずに攻撃を続ける者がいた。
ウンファ「なら雑魚共が来る前に、奴を片付けるぞ。」
エマ「おっけ~、手早く済ませましょ~。」
ベスティー「う、うん。直ぐにやっつけよう...!」
アブソルートの猛攻は止まらない、ベスティーは展開したバリアをガラス細工のように粉々にし、エマは一足先に援軍に来たラプチャーを吹き飛ばすように一掃していき、ウンファは奥で攻撃準備をしているタレットを打ち落としながら、巨大ラプチャーのコアを狙い撃ちしている。
アブソルートの戦う姿にネオンは対抗心を燃やし、ラピはアニスと夏油を静かに、しかし力強く鼓舞する。
ネオン「おおっ! 私も負けてられません!!」
ラピ「アニス、あのラプチャーも攻撃を受けて消耗しているわ、もう一息よ。
指揮官、大丈夫です。地上の増援が来る前に倒して見せます。」
アニス「もーうっ! これが終わったら休暇貰うんだからーッ!!」
ネオン「アニスも触発されて、怒りと火力が爆発ですね!!」
コーリングシグナルによって、一瞬攻撃の手を止めたアニスが、やけくそ気味に攻撃を再開して、怒りと弾丸をラプチャーにぶつける。触手の再生はもう諦めて、援軍が来るまでに耐えることに作戦を変えたのか、ベスティーによって粉々にされたバリアを再展開する。
夏油「またバリアを...」
ベスティー「任せて...えいっ...!」
しかし、無情にも砕かれる。バリアが破壊された瞬間に、コーリングシグナルを聞いた小型ラプチャーを率いたロード級のラプチャーがラピたちとの間に滑り込むように横から現れる。
アニス「邪魔ーっ!!」
エマ「え~いっ♪」
一人は私怨をぶつけ、一人は苦と思っていないかのように、中隊規模のラプチャーを殲滅する。完全に攻撃する前に挫かれ、逆に相手の猛攻を喰らい、防御しようにも悉く打ち砕かれた。それでも、これからやって来る増援に望みを託すように、タワーとタレットで応戦しようとする巨大ラプチャー。
ウンファ「反撃させると思うか?」
ラピ「とどめっ!」
その前にウンファの狙撃とラピの集中砲火によって、コアにダメージが許容限界を超えて、風穴の開いた箇所から、エリオトロープのような紫色の光が溢れ出す。やがて光は収束してコアを中心にコアの上部にあった支柱、周囲の台座に大爆発が発生し、天井から伸びていた支柱は崩れ落ちる。
この瞬間をもって、ヘレティックの破片を守護する巨大ラプチャーとの戦闘は幕を閉じた...
書いていくうちにボロクソにされた巨大ラプチャー君...本当はちゃんとした名前があるんですけど、物語の都合上巨大ラプチャーとさせて頂きました。分かりにくいとか読みにくい点も多くなってしまい、誠に申し訳ございません。
龍が如く0のPVが目に入ってしまって...Director's Cutが欲しい...だけどカービィのエアライダーが11月20日に控えている...どうしようか悩んでいます。
宿所の指揮官室で、ラピから受け取った拳銃の手入れをしていた夏油...
手慣れた手つきで分解し、各部品のメンテナンスを終えて組み立て直し、構えて引き金を引くと同時に『カチッ』という金属音がこだまする。
夏油「...よし、問題無さそうだ。」
メンテナンスを終えたと同時に、扉から3回ノックする音が耳に入る。どうやらラピが来たようだ、夏油は整備を終えた拳銃を机に置き、扉越しに向かって声をかける。
夏油「どうぞ。」
ラピ「失礼します...メンテナンスをしていたのですか?」
夏油「ああ、点検を怠って使えなくなるのは避けたいからね。」
ラピ「そうですね、私たちがいない合間自己防衛が必要になります。賢明なご判断です、指揮官。」
夏油「ありがとう、ところで要件は何だい?」
ラピ「アニスが特に指揮官のシャワーを使っているそうですが、指揮官はちゃんと浴びていますか?」
夏油「問題ないよ、温水が出なくとも運動後は冷たいくらいが丁度いい。」
ラピ「あまり無理をしないでくださいね。」
夏油「分かった、ありがとう。何か飲むかい? 以前買った紅茶が残っているんだけど...」
ラピ「では、お言葉に甘えて頂きます。」
ラピと夏油が会話している間に、アニスとネオンが指揮官室に入る。
アニス「指揮官様~♪ 炭酸水貰いに来たわよ~♪」
ネオン「師匠! イマイチ出力が出ません! 何が足りないのでしょうか!?」
夏油「出力が足りないか...じゃあ一緒に考えようか。ネオンも紅茶飲むかい?」
ネオン「はい! 頂きま...? 師匠、ハンドガンを持っていたのですか??」
アニス「あぁ...私とラピが指揮官様と初めて任務に行った時にね。」
ラピ「そう...私がマリアンを処分する為に渡したの。」
ネオン「マリアンって...師匠の命の恩人の...?」
夏油「ああ、浸食になってしまってね。自決用にラピから受け取ったんだ。」
ネオン「...すみません、辛い話を思い出させてしまって...。」
夏油「ネオンは悪くないさ、ごめん、直ぐ片付けるよ。」
作業机の上に置いてあるハンドガンを、手に持ってクローゼットの中にある服の中に入れようとする夏油だが、ネオンが恐る恐る夏油を止める。
ネオン「あの~...宜しければ師匠の銃を拝見させて頂いてもよろしいですか?」
夏油「?...ああ、構わないよ。はい、どうぞ。」
ネオン「では失礼します...エリシオンに配給されるハンドガンですね、パーツは付けずオリジナルのままです。」
ラピ「自決用に追加パーツは要らないと思ったから...」
ネオン「ですが、今はこうして師匠の手に渡ったのですから、少しぐらい手を加えてもいいと思いますよ?」
夏油「私はあまり詳しくは無いし、無理に弄って戻せなくなるリスクを避けたかったんだ。それに今の状態でも十分使えるよ。」
ネオン「師匠っ!!」
夏油「...どうしたんだい...??」
ネオン「火力の道に進むのなら、現状に満足することは進化を止めてしまいます! もっと貪欲にっ! もっと頂きを目指してっ! 火力を高めるべきですっ!!」
アニス「指揮官様が私たちと同じくらいの火力にしたら腕吹っ飛んじゃうでしょ。」(≖ࡇ≖)
ネオン「兎に角! 師匠も火力の道を歩むのならっ! こういった知識はもっと取り入れるべきです!!」
アニス「じゃあ知識を取り入れることで生まれるメリットは? ぜひ聞かせて欲しいわね。」
ネオン「火力が上がります!! あらゆる壁を悉く粉砕できるようになりますっ!!!」
アニス「実現できないんだってば。」(≖ࡇ≖)
ラピ「ですが、装備についての理解を深めることは、戦闘での役割を把握することに直結します。ネオンの言う通り、最低限の知識は知っておいても損はないと思います。」
ネオン「そう! その通りですっ!!」
アニス「貴方の頭には火力だけだったでしょ。」(≖ࡇ≖)
夏油「ふむ...確かにその通りだ。」
ネオン「師匠! このハンドガンのアップグレードがてら、そういった勉強が必要になります!! 絶対に!!!」
夏油「だが、銃のアップグレードといっても店は限られると思うが...」
ラピ「マイティ―ツールズはいかがでしょうか? あそこなら作れない物を探す方が難しいですし。」
アニス「本当はエリシオンの兵器開発部門に行くべきなんだけど、自決用の武器だから追加のパーツ無さそうだしね~」
夏油「...分かった、じゃあ勉強がてら銃のアップグレードしようかな?」
ネオン「分かりました! それでは早速行きましょう!!」
アニス・夏油「「えっ?」」
その後、強制連行するかの如く、ネオンが凄まじい勢いで夏油の手を引っ張って、マイティ―ツールズへと向かう。ラピは出遅れながらも追いかけ、アニスは炭酸水を握りながら追いかける羽目になり、到着後にキャップを開けたことで炭酸水をぶちまけた。