マリアンがタイラントモデル・ブラックスミスに攫われた後、ラピ、アニス、夏油は奪還の為に追跡を開始して接敵、交戦を開始する。
夏油(今からブラックスミスの弱点を聞く時間はない、なら相手の攻撃を先に潰す。攻撃手段はコアの左右にある銃器と、背中にあるミサイルか...だが、私の攻撃で有効打を当てられるか分からない...)
アニス「っ!...コイツ!強い!!」
ラピ「アニス!一旦下がって!!」
アニスとラピは攻撃手段である銃器に攻撃を加えるが、一向に壊れる気配がなく、ブラックスミスの攻撃が苛烈になっていく影響で迂闊に攻撃できなくなっていく。その時、夏油が通信を介して二人に指示を出す。
夏油「二人とも!左右の銃器やミサイルに構うな!コアを集中攻撃してくれ!」
アニス「でも!アイツのミサイルの対処が!!」
夏油「頼む、私を信じてくれ。」
アニス「っ...分かった!何とかしてくれるのよね!!」
ラピ「ラジャー!」
通信のやり取りを終えると同時に、リロードが終わった二人はブラックスミスのコアに集中して攻撃を開始する。急に弱点を攻撃し始めたことに焦りを感じたのか、ブラックスミスは二人目掛けてミサイルを発射する。
しかし、そのミサイルは発射されて数刻の間で爆散する。
ラピ「!?...一体...?」
アニス「何が起こったのか知らないけど、これで攻撃に集中できるわ!!」
シフティー「二人とも! ブラックスミスの出力が20.68%低下しています! その調子です!!」
夏油(...ラピとアニス、シフティーも呪霊に気づいていない...等級が低いイカの呪霊だからか?...だが、ミサイルの破壊ができるなら心配は無い!)「ラピ!アニス! 一気に畳みかけるぞ!!」
ラピ・アニス「了解!!」・「OK!!」
ブラックスミスはミサイルの発射を止める事なく続けるが、届くどころか2秒も経たずに全て破壊される。その間にラピとアニスはそのままコアの攻撃に集中する。
このままでは
シフティー「! ブラックスミスから高エネルギー反応を確認!! ニケ諸共周囲を消失してしまう程の出力です!!」
夏油「なっ!?」
アニス「最後の悪足搔きの癖に! まだそんな余力を!」
ラピ「シフティー! どうすれば止められるの!」
シフティー「今二人の視覚にターゲットを表示します!!」
ラピとアニスの視覚に表示された円形の赤いターゲットが3つ表示され、攻撃を開始するが、それを止めるべくブラックスミスは、左右のライフルをそれぞれラピとアニスに標準を定めようとするが...機械が軋んで動かない。その隙を見逃さず、シフティーは二人に伝える。
シフティー「左右のライフルの動きが停止しています! 今がチャンスです!!」
ラピ「これで!」
アニス「ラスト!!」
最後の赤色のターゲットの黄色い目盛りが無くなった瞬間、ブラックスミスがチャージしていたエネルギーが行き場を失い、内部から破裂するように爆散し、地面が見えなくなるほどの土煙が戦場全体に広がる。
ラピ「...。」
シフティー「タイラントモデル・ブラックスミス...完全停止を確認しました!」
アニス「本当に、勝っちゃった...。」
シフティー「シミュレーション上の勝率は12.4%でした。お見事です、指揮官。」
ブラックスミスの撃破に安堵するアニスとシフティー、ラピはブラックスミスの残骸に近付き、捕縛された先発隊とマリアンの生死の有無を確認に向かう。
ラピ「生存者を確認します。...先発隊は全滅。部品が全て剝がれてしまいました。」
夏油「そうか...。」
アニス「ラピ...マリアンは?」
アニスの発言を聞いたラピは、二人に向けていた顔を背けるように、マリアンを見つめて説明する。
ラピ「生きては、いる。」
その視線の先には、左脚の膝から先が無くなり、右腕が欠損、左目は光が無く虚ろになっており、右目は無くなりラプチャーのコアと同じような光を放ちながら、頭から血が流れ、骸となったブラックスミスに寄りかかって座っていたマリアンだった。
その姿にアニスは啞然とし、夏油は、血が滴っていることにも気づかない程拳を強く握り締め、歯を食いしばっていた。
マリアン「ここ...です。...こ...こ...」
アニス「...手遅れね。浸食が脳にまで転移している。」
夏油「シフティー...彼女は...どうなる...?」
シフティー「脳が破壊されたニケは処分するのが規則です。軍法により、ニケの処分は指揮官が行わなければなりません。」
夏油に対する返答は、あまりにも悲しいものだった。助けられるかもしれないという、小さな望みがあると信じて戦った。だが、夏油たちを迎えたのは、もう助からないという現実だった。
ラピは再び振り返り、夏油に歩み寄り血に染まっていた手のひらに拳銃を手渡す。
ラピ「自決用の拳銃です、人間も使用できます。至近距離から撃ってください。」
虚ろな瞳で、ラピから手渡された銃を数秒見つめ、再びその視線を変わり果てたマリアンに向ける。その姿の夏油にアニスは近づき肩に手を置く。
アニス「私が、やろうか?」
ラピ「ダメよ。ニケがニケを処分することはできないもの。」
夏油「ありがとう...アニス...私は大丈夫だ...。」
そう言って夏油はマリアンに近づき、目線を合わせる為にしゃがみ、マリアンに訪ねる。
夏油「最後に...言い残すことはあるかい?」
マリアン「.......。」
夏油の問いかけに応じないマリアンを見つめ、直ぐに立ち上がり銃口をマリアンの眉間に向ける。ここで殺さなければ、早く殺さねば、今度はラピとアニスが危険が及ぶ可能性がある。頭では分かっていた。だが、引き金が引けず拳銃が震えだす。
ラピ「...指揮官、ぐずぐずしている暇はありません。このまま放置すれば、イレギュラーになる可能性が高くなります。」
夏油「分かって...いる。...分かっているんだ...!」
夏油は答えるが一向に引き金が引けない。彼は今初めて直接仲間を殺そうとしている。百鬼夜行では調伏していた呪霊によって、何人もの術師を殺してきた彼だが、それは間接的な殺傷によるものであり、並びに直接戦った呪術高専の生徒を殺しはしなかった。
短い時間ではあるが、共に死線を超え、傷を癒すことも出来なかったが...それでも彼女は夏油を心配し、気遣い、そして命を救ってくれた恩人でもある。勿論、浸食が進んでしまった彼女をこのままになるなど、彼女自身望んでいないと、夏油も考えている。
...それでも夏油は
ラピ「指揮官!...っ!」
ラピが夏油に呼びかけるが、その瞬間、マリアンの左手が拳銃のスライドを握り、銃口を眉間に着弾するように誘導する。その光景に、ラピとアニスは目を見開き驚く。
マリアン「指揮、官...ここ...です。...指揮、官...」
銃口が眉間に定まり、マリアンは左手をスライドから夏油が拳銃を握っている右手に触れる。
マリアン「包帯...嬉しかった...です...」
少しずつ、マリアンの親指が、夏油が引き金にかけている人差し指を押し...
マリアン「あり...が...とう...。」
感謝を伝えた後、虚空に銃声が響き渡る。夏油は彼女の前に跪き、涙を流す。
マリアンが発砲され、動かないことを確認したラピは、シフティーに報告する。その間に夏油は頭部の負傷している箇所を包帯で隠すように巻く。
ラピ「マリアン、処分確認。」
シフティー「沈黙確認。現時刻をもって、捜索作戦を終了します。アークにお戻りください。」
アニス「...クソっ。」
包帯を巻き終えた夏油は、ラピに近づき血に染まったグリップの拳銃を見せ、質問する。
夏油「ラピ...この銃、私が持っていていいかい...?」
ラピ「...理由をお聞きしても宜しいでしょうか?」
夏油「彼女を
ラピは夏油の顔を見つめるが、その表情は決意に満ち、精神が疲弊して自殺の危険性が無いと判断した。
ラピ「...分かりました、では向かいましょう。アークへ...」
彼らはもう振り返らない、彼女を残して
最早元の世界に戻っても自分では救えない地獄を見るだけだ。親友との別れも告げた。しかし、この世界にはまだ自分の力でも救える可能性がある...。
ならば踏み込もう、更に佳境な
途中泣きながら書いていていました。序盤からジャブどころか、右ストレートのトラウマストーリーをぶつけてくるあたり、このゲームのストーリーヤバいと感じます。
因みに私は初見で見た時、渋谷事変の虎杖悠仁みたいに丸まって寝ました。辛かった...。
次回はアークの到着を描きたいと考えています。