結成、カウンターズ
マリアンとの死別を終えた夏油たち、地下深くに存在するアークに行けるエレベーターに入っていた。そんな中、アニスがシフティーにマリアンが侵食した原因について質問する。
アニス「シフティー。マリアンに...一体何があったの?」
シフティー「...マリアンに埋め込まれた侵食コードはナビゲーションだったと思われます! ブラックスミスのところへニケたちを案内する
夏油「一人を生け捕りにして、誘い出すということか...。」
アニス「でも、ほぼ最後まで正常だったわ。」
最初から侵食が始まっていたにも関わらず、ブラックスミスが潜伏している区域までは正常だった。アニスの疑問に夏油も頷き、シフティーはその質問の答えを返す。
シフティー「それは多分、指揮官がいたからです! ニケの最優先事項は指揮官を守り、命令に従うことですから! 多分、指揮官に出会ってからずっと凄く混乱していたんでしょうね!
優先順位がごちゃごちゃになってしまいましたから。ブラックスミスと遭遇したポイントでは、それすら忘れてしまうほど浸食が進んでいた。」
ラピ「...いつからだろう。」
シフティー「はい?」
ラピ「浸食が始まったのは、いつから?」
ラピがポツリと呟いた疑問に、シフティーが反応し直ぐに返答するが、夏油とラピがその考えを論理的に指摘する。
シフティー「それは、作戦中に...」
夏油「いや、作戦中に浸食が始まった場合...少なくとも地上で活動しなければならない。だが、マリアンが輸送機を墜落させたことからそれはありえない。」
シフティー「あ。」
ラピ「そう、そして輸送機はアークから来た。」
シフティー「! アークの防護壁が破れたのでしょうか。」
ラピ「いいえ、防護壁は堅固よ。浸食ぐらい簡単に排除できる。」
アニス「...ラピ。何が言いたいの?」
ラピ「...さあ。」
夏油たちがエレベーターに乗ってアークに向かっている間、シフティーはある人物に今回の捜索作戦の一部始終を報告していた。その人物はニケ二人でブラックスミスに勝利したことに動揺していた。
シフティー「...報告は以上です!」
??????「ブラックスミスに勝っただと? 適当に派遣した新米指揮官と3体のニケでか? それもたったの一日で。」
シフティー「はい、その通りです! 作戦に参加した内の1体のニケは、ブラックスミスとの交戦前に大破されましたが...。」
??????「冗談が上手くなったな、シフティーくん。」
あまりに現実的ではない戦果に到底信じられない男。それもその筈、ラプチャーの脅威度を示す階級で、例外を除く最上級のラプチャーである。倒すのは困難を極め、綿密な計画と強大な火力を維持できるように多くの戦力を必要とする。
そんな強大な敵を、先日士官学校を卒業した新米指揮官と、2人のニケで勝利を収めたのだ。冗談でなければ信じられない出来事だ。...しかし、シフティーは報告の次に交戦した際の状況を提示しようとする。
シフティー「交戦データを転送しましょうか?」
??????「いや、いい。その必要はない。ただ...その指揮官に、一度会ってみたい。15時以降は予定が空くと思う。呼んでくれるか?」
シフティー「はい、そのように伝えておきます!」
??????「よろしく頼む...あ。それと、作戦に参加したニケも、武装した状態で一緒に来るように伝えてくれ。」
シフティー「承知しました!」
シフティーは報告を終えると、空中に表示されていた画面を消し、部屋には男のみが残り静寂に包まれる。男はふと、新米指揮官の名前を呟いた。
??????「...夏油...傑...か。」
現在時刻 14時40分、ラピとアニスと別れを告げた夏油はビルの屋上からアークを見下ろしていた。そして、実際に街中を歩いて分かったことと、作戦中に気付かなかった複数の疑問について考えていた。
夏油(この街...いやアークというこの区域の一部を歩いて分かったことは、非術師である民間人から全く呪力を感じないこと。
途中に立ち寄ったスラム街のような場所にも呪霊どころか、残穢すらなかった。このことからこの世界には呪力が存在しない世界...。
そして、作戦が終わった後に気付いたが...戦闘で消滅した呪霊が再び戻っていた...。
ブラックスミスのミサイルの破壊に使ったイカの呪霊と、ライフルの動きを止める為に使ったムカデの呪霊が、以前より弱くなっていた。
これは気付かない内に縛りでも結ばれていたのだろうか...だが、一体何時?)
14時にアークに到着し、40分程アークの街中を歩き回ったが、場所に残った呪力を全く感じないことから、呪力が存在しないと判断した夏油。
彼の前世の世界は、手練れの呪術師になれば呪力の痕跡、残穢を残すことなく移動できるというが、一般人にはそれができない。
そして、人間が密集するこの空間には必然的に残穢が残るのだが、...全く残穢が無いことから、この世界には呪力が無いと判断した。
そして、Z.E.U.S.とブラックスミスの戦闘で使用したイカとムカデの呪霊が弱くなっていたこと。
イカの呪霊は伏黒甚爾との闘いで、ムカデの呪霊は乙骨憂太との闘いで使用したが、以前より2割から3割ほど呪力が弱まっていると気付き。
そしてアークを歩いている時、ふと使って消滅した筈の呪霊が体内に戻っていると気づいた。この疑問は縛りによる効果と仮定した...。
しかし、取り込んだ呪霊を全て把握している夏油だが、取り込んだ覚えのない呪霊が何体も存在し、尚且つその呪霊の中に特級呪霊が何体かいることに気付く。
夏油(しかし、取り込んだ覚えのない呪霊がいる...それもその中に特級呪霊が何体かいる。下級ならまだしも、特級なら必ず印象が残るはずだが...。)
夏油が知らない特級呪霊について考えている中、通信を介してシフティーからの連絡を受け取る。
シフティー「夏油指揮官?...今、お時間よろしいでしょうか??」
夏油「あぁ、問題ないよ。」
シフティー「15時に副司令室に、カウンターズのメンバーとともに来て下さい。」
夏油「カウンターズ?...ラピとアニスの分隊の名前かい?」
シフティー「はい!」
夏油は思考を止めて、シフティーの連絡を聞き直ぐに向かえるように、シフティーに道案内を頼む。
夏油「分かった。すまないが、道案内頼めるかな?」
シフティー「はい! お任せ下さい!」
予めラピとアニスに連絡したシフティーは、夏油に呼び出した理由について答えつつ、副指令室まで案内する。
副司令室に向かうと、シフティーが予め連絡を受けていたラピとアニスがいた。夏油が近づいてきたことに気付いたラピは夏油に呼び出した理由について聞く。
ラピ「指揮官も...司令部からの呼び出しで来たのですか?」
夏油「そうだね、何でも捜索作戦に関しての話らしい。」
アニス「シフティーから聞いたけど...『武装した状態で来て』っていうのが、な〜んか嫌な予感がするのよね〜。」
夏油「どうなるかは、これから分かるさ。」
神妙な顔で、副司令室の扉をノックし「失礼します、夏油です」と聞こえる様に声を掛ける。その声に応じる様に、男性の声で「入りたまえ」と答える。
その声を聞いて、ドアを開き入った夏油、それに続く様にラピとアニスが副指令室に入る。
??????「ほお...君たちか、まぁ席についてくれたまえ。ようこそ、中央政府司令部の副指令官...アンダーソンだ。好きに呼んで構わない。」
夏油「では敬意を込めて、アンダーソン様。今日アークに配属した夏油傑です。これからよろしくお願いします。」
夏油の呼び方に困惑した様子で少し悩んだ後、夏油に伝える。
アンダーソン「......いや、それはちょっと...アンダーソンと呼んでくれ。」
夏油「分かりました、アンダーソンさん。」
アンダーソン「うむ...さて、君たちをここに呼んだ理由なんだが...1つテストをしたくてね。まあ、難しくないから気楽に臨んでくれ。その状態のまま、シミュレーションルームに行ってもらう。そこで詳細を聞いてくれ。」
アニス「...え? その話をしたくてここに呼んだの?」
少し拍子抜けと感じたアニスはアンダーソンに質問するが、ラピがアニスを制止する。
ラピ「アニス。」
アニス「何よ? 気になることは聞かなきゃ。」
アンダーソン「君たちに直接会ってみたかったのだ。それだけだが?」
アニス「...。」
アニスが沈黙している間に、夏油も続いてアンダーソンに質問する。夏油の質問に腕時計を見ながら制止させ、時刻を確認する。
夏油「私も質問よろしいでしょうか?」
アンダーソン「ちょっと待ってくれ。...1つくらいなら答えられそうだ。質問したまえ。」
夏油「マリアンの浸食は作戦開始前...つまりアークで始まったそうですが、何か知っていますか?」
ラピとアニス「「!!」」
夏油の質問の内容に、ラピとアニスは動揺するが、アンダーソンはその質問に直ぐに応じる。アンダーソンの返答を聞いた夏油は直ぐに質問を切り上げる。
アンダーソン「マリアン?...あぁ、作戦中に破壊されたニケか...残念ながらその質問には答えられない。我々も事情を調べているところだが、ひとつだけ確実に言えるのは...アークの防護壁は最高だ。絶対に破ることはできない。」
夏油「そうですか...質問は以上です、ありがとうございました。」
アンダーソン「こちらこそ、シミュレーションルームの場所は二人のニケに聞くといい。」
質問に答えてくれたアンダーソンに対して席を立ち、一礼をする夏油。質問を早く切り上げた夏油の気遣いに感謝するアンダーソンだが、再び夏油を呼び止める。
アンダーソン「ああ、夏油君。もし、誰かが何らかの意思を持ってニケに浸食を埋め込んだとして、それが君が手も足も出ない程、巨大なものだったとしたら、君はどうするかね?」
夏油「...まず浸食を使用した理由について問い詰めると思います。」
アンダーソン「そう、何事にも理由はあるはず。それはつまり、納得できる理由なら見過ごす、ということかね?」
夏油「納得できるなら...ですが、悪意によるものだったら問答無用で武力を行使するかもしれませんね。」
アンダーソンの問いかけに直ぐに答えた夏油に、ラピとアニスは少し戦慄し、アンダーソンは少し言葉を詰まらせたが、申し訳なさそうに謝罪する。
アンダーソン「...すまない、どのような答えが返ってくるか気になってしまってね。呼び止めて悪かった、皆行ってよろしい。」
夏油「失礼しました。」
夏油に続き、ラピとアニスも礼をして副司令室を退室し、扉が閉まる。退室したことを確認するや否や、椅子に座り身を預け夏油の視線について想起する。
アンダーソン「...あの目、本当に新米指揮官か?」
夏油がアンダーソンの質問に答えていた際に、ラピとアニスは気付かなかったが殺意が籠っていた。記憶喪失しているとはいえ、士官学校を卒業したばかりの指揮官ができるような眼光だったことは直ぐに分かった。
この面談で、夏油という人間を分析するつもりが、更に分からなくなってしまったことに頭を抱えるアンダーソンだが、直ぐに会議の時間が迫っていることを思い出すと準備を手早く済ませ、副司令室を後にする。
アンダーソン「彼がどんな人間かは...これから分かること、急ぐことではない。」
一方、副司令室を後にした夏油たちはシミュレーションルームに入り、白と赤を基調とする服を身に着けた女性から、シミュレーションルームについての説明を聞いていた。
??????「本日諸君の戦闘力テストを行うイングリットだ。戦闘力テストはシミュレーションルームで行う。」
アニス「あの、指揮官様。一体何なのこれ?」(≖ࡇ≖)
夏油「さぁ...?」
ラピ「作戦から復帰したとたん、戦闘力テスト...異例のことです。普通は投入前に行われますが。」
夏油「そもそも彼女は一体誰なんだい?」
アニス「あの人、ニケを製造している三大企業のエリシオンのCEOよ。」
夏油「...? 社長なの?? なら何でここに居てシュミレーションを担当しているんだい???」
ラピ「趣味らしいです...」
イングリット「ブリーフィング中は静粛に!」
夏油・ラピ・アニス「「「...。」」」
夏油たちが小声で話しているのに気付いたイングリットは、私語を慎むように3人に注意する。場が静かになった時、イングリットは再び説明を再開する。
イングリット「諸君には今から、シミュレーションルームで模擬戦闘をやってもらう。簡単そうに聞こえるかもしれないが、そう甘くない。
アーク技術の結晶と呼ばれるシミュレーションルームは全てが現実の戦闘と同じく再現されている。戦闘中に発生しうる各種の突発的な状況はもちろん、ラプチャーとの戦闘も完璧に再現されている。
諸君はこのシミュレーションルームで各種突発事項や戦闘状況をタクティカルに突破し、タクティカルにテストをテストを完了する。以上。」
イングリットのシミュレーションルームについての説明が終わった時、夏油とアニスはイングリットの説明の表現について困惑するが、ラピはイングリットに質問する。
夏油(...タクティカルを二回言っていたよな...?)
アニス(...タクティカルって言葉に思い入れがあるのかしら...?)
ラピ「質問があります。」
イングリット「質問は受け付けない。」
ラピ「...。」
イングリット「訓練に先立って、諸君の分隊名を聞こう。分隊名を言え。」
夏油「カウンターズです。」
イングリット「確認した。ではカウンターズ諸君。諸君のタクティカルな動きを期待している。」
夏油たちの分隊名を聞いたイングリットは直ぐに確認し、シミュレーションルームの準備を手早く済ませ、夏油たちはシミュレーションを開始する。
シミュレーションを終了した夏油たちは、シミュレーションを行う意図について考えていた。
アニス「ああ~疲れた。」
夏油「二人ともお疲れ様。」
ラピ「作戦終了の報告は完了しました。『しばらく待機しろ』とのことです。」
アニス「...ラピ。これ何だと思う?」
ラピ「テストでしょ、言葉通りに。彼らから見れば、私たちが『怪しい』成果を出したのは間違いないから。」
アニス「上手くやっても、やらなくても何か言われるわ。指揮官様。何か知らない?」
夏油「私もよく分からないが...作戦中に出会ったロード級ラプチャーでも中隊クラスの戦力だからな、その階級より上のタイラント級を私たち3人だけでも殲滅できたことが可笑しいだろうね。」
ラピ「しかし、悪いことではないと思います。功を奏したのは確かですから。」
アニス「ふうん...取り敢えず待機するしかないのかしら。」
場面は変わり、副司令室となりアンダーソンとイングリットは、夏油たちカウンターズのシミュレーション結果について議論し、分析していた。
アンダーソン「結果はどうだ?」
イングリット「驚くほどだ。」
アンダーソン「...そうか。」
イングリット「最悪だ。実戦だったら一瞬で全滅しただろうな。」
アンダーソン「ほお、本当に驚くべき結果だな。」
イングリット「...夏油の指示は目を見張るものがあったが、戦果との差がありすぎる。実践に強いタイプなのか?」
アンダーソン「では、実践を任せてみようじゃないか。」
イングリット「仕事はいくらでもある。好きに選べ。」
アンダーソン「最高に難しいもので。」
イングリット「それなら...これだな。」
アンダーソンとイングリットは、作戦の戦果とシミュレーションの結果から、カウンターズに新たな任務の内容を選択し、シフティーを経由して連絡する。しかし、イングリットはアンダーソンの表情から何か疑問があると気付き、声をかけるが、問題ないとアンダーソンは答える。
イングリット「...? どうした?」
アンダーソン「いや...なんでも無い。」
シミュレーションを終えた夏油たちカウンターズは、待機している間にシフティーから任務の依頼がやってきた。その内容か全員は疑問を浮かべる。
アニス「発電所の調査? 海の近くにあった都市にあったあれの事?」
ラピ「...この人数でですか?」
シフティー「はい! 間違いありません!」
アニス「それって、あんまりよね! あんなに苦労したのに、褒められもせず、また苦労させられるの?」
夏油「拒否権を行使できないのが、厳しい現実だね。」
アニス「おまけに連続して同じ指揮官が割り当てられるなんて...」
夏油「指揮官が連続して同じ分隊になることも問題なのかい?」
ラピ「同一の指揮官とニケが、連続して作戦に割り当てられることはありません。大抵の場合、作戦過程でトラブルが発生する為です。トラブルが発生した状態で作戦に投入するとチームワークにも大きな影響を及ぼすため、一般的には避けられます。」
シフティー「その要因は相性の不仲とか、友好関係による油断などが挙げられますね。」
ふと夏油が、同じ指揮官が連続して分隊に参加することの問題に関して、疑問を浮かべる。そしてその疑問にラピとアニス、シフティーが答える。
アニス「指揮官がニケを現場で処分した、ってこともたくさんあったわ。その反対もたまにあるし。」
ラピ「...こういった極端なケースもありますので。同じペアで戦うには、少なくても3回間隔を空けなければなりませんが。確かに今回は例外ですね。」
夏油「...なるほどね。」
ラピとアニスの返答から夏油はその理由に納得した様子で答える。この状況からアニスは悟った様子で思いつく。
アニス「処分ね。それとなく地上へ送って。全員処分するつもりよね。」
夏油「...しかし、私たちを処分と断定するには些か早すぎるとも感じるし...そもそも処分する動機が分からないし、処分するデメリットの方が大きいとも思える。」
シフティー「その通りです!そんなことする理由なんてありませんから!」
アニスの考えを否定するように、夏油は自分の考えを発言し、シフティーがアニスの考えを真っ向から否定し、その理由を説明する。
シフティー「作戦開始と聞いて、私もサポートしに来たんです! とにかく、本当に処分する必要があるなら、今ここでできます。敢えて地上へ送る必要はありません。つまり、ごく普通の作戦だということです!」
シフティーの説明を聞いた夏油とカウンターズは、些か疑問は残っているものの、その説明に納得した様子を見せる。ラピは夏油に容認するかの確認を取り、夏油は答える。
アニス「ああ、とても普通よね。」
夏油(...任務を実行する際はこんなに少人数なのか? 以前の任務のようにロード級などの高位のラプチャーは少人数という利点を生かして避けるだろうか?)
ラピ「...命令である以上、従いますが。本当によろしいですか? 指揮官。」
夏油「私は君たちを撃ったりしないよ、それにもう決めたから...。」
アニス「...。」
ラピ「では行きましょう、地上へ。」
夏油の顔を見て、マリアンとの別れた時と同じ顔をしていると気付くアニスと、直ぐに行動に移るように先導するラピ。夏油たちは任務に実行する為に地上に繋がるエレベーターに再び向かう。
地上へ繋がるエレベーターに移動する夏油たち、エレベーターのドアが見えてきたところで、ラピが一人の少女が誰かを待っているかのように立っていることに気付く。
アニス「連続で地上派遣だなんて。全く悲しいよね。」
夏油「確かに、連続で任務に向かえばコンディションにも悪影響を及ぼすだろうに...」
ラピ「待って、誰かいる。」
アニス「うん?」
少女がこちらに気付き真っ直ぐ向かい、一礼して挨拶しこれから任務に参加する事を伝える。急に参加する人員が増えたことにラピはシフティーに確認を呼びかけ、アニスは増員に関して訝しむ。
???「初めまして、私はネオンです。今回の調査作戦に合流することになりました。よろしくお願いします。」
ラピ「...エリシオンのニケ? シフティー、何か聞いてる?」
シフティー「え...たった今、人事異動が発令されました!」
アニス「指揮官様と私たちは同じ場所で待機していたし、そんな連絡があった仕草は無かった筈...これは怪しいね、急に増員だなんて。正体は何なの?」
ネオン「...恐らく私は、スパイだと思います。」
アニス「...え?」
夏油「...ん?」
ネオンの正体に関して、アニスと夏油は首を傾げ、ラピは理解が追い付いていないのか硬直している。ネオンは周りを気にせず説明を始める。
ネオン「イングリットさん...社長の命令はこうでした。全力で手伝って、全てを報告するようにと。...スパイですよね?」
アニス「えっと...そうだと思うけど。」
夏油(全力で手伝って、全てを報告する...シミュレーションの結果が悪く、実践での差がありすぎたのか...そしてその理由について調査する為に、彼女がメッセンジャーとして任務に参加するというわけか。素直で正直だが...自己申告するスパイだなんて初めて見たな。)
夏油はシミュレーションルームでの結果を客観的に捉え、ブラックスミスの闘いと違いを比較し、あまりにも違いがあった事から、その理由について調べるためにネオンが派遣されたと理解した。
そんな中、ネオンはスパイになったことをはしゃぎ、改めて夏油に挨拶する。その挨拶に応じる夏油と、その様子を見て不安になるアニスとラピとシフティーだった。
ネオン「わあっ、私ずっとスパイとかやってみたかったんですよ。よろしくお願いします。スパイ任務頑張ります!」
夏油「あぁ、よろしく頼むよ、スパイさん。」
ネオン「はい!」
アニス「...これ大丈夫なのかな。」(≖ࡇ≖)
シフティー「さあ...」
ラピ「.......。」
長かった...ようやくネオンが参戦しました! 次回はは発電所の任務の描写を書いていきます!どこまで書くかはまだ未定です。
カウンターズ分隊に新たな仲間、ネオンが加わった! 夏油たちはエレベーターに乗り、地上へ向かっていた。
夏油「というか、よくアニスとラピがカウンターズ分隊だと分かったね?」
ネオン「はい! イングリット社長に背の高い人がいると説明されたので!」
アニス「...確かに、指揮官様って背高いわよね。何cmあるの??」
夏油「187cm...ぐらいかな?」
アニス「187!? 滅茶苦茶デカいじゃない!!」
ネオン「身長が高いと、電車の手摺を楽に掴めそうですね!」
夏油(まあ、私より高い人がいるんだがね...。)
アニス「指揮官様!! 身長を伸ばすコツは!?」
夏油「ごめん、それは分からない。気付いたら身長は伸びてたから...」
アニス「何でもいいの! 日々の過ごし方とか食べてる物とか!!」
ラピ「そもそもニケになったら成長するの?」
アニス「............」
夏油「大丈夫? アニス??」
アニス「大丈夫...悲しい現実に直面しただけだから...。」
ネオン「じゃあ指揮官! 好きな食べ物は何ですか!」
夏油「ざる蕎麦かな?」
ラピ「もう直ぐ地上に到着しますよ。」