特級呪術師のデストピア   作:クモッ!

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 最近知ったんですけど、トリッカルというゲームでスピッキーというキャラクターをDoroみたくネットミームにしたスピキっていうキャラが突然生まれたんですけど...

 近代のネットミームとして韓国生まれのゲームの勢いが凄まじい...

 新年あけましておめでとうございます、最近休日続きで小説を書くスピードががっくりと遅くなってしまっています。自分に鞭打って現在続きを書いております。


ヘレティック:モダニア 総力戦報告書

中央政府 ニケ管理部

特殊別働隊カウンターズ分隊 指揮官

夏油 傑

 

 

 

 

 

 

ヘレティック:モダニア

総力戦報告書

 

 

 

 

 

 

 1 作戦概要

 今回の任務は、ヘレティックモダニアの撃破及び、エリアHの地下にあるラプチャーの基地施設の爆発工作を目的とした総力戦である。加えて、ヘレティックモダニアのボディの持ち主である、シルバーガン分隊に所属するマリアンの救出が最終目標となる。

 

 マリアン救出の際には、ピルグリムから入手したヘレティックを殺す弾丸、"アンチェインド"を使用する。また、使用した効果についての説明を本誌に記述する。

 

 

 2 分隊情報

 ここでは私が本作戦中に指揮していた分隊と、作戦に参加した分隊についての詳細な説明を下記に記述する。

 

 

 ● カウンターズ

・ ラピ

 製造企業エリシオンで元アブソルート所属、武器はAR(アサルトライフル)ミリタリアを使用する。カウンターズのリーダーを務め、冷静で高い戦闘技術と作戦遂行能力を持っている。

 

 作戦中に何度も危険な状況から守ってくれた事から、戦闘中でも戦況を客観視でき広い視野を持っていると分かる。私の初任務中、輸送機が墜落した際に合流してから、行動を共にしている。

 

 

・ アニス

 製造企業テトラライン、武器はRL(ロケットランチャー)リバティーンテールを使用する。朗らかで陽気な性格で、分隊内のムードメーカーとして雰囲気を和やかにしてくれている。

 

 作戦中に気づかいや意見をハッキリ報告し、分隊の欠点や作戦の不備についても、見直しが必要だと伝えてくれる正直な人柄。ラピと同じく、ラピと共に行動している中合流し、カウンターズに配属される。

 

 

・ ネオン

 製造会社エリシオン、武器はSG(ショットガン)オールブレーキを使用する。アニスと同じくムードメーカーで明るい性格であり、カウンターズ内でも一番攻撃力が高い。

 

 常に武器の改良について思案しており、攻撃力に関しては向上心が高い。発電所の探索任務に向かう際、マリアンとは入れ替わるように加入した。

 

 

 ● アブソルート

・ ウンファ

 製造会社エリシオン、武器はSR(スナイパーライフル)パーフェクショニストを使用する。エリシオンが誇る最強分隊であり、ヘレティックとの交戦経験があるアブソルート分隊のリーダーを務めている。

 

 自他共に厳しく、常に戦況を把握し正確な指示を送る事で、全ての任務を成功で収めている。マテリアルHの入手での任務でメティスと共に作戦に参加、今回の作戦ではエリアHに広がっていた地下基地の爆破工作班として参加し、モダニアと交戦した。

 

 

・ エマ

 製造会社エリシオン、武器はMG(マシンガン)スペシャルセラピストを使用する。アブソルートに所属する気配り上手で、周囲への配慮と状況判断能力が優れており、細かな仕草や筋肉の動きから不調か否かを判断できる。

 

 おおらかなで協調性が高く、部隊の指揮を向上できるムードメーカーだが、横隊を組んでいる敵に対して殲滅能力が高い。

 

 

・ ベスティー

 製造会社エリシオン、武器はRL(ロケットランチャー)ピュアモンスターを使用する。自身の体程もあるロケットランチャーを軽々と担ぎ、敵に向かって一切の躊躇無く発砲できる。

 

 性格は気弱で人見知りだが、他者との交流を避けている訳ではなく、寧ろ自分の欠点を直そうとする事から、成長意欲があり努力家と分かる。また、アブソルート分隊の中でも最強と言われており、その制圧能力と殲滅能力は他の追従を許さない程乖離している。

 

 

 ● カフェ・スウィーティー

・ プリム

 製造会社はテトラライン、武器はSR(スナイパーライフル)レイジーボーンズを使用する。テトララインが誇る最強の分隊、カフェ・スウィーティー分隊のリーダーであり、頭につけたアイマスクがトレードマークでカフェではプリムコーヒーを販売している。

 

 性格はかなりの怠け者で面倒臭がり屋、話す言葉も単語のみで最小限で会話するが、仕事や任務に対して余念が無く最も効率的な方法を追求する一面もある。今回の作戦では、アブソルートと同じく地下基地の爆破工作班として活動し、完了後はモダニア付近のラプチャーに応戦していた。

 

 

・ ミルク

 製造会社はテトラライン、武器はSR(スナイパーライフル)パーフェクトウイニングを使用する。経営しているカフェでは、ミルクコーヒーを販売している。

 

 性格は好戦的で、誰かと対戦する状況を楽しむ格闘マニアである。今回の作戦では、プリムと共に行動してラプチャーとの戦闘に尽力していた。

 

 

・ シュガー

 製造会社はテトラライン、武器はSG(ショットガン)ワームアイスを使用する。バイクに乗って疾走する事を楽しむスピードマニアであり、愛車のブラックタイフーンはニケが4人乗っても疾走できるパワーがある。

 

 性格は淡白のように見えるが、戦いに対して今後の希望になると鼓舞する熱い一面もある。今回の作戦では、ブラックタイフーンと共に戦地に赴き、カウンターズ分隊を乗せてヘレティックモダニアの交戦地まで向かった。

 

 

 ● インフィニティレール

・ディーゼル

 製造会社はエリシオン、武器はMG(マシンガン)ワンダリングトラックを使用する。アークの交通機関アークエクスプレスの運行を担当する分隊、インフィニティレール分隊のリーダー。

 

 地上での運行が可能な車両、AZXを中央政府と交渉して使用許可を得て、本作戦に参加した。第2フェーズ突入時に現れ、アルトアイゼンMK.Ⅵと戦闘後まで移動を共にした。

 

 

・ ブリッド

 製造会社はエリシオン、武器はAR(アサルトライフル)パーフェクトラインを使用する。インフィニティレール分隊の機関士を担当している。

 

 性格はワーカーホリック完璧主義者で、彼女の運転の腕前は他を寄せ付けないほど高い。

 

 

・ ソリン

 製造会社はエリシオン、武器はSMG(サブマシンガン)クリムソンクルセイダーを使用する。インフィニティレール分隊で、乗務員を担当する。

 

 性格は得意げで自信満々、同じ分隊に所属する2人に比べ小柄な少女。

 

 

 この分隊以外にも、地上遊撃に参加した分隊が部隊として参加した。

 

 

 3 敵戦力とその分布

 この作戦が開始される前に、ラプチャーの大軍が地上と地下にそれぞれ集結しており、殆どがセルフレス級からロード級で構成された中隊規模が占めている。ここでは敵勢力の中でも戦闘力が高いラプチャーについての報告を、作戦行動中に遭遇した順で下記に記述する。

 

 

・ アルトアイゼンMK.Ⅵ

グレード:タイラント級

 機関車のような機構で、車輪が無限軌道で運行している暴走機関車。元々はテロ組織エンターヘブンが建造した装甲列車だったが、ラプチャーに乗っ取られた影響で制御が奪われた。車両は全部、後部に分かれてそれぞれミサイルボート、タレットが、後部には粒子砲が装備されている。

 

 アルトアイゼンMK.Ⅵの制御が奪われた事象は、北部で研究所を乗っ取ったランドイーターの物と酷似していると思われる。

 

 非常に攻撃力が高く、手数が多い事でこちらが攻撃できる時間が短く、あらゆる所から武装が搭載されている為、死角が存在しないと考えられる。武装を破損させると後部車両を分離して、前部に搭載されているミサイルと車両を突進してきた。

 

 対処としては、ミサイルで攻撃している間に射速の高いビーム砲塔を破壊し、有効射程圏外になった場合は接近しているミサイルを破壊する。ビーム砲塔が再び有効射程圏内に入った場合、攻撃を集中させて破壊しこれを繰り返す。

 

 特殊行動として、後部の粒子砲でこちらに攻撃してくる動作が、攻撃して防げるものと防げないものがある。防げる場合はターゲットに攻撃を集中して妨害し、防げない場合は障害物に隠れて攻撃を避ける。

 

 前部のみになった場合にも、突進する際にターゲットが出現する為、攻撃して突進を止める必要があり、その最中でもミサイルによる攻撃が行われる。耐久力が高い影響か、攻撃を止めても突進攻撃を繰り返してくる。

 

 作戦中ではAZXに搭乗して、アルトアイゼンMK.Ⅵと並走しながら空になっている貨物車両に乗って応戦した。また戦闘する時は、自己修復できる機構がある影響か長期的になると考えられる為、最低でも2分隊の人員を確保しておきたい。

 

 

・ トーカティブ

グレード:タイラント級

 高い知能と人語を話す特異なラプチャーであり、屈強な体躯と高い戦闘力に加え、更には自己修復機能を有している。その再生能力は片腕を損失しても数秒で完全に復元でき、身体能力も高い事から体躯を生かせる接近戦に持ち込まれる事が多い。

 

 距離を取られた対策として、両肩部にミサイルが格納されており、動きを止めている間は発射して攻撃する。その射速は早く無いが、距離が近い時に発射する事で欠点を補っている。

 

 攻撃する箇所はミサイルを発射する両肩部と、弱点である頭部の計3箇所を中心に攻撃、ミサイル発射口を破壊してから頭部に攻撃を集中させる。戦力不足の場合は、以上の方法で長期戦に持ち込み、トーカティブの攻撃を障害物で避けながら、応援が来るまで待機のが得策だと考えられる。

 

 戦力、瞬間最高火力がベスティー程だと、自己修復が追いつかず圧倒する事ができると考えられる。自己修復は、体内のナノマシンが欠損した部位を修復する機能で、かなりエネルギーの消耗が激しく、十分な戦力の場合は持続的に攻撃し続けて、エネルギー切れを誘発させると良い。

 

 

・ モダニア

グレード:ヘレティック

 ラプチャーの等級に区分されない規格外の存在であるヘレティック、元の体はシルバーガン分隊に所属するマリアン。初任務で共に活動していたが、散らばった仲間の捜索中に侵食だと判明し処分した。

 

 そしてピルグリム捜索の任務の際に、北部でヘレティックとして出現。巨大化する事で、空中戦に対応できるようになり、機体周囲に弾丸を止められる程の高密度の磁場と、巨大化、生身の状態共に高い機動力を有する。

 

 巨大化の武装は、両翼に格納されている弾速の早いミサイルと遅いミサイル、エネルギーソードや粒子砲といった、単騎で大軍を制圧できる強力な武装を搭載している。また、肉体の背中にマテリアルHの触手とマシンガンが搭載されており、触手は刺突によって侵食を誘発させ、マシンガンは広範囲攻撃が可能になっている。

 

 攻撃する箇所は、両翼のミサイルゲートのどちらか胸部のコアの計三箇所の中から二箇所に攻撃する。モダニアの粒子砲による攻撃より先にコアを破壊すれば、エネルギー不足で粒子砲による攻撃ができなくなり、片方のミサイルゲートを破壊すると発射されるミサイルの迎撃が早くなる。

 

 両翼のミサイルゲートを破壊、または一定時間経過した場合に、距離を取って自己修復して破損した箇所を修復し、弾速の早いミサイルで攻撃する。この時、モダニアは有効射程圏外にて滞空する為、モダニアの攻撃からミサイルの迎撃に変更し、対処出来ない場合は障害物で攻撃をやり過ごすのが良い。

 

 元がニケとは言え、その戦力は5分隊を軽く凌駕し、武装の種類と陸と空中二つの戦術の豊富さから、アドバンテージが大きすぎる点がこのヘレティックの強みである。撃破する際は、アブソルートとメティスの連合部隊を推奨する。

 

 

 4 作戦開始から終了までの状況説明

 今回の作戦は、第1フェーズからファイナルフェーズの計3段階に分けられて実行された。ここでは、第1フェーズから作戦終了までの経緯を記録したものである。

 

◯ 第1フェーズ

 地下基地の爆破工作が終わるまでカウンターズは、地上のラプチャーと交戦し移動する際の障害を減少させていた。同じく地上遊撃部隊を支援しながら、第2フェーズに備えて体力を温存した。

 

 

◯ 第2フェーズ

 地下基地からモダニアが地上に出現したと同時に、モダニアとアブソルートの交戦地を目標地点とし、体力を抑えず進行を開始した。進行方向上にいるラプチャーを殲滅しながら進み、道中AZXを制御しているインフィニティレール分隊と合流、搭乗後にアルトアイゼンMK.Ⅵと戦闘する。

 

 ミサイルとタレットを破壊しながら、アルトアイゼンMK.Ⅵに攻撃している中、粒子砲による攻撃を受けて障害物は破壊、同時に後部車両の武装を破壊に成功。出力が低下したアルトアイゼンMK.Ⅵは、後部車両を切り離し、低下した出力を軽量化で補い追走する。

 

 前部車両のみの状態になったアルトアイゼンMK.Ⅵは、前部に搭載されているミサイルを射出しながら、車両ごとAZXに衝突する攻撃に変化した。攻撃を許すも、隆起した岩盤による転倒によって、アルトアイゼンMK.Ⅵは大破した。

 

 アルトアイゼンMK.Ⅵの撃破後、AZXのスタピライザーが故障した事で制御不可能になり、徒歩でモダニアの交戦地に向かった。向かっている道中でトーカティブと接敵するが、ピルグリムが乱入しトーカティブと戦闘。

 

 

◯ ファイナルフェーズ

 トーカティブがピルグリムと交戦している間に、シュガーのブラックタイフーンに乗車してモダニアの交戦地に向かい戦闘を開始。コアに攻撃を集中させ、粒子砲を止めようとするが間に合わず、身を隠して攻撃を回避した。

 

 粒子砲の発射後に、両翼からミサイルを射出して攻撃を続けている中、コアを破壊し片方のミサイルゲートを破壊する事ができ、ミサイルを対処しながらモダニアに攻撃していた。その後、モダニアの行動パターンが変化、射程距離外に移動して損傷した装備を修復し、弾速の速いミサイルを発射した。

 

 モダニアへの攻撃から、ミサイルの迎撃に変更して障害物を探しながら対処を行い、モダニアの巨大化解除に成功する。生身となったモダニアを拘束後、至近距離でアンチェインドを発射して命中した。

 

 しばらく沈黙していたが、言動や記憶からマリアンとして復活を確認。この事から、NIMPHにあった侵食コードごと無効化する効果だと確定、マリアンの救出とモダニアの撃破を完了した。

 

 マリアンの救出後に、トーカティブによる強襲をピルグリムが阻止した。ピルグリムと合流するが、モダニアの巨大化アーマーがコーリングシグナルを発信、戦場に現存するラプチャーを召集させる。

 

 集結したラプチャーを、カウンターズに加わったマリアン、合流したピルグリムと共に応戦。壊滅後にトーカティブがモダニアのアーマーと、殲滅したラプチャーの部品を捕食、吸収した。

 

 捕食後トーカティブの肉体が変異、体全体にモダニアのアーマーと同様の装甲が出現し、右腕が肥大化してラプチャーのコアが露出した粒子砲に変化した。取り込んだコアをエネルギー源に、粒子砲を稼働する。

 

 しかし、発射直前に粒子砲が暴発、充填されたエネルギーはトーカティブを中心に放出された。空に射出されたエネルギーが消えて、周囲の確認ができるようになった頃には、ピルグリムは姿をくらませていた。

 

 分隊のメンバーの安否確認後、AZXに搭乗しアークに帰還した。

 

 

 5 追記

 タイラント級で、会話が可能な特殊個体のトーカティブの能力は、対象を捕食して武装や部品を取り込み、自己の物にする能力だと推測する。しかし、トーカティブの残骸は確認できず行方が分からない事から、暴発した粒子砲のエネルギーで肉体が消滅したと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンダーソン「君の報告書は目を通した。...さて、君の口から直接聞かせてもらおうか?」

 

 

 副司令室に送られた報告書に目を通したアンダーソンとイングリッド、そしてアンダーソンの前には夏油とラピたち5人がいる。アンダーソンの申し出に、夏油は頷きながら本来の出来事を話し始める。

 

 

夏油「アルトアイゼンMK.Ⅵは呪霊を行使し、粒子砲の反射と転倒を誘発、トーカティブにはピルグリムと一体の呪霊で足止めをさせ、モダニアにはサポートで徹しましたがアンチェインドが奪われ、奇襲によって私とラピが負傷した後、私は回復してモダニアと戦闘しました。」

 

アンダーソン「ヘレティックと戦ったのか? 生身で...?」

 

夏油「はい。その時には気分が高揚して、術式による攻撃を与えていましたが、殺傷力が高過ぎると判断して直ぐに肉弾戦に切り替えて弱体化に成功しました。

 その際に、モダニアにコーリングシグナルを使用されてラプチャーが集結しましたが、纏めて殲滅しモダニアのバイザーを破壊した後、マリアンの意識が回復したことを確認して救助に成功しました。」

 

アンダーソン「......イングリッド。」

 

イングリッド「ネオンから報告を受け、脳スキャンも行った。夏油の言っている事は事実だ。」

 

ネオン「優秀なスパイですので。」

 

アンダーソン「信じられん...」

 

 

 ただでさえ三大企業の内、エリシオンとミシリスの最強分隊を送って一体のヘレティックを何とか倒せるという結果が出ているのにも関わらず、夏油は負傷しているとはいえ単独でヘレティックと戦闘し、圧倒的な戦果を挙げている。アンダーソンは、彼の報告を受けて酷く頭が痛いような仕草を取りながら、報告を続けさせる。

 

 

アンダーソン「続けてくれ...」

 

夏油「はい。その後トーカティブとピルグリム スノーホワイトが戦場に到着、スノーホワイトが合流している間にモダニアのアーマーを捕食し吸収しました。」

 

イングリッド「変異した詳細は、報告書と同じか?」

 

夏油「ええ、その後戦場の半数を殲滅できる粒子砲の充填が完了し、こちらも応戦して術式を使用、粒子砲を押し返してトーカティブの右半身の消滅に成功しました。最後に、戦場を離脱しようとしていたトーカティブの頭部を、スノーホワイトが破壊した事で活動を停止しました。」

 

 

 任務で起こった本当の報告を終え、アンダーソンはイングリッドの顔を伺い、視線を向けられたイングリッドも頷く。溜息を零しながら椅子を立ち上がり、アンダーソンは夏油に加えて質問をしていく。

 

 

アンダーソン「報告ご苦労、追加で質問しても構わないか?」

 

夏油「構いません。」

 

アンダーソン「君がモダニアの奇襲で負傷した傷は、以前話した反転術式を使ったのか?」

 

夏油「ええ、瀕死かつ意識が無くなる中で習得しました。」

 

イングリッド「帰投した際の服装が穴だらけだったのに対し、お前の体が綺麗だった筋は通る。」

 

アンダーソン「次だ、トーカティブの粒子砲を相殺した術式、その攻撃は何だ?」

 

夏油「私の術式、呪霊操術で最も威力が高い奥義、極ノ番 うずまきを使いました。取り込んだ呪霊を一つの呪力の塊にして相手にぶつける技です。」

 

アンダーソン「君が取り込んでいる呪霊の総数は?」

 

夏油「私が記憶しているものと現在までに判明した呪霊は7432体です。内トーカティブに放った呪霊は5000体です。」

 

 

 トーカティブの粒子砲は、生半可な攻撃では相殺なんて出来はしない。それが元ヘレティックの武装レベルなら尚更である。

 

 しかしこの男は、それ以上の出力を余力を残しながら攻撃を相殺し、完膚なきまでに勝利を収めたのだ。アンダーソンが頭を抱えている中、イングリッドは先ほどの内容を追及する。

 

 

イングリッド「弾とした呪霊はどうなった?」

 

夏油「特殊な縛りの影響で、呪力が三割減少し本来の力を発揮できない代わりに、私の呪力を使って復活しています。私の呪力は殆どありませんが、今は半数以上の呪霊が戻りました。」

 

イングリッド「時間さえあれば、何度も発射できる超高威力攻撃...実にタクティカルだ。」

 

ネオン「おっしゃる通りです。」

 

アニス「変なとこで意気投合しないの。」(≖ࡇ≖)

 

マリアン「でも凄いですね...一人で国家転覆できるレベルとは聞きましたが...。」

 

ラピ「それでも特級呪術師としては下の方...ですか。」

 

 

 イングリッドの質問にも答えた後、イングリッドはうずまきと縛りによる呪霊の復活を聞いて、合理的かつ最大威力が変わらない事から高評価し、ネオンも激しく同意する。アンダーソンは痛くなっている頭を振って、最後の質問を夏油に投げかける。

 

 

アンダーソン「最後に、作戦全域を捜索したがトーカティブの本体が見つからなかったが、居場所は分かるのか?」

 

夏油「私が所持しています。」

 

アニス「ふ~ん.........は!?」

 

夏油「物を格納できる呪霊に、トーカティブ本体丸ごと格納させています。」

 

イングリッド「物の携帯も可能とは...」

 

ネオン「最早何でもありですね。」

 

マリアン「出来ない事を探すのが難しそうです...」

 

 

 調査部隊から、トーカティブの残骸を確認したとアンダーソンは報告を受けているが、どれも欠損した腕や装甲の破片など、本体が無いという報告を受けた上での質問であった。夏油の報告書通り消滅したのなら追及しなかったが、イングリッドがアンダーソンを止めないことから、トーカティブ本体は何処かにあると分かった。

 

 そしてその在り処は、夏油が取り込んでいる呪霊が飲み込んでおり、ちゃんと保管されていると説明した。

 

 

アンダーソン「そうか。」

 

ラピ「よろしいのですか?」

 

アンダーソン「何がだ?」

 

ラピ「特殊個体であるトーカティブの本体は、未知の技術でもある筈...」

 

アンダーソン「そうできるが...彼の手札を奪う訳にもいかないからな。」

 

アニス「??」

 

ネオン「どういう意味ですか??」

 

マリアン「出来れば...説明して頂けると...」

 

 

 トーカティブの肉体にも、ヘレティック同様に未知の塊であり、人類にとっては喉から手が出るほど欲しいのも無理はない。しかし、アンダーソンはトーカティブの居場所を聞いただけ終え、それ以上に追及や命令を下す事無く質問を終えた。

 

 アンダーソンの行動に理解できないラピたちに答える。

 

 

アンダーソン「君たちも、その内分かる筈だ。」

 

ネオン「??」

 

アニス「......??」

 

マリアン「......?」

 

アンダーソン「質問は以上だ、答えてくれて感謝する。それと、エリシオンで極秘にマリアンに脳スキャンを行った結果、NIMPHは完全に消滅している事を確認した。

 もう彼女にはモダニアは居ないと断定しても良いだろう。」

 

マリアン「それじゃ...」

 

イングリッド「もう浸食の危険性は無いと証明された。」

 

アニス「やったぁ!」

 

ネオン「やりましたぁ!」

 

夏油「お二人とも、ありがとうございます。」

 

 

 総力戦の翌日早朝に、イングリッドが車と共にマリアンを迎えに来て、エリシオン本社に直行。精密検査の結果、マリアンの脳内にNIMPHが無いと確認した。

 

 確認したイングリッドは、そのままアンダーソンのいる副司令室に向かって夏油と合流して報告していた。アンダーソンは短く咳払いして、改めて夏油たちに休養を取るように命令する。

 

 

アンダーソン「以上で、ヘレティックモダニア総力戦の報告を終了する。カウンターズの諸君には、今日から二ヶ月の休養を与える。

 今まで酷使してきた体を、ゆっくりと休ませて欲しい。」

 

夏油「了解しました。」

 

アンダーソン「そして、マリアン。」

 

マリアン「はっ、はい!」

 

アンダーソン「君が任務に参加できるか、休養中にこちらに来て訓練と検査を行ってもらいたい。」

 

ネオン「? それまた何でですか??」

 

ラピ「ヘレティックからニケに戻ったのは、マリアンだけだから。」

 

イングリッド「そして、以前と武装が変わったからな。その調整が必要なのだ。」

 

 

 休養を得られたアニスは影でガッツポーズしている中、休養中に任務参加が可能か確かめる訓練と検査、万全に戦闘力を発揮できるように武器の調整が必要だと説明する。マリアンは断る理由も無く、二人の申し出を快諾した。

 

 

マリアン「分かりました、私も指揮官のお役に立てるなら、是非よろしくお願いします。」

 

アンダーソン「うん。詳細な日時はまた後日夏油に連絡する。今日はご苦労だった。」

 

夏油「失礼しました。」

 

 

 敬礼して、扉に向かうと同時に周囲を囲っていた帳を消して、副司令室を退出していく。アンダーソンとイングリッドは、これからの事について不安があった。

 

 

イングリッド「アイツは、乗り越えられると思うか?」

 

アンダーソン「中央政府からの圧力に...か。だが彼にも、新しい手札が手に入った。

 後はマリアンが、彼らから戦闘面で有用か見込めるかだな。」

 

イングリッド「随分と暢気だな?」

 

アンダーソン「いや、彼は優秀だよ。条件が揃えば、彼は彼女と共に居られる。」

 

イングリッド「...そうだな。実際アイツの功績は目覚ましいものになった。同時に、派手に動けなくなるリスクもある。」

 

 

 これまで、死傷率の高い任務を生き延びている夏油が、これから先更に注目される事は目に見えているイングリッド。しかし、これ以上分からない先の事を考えても時間の無駄だと判断したのか、直ぐに話を切り替える。

 

 

イングリッド「話は変わるが、トーカティブと同じく作戦区域に見つからなかったものがある。」

 

アンダーソン「()()()、おおよその検討は付いている。」

 

イングリッド「いいのか? アイツに伝えなくても。」

 

アンダーソン「...きっと気付いているさ、分かった上で行動に移す事が出来ないのだろう。

 ...詳しい話はまた今度設けよう、会議の時間が迫っているからな。」

 

 

 アンダーソンの発言に、イングリッドは頷き返し副司令室から退出していく。続いてアンダーソンも、夏油から受け取った報告書を手に取って、中央政府の会議室に向かっていく...




 アニメ呪術廻戦 死滅回遊 前編が三日後に放送が始まりますね! PVを見て個人的に日車の声優さんがアンダーソン、銀さんでお馴染みの杉田さんだったのが意外でした。ですが暗殺教室でクールなキャラクターも演じているので期待が高まっています!!



にけ さんぽ




 報告を終えて前哨基地に戻ってきた夏油たち、提出していた報告書の内容を初めて聞いて以前も同じように内容を聞いていた。


アニス「そういえば今日初めて指揮官様の報告書を見たけど、いつもあんな感じで呪霊とか術式を隠して書いてたの?」

夏油「そうだね、あの報告書は中央政府の上層部に共有されるから、出来るだけ秘匿する必要があるんだ。」

マリアン「だから本来の出来事とは違う報告をしていたんですね。」

ネオン「正直私も呪霊の存在に気づきませんでしたので、勝手に相手の攻撃が爆発したとしか報告できなかったんですねけどね。」

アニス「現実離れしているけど、もし本当という可能性があるなら、アークから排除するか一生兵器として扱うでしょうね。」

ネオン「そうなったとしても簡単にアークを滅ぼせそうですが。」

マリアン「た、確かに...」

ラピ「では、発電所でグレイブディガーを抑えたタコのような脚も呪霊なんですね。」

アニス「へ?」

ネオン「ぇ?」

夏油「やっぱり見えてたんだ。」

ラピ「うっすらとしか見えなかったんですが。」

マリアン「それって陀艮?」

ラピ「いえ、陀艮とは別の呪霊に見えたわ。」

ネオン「あの~...出来る事なら言って欲しかったんですけど...」

アニス「タコの怪物がグレイブディガーを引きずっていった~...なんて話を、当時のあなたが聞いて信じる?」

ネオン「信じられませんね、すみません。」

ラピ「そうすると、ミサイルなどの攻撃も指揮官の術式によるものなのですね。」

夏油「そう、出来るだけ被害を抑える為に呪霊を飛ばして相殺していたんだ。」

マリアン「私たちの気づかない所で守っていたんですね、ありがとうございます...」

ネオン「って事は...今後の任務で師匠も戦闘に参加するんですか!?」

アニス「その状況ってかなり限定的よ、シフティーと私たちの他に誰も居ない状況だもの。」

夏油「まあ、はぐれたとしても視覚共有できる呪霊を飛ばせるし、味方の位置は把握できるよ。」

アニス「それだけでも十分すぎるわね...」

ラピ「味方の位置情報以外に、他の用途があったりしますか?」

夏油「人の会話を聞いたり盗み見たりしているよ。」

マリアン「堂々と言う事でも無いと思うんですけど...」

アニス「指揮官様って覗き趣味、いやストーカーだったの...?」

ネオン「例えば誰の会話を聞いたり盗み見しているんですか?」

夏油「シュエン。」

アニス「ぁぁ、成程ね。」

ラピ「納得しました。」

ネオン「ありがとうございます師匠。」

マリアン(何でそうなっても当然の雰囲気になっているんでしょうか...?)
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