というかUAが週で3000増えそうになっている...
宿所の掃除をしていた夏油、マリアンとラピも手伝って昼前に終了して綺麗になり、指揮官室で休憩していた。
夏油「二人ともありがとう、おかげで昼食前に掃除が終わったよ。」
ラピ「当然の事をしたまでです。」
マリアン「そうですよ、それに私たち今日は検査も訓練も無かったので。」
夏油「それでも助かるよ、何か昼食のリクエストはあるかい?」
マリアン「また卵を使った料理が食べたいです!」
夏油「じゃあ、ロコモコでも作ろうかな?」
マリアンの要望を聞き入れた夏油は、早速料理の支度を始めると同時に扉からアニスとネオンが帰ってくる。
アニス「ただいま~。」
ネオン「ただいまです!」
マリアン「お帰りなさい二人とも。」
夏油「ちょうど良かったこれからお昼ご飯を作ろうと思ったんだ。」
アニス「ホント? ラッキー!」
ラピ「お手伝いします、指揮官。」
ラピも夏油と一緒に昼食の準備に取り掛かり、手早く調理を完了して昼食を取る四人。皿を片付けている間に、アニスとネオンはのんびりとソファに座っていた。
アニス「はぁ、休日がいっぱいあるって素晴らしいわねぇ。」
ネオン「でもずっと休みというのも退屈ですね。」
ラピ「今はこれまで任務で蓄積した疲労を養いなさい、きっと任務続きになると思うから。」
アニス「ぅぅ...聞きたくない...。」
マリアン「まあ、まだ沢山休日がありますから。」
夏油(そう言えば、高専の時まともに休日が無かったな...。)
一人は長い休日を満喫し、一人は長い休日に刺激を求め、一人はいずれやって来る戦いに備えて英気を養い、一人は長い休日はまだ始まったばかりだと言う。
一人生前との環境との違いを出していたが、それぞれが与えられた休日に対して様々な感情を抱いている中、指揮官室の扉が開かれた。
プリバティ「ふん。ここが前哨基地というところなのね。」
アニス「......」
ネオン「......」
ラピ「......」
マリアン「...?」
訪れてきたのは、エニックに呼び出された際にやって来たプリバティであり、記憶が残っているラピは目を細め、面識はあるけど名前を思い出せないアニスとネオンは顔を見て思い出そうとし、マリアンは全く面識が無く夏油たちの様子を伺う。
プリバティ「私のライバル、ラピが住むところだというから期待してたのに...」
ネオン「誰でしたっけ、この人...」
アニス「プリ...パティだったかしら...」
ラピ「プリバティよ、トライアングルの。」
アニス「ラピ、あいつとライバルだったの?」
ラピ「知らない。」
マリアン「トライアングルって裁判所で勤務している分隊ですよね?」
夏油「ああ、間違っていないよ。」
碌にプリバティの事を覚えておらず聞こえないように小声で話している中、当の本人は上がり込んできた後指揮官室を見て呆れた様子を見せていた。
プリバティ「こんな劣悪な環境で暮らしているなんて可哀想ですね。」
ネオン「何ですって!?」
アニス「見え見えの挑発に乗るんじゃないわよ、ああいうのは言わせておけばいいんだから。」
プリバティ「まあ地上という環境が環境、仕方ありませんね。それでも期待して損しました。もはやここは――アウターリムですね。」
アニス「んん!」
マリアン「アニス??」
プリバティの言葉でネオンが反応していたが、止めていたアニスも告げられた評価に反応する。その様子を見てマリアンは困惑しつつも、アニスに声をかけるがその表情は感情的になっていた。
ラピ「幼稚なことは止めて帰って...」
アニス「......なさいよ。」
プリバティ「はい?」
アニス「取り消しなさいよ、今の言葉!」
ラピ「!!?」
ネオン「そうです!そうです!」
夏油「おい、よせアニス!ネオン! 勝手に言わせときゃいんだ。」
アニス「アイツ私たちの家をバカにしたのよ。」
夏油「アニス!」
先程までのんびり座っていたアニスとネオンが立ち上がり、プリバティの発言に対して感情を露わにし、夏油が二人を抑えようと止めに入るが、プリバティが更に火に油を投下する。
プリバティ「取り消せですって? 断じて取り消すつもりはありませんよ。だってそうでしょう?」
プリバティ「アークの居住区は電気や水道は勿論基礎インフラに加えて、ちゃんとした設備や施設が揃って、その上社会保障も完備されています。まさに人が十分に生活できる環境が備わっているんですよ。」
プリバティ「それに比べて、ここはどうなんですか? 最近までは電気や水道といった基礎インフラも今でもリペアセンターなどの社会保障も存在せず、お世辞にも人が暮らせる環境とは言えませんよ。」
アニス「やめなさい。」
顔を俯きながらプリバティに近づくアニス、しかしプリバティの口は止まらず話し続ける。
プリバティ「いくら地上の拠点と言っても、流石に生活環境の限度がありますよ。ここに来る前に少し回りましたが、中央政府はいい加減に前哨基地の生活環境にも力を入れる必要があると私は思っています。」
アニス「やめなさい...!」
夏油「乗るな アニス 戻れ!」
マリアン(何気に私たちの事を心配しているんでしょうか?)
ラピ(そんな事で言っているとは思えないわ。)
マリアン(??)
前哨基地が低く見られた事に歯止めが効かなくなるアニスとネオン、その様子を静観しているラピとマリアン。そして止めようとする夏油。
プリバティ「こんなに狭い居住先のクオリティーでは、相手にもなりませんよ。」
アニス「やめろーっ!」
プリバティ「低すぎるクオリティーで戦っても何も面白くありません、最低でも戦う喜びを味合わせて欲しいものですよ。」
アニス「ここはアウターリムじゃないわ! あそこより、いやアークよりも優れた場所なのよ!」
ネオン「そうですよ! こう見えても必要なものは全部あるんですから!」
夏油「やめろ 二人とも!」
それでも一切引かないアニスとネオンを見て、プリバティは乗り気になったのか前哨基地の周囲や環境に関する質問を始める。
プリバティ「ふふ、こんなしょぼい施設で私と勝負するのかしら? いいでしょう! では、お尋ねします。良質な食事と健康のバランスを管理してくれる専用シェフは常駐していますよね?」
ネオン「師匠がご飯を作ってくれます!」
アニス「献立は大体ラピとマリアンが決めるわ!」
プリバティ「...あなたたちは作らないんですか?」
アニスとネオン「「作らない!!」」
マリアン「そんな堂々と言い切ることなのでしょうか?」
夏油「ラピ大丈夫? 頭痛いのかい?」
ラピ「頭痛が痛いので帰って宜しいでしょうか。」
プリバティ「ロイヤルロードに繋がる道くらいありますよね? 買い物したい時、何時でも行けるように。」
ネオン「分かりません! ロイヤルに用は無いので!!」
夏油「ネオンの出費って殆どが銃火器関連だもんね。」
マリアン「私もロイヤルにはあんまり...高いので。」
アニス「......」
プリバティ「まあ、そうですね。一応最前線だし、リペアセンターくらいはあるんでしょう?」
夏油「病院ならあるけど。」
マリアン「でも私たちの場合だとリペアセンターの方が...」
ネオン「病院は嫌です!」
プリバティ「...病院で何があったんですか...」
ネオン「目の前で痛い注射を出されて逃げたことがあるからです。」
プリバティ「ぇぇ...」
聞きたいことが無くなったのか、しばらくネオンの胸を張った発言を聞いて、プリバティなりの総評を口に漏らす。
プリバティ「な、何も無いんですか? 私のいる中央政府の施設には、全てがあります。これでもあなたたちが私の相手になれると?」
アニス「うう...」
ネオン「どうしましょう、師匠! 敵が強すぎます!」
夏油「そうだ二人とも、この前哨基地には彼女の言ったものは……なにも!!!な゛かった!!!!」
マリアン「リペアセンターはともかく、後の二つはそこまで重要でもない気が...」
ラピ「......こんなことで気を落とさないでください指揮官。」
夏油たちから反論が帰ってこないことから、居住先での戦いに勝ったプリバティはえっへんと心持ち得意になってふんぞり返る仕草を見せる。
プリバティ「ふん。結局、戯言を述べる以外には私には勝てないってことですね! それでは、これは私の完璧な勝利...!」
ラピ「もうこんな幼稚な勝負に付き合ってられないわ。」
プリバティ「え?」
ラピ「任務の為に地上に来たなら、貴方もここに滞在するしか無いわ。つまり、貴方も一緒にこの劣悪な環境で暮らすのよ。だから勝負そのものが無理なんじゃない?」
プリバティ「!!」
ラピ「違う?」
プリバティ「......」
高らかな勝利宣言をしていたプリバティの余裕の表情が、ラピの一言一言によってみるみる口元が引きつっている。極めつけにここに来たプリバティの事情を把握したように話して畳み掛ける。
ラピ「こんなくだらないことで訪れてくるなんて、そっちも随分暇を持て余しているみたいね。」
プリバティ「だ、誰が暇ですって...?」
ラピ「指揮官。こんなくだらないことに私の時間に使うのが勿体ないのでお先に失礼します。」
夏油「あっ、うん。」
無表情でラピはスタスタと指揮官室を出ていき、扉を開いて出ていく。アニスとネオンもラピに続いて外に出て行く。
アニス「そうだね、こんなにくだらないことってないわ。私も帰る。」
ネオン「そうですね、本当にくだらなかったです。私も行きます。」
プリバティ「......」
夏油「......」
マリアン「......」
スタスタと去っていたことで、指揮官室に取り残されたのはプリバティ、夏油、マリアンの三人となり、ついさっきまでの盛り上がりがウソのような静けさが広がっている中、夏油はプリバティに尋ねる。
夏油「...大丈夫?」
マリアン「ここでの暮らしも悪くありませんよ?」
プリバティ「ど、同情しないでくれます?」
夏油「まあここにいても新鮮味も無いだろうし、外に出て前哨基地を案内するよ。」
マリアン「私も指揮官ほど詳しくありませんが、大まかなことは説明できますので安心してください!」
プリバティ「こんな劣悪なところなんて、見たくないです!」
???「そうですか、では戻って仕事を進めて下さい。」
目に溜まって涙目になっているプリバティを慰める夏油とマリアンだったが、指揮官室に聞き覚えの無い声が耳に届く。その方向を注視すると、一人の少女がプリバティに顔を向けて立っていた。
プリバティは声に聞き覚えがあるのか、直ぐに反応して顔を見て反応する。
プリバティ「ア...アドミ...」
アドミ「何油売ってるんですか、総力戦後の影響で仕事しないといけない時期なんですよ。」
プリバティ「し、しかし...」
アドミ「初めまして指揮官、私はトライアングル分隊に所属するアドミと申します。プリバティが何か粗相をしていませんでしたか?」
夏油「いや、前哨基地に遊びに来ただけだよ。」
マリアン「粗相なんてありませんでしたよ。」
プリバティ「あ、あなたたち...」
アドミ「そうなんですね、ではお騒がせしたみたいなので職場に帰りますよ。」
プリバティ「いやぁぁ...」
か細い声を出しながら連れていかれていくプリバティ、アドミは構わず引っ張って連れていく中、放って置けなかった夏油とマリアンも同行していく。 やがてアークの裁判所にある執務室に入った夏油とマリアンは、部屋の中央にある机で積み上げられたジェンガの3倍以上ある書類の山々から一枚の書類を睨みつけている人物が、視線をこちらに移す。
???「...アドミ、そこの二人は?」
アドミ「仕事を手伝うと来てくれました。」
???「そう...。」
アドミ「彼女はトライアングル分隊のリーダーのユルハです。仕事漬けでできた隈が特徴です。」
マリアン「あの...机に積み重なっている紙が全部...?」
アドミ「ええ、全部です。」
夏油「これは、かなり時間がかかりそうだね。」
啞然としながらも、夏油とマリアンも簡易事務席を広げて書類を確認して、トライアングル分隊の業務である書類の記入漏れや金額や資材などの数字による書き間違いを始める。プリバティとアドミも机について仕事を始めるが、1時間経過しても一向に書類の量が減る気配を感じられない。
マリアン「それにしても、この...仕事の量は異常ですね...」
ユルハ「いつもの事よ。」
マリアン「いつ...も!?」
一時間経過して集中力が続かなくなってきたプリバティとアドミは、仮眠室に入って休憩をしている中、夏油とマリアンは三人になった時に量を見ながら仕事が本当に終わるのか疑問だった。二人の疑問に、書類と睨めっこするユルハが声に生気が感じられないまま答える。
夏油「これだけの量、終わるとは思え...」
ユルハ「別に......寝なければいいだけだし...。」
夏油とマリアン「「!?!?」」
生気が感じられないユルハから不眠発言を聞いて、動揺が隠せない二人。この仕事量
夏油(か...彼女は何を言っているんだ...??)
マリアン(いくら職業病で仕事を続けられるといっても...)
二人の考えを続けている間、書類に問題ないと判明したのかペンを走らせた後、ペン立てに戻すのではなくコーヒーが入っているカップにペンを入れて、そのままコーヒーを喉に流す。
夏油(気付いていない...コーヒーにペンが入っていること...)
マリアン(番組にあるわざとやるようなギャグを...)
夏油とマリアン((目が死んでる状態でっ...!!))
思わず目を閉じて顔を背ける二人、そんな二人の様子に意識が回らないユルハは新たに手に取った書類を見て、目を細めて悩んでいる様子を見せる。
ユルハ「また食糧品の...これ確認する箇所多いのよね......?」
ユルハ「この書類の計算合わないわね、疲れているのかしら。」
夏油とマリアン((疲れている次元じゃない...!!))
絶賛夏油とマリアンにツッコまれているユルハは、鼻柱を摘まんで疲労が表れていると口に出している。目を閉じてユルハは、疲労が蓄積した時の対策を始める。
ユルハ「はぁ~~...こういう時は、気分転換で......」
ユルハ「別の仕事をしましょう。」
夏油とマリアン((疲れている次元じゃない...!!))
気分転換という名の仕事の変更にツッコミが止まらない二人は、すぐさま休憩を止めて仕事を再開し、休憩していたプリバティとアドミも復帰する。ユルハの前に積まれた書類の山々が、一つ、また一つと無くなっていく。
2時間経過する頃には、積まれていた書類の山が一つになるまで減少していた。しかし、プリバティの頭には湯気が上りアドミは口から魂が抜け、何徹したのか分からないユルハは、一気に眠気が押し寄せて来たのか、うとうと目が閉じて就寝してしまう。
マリアン「......。」
夏油「......。」
トライアングル分隊の全員が寝ている事を目視で確認し、マリアンと夏油は互いを見合って頷き、小さい呪霊を放ってトライアングル分隊の面々に術式を発動させる。
鼻が象、目がサイ、尻尾が牛、足が虎の姿の呪霊がプリバティ、アドミ、ユルハから出てきた黒紫のような瘴気を鼻を吸って集め、口に放り込むように食べている。
三人の表情が心なしか穏やかなになった事を確認した後、マリアンはユルハの机に積まれていた書類を簡易事務机に置いて、そして窓側を埋め尽くすように積まれていた段ボールの山を事務机を囲むように配置。
夏油は事務室を覆う様に帳を降ろし、部外者が入れない寄り付かない環境を作り上げた後、大量の呪霊を出して書類の整理、誤字や計算間違いの確認、サインが必要か否かの仕分けとそれぞれのグループに役割を決めて仕事を始める。
夏油「マリアン、分かっているね!?」
マリアン「はい! トライアングル分隊の皆さんが起きる前に早急に片づけます!!」
呪霊の術式で熟睡しているとは言え、大声を出さずしかし緊迫した様子で積まれた書類と囲んでいる仕事の山を死に物狂いで片づけている。
プリバティが前哨基地に来てから6時間後、指揮官室に戻ってきたラピ、アニス、ネオンは、夏油とマリアンの帰りを待っていた。
アニス「指揮官様とマリアンは大丈夫なのかしら...」
ネオン「今師匠の知名度が高いので下手に手を出すことは無いとは思うのですが...」
ラピ「それでも、ここまで連絡が無いと何かあったのか考えた方がいいかもしれないわね。」
アニス「嫌な予感しかしなんだけど...」
二人の身を案じていた中、宿所の扉が開かれる音が聞こえる。続いて二人分の足音も聞こえ、ラピたちは駆け出して宿所の玄関に向かう。
ラピ「指揮!...官...?」
アニス「マリアン...?」
ネオン「これは一体...!?」
ラピたちは戦慄する。宿所に戻ってきたのは、疲弊し切った夏油とマリアンの姿だった。
頭が重いのか、足が震えながら互いに支えながら、ようやく歩いてきているように見える。ラピたちは固まっていた体を動かして、2人を支えて指揮官室に送る。
ラピ「指揮官、一体何が!?」
夏油「......れた。」
アニス「何!? 何が"れた"の!?」
マリアン「...つかれ...ました...。」
ネオン「疲れたんですね、分かりました! 2人をこんなにした人を許しは...疲れた??」
ユルハたちが寝た後、3時間の間マリアンは記入間違いが無いかを確認と修正を行い、夏油は術式を使用しながらマリアンと同じく確認と修正という、二つの作業をリソース半分で脳みそをフル稼働させて、溜まりに溜まっていた仕事を消化させる事が実現した。
その結果、二人は真っ白な灰のように燃え尽きてソファにどっさりと深く座りながら、羽音のような声でラピたちに語りかける。
夏油「私たちは少し眠るよ...悪いけど食事は三人で準備してくれ......」
マリアン「ラピ、アニス、ネオン...後は頼みます......」
そう言って夏油とマリアンは、ゆっくりと瞼を閉じて意識を手放して就寝を始める。
状況を把握できないラピたちは、ソファで寝た夏油とマリアンを見つめながら、話始める三人。
ネオン「なんかあ〇たの〇ョーみたいになってますね。」
アニス「文字通り真っ白な灰みたいになってるわね。」
ラピ「どういうことか分からないけど、取り敢えず二人は休ませてあげましょう。」
アニス「そうね、ついでに二人の分の夕食も作ってあげましょ。」
ネオン「そうですね、出来るだけ疲れた体に効くものを食べさせてあげましょう。」
ラピ「じゃあ、前買った培養肉を使う料理にしましょうか。」
そう言ってラピに続いて、アニスとネオンも調理の準備を始め、5人分の夕食を作るのだった...
トライアングル分隊(ユルハのバースト)を見ていると、火影に就任したてのナルトとカカシ先生を思い出します。
夏油とマリアンはそのまま翌朝まで寝て、夕食で作った料理を朝食で食べて何があったのか聞いていたラピたち。
アニス「それじゃあ、その勢いのままトライアングル分隊の仕事を引き受けたってことなのね。」
マリアン「はい、これ以上見ていたらこっちの精神が負けそうだったので...」
ネオン「確かに、コーヒーにペンを立ててそのままコーヒーを飲むって...」
ラピ「普通の精神状態ならこんなことにはならないわ。」
夏油「あの疲労度合を見る限り、リーダーであるユルハが殆どの仕事を請け負っていたんだと思う。」
アニス「くだらない事で訪ねて来たとはいえ、同情するわね...」
夏油(任務の報告書を書いていた補助監督もこんな環境で仕事していたのか...)
生前、友人と傍若無人のように振舞っていた事を思い出して、その時の苦労を何倍にも薄めた体験をしたと考えた夏油は密かに考えを改めるのであった。
アニス「一応集まっていた仕事は終わったの?」
マリアン「はい、部屋にあった仕事は全部片付けたと思います。」
ネオン「前哨基地作る前に、裁判所の仕事の負担を軽減するのが先だと思うのですが...」
夏油「権利や確認に総力戦後の都合上、アークでの仕事が栄えるに比例して仕事量が増えるのかもしれないな。」
マリアン「難しいですね。」
ラピ「仕事を担当する人物を増やすことも難しいでしょうね。」
ネオン「何でですか?」
夏油「分隊のニケの人数が多くなると制御不能になる恐れがあるから、中央政府は良い顔をしないだろうね。」
アニス「アーク市民の生活もかかっているのに...」
ネオン「そもそも、トライアングル分隊ではなく人間がやればいいのでは?」
ラピ「人間がやる仕事じゃないって切り捨てるかも...」
アニス「面倒ね、全く...」
夏油たちはトライアングル分隊の労働環境について改善できないか考えていたが、宿所の玄関から複数の足音が聞こえてくる。指揮官室の扉を開けたのは、プリバティ、アドミ、ユルハの三人だった。
ユルハ「ようやく見つけたわよ! 新人にマリアン!!」
プリバティ「前日の件のことについて!」
アドミ「聞きたいことがあります!」
アニス「...噂をすれば出てくるって本当にあるのね。」
ネオン「こんな早朝なのに肩から息をしていますよ。」
ラピ「十中八九、指揮官たちが仕事を手伝ったことね...。」
プリバティ「その通りです!」
アドミ「一週間は徹夜しなければならない仕事が全て、異常なしとありの書類で分けられていたのですが。」
ユルハ「一体何をしたのか説明してくれるかしら!?」
夏油「......。」
マリアン「......。」
アニス(まぁ言えないわよね...)
ネオン(呪霊を使って仕事を最適化したなんて...)
ラピ(三人の前では...)
ユルハ「他人には言えない事なの!? じゃあ今後とも私たちの仕事を引き受けてもらえるかしら!?」
アドミ「流石に強制はしませんが...」
プリバティ「しかし...強制連行というのは...」
ユルハ「じゃあ私が有給取っている間、あなた達に全ての仕事任せていいかしら?」
アドミ「そういうことですので指揮官とマリアン。」
プリバティ「今後とも私たちの執務を手伝って頂けませんか?」
アニス(とんでもないくらいの掌返しね...)
ネオン(私もあの二人の立場だったらそうしますね...)
ラピ(指揮官とマリアンはこの話を...目が死んでる...。)
トライアングル分隊による強制連行間際の夏油とマリアンは、光を失った瞳でユルハたちを見ていたが、互いに顔を見合って頷き、指揮官室の窓から逃走する。
プリバティ「なっ!? 窓から!?!?」
アドミ「落ち着いて下さいプリバティ、逃走経路を予測して包囲します。」
ユルハの号令にプリバティとアドミは頷き、宿所の玄関から出てユルハは窓からマリアンと夏油を追跡する。
目を見開いて響き渡るユルハの咆哮に、夏油とマリアンは沈黙をもって返す。
やがて騒がしかった指揮官室には、静寂が戻っていたが三人は心の中で呟く。
あの二人も有給休暇中な(のだけど・んだけど・のですが)...