特級呪術師のデストピア   作:クモッ!

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 空前のドブカスミームで笑う毎日、そしてYoutubeで公開されているアカギを見ながら小説を書いています。

 アカギに触発されて、雀魂を始めてCPUと打ったら、なんか国士上がって脳汁出ました。麻雀って......すげぇ......。




 地上に逃れた一行は、逃亡中に連絡を試みたが通信が遮断されており、シフティーどころかアンダーソンとも連絡が取れない状況下に陥り、通信できない状況でも連絡できる電波塔が目的地になった。電波塔に到着した一行は、ボロボロの室内を探索していた。

 

 電波塔の室内は、埃が溜まって体が動く度に、窓のない電波塔内に舞い上がり咳き込む。各自バラバラになって探索している中、ネオンがそれらしき端末に触れて動くか確認する。

 

 

ネオン「うわっ!」

 

 

 突如端末から発せられたスパーク音に驚き、思わずネオンは大きな音をとともに尻もちを着いた。その音を聞いてバラバラになっていたメンバーが集結する。

 

 

ラピ「......」

 

アニス「うん、ちゃんと作動してるね。」

 

ラピ「...通信を試してみるわ。」

 

 

 端末の起動によって、照明が点灯した大きな部屋にラピが向かっていく。倒れたネオンを心配して、マリアンは身体に異常が無いか尋ねる。

 

 

マリアン「ネオン、大丈夫ですか?」

 

ネオン「大丈夫ですけど。何なんですか、本当に!」

 

アニス「電波塔がまだ生きているか、確認できたよね?」

 

ネオン「電波塔は生きてるかもしれないけど、私は死にかけたんですよ!」

 

アニス「もう~これくらいでニケが死ぬわけないって。」

 

マリアン「でもビックリしました、今度は私が安全確認しますね。」

 

夏油「もっと安全に確認できる方法があればいいんだが...」

 

 

 電気を使用している端末の安全確認できる方法について思案している中、大きな部屋からラピが慌てた様子で飛び出してきた。

 

 

ラピ「ブービートラップ!」

 

 

 ラピの声を聞いて咄嗟に身を屈める面々、爆風が大部屋にあるガラス窓を突き破り、外に広がる。手早く生存確認と安全確認を取って、状況把握に入る。

 

 

アニス「地上でブービートラップ? どういうこと?」

 

ネオン「昔誰かが設置したのでしょうか?」

 

アニス「ラプチャー相手にブービートラップを?」

 

夏油「籠城するなら小さすぎる、壁を破壊して突破する方が確実だ。やり過ごすだけなら、デコイを巻けば注意を逸らせる。」

 

マリアン「そして、爆発した箇所を見る限り、威力と場所からこの施設の通信を破壊する目的だと思います。」

 

 

 マリアンの指の先には先ほど爆発した大部屋があり、爆煙が晴れていく大部屋を見ると、爆心地付近の通信する為の機材やモニターやキーボードがあったであろう机が、火花を散らしていた。明らかに、人が通信させないように設置したようにしか見えない。

 

 

マリアン「でも...一体誰が...。」

 

ラピ「...取り敢えず、ここを出ましょう。爆発で通信ハブが壊れたから、他を当たらないとね。」

 

夏油「...トラップに警戒して行動しよう、これ一つとは思えない。」

 

 

 夏油の提言に頷きながら、ラピたちはフォーメーションを再び形成して、次の電波塔に向かう。しかし、電波塔を出ていく際、入る時に無かったレーザートラップが設置されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 使えなくなった電波塔を離れ、別の電波塔に向かった夏油たち。室内に入ってから全員がトラップを警戒して、施設を利用できるか慎重に調べる。

 

 

ラピ「足元に気を付けながら動いて。物とか勝手に触っちゃダメよ。」

 

ネオン「慎重にクリアリングしていきます。」

 

アニス「トラップにかかったら、また探さないといけないから。」

 

 

 コート掛けがある以外は先程の電波塔と全く同じで、大部屋を窓から確認してトラップが無いか確認を済ませる。問題ないというジェスチャーを送って、ゆっくりと扉を開ける。

 

 

「っ!?」

 

 

 次の瞬間、開かれた大部屋の扉から爆発が発生する。前の電波塔より威力は低いが、周囲に広がった爆煙が濃く、手を伸ばした距離まで視界が遮られる。

 

 

アニス「っ...扉の死角に...またトラップが!?」

 

ネオン「周りが見えません! 師匠ぉ! どこですかぁ!?」

 

 

『ガチャ』

 

 

 入ってきた道から、鋼鉄特有の冷たい音が反響する。巻き上げられた煙の中から、正確に銃口が向けられる。その先にはラピたちを指揮する者の後ろから突きつけられる。

 

 

D「手を挙げろ。」

 

K「早く挙げろ。」

 

 

 冠の裁定者が、執行者が命を刈り取らんと、銃を突きつける。しかし、銃口を突き付けられた人質は動かない。

 

 

K「...おい、さっさと手を」

 

D「......っ!」

 

 

『ガチャ』

 

 

 一足早く気づいたDが振り返る前に、二人の後頭部に銃口が突きつけられる。Kの背後にラピが、Dの背後にマリアンが銃口を構えていた。

 

 

ラピ「手を挙げて。」

 

マリアン「手荒な真似はしたくありません、手を挙げてください。」

 

K「っ...いつ後ろに...」

 

D「......」

 

 

 観念した様子で、KとDはゆっくりと武器を床に置いて、両手を挙げる。同時に部屋中に広がっていた煙が、少しずつ晴れていく。

 

 

アニス「ゴホッゴホッ、あぁ体が焦げ臭くなっちゃったじゃない。帰ったらシャワーね。」

 

ネオン「シャワー室が壊れてたらどうするんです?」

 

アニス「指揮官様のシャワー室借りて、プリバティに文句言ってやるわ。」

 

ネオン「それなら中央政府に言ってあげて下さいよ。」

 

アニス「出来たらやってるわよ。」

 

ネオン「それもそうですね。」

 

 

 部屋に残っていたのは、アニスとネオン、そして夏油...

 

 

K「こんなダミーに...」

 

D(入り口にあったコート掛けか...)

 

 

 の制服と軍帽が掛けられているコート掛けが、DとKの前に置かれていた。DとKは電波塔に入る扉の前で待機し、トラップが作動した時に突入した。

 

 その為、爆発するまでの間に何をしていたか、二人は分からなかった。

 

 

 

 

夏油(この電波塔の部屋も同じで、壁に窓ガラスが無くて外から見えなくなっているのか。)

 

アニス「部屋にトラップは無さそうね。」

 

マリアン「部屋の構成も、先ほど来た電波塔と同じみたいですね...」

 

 

 夏油は部屋の状況をざっと見回して確認した後、四人の肩を叩いてこちらに振り向かせる。振り向いたラピたちは、人差し指で話さないようにするジェスチャーを伝え、頷いて静かにハンドサインで会話する。

 

 

ラピ(どうしましたか、指揮官。)

 

夏油(電波塔に到着するまで、気づかれないように追跡されている。)

 

マリアン(そうなんですか!?)

 

ネオン(そうなると道中のトラップは...)

 

アニス(そいつらが仕掛けたんでしょうね。でも、指揮官様はこのまま黙っているわけじゃないんでしょ?)

 

夏油(ああ、ここで追跡者を罠に嵌める。)

 

 

 夏油はハンドサインを続けながら、追跡者であるDとKに不自然に思われない為に、ラピたちと口で話しながらその作戦を伝える。

 

 

夏油「今度はトラップを確認できるように、複数人固まって行動しよう。」

(このコート掛けを私に見立てる。)

 

ネオン「師匠は私たちの後ろに。」

(一瞬で看破されると思うのですが。)

 

アニス「もしも作動したら私たちが守るから。」

(確かに、身長と同じくらいの大きさだけど。簡単に騙せると思えないわ。)

 

夏油「分かった、頼む。」

(さっきのトラップから、かなりの煙が上がる事は分かった、煙を目くらましにして何とか騙す。

そして相手も、トラップの警戒を上げている状態で、確実に虚を突いてくる。)

 

ラピ「トラップを見つけたら、声掛けを忘れないで。」

(確信があるのですか?)

 

夏油「入ってきた道も確認しておく。」

(中央政府はあくまで、マリアンの確保だ。

戦力を復帰したこの時期に、無駄な戦闘は避けたい筈。)

 

マリアン「私も一緒に確認した方がよろしいでしょうか。」

(そうなると、無力化を狙ってくるのでしょうか?)

 

夏油「いや、皆は部屋のクリアリングを優先してくれ。」

(そのためにも、私を人質にするのが一番手っ取り早いだろう。

そして最悪私を始末できる人員を考慮して、ニケ同士の戦闘ができるラピとマリアンが後ろに回って無力化して欲しい。)

 

アニス「それじゃ、背中は任せたわ。」

(私とネオンは?)

 

夏油「任せてくれ。」

(囮を誘導できるように、そのまま残ってくれ。)

 

ネオン「気合い入れていきましょう!」

(合点です!)

 

 

 作戦の内容を伝えた後、夏油は死角にトラップが仕掛けられている事を、呪霊を介して発見してハンドサインでラピたちに伝える。その後、罠の準備が整った後に夏油が大部屋の扉を開いて、トラップを誘発する。

 

 爆発音と同時に、マリアンとラピは呪霊の案内から裏口から出て、入ってきたDとKの人影を確認した後、慎重に近づいて背後を取った。

 

 

 

 

K「ケッ、だから手っ取り早く風穴開けた方が良かったんだ。」

 

D「あくまで身柄は拘束と無力化だ。」

 

K「この状況でよく言うぜ。」

 

 

 言い争いを始めたDとKに、ラピは銃を突きつけたまま尋問を始め、アニスとネオンは大部屋に向かっていく。

 

 

ラピ「目的は...マリアンね。誰に頼まれたの?」

 

K「失礼を承知で質問するが、そう言われてゲロ(白状)すると思うのかよ。」

 

D「......」

 

 

 話すつもりが無いと態度で示すDは、口を開かず沈黙で答える。マリアンはシージペリラズには、人間やニケの命を刈り取れるようにリミッターが解除されていると知っているマリアンは、ラピにどうするのか尋ねる。

 

 

マリアン「どうしましょう、これでは。」

 

ラピ「少しでも多くの情報を集めましょう、答えなくとも聞いてみて...」

 

 

 ラピと話し合っている間に、Kはゆっくりと振り返ってマリアンの顔を見る。マリアンは動き出したKに、警戒を最大限まで引き上げてマシンガンの銃口を額に突きつける。

 

 

マリアン「っ! 動かないでください!」

 

K「...お前、人に銃を向けるのは初めてか? 新米みたいにガクガクと震えてるぞ?」

 

 

 マリアンは見ずとも、背中のアーマーに搭載されているマシンガンの銃口が震えていることは分かっている。モダニアの時のように、またニケの命を奪ってしまいそうな状況に、心臓が鷲掴みにされるような緊張感と圧迫感を感じていた。

 

 

ラピ「マリアン、深呼吸して。大丈夫、あなたは誰も殺さないし殺させない。」

 

 

 突如耳に届いたラピの助言が、暗くなる視界を鮮明にする。殺さない決意を持って、Kの顔を見つめて真っ直ぐ銃口を向ける。

 

 Kはマリアンの顔つきが変わった事で眉をひそめるが、何か思い出したように今度はラピにも尋ね始める。

 

 

K「そういえばお前ら、回り込む時に裏口でも使ったのか?」

 

ラピ「だとしたら何?」

 

K「いやなに、追い詰められて忘れてたんだけどな。この電波塔の裏口は、扉が閉じなくなる事があるらしいんだわ。

 そしてさっきの爆弾、威力はお粗末だが凄い煙だったろ?」

 

マリアン「一体何を...?」

 

K「それはな...」

 

 

 入り口に回り込んできた経路を聞き、下調べした電波塔の裏口について説明する。会話の意図が分からないマリアンは、本題について説明を求めて、Kが話そうとした直前で、アニスとネオンが大きな部屋から飛び出してくる。

 

 

ネオン「二人とも!!」

 

アニス「伏せてっ!!」

 

 

 飛び出してきた二人の声に反応したラピとマリアンは直ぐに地面に伏せて、その内に手を上げていたDとKが地面に置いた武装を取り戻し、裏口から出て行く。伏せていたマリアンは、離れていく二人の背中を逃さず銃口を足元に向ける。

 

 同時に、マスター級のラプチャーが、ラピたちの右手にある壁を突き破って姿を現す。破壊した壁が瓦礫になってまき散らし、赤く光るコアがラピたちを捉える。

 

 

ラピ「何故このタイミングでラプチャーが...!?」

 

アニス「さっきのトラップが外まで響いたの! それでラプチャーが寄ってきたってわけ!」

 

ネオン「おまけに煙が外に漏れて、たくさん仲間を引き連れてきました!」

 

 

 ラプチャーが現れた原因について話している中、耳を引き裂くような機械音を鳴り響かせるマスター級ラプチャー。同時に本体の両側に搭載されているビームランチャーが、ラピたちに向けられる。

 

 

マリアン「はあっ!」

 

 

『バギッ!!』

 

 

 瞬時に距離を詰めたマリアンが、ラプチャーのコアを貫手(ぬきて)のように貫く。暗がりに赤く光っていたコアが消え、プラズマが漏れながらも引き抜いた後、その場で回転して本体を後ろ回し蹴りのように吹き飛ばす。

 

 後続で集まっていたラプチャーが、マリアンに蹴られた亡骸によってボーリングのように倒される。

 

 この光景に、ラピたちは啞然としていた。

 

 

マリアン「大丈夫ですか!?」

 

ラピ「え、えぇ...。」

 

アニス「あなた...一体いつの間に指揮官様みたいに...」

 

マリアン「銃口があの二人(DとK)に向いていたので、直接攻撃した方が早いと思って...」

 

ネオン「マリアンがいつの間にか逞しく...師匠の面影を感じました。」

 

 

 マリアンは怪我無いか確認を取っている中、今度はロード級ラプチャーが入ってきた扉から攻撃を始めて姿を現す。

 

 

夏油「ふっ!」

 

 

『バギャッ!!』

 

 

 堅牢な装甲が、空高く振り落とされたかかと落としによって、いびつに歪みふらつき火花を散らしている。夏油は着地した後、壁を駆け上がるようにロード級ラプチャーを4回蹴り上げ、そのままオーバーヘッドキックで蹴り飛ばす。

 

 裏口から迫っていたラプチャーが、軒並み巻き込まれている。

 

 

アニス「今見てもやっぱおかしいのよね...」(≖ࡇ≖)

 

ラピ「頼もしいのだけれど...ね。」

 

マリアン「凄い...私にもあんな動きができるでしょうか?」

 

アニス「感銘を受けんでよろしい。」(≖ࡇ≖)

 

ネオン「師匠~! 暴れて大丈夫なんですかぁ~?」

 

 

 ネオンの声かけに気づいた夏油が振り返り、こちらを見てサムズアップしながら近づいてくる。

 

 

夏油「問題ない! DとKが離れていく所は確認したし、他に見ている者はいない。」

 

アニス「それじゃあ、さっさと終わらせましょう!

 こっちは折角通信しようとして壊されたからいい加減むかっ腹なの!」

 

ネオン「私はこの所業を許しません、私の愛銃も許さないと言ってます!!」

 

マリアン「私も援護します!」

 

ラピ「指揮官、指示をお願いします。」

 

夏油「集まっているのはサーヴァント級やマスター級が殆ど、最後尾にタイラント級を確認した。

 こちらでバックアップを務める、一気に制圧するぞ!」

 

 

 指示を聞き入れたメンバーは頷き、四方から猛突進してくるラプチャーを迎え撃つように応戦を開始する。背中合わせで、アニスはラプチャーを火達磨にして、ネオンは風穴を作っていく。

 

 マリアンは一番重い武装のマシンガンを、軽々と振り回して穴だらけにしていく。ラピは敵陣に突っ込み、攻撃を搔い潜りながらコアを撃ち抜いていき、ラプチャーの動きを攪乱していく。

 

 

夏油「玉藻の前!!」

 

 

 カラカラと乾いた木人形のような音を鳴らしながら、夏油の傍らに現れた特級仮想怨霊 化身玉藻の前、顕現した巨大な2級呪霊が、次々と凝縮、圧縮を繰り返しながらゴルフボールサイズの黒い球に変化していく。

 

 完成したと同時に、攻め込んでくる四方に向けて黒い星が流れ落ちる。地面を抉り巻き上げられた土煙に虚空を作り出す。

 

 

ネオン「さっすが師匠!」

 

アニス「時間がかかるって言ってたけど、この制圧力は何なのよ...」

 

 

『ギギ...』

 

 

アニス「...ん?」

 

 

 半数以上のラプチャーが貫かれ、夏油の攻撃によって動きを止めたラプチャーが、金属同士を削るような耳に響く音をこぼしていることに気付くアニス。様子を伺っていると、動きが顕著になり思わず構えるが...

 

 

『バギャァッ!!』

 

 

『ア゛A゛ぁ゛ァ゛あ゛a゛』

 

アニス「ギャァアー!!」

 

 

 ラプチャーの体内から、呪霊が(ラプチャー)を食い破るように現れる。中には元のサイズがかなり大きい呪霊によって内側から膨らんで破裂するラプチャー、群れとなっている呪霊に食い荒らされるラプチャーなど様々だ。

 

 以前は弾丸としか運用できなかったが、原型を崩さないように呪力で薄い膜を作る事で、射出後に元の形に戻れる仕組みを見つけたようだ。この結果に、夏油は満足そうに見ていた。

 

 

夏油「実験大成功。」

 

アニス「今度からは前もって言って!」

 

ネオン「私もビックリしました...アニスの声に。」

 

夏油「ごめんごめん、これから支援するから。」

 

 

 手を合わせて謝罪しながら、黒い穴が空中に形成され、水色に光るイカ呪霊がラプチャーに突進していく。対象はラピたちの視線の外で攻撃態勢に入っているラプチャーに限定し、支援に徹し始める。

 

 瞬く間にラプチャーが殲滅されていく中、攪乱していたラピが夏油の元に戻ってくる。

 

 

ラピ「タイラント級ラプチャー、後2分程で到着します。」

 

夏油「そうか...ならさっさと片付けようか。」

 

 

 ラプチャーを退けた後の事を踏まえて、夏油はタイラント級ラプチャーを呪霊で攻略する事に決める。殲滅したら集合するように呼びかけ、タイラント級ラプチャーを呪霊で対処する事を伝える。

 

 

アニス「呪霊で倒すって言っても、多すぎて誰なのか分からないわ...」

 

ネオン「もしかして漏瑚ですか!?」

 

夏油「いや、今回は花御に戦ってもらう。」

 

 

 向かってくるタイラント級ラプチャーの前に、荒廃した地面に木の幹が数本生えて絡み合う。次第に絡み合った木の幹が花弁へと変わり、開花すると左腕が白い布で包まれた人型の呪霊が姿を現す。

 

 

花御「?かんせまりあ要必は減加

 

夏油「ああ、思い切り戦うといい。」

 

 

 夏油の言葉を聞いた花御は、若干口角を上げてタイラント級ラプチャーにゆっくりと歩み寄る。背後に樹木を生成して待ち構える。

 

 

花御「。すまき頂てせさえ甘に葉言お

 

 

 背部に搭載されていたミサイルポッドが顔を出し、花御に向けて攻撃を開始する。対抗して背後に生えた樹木が枝を覆いつくす程の実をつけて、熟した実から口が開きケタケタと歯を嚙み始める。

 

 

アニス「果物に口が...」

 

ネオン「何味でしょうか...」

 

マリアン「そもそも食べれるような見た目ではないですよ...」

 

 

 実の色は赤黒い色に白い斑点といった、毒キノコのような配色になっている。実についている口がミサイルに向けられた途端、勢い良く射出されて衝突すると思われていたミサイルを食い破り、そのままラプチャーに特攻する。

 

 応戦して左右に搭載されているビームマシンガンで撃ち落とすが、何個かの実がラプチャーの体に歯を食い込ませる。嚙みついた箇所を食い荒らして内部に侵入、ラプチャーは危機を察知して花御に向かって攻撃を続行しようとする。

 

 

花御「。すでりわ終でれこ

 

 

 地面から生えてきた木の幹が、4つあるラプチャーの脚部を拘束する。木の幹は更に成長し、ミサイルポッドとビームマシンガンに巻き付いて機能不全に陥れる。機体全体を動かして振りほどこうとするが、徐々にラプチャーの動きが鈍くなり完全に停止する。

 

 静かに見守っていたラピたちは、動かなくなったラプチャーを様子を伺っていたが、直ぐに変化が訪れる。

 

 コアがある所から木の枝が生え始めたのだ。

 

 

ラピ「ラプチャーの内部から...植物が...?」

 

マリアン「隙間からどんどん出てきていますよ...」

 

ネオン「一体どういう原理なんでしょうか...」

 

アニス「考えたくも無いし知りたくもないわ。」

 

 

 やがて巨体のラプチャーを覆いつくす程の樹木が内側から突き破り、抜け殻のようになったラプチャーは樹木に圧し潰される。

 

 新たに誕生した樹木は、幹が太く枝が幹の先にしかなく根っこのようであり、アフリカに見られるバオバブに似ている。

 

 抜け殻となったラプチャーには、装甲や内部のパーツが散乱しており、中でも一際目立っていた二つに割れたコアが残されている。

 

 

花御「。よたしまりわ終

 

夏油「お疲れ様。」

 

 

 花御は会釈して姿を消し、生えてきた樹木をマリアンは好奇心で触れる。触れた手から伝わってきたのは、樹木の内側に流れている微かな水の音。

 

 

マリアン「この木...生きているんですか?」

 

夏油「生きているよ。植物から呪力は生まれないみたいだから、変な植物でもない。」

 

アニス「ホントかしら...」(≖ࡇ≖)

 

ネオン「無機物から生物を生み出すなんて...黄金体験ですね!」

 

 

 各自生み出された木を間近で見たり、触れたりして実際に生きている事を確かめる中、ラピはラプチャーとの戦闘を終えて、増援が来る前に離れるように促す。

 

 

ラピ「...移動しましょう、付近のラプチャーが集まると厄介です。」

 

夏油「そうだね、付近の電波塔に移動しよう。」

 

 

 ラピの提言を聞いて、アニスとネオンも夏油に続いて移動していく。マリアンはシージペリラズが追跡とトラップを仕掛けてきて、不安が顕著になっていた。

 

 

マリアン「まだ追手がいるのでしょうか...」

 

夏油「恐らくね。近くにある電波塔、もしくはその道中で接触してくると睨んでいる。」

 

 

 待ち構えていると考えている夏油の推測を聞いたマリアンは、不安が更に募っていた。

 

 

アニス「大丈夫よ、またあいつらがやって来ても追い返してやるから!」

 

ネオン「そうです! 狂犬アニスで追っ払ってやります!」

 

アニス「誰が狂犬よ、誰が。」

 

 

 立ち止まっているマリアンに、皆が手を差し出す。俯いていた顔を上げ、不安でいっぱいだった顔は晴れて、差し出された手を手に取り歩き出す。




 用事で忙しく、そして気に入った小説を読んでいて執筆ペースがダラダラになっている...。が!自分に鞭打って何とか書いてます!



にけ さんぽ




 休暇中に訓練生の育成を完了した礼として、エリシオンタワーにある武器庫に夏油たちは足を運んでいた。


イングリッド「人間離れしているが、何時でもその力を振るえるとは限らない。
 そこで、私の方からお前の力に耐えられる武器を与えたい。」

マリアン「力を出せない状況、中央政府が監視している時でしょうか?」

アニス「CEO自ら手掛けた武器を...!?」

ネオン「流石師匠ですね!」

ラピ「この事をアンダーソン副司令官は知っているのですか?」

イングリッド「ああ、同意して私に任された。」


 そう言って暗闇が広がっている部屋の照明をつけるイングリッド、大型の射撃場で様々な武器が並べられている。


イングリッド「お前の要望を聞いて、戦闘を援護できる武器のモデルを、ここで決めてもらう。
 何か考えや意見があれば何でも言ってほしい。」

夏油「ありがとうございます。では、戦闘の援護ならアサルトライフルやマシンガンといった大型の武装を携帯するのは不自然だと思います。
 加えて長距離での支援も遭遇したケースが無いので、スナイパーライフルも除外されます。」

イングリッド「となると、ショットガンとロケットランチャーか...」

夏油「いえ、小さく携帯できる武器...ハンドガンでお願いできますか?」

ラピ「ハンドガンですか...?」

イングリッド「ふむ、確かに目立たないが...しかしパワーが弱くなるぞ。」

夏油「構いません、気を逸らす。そして私が意識の外に向いている時に攻撃すれば。」

イングリッド「...いいだろう。だが普通のハンドガンではあまりに力不足だ。
 ここはタクティカルを鑑みて、マグナム弾を使える銃をモデルにしよう。」

夏油「マグナム弾...?」

ラピ「リボルバーやライフル向けの弾丸として開発したものです。」

イングリッド「マグナムならハンドガンの弾丸を並行して利用でき、更にマグナム弾に変更すれば火力の底上げが可能だ。
 その分反動は大きいが、お前なら心配ない。」


 そうして夏油が新たに使用する銃のモデルが、マグナムに決定され前の机に様々なマグナム銃が並べられる。


イングリッド「確実に発射する制止力や整備性で言うならリボルバー、リロード速度と連射速度ならデザートイーグルのようなハンドキャノンだな。」

夏油「...弾詰ま(ジャム)りなどの信頼性の解消は可能ですか?」

イングリッド「できないと思うか?」

夏油「では、ハンドキャノンでお願いします。」


 夏油は机に置かれたマグナムの中から、デザートイーグルを手に取りイングリッドに手渡す。イングリッドは受け取ったデザートイーグルから、空のシリンダーを取り出して弾丸を装填する。


イングリッド「実際に使って、どの箇所に改良が必要か言ってくれ。」

夏油「分かりました。」


 弾丸が装填されたシリンダーを、デザートイーグルに差し込み離れている的に銃口を向け、8回の発砲音が部屋の中でこだまする。
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