特級呪術師のデストピア   作:クモッ!

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 スノーホワイト・ヘビーアームズの実装が大体1月だったのに...今月の水着シンデレラが軽々とダメージアタッカーのトップに君臨...なんか早くないですかね?インフレ。


戦戦兢兢(せんせんきょうきょう)

 ラプチャーを呼び寄せるコーリングシグナルが、アークから響き渡り大きな渦を呼び寄せる。

 

 同時にメティスが入っていた研究所は、轟音と共に完全に崩壊し、土煙が空へと上がる。

 

 ラピたちはすぐに駆けつけて、夏油たちの無事を確認しようとする。

 

 

ドゴォ!!

 

 

 その心配は露と消えて、巨大な瓦礫が吹き飛び、ラプラスに肩を貸しているドレイクとマクスウェル、そして服に付いた土埃を払う夏油と、術式で瓦礫や土塊を止めながら体を伸ばす五条。

 

 脱出に体力を割いて息も絶え絶えなドレイクとマクスウェル、夏油は突如崩落した研究所の瓦礫からメティスを守り、安全を確保。

 

 五条は夏油が守りに回ると感づいて、術式を発動し周囲の警戒を高めながら、準備運動をしている。

 

 

ドレイク「クソ、死ぬかと思った。」

 

ラピ「指揮官!」

 

アニス「一体どういうこと? 研究所で何があったの...!」

 

 

 研究所跡から離れて、ラプラスをゆっくり座らせ自身の体を確認しながら、異常がないと確認。

 

 マリアンは予想が的中して、ラプラスに何か変化があったと察して駆け寄り、背中をさすりながら声を掛ける。

 

 アニスの問いかけに対して、マクスウェルが答える。

 

 研究所は偽物(ダミー)、ラプチャーを呼び寄せるコーリングシグナル発生装置であり、夏油はその計画を黙っていた事。

 

 初めからこの場所に、防御壁など存在しなかった事に。

 

 

マクスウェル「上手く誤魔化してたけど...やっぱり違和感はこれだったんだね。

 どうりで悔しそうな顔をしてたんだ...。」

 

夏油「この件に、君たちに非は無い。

 私も彼女(シュエン)と共犯して始めたことだ。」

 

マクスウェル「ベビーたちが悪いとかどうでもいいよ。」

 

 

 夏油がこの作戦に参加する時に、メティスの現状を見てられなくなったシュエンの強行で、無理矢理参加した事は察しがついているマクスウェル。

 

 彼女の中に誰が悪いとか、誰が原因かなんて塵ほどにも無く、ラプチャーが集まっているこの現状について頭がいっぱいだった。

 

 

マクスウェル「問題はこれからどうするか。」

 

シュエン「どうするも何も、お前たちが全部倒すのよ。」

 

 

 マクスウェルの問いに答えたのは、この状況を放送しているシュエンで、メティスの精神状態を無茶苦茶にした後に難題を投下する。

 

 シュエンの軽い返答に、マクスウェルは思わず拒絶するが、その後もどこ吹く風のように返答は難題が投下され続ける。

 

 

マクスウェル「そんな無責任な!」

 

シュエン「何が無責任なの? お前たちが引き止めればいいでしょう。

 

 そうすればアークに被害も及ぼさないし、

 

 市民団体とか何とかお前たちを罵っていた奴らは寧ろ、

 

 ラプチャーから救ってくれたと、

 

 ヒーローだと褒め称える筈だわ。」

 

 

 

マリアン「めちゃくちゃですよ、こんな状態なのに...」

 

 

シュエン「お前の物差しで、ウチのメティスを評価しないで。

 私のメティスにかかれば、攻め込んでくるラプチャー程度、簡単に一掃できるわ。」

 

 

 膝をついて肩で呼吸するラプラスを見て、マリアンはとてもじゃないが戦闘できるような状態では無いことは、同じ浸食に蝕まれた者として理解していた。

 

 それでもシュエンはこの作戦を推し進めて、メティスにラプチャーを掃討できると豪語する。

 

 シュエンの強行、夏油の沈黙、もし本来の作戦内容を伝えれば、ドレイクは勿論ラプラスは拒絶して参加しなかっただろう。

 

 マクスウェルは自由に動けない状況が嫌で動いたかもしれないが、仮に成功したとしてもメティスではなくマクスウェルの信用しか得られない。

 

 シュエンが隠し実行することで、ラプラスたちの逃げ道を潰す事を含めて作戦なのだと、この状況から理解した。

 

 マリアンに支えられていたラプラスはシュエンの声を聞いて、自分の足を奮い立たせるように立ち上がり、一秒でも早く何としてでもラプチャーを殲滅する事に尽力する。

 

 

ラプラス「ここで...話している時間は...無い...。

 戦わなければ...!」

 

マリアン「無理しないで下さい!」

 

ラプラス「無理していない、私は大丈夫だ!」

 

 

 ラプラスの手を取って止めるマリアンに、貼り付けたかのような笑顔で答えるが、その表情を看破したのはマクスウェル。

 

 マクスウェルがラプラスの空いている手を取って、自身に見えるように前に出す。

 

 その腕にはスーツ越しにでも分かるように、繊維の間から汗が噴き出しており、その発汗量は尋常ではない。

 

 

マクスウェル「こんな状態で戦ったら、どうなるか分からないよ。

 とりあえずメンテナンスをして...」

 

ラプラス「行くのだ! 今すぐにでも...

 これ以上放ってしまえば...アークが...!...市民たちが...!」

 

 

 マクスウェルとマリアンの掴んでいる腕を振りほどき、覚束ない足取りで前に進んでいくが、道端にある石に(つまづ)いて倒れそうになるが夏油が体を支える。

 

 

ラプラス「すまない、バードボーイ。

 予想以上に体が驚いたよう...」

 

夏油「君はあの任務の時、浸食を埋め込まれてからの記憶があるのだろう?」

 

ラプラス「!?」

 

 

 礼を言うラプラスを遮るように、夏油はマテリアルHの回収任務の際に、ハーヴェスターと戦闘時に蝕まれた浸食の記憶がある事を言及する。

 

 ラプラスの反応から図星だと分かり、ここに行きつくまでの理由として、戦闘中に何度も地面を警戒するように見ていたこと。

 

 そして敵の攻撃や、建造物の崩壊に対して以前以上に敏感になっていたこと。

 

 これらの行動や反応から、浸食を埋め込まれた任務に何らかの障害となっていると仮説を立てた。

 

 

ラプラス「そうかもしれない、あの時の任務を思い出して少し戸惑ったが、本当に大丈夫だ!

 

 マクスウェルも、ドレイクも、みんなあの時の記憶に、この吐き気に耐えているではないか!」

 

 

ドレイク「......。」

 

 

ラプラス「どうやらこれが、NIMPHを除去した副作用のようだが、私も直ぐに良くなるだろう。」

 

 

マクスウェル「......。」

 

 

ラプラス「私には、ヒーローパワーがあるか」

 

 

ドレイク「NIMPH除去の副作用ではない!」

 

 

 ラプラスが感じている苦渋の状況を、ドレイクとマクスウェルも耐えていると考えて行動していると思っていた。

 

 2人が弱音らしい姿を見せないから、自分だけ弱音を吐くわけにはいかない、弱気になんてなれない。

 

 何より一緒に行動している仲間を不安にさせない為に、ラプラスは今にでも溢れ溺れそうな恐怖を押し殺していると発する。

 

 しかし、マクスウェルではなくドレイクが、ラプラスの発言を真っ向から否定する。

 

 

ドレイク「私はそんな吐き気、一度も感じたことが無いからな。」

 

ラプラス「...は?」

 

マクスウェル「地面から触手が飛び出してきそうなんでしょ?

 

 周りの全ての建物が崩壊しそうで、ラプチャーたちがあなたを連れて行って、浸食させそうな気がするんでしょ?」

 

 

 夏油よりもより詳細な状況を説明されて、ラプラスは即答できず言い淀み、返答できず固まってしまう。

 

 言葉に出されただけで、体中に冷や汗が流れ出し、あの時の記憶が噴き出しそうになる。

 

 ラプラスの反応を見て、マクスウェルは確信する。

 

 

マクスウェル「この中の1つでも該当すれば、あなたは今怯えているのよ。」

 

 

 激しい戦闘や、極限状態の体験によって引き起こされる強い精神的ストレス反応を、兵士が体験するトラウマ。

 

 その症状は過去の出来事を鮮明に思い出すフラッシュバック、感情が鈍くなる麻痺と常に警戒して些細な音に過剰に反応する過覚醒。

 

 ラプラスには上記のフラッシュバックと、過覚醒が該当している。

 

 戦闘中に何度も過去の任務、浸食を埋め込まれた直後から意識を失うまでの記憶を思い出し、強く印象付いている建物(地面)の崩落と、地面からの奇襲。

 

 NIMPHの役割は、これらの精神的障害を取り除くように、本人の記憶を改ざん、もしくは消去して精神状態を安定化する。

 

 だがシュエンが調達したアンチェインドによって、浸食と共にNIMPHが除去された今、ラプラスの最奥にトラウマという針が、心の器に穴を作り、ヒビを広げていく。

 

 それでも守る立場の自分が、最強と豪語したヒーローが、怯えている事実に直面できず否定する。

 

 

ラプラス「そんな筈は無い! マクスウェル、今回は君が間違っている。

 私は健康だ! 全く怯えていない!」

 

マクスウェル「意地張ってる場合じゃないって!」

 

ラプラス「意地ではない!

 

 そうだ、直接見たら信じるだろう。私がまだ、ヒーローだってことを!」

 

マリアン「落ち着いて下さい! 一度立て直して、それから...」

 

 

では、証明してやる。

 

私がヒーローだって証明する!

 

 

 マクスウェルの制止を振り払い、マリアンの提言を聞かずにラプラスは駆け出していく。

 

 夏油たちはすぐさま追いかけて、ラプラスが向かったラプチャーの侵攻方向に駆け出す。

 

 必死の形相で疾走するラプラスの姿は、死地に赴く戦士ではなく、自分を飲み込む恐怖から逃げているようにも感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 崩壊した研究所を離れて、付近に移動しているラプチャーを探すラプラス。

 

 ラプラスはラプチャーの群れが見える所で止まり、待ち構えるように仁王立ちする。

 

 

ラプラス「来い! 悪党ども!!

 私がここで正義を証明...!」

 

 

 ラプラスの声に反応したのか、一体のラプチャーが体を回してラプラスを見つめる。

 

 コアから放たれる赤い光が、ラプラスの視界を埋め尽くす。

 

 ように思った

 

 

ラプラス「わ、私がが...正義の味方の...私が...!」

 

 

ドクン...ドクン...

 

 

 心臓が誰かに握られているような圧迫感、心音に合わせてこちらに近づいてくるラプチャー...の幻から一歩、また一歩と気付かず後退りする。

 

 体の異常に気付き見てみれば、手がわなわなと震えており、先程以上の冷や汗が滴り地面に落ちている。

 

 

ラプラス「は、はは...手...手が...どうしたんだ?」

 

 

ドクン...ドクン、ドクン、

 

 

 ラプチャーが距離を詰めていくに比例して、ラプラスの心拍数がさらに早くなる。

 

 呼吸が荒くなり、焦燥感まで加わって正常な判断すらままならない中、もう一度自分の姿を見て気付く。

 

 

ラプラス「武装だ! ぶ、武装が無いからか。

 そうだ! やっぱりヒーローには変身が必要だ!」

 

 

 この緊張は、この圧迫感は、自分が戦闘状態になっていないからだと判断し、直ぐに武装展開の準備に移る。

 

 ラプチャーは迫っているが、戦える状態になれば瞬く間に塵芥にできると、自分に言い聞かせながら「変身!」と必死に声を出す。

 

 

ジジジジー...プシュー

 

 

 ラプラスの体に電流が流れ光出すが弱まり、武装は霧散するように消えていく。

 

 

ラプラス「どうして...武装が...」

 

 

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン

 

 

 収まっていた汗と心拍数、圧迫感が生きていた中でも体験した事の無い程に高まる。

 

 視界が歪み、体が重くなり、平静を保てなくなる。

 

 

ラプラス「出てこい...出てこいよ...

 出てこい...変身しろ!」

 

 

 何度も声を出して呼びかけるが、最初のように唱えても現れる気配も無い。

 

 

ラプラス「変身しろと言ってるだろ!

 

 

 何も起こらず、静寂が無慈悲な現実を突きつける。

 

 心も体の重心がボロボロ、最早真っ直ぐ立つこともままならない。

 

 夢だと思いたいこの現実が、ラプラスの全身を凍てつかせ体を蝕む。

 

 

ラプラス「こんな筈は...そんな筈は...有り得ないのだ、これは...!

 私が...私が...!」

 

 

ヒーローなのに...最強のヒーローなのに!

 

 

 

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン

 

 

 気付けば虚栄は目と鼻の先まで近づいていた。恐怖の象徴が自分の前に立ちふさがり、(くれない)色の光がラプラスを照らす。

 

 もう立つ力は無く、その場で尻餅をつき必死に逃げるように、手足をバタつかせる。

 

 

ラプラス「あ...ああ...」

 

 

死ぬ

 

 記憶の奥底に沈んだはずの悪夢が、間欠泉のように止めどなく湧き出てくる。

 

触手が、ズタズタに千切れる、死ぬ、地面が割れる、ぐちゃぐちゃ、触手が、死ぬ、

 

 

 自分の体に広がる抗えない毒、引き裂かれていく体、立っていた筈の地が粉々になり終わりの無い落下が続く、潰れた体。

 

 

体を貫く、ラプチャーが、触手が、崩れ落ちる、浸食される、死ぬ

 

 

 穴だらけの体、ラプチャーに貪られ、触手が串刺しに、自分という形が、精神()が音を立てて砕けて消える。

 

 

死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ、死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死ヌ死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死

 

 

ラプラス「来るな...!!

 

 

 

 

 

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクンドクン、ドクン、ドクン!!

 

 

 

 

 

 死ぬ(毒で溶ける)死ぬ(千切れる)死ぬ(地面に散った肉片)死ぬ(穴だらけ)死ぬ(残骸)死ぬ(串刺し)死ぬ(自己の崩壊)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

来るなあああああ!!!!

 

 

「下がれ!」

 

 

 絶叫の中、自分では無い声を聞いて咄嗟に身を屈める。

 

 同時に迫って来るラプチャーが雷撃に包まれ、その衝撃を感じ取って群れの注意がこちらへと向く。

 

 

 迫って来る群れの中心に風穴が開き、巨大な爆発に飲まれていく。

 

 背後を振り返ると、同じメンバーのドレイクとマクスウェルが武器を構えて立っていた。

 

 

ドレイク「エンカウンター!」

 

 

 開戦の合図に合わせて、2人はラプチャーの群れに向かっていく。

 

 ドレイクは体術にオーバーアクションを混ぜてラプチャーを殲滅し、マクスウェルは後方からドレイクのサポートと、遠距離ラプチャー迎撃に専念している。

 

 本来ならば、ラプラスの高火力で戦力の大半を削れる為、2人が前に出る事はあまり無い。

 

 しかしアタッカーがいない現状で、ドレイクがオフェンスに回り、マクスウェルはディフェンスとサポートに回っている。

 

 即興のポジションだが上手く噛み合い、ものの数分で戦闘は終了。

 

 群れを成していたラプチャーは、残骸へと早変わりした。

 

 

ラプラス「......」

 

 

 その様子を、ただ膝をついて見ていたラプラス。

 

 心中にあったのは脅威が去った事の安心感と、自分だけが取り残されている孤独感だった。

 

 ラプチャーがいないことを確認し溜息を溢したマクスウェル、すると振り返りラプラスに向かっていき、度が過ぎている無鉄砲さを指摘した。

 

 

マクスウェル「後先考えず飛び出してどうするの! 今がどういう状況なのか忘れた?

 

 私たちがアークにラプチャーを呼び寄せた! やらかしたの!

 

 ここで私たちに何かあったら、私たちだけじゃ済まないの。分かってる?」

 

 

 いつも以上に説教が長くとも、ラプラスはただ顔を伏して聞いている。

 

 本来ならラプラスが謝って終わるが、自責もあったのか真剣に耳を傾けている。

 

 普段とは違う反応で調子が狂うが、これ以上戦えない状態で突撃されても困るマクスウェルは、一先ずラプラスの異常を解明するためにメンテナンスを始めようとする。

 

 

シュエン「いや、やらないで。そのまま行きなさい。

 時間がないのに、どうあいてメンテナンスの執着するの?」

 

 

 マクスウェルを止めたのはシュエンで、アークにラプチャーが迫っている危機的状況から対処を優先させるように言う。

 

 対してマクスウェルは、先の反応からまともに戦える状態ではないことは分かり、状態を把握して万全な対策が必要と反論。

 

 万が一のリスクに備えるように提案するが、シュエンは一向に首を縦に振らず話は並行線になる。

 

 

ラプラス「...シュエン。」

 

 

 ラプラスが小さく呼びかけるが、聞こえていないのか耳を貸すそぶりも見せず、ラプラスの性能面について説明する。

 

 彼女の最高傑作であり、他を寄せ付けない性能、圧倒的なパワー。

 

 自慢であると同時に、彼女がそこまで信頼を重きに置く存在だと分かる。

 

 

「武装が展開されない。」

 

 

 ラプラスの小さい声が、荒げいていたシュエンの声をも遮るように響き、時が止まったように全員の口が止まる。

 

 その様子からは、明確となった恐怖から怯えている小動物のよう。

 

 マクスウェルは察していた為そこまでの動揺は無かったが、シュエンは予想もしていなかった発言に思考が停止する。

 

 そこには有象無象を殲滅し、己の正義の名の下に人類の敵を討ち倒すヒーローではなく、

 

 身を固めるような恐怖で、身を震わせている1人の少女がいた。

 

 

「私が...お、怯えているようだ。」




 無駄な描写が多いのでしょうか...文章量が多いから少しくどいかもしれませんね...。



にけ さんぽ




 更生館でクエンシーの面談を終え、次にシンを選択した夏油。

 マナの後に続き、シンについての説明を聞いていた。


マナ「シンは知能犯です。言葉で人を唆し、自分の操り人形にします。
 この効果は指揮官のように善良な人間ほど強くなります。」

夏油(私が善良...ね。表面上はそうだが...)

マナ「よくある扇動や詐欺と同じ類です。
 ...そのため昔シンの更生面談を担当した教官の中には、シンの犯罪記録を抹消しようとした者がいた程です。」

夏油(人心掌握術か...と思っていたんだが。
 洗脳...しかも言葉によるものか。)


マナ「...それから最後にもう一つだけ。

 シンとの面談を行った結果、彼女が『口元のコンバーターを外して』と頼んでくる日が来ると思います。

 絶対にその言葉に応じてはいけません。」


 マナはシンとの面談の前に、洗脳能力を抑制する為の装置であるコンバーターを外さないように注意喚起する。

 夏油はマナの忠告を聞いて頷き、心配しながらも送り出すように面談室の扉を開く。

 面談室には黒紫色のポニーテールで、猫耳のようなカチューシャと口元には白いマスクのような装置と、紫色のパーカーを袖に腕を通している女性が静かに待っていた。

 その瞳は瞬きする度に、紫と赤へ変わりながら夏油を見つめている。


シン「□※~※▣新しく来た□▣※ね?」

夏油「えっと...新しく来た教官の夏油だ。よろしく。」

シン「も□※して、コンバーター※▣のせいで□▣□ない?
 答え※く□▣▣れし※※ど、教官※も聞き取りにくい□□※よね?□ご※めん...」


夏油「まあ会話に支障は無いし、君に非はないよ。」

シン「ホ▣▣?新しい教※官様は▣▣しいね〜。プラ□10※プレ□※▣〜♪」

夏油「ああ、ありがとう。因みにこの点数は何と引き換えできるんだい?」

シン「う〜□...私からの好※度?」

夏油「それじゃあ仲良くなるためにも、たくさん集めないとね。」

シン「いい※、□いね〜。※イスブレイクも兼ねて▣れあげ▣。」


 シンは上着のポケットを右手で探って、包装がくしゃくしゃなパーフェクトバーを手渡す。

 夏油は素直に受け取り、口に放り込んで咀嚼する。

 甘いチョコレートの味が広がり、コーティングの内側にあるウエハースが、パリパリと心地よい音が口の中で鳴らして砕ける。


シン「凄く美味しそ※に食べるのね□かわい□▣..▣.※......
 そ※じゃ何▣ら始め□み□? ※問が※▣ば何でも聞い※いいわ※~」

夏油「更生館の生活で不自由な事は無いかい?」

シン「う~ん...特に※い▣▣?...▣□、そういえば※日の午前中、運動の時間にジョギングしたん□□ど、靴底が□り□ってて少し恥□※□かったわ□」

夏油「分かるよ、歩き続けて靴底擦り減って気づいた頃には、フォーミュラカーのタイヤみたいになっているんだよね。」

シン「そうな▣▣ね! 足裏で力が加わ▣所の溝が無く※るのよね。
 □でこの話は知※てる? 更生館▣囚人※靴はね、できること□ら一流ブ※ンドがいいんだ▣て~!」

夏油「へぇ、それは何故?」

シン「何故かと言□と、□※前で※かが脱獄をして▣ても、▣しも脱獄犯の着※が一流ブ※ン※だと誰も疑わな※からね。」

夏油「しかし、顔を知っていたら追い剝ぎという事も考えられると思うが...」

シン「指※手▣犯の顔なん▣、ニュースで何度も放送されない限り覚えないでしょ?
 だ※▣一流ブラン□服を着ると※いのよ~。」

夏油「成程、一理あるね。」

シン「それより、教官様~。
 ▣く更※の※談※して※ないと思※んだけど~?」

夏油「更生の面談なんて退屈だろう? 友好関係を作るのにも不適だしね。
 それよりも君が話したい話題を聞いて、君の事を知れる方がいい。」

シン「はは...はははっ、新▣い教官様はホ▣ト変わって□ね□
 ※も※□堅苦しいのは嫌いな※♪」


 再び話を切り出そうとしたシンだが、部屋に取り付けられているチャイム音が遮る。

 部屋全体に響くチャイムは、面談終了の知らせでもあり、シンは残念そうな視線で夏油を見つめる。


シン「※ぇ~も□終わり~? もっと話□たい事があっ※※に~...」

夏油「何また来るさ、その時までまた話したい話題を考えくれ。」

シン「私が話すのもいいけど、□官様▣話も聞き▣いなぁ~♪
 今度は※官様※話を聞かせてよ▣」

夏油「分かった、じゃあそれまで私も話題を考えておこう。」


 椅子に座り続けて看守を待つシンは、次の面談を待ち遠しそうに夏油を見つめ、扉が閉じるまで目を離さなかった。

 その瞳は、今まで出会った中で、最も面白い姿を見せてくれるという、一種の好奇心が宿っていた。



追記
シンの会話作るのダルい。
出来ることならあまり作りたくない。
なのでChatGPTに、文章をシンのようなメッセージに変換するプログラムを作ってもらいました。
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