DRIFTERS見たらHELLSING見たくなって来た...DVD買うか。...金無ェじゃん!!
ヨハンからの試験を受ける事となった夏油、セシルの通信を切って半日以上経過した。
ヨハンが実施した試験は、ニヒリスターを撃破目標とした仮想戦。
インヘルトとカウンターズ(パピヨンを除く)構成で、ニヒリスターを撃破できる夏油の戦術能力を見る目的。
試験を始めて半日以上経過し、仮想戦の総数は100戦を到達し終了した。
ヨハン「...100戦 91敗 8引き分け 1勝。
酷いな。」
夏油「返す言葉も無い...。」
結果は振るわず、100回試すも最後の一回以外は敗北を期した。
この結果に対して、夏油は自分の能力不足に我ながら酷い結果だと嫌悪感を感じ、ヨハンは出来の悪さに呆れていた。
十分に夏油の力量を把握したヨハンは、直ぐにでもこの作戦から外そうと行動を起こそうとする。
ドロシー「...お待ちください、指揮官。
これなら、悪くない結果なのでは?」
外そうとするヨハンをドロシーが制止する。
ヨハンの基準に合わせて選定すると、1000人中1000人を落とす基準だという程に理想値が高い事を追加で進言。
夏油をかばったドロシーに対して、ヨハンは本日二度目の大きな溜息をこぼす。
ヨハン「気は確かか?...100戦中たった1勝だ。それも仮想戦で。
これが悪くない結果だと?」
ドロシー「.........はい。」
ヨハンの問いに対して、ドロシーは長い間をもって返答する。
こうして庇っているが、この結果に対してドロシーも若干酷い結果だと内心考えていた。
この結果の中でも良い所を見つけようと、最後の一勝を観点に置いて考えながら答える。
ドロシー「勝率は1%ですが、最後の一勝でした。
最初の一勝は運が良かったと片付けられますが、この一勝はこれまでの戦いで培った一勝です。」
ヨハン「だとしても情報収集能力、整理と指揮能力が低すぎる。
仮想で100戦してようやく一勝なら、実践で何戦していつ勝利を取れる?」
ドロシー「......。」
何とか上げようとするも完膚無きまでに論破された。
ここまでくると作戦に外さないようにするのはかなり難しくなり、事実士官学校の内容が全く無い夏油からすれば他の指揮官よりも知略は無い。
一応ウンファには奇抜さや作戦を決める判断力は認められているが、あくまでも全員を生かす戦いの話。
ヨハンが実践したのは、例え誰かが欠けても目標のニヒリスターを撃破する前提で作成されたもの。
夏油は切り捨てず戦ったが、ニヒリスターの圧倒的な戦力差に大敗。
戦いの中で取捨選択ができない夏油の有り様に、ヨハンは危機感のような物を感じ益々作戦にさせたくないという気持ちが強まっていた。
ヨハン「ノア。イサベル。ハラン。
私が戻るまでに、
足早にヨハンは何処かへ歩いていき、事実上戦力外通告を押された夏油に全員の視線が集中する。
ラピ、アニス、ネオン、マリアンは結果をあまり気にしないように、パピヨンもヘレティックと戦う機会なんてそんなに無いと励ます。
ドロシーも加わってヨハンの試験から一勝を勝ち取れただけでも偉業だと褒めて、すれ違ったハランに端末を手渡し、考えを改めてもらうよう説得しに行った。
ヨハン「......。」
一度チームから離れて廃墟の屋上で地平線を見ていたヨハン。
その瞳にはもはや夏油は眼中になく、これから戦闘するニヒリスターに向けられていた。
ドロシー「指揮官。
本当に、あの方を作戦から排除するおつもりですか?」
ヨハン「そうだ。」
ヨハンは質問に対して短く答え、頭の中でこれまでの戦いを基にカウンターズを加えた仮想戦を繰り返していた。
その集中力の高さは環境音が聞こえなくなるほどで、辛うじてこちらに声をかけてきた声は聞き取れるようになっている。
続けて客観的に見た夏油の評価を、辛口で分かりやすく伝えていく。
ヨハン「...新人どころか入りたての新入生だ。
少し強い意志を持っているからと、作戦の役に立つだろうと考えたのが間違いだった。」
士官学校の基礎を押さえておけば、応用を聞かせて対処できる問題もあったが、夏油はその基礎が空っぽなのだ。
故にヨハンからの評価は、学校から卒業した新人ではなく入学したばかりの新入生と答えた。
つまり学校で培うはずの知識が真っ新な状態。
酷評し続けるヨハンに対して、ドロシーは笑みを浮かべながら夏油の価値に対する評価について理由を尋ねる。
その表情には、ヨハンの言っていることが分からずも気づかせてあげようという気持ちが感じられる。
ドロシー「あの方がどうして作戦の役に立たないと?
...自ら、
ドロシーの言ったことが理解できずに、ヨハンは数秒固まり思考するが理解できない。
驚愕して思わず尋ねたヨハンに、ドロシーは口元を隠しながら自身の考えを伝える。
それはこの作戦に無理にでも夏油を連れて来た理由に直結するものだった。
ドロシー「こうすればいいのです。
ニヒリスターが認識できる信号を発して、彼女の方から 私たちを出迎えさせましょう。」
ドロシーの作戦内容は、好戦的なニヒリスターの性格を逆手に取り、信号を発して挑発する。
その直前に夏油たちカウンターズを、偵察などの口実でニヒリスターとの合流地点で鉢合せ。
交戦させて無限に自己修復するニヒリスターに、アンチェインドを使わないと勝てないという考えを抱かせる寸法。
ドロシー「仲間思いのあの方の性格から、守るためにアンチェインドを使わざるを得ないでしょう。
私たちはそこで乱入すればいいのです。」
ニヒリスターにアンチェインドが命中した後、ドロシーらインヘルトが加勢して制圧。
全員生き残っていれば、自分たちに対して多大な恩と信頼を得られると画策していた。
作戦通りなら弾除けかつ捨て石に、生き残っても心すら掌握するつもりで連れてきたドロシーに唖然とする。
ヨハン「...お前、最初からそのつもりで彼らを連れて来たのか?」
ドロシー「...勿論です。アンチェインドを貸し出す対価として便利に使える戦力が手に入るなら、それも悪くない取引だと思ったんですよ。
それに試験もお粗末な結果でしたし、寧ろ切り捨てやすいのでは?」
最初から夏油たちを良いように利用するつもりで、作戦から外そうとするヨハンを止めてまでしたのだ。
加えて、ドロシーには別の目的があって推薦した。
ドロシー「マリアン、もといモダニアの素体を手に入れるチャンスだと思ったのです。
ニケとしての自我を取り戻しても、ヘレティックの肉体は残ったまま。
倒れてくれればニヒリスターに加え、2体分のブラックボックスが我々の物になる、まさに一石二鳥。」
現在の人類には解明できないブラックボックスの塊であるヘレティック、解明すれば何年先の技術革新を得られるか想像もつかない。
その貴重なサンプルを2つも確保できる機会だと、加えて提案する。
ドロシーが提示した作戦に対して、腹の底から形容できない嫌悪感と不快感が喉元まで迫る。
ヨハン「......吐き気がするな。」
一切の濁りも無しに口にした言葉に、ドロシーは疑問が隠せないよう。
確実に勝てる合理的な選択肢であり、インヘルトの戦力が削がれるどころか、モダニアとニヒリスターの素体解剖でゆくゆくは戦力向上が期待できる。
それでも拒む理由について考える素振りをしてあえて質問していく。
ドロシー「私のやり方が...指揮官がアークで経験した事と似ているから?
あ、そういえば。
言葉は謝罪して体裁を取り繕っているが表情は本心丸出しで笑っている。
お気持ち程度の謝罪と歪み切った笑顔からは、予想通りとでも言いたげだが必死に笑いを堪えている。
とても元人間と言われても信じられないような本性に、それでも夏油はニケを救うために戦えるのか、目の前に怪物がいると言うのに質問をこぼす。
ヨハン「あいつはお前のような怪物を見ても、ニケの解放だの何だの言うのだろうか。」
ドロシー「...言いますよ、きっと。
そんな人だと思います。ふふっ。」
モダニアとの戦いをきっかけに、現在に至るまで夏油の戦績をある程度把握しているドロシーは、自信を持ってヨハンの問いに答える。
その理由として、一つはヘレティック総力戦という激戦区に、貧弱な人間でありながら部隊を率いた事。
乱戦が予想される死地に自ら赴く蛮勇、そして参加した理由として元は仲間だったマリアンを救う為から、人一倍強い仲間意識を持っている。
一つは尋問した際に答えたアンチェインドを狙った理由で、ニケをNIMPH・侵食から解放する方法と復権。
この考えに至るきっかけは分からないが、ニケを下に見るようなその他大勢とは異なる思いを、偽りや隠匿が効かないヨハンの尋問で聞けた事。
一つはニケを指揮する際の戦い方。
本命に備えて体力や物資を温存しているようにも考えられるが、すぐに片付けられるような下級ラプチャーの軍隊でも避けることから、
強い仲間意識から無理をさせない為に、自らオペレーターのような敵性存在の察知能力が高くいち早く戦闘を避けるようにしている。
以上三つを理由に、夏油はニケを本気で救おうとしている愚か者だと判断し、ドロシーにとっては扱いやすい人間という認識をしていた。
話し合いが終わり、ヨハンとドロシーは横に並んで戻って来た。
周辺にラプチャーの残骸は無く戦闘は無かったと分かるが、ドロシーが目を向けたのは戦闘の有無についてでは無く、人数
というよりカウンターズがいない事に動揺し、首を振って周囲を探している。
ドロシー「あの方たちは...?」
ノア「後ろめたさに耐えられなくて、エデンに帰っちゃったよ〜。」
小さな笑い声をこぼしながらドロシーの問いに答えるノア。
ヨハンとドロシーが戻ってくる前の出来事を聞くと、ヨハンの試験結果が悪かった事から足手纏いと判断した夏油が、エデンに帰還すると話を切り出した。
夏油に続く形でラピたちとパピヨンも、エデンに帰還することとなった。
ドロシー「何故彼女たちも...? 少なくとも戦える筈なのに...」
イサベル「指揮官以外に従うつもりは無いと言っていたわ。」
部隊から離れた理由に答えたイサベルは、ラピたちの気持ちを理解できると話しながら頷く。
ドロシーの目論見である夏油たちを捨て石にする策は、夏油の離脱により水の泡になった。
ハラン「ヨハン。」
ヨハン「...これは。」
ドロシーが質問している間に、ハランがヨハンに近づき右手に持っている銃を手渡す。
夏油が持っていたアンチェインドが装填された拳銃で、部隊を離れる際に手渡されたと語る。
マガジンを取り出すと緋色に光る弾丸が顔を出している。
この状況で戦力が減少するのは痛手だが、まともに連携を構築していない状態で戦いに臨むのはみすみす死にに行くようなもの。
逆にドロシーの策略で無駄な犠牲が起きなかった事に安堵するべきだろう。
気持ちを切り替えながら、このままニヒリスターの追跡を再開する為、ヨハンはセシルとの通信を回復させる。
セシル「................」
ホログラムとして現れたセシルの表情は険しく、しかも怒気が見えるくらいの剣幕でヨハンを睨んでいた。
数秒無言の圧力でヨハンを見つめていたが、口を開いて今回の行動に対して怒りの籠った皮肉を浴びせる。
セシル「『ちょっと失礼』と言っていきなり通信を切るなんて。
貴方の
ヨハン「...!!」
セシルの静かな怒号に数多の戦場に赴いた指揮官であるヨハンが、後退りするほど強力な剣幕と押し潰さんとする気迫に後退りしそうになる。
しかしこれは
セシル「
知らないうちにこの基地が光速に近づきでもしました?
まあ、そうでもなきゃ、作戦中にオペレーターの通信を半日以上切るなんてあり得ませんよね。」
ヨハン「......」
セシルの勢いに気圧され、気持ちヨハンが縮んでいるように見える。
常に冷静に戦局を見ているヨハンだが、今回の件に関してはオペレーター通信を遮断した彼に非がある。
それを知っているからこそ、何も言えず黙ってセシルの正論を受け入れていた。
セシル「どうしてヨハンは黙っているのですか?
ドロシー?」
ドロシー「はい、セシル。」
セシル「
ドロシー「指揮官の言語機能は至って正常です。」
ただ黙って聞くことしか出来ないと知っている上で、セシルはドロシーにヨハンが話せなくなったのか尋ねる。
一切の容赦無く責められているヨハンを、
ハランは微笑み、
イサベルは止められそうも無く目を伏して、
ノアはセシルの口撃力と容赦の無さに怒らせないと心に刻み、
各々異なる心情で静かに見守っていた。
ヨハン「本来の予定通り、アンチェインドを使用してニヒリスターを撃破する。」
ノア「はぁ~い!」
ハラン「ここからが正念場になりそうね。」
イサベル「...そうですね。」
構成されているメンバーがかなり変わったが、作戦を継続してニヒリスターを撃破する事を最終目標に据える。
ヨハンの号令を受けて各々テキパキと武装と身体チェックを済ませ、準備を整え何時でも出発できる。
セシル「現在ニヒリスターは、この区域内の中心に向かって飛行中。」
イサベル「ニヒリスターが支配している土地ですね。」
セシルを映し出しているホログラムの隣に新たなホログラムが表示、赤く点滅している点がニヒリスターであり赤い破線で囲まれている区域の中心、山岳地帯に向かっている。
現在の区画も体中を焼くようなサウナと誤認する程熱いのだが、山岳地帯に近づくにつれてニヒリスターの滞在時間が長く現在地の約5~9倍の温度である。
ノア「こんなに暑かったら、あの人間は耐えられなかったから、寧ろ帰ってくれて気持ちが楽だよね~?」
ハラン「でも、イサベルが認めた彼の戦いを見られなかったのは、少し残念ね。」
イサベル「...そうね。」
半日以上時間を与えて野放しにした影響で、土俵である山岳地帯で戦う選択肢を与えてしまい、セシルは大きなため息を溢すがニヒリスターがまだ追跡可能区域内にいる事を確認し作戦を再開。
別れてしまった夏油たちの戦いを見られなかった事が心残りというハラン、イサベルは夏油の実力を全く知らない反応に心無しか口角を上げ、ノアは護衛対象が無くなって両手を伸ばす。
ドロシー「......。」
ヨハン(これはお前が望んだ結果ではないだろう?
寒気がする作戦通りになるのは不快だからな。)
ドロシーの表情からこの状況を予想していなかったようで、彼女の目的が達せられることが無いと安堵するヨハン。
夏油たちが残っており作戦がドロシーの思惑通りに運ぶことを考えるだけで、背筋が凍り抑え込んでいた吐き気を右手で塞いで再び押し戻す。
その様子を見ていたハランとイサベルは、ドロシーが何か企んでおりヨハンの気分を害する程の思惑があったのだと察知する。
気を取り直してニヒリスターの現在地を確認したヨハンは、夏油たちが居ることで出せなかった速力で追跡しようとする。
セシル「待ってください。」
ニヒリスターを探し出したセシルが、出発準備を済ませたヨハンを呼び止める。
ヨハン以外にも呼び止めてきたセシルに頭を傾げ、キーボードを操作しながら表示している地図に点を追加する。
ホログラムに表示された地図には、赤く点滅している点と青い点が同じ方向に向かって動いている。
ヨハン「?...セシル、何を追跡している??」
赤い点をニヒリスターとして探知し追跡しているが、青い点は自分たちの座標とは離れている。
探知している人物に心当たりが無いヨハンは、地図に表示している青い点は何なのか尋ね、セシルは首を傾げて答える。
セシル「夏油です。」
口から出てきた人物の名前に耳を疑うように驚愕する。
エデンに戻るように言っていた彼らが、何故ニヒリスターを追跡するように移動しているのか全く分からない。
この事実を伝えたセシル本人もよく分かっていない状態で、直ぐに返答が来なかったヨハンたちに益々状況が分からなくなる。
ドロシー「フフッ...フフフッ...。」
この絵図を描いた彼女を除いて。
ノア「何でドロシー笑ってんの?」
ドロシー「ハラン、私が貴方に持たせた端末はしっかり渡しましたね?」
ハラン「! 貴方っ...!」
ドロシーが伝える前に、ハランは何を渡したのかを理解し、こめかみから汗が滴り落ちる。
察したハランの反応を他所に、ドロシーは端末が渡されたという確認を取れて、ニタニタと微笑みながら端末について話し始めた。
ドロシー「指揮官を説得する前、ハランにあの方が外れる場合は端末を交換するように伝えていたんですよ。」
ノア「えっ、エデンの地図情報が入っているんでしょう?」
ドロシー「いいえ? ニヒリスターの支配圏を目標座標にしました。
今もあの方々は、エデンに向かっていると思いながらニヒリスターの下に向かっているでしょうね。」
ついていけて無かったノアがドロシーの説明を聞いてようやく思惑を理解した。
全員が知ったところでヨハンにも話した事を、意気揚々と話し始めた。
夏油たちだけを先に戦わせ、アンチェインドを使わざるを得ない状況で使用させた後、割り込んできて無駄な労力と時間をかけずニヒリスターを確保。
タイミングが良ければモダニアの素体と一緒にニヒリスターを回収でき、エデンの技術レベルの向上を図っていた。
この策略にハランたちは絶句、
これまでドロシーの作戦に従って行動することはあったが、それは彼女たちの尊厳を踏み弄らない範囲内だったからだ。
今回の暴挙に対してハランは静かに怒りを抱きながら、死神の大鎌をドロシーに向ける。
ハラン「少々...おいたが過ぎるんじゃないかしら...?」
ドロシー「何故拒むのです?
仮にこの作戦通りになったとしても、貴方たちの誇りは傷1つも付かないでしょう?
というか、皆さんアークに恨みがあるからエデンに集ったのではないのですか?」
エデンに所属している全員はアークに対して、憎悪や憤怒を抱き軽蔑している。
裏切り、拒絶、生贄、それぞれが異なる理由を持ち、エデンという新たな拠点を軸に地上奪還を掲げている。
ドロシーの言う通りアークがどうなろうと知った事ではないし、エデンとしての誇りは失われる事は無い。
だが今日、その身をもって理解する、恨んでいたのは、怒りを抱いていたのは、
今眼前にいるような底の見えない深い悪意に、
吐き気を催す思想に、
憎しみを抱いていたことを...
夏油(......ということだ。)
ドロシーとヨハンがラプチャーの襲撃にあった時に保護できるように、聴覚共有できる呪霊と戦闘向きの準1級呪霊を護衛に向かわせた。
という名目でドロシーの真意を探る目的で、2人の会話を盗み聞きしていた。
結果ドロシーは夏油らカウンターズを捨て石に、その過程でニヒリスターと一緒にマリアンの素体を回収つもりだと知った。
ヨハンの反応から、自分と同じくドロシーの目的をさっき初めて聞いた様であり、イサベルやハラン、ノアも同じく目的を知らないと仮定。
しかしドロシーがハランたちに明かす所を見て仮定が事実へと変わる。
このことをパピヨンに聞こえぬよう、念話を介してラピたちに共有する。
アニス(捨石...しかも棚ぼたでマリアンも一緒に狙ってたなんてね。)
ネオン(そんな事、絶対に許しはしません!)
ラピ(今後ドロシーの行動に一番警戒しなければなりませんね。)
夏油から聞いたドロシーの思惑に対し、身震いを感じドロシーへの警戒度を最大まで引き上げる。
しかし、念話を介してパピヨンにこの事を内密にするこの状況に対しマリアンは顔を伏せている。
マリアン(でも、パピヨンさんにも伝えた方がいいのではないでしょうか?
私たちだけこの先の出来事が分かっているのに...可哀想です...。)
夏油(気持ちは分かるが、聞こえない距離でドロシーの思惑に気づいたと言っても余計訝しむだけだろう。
行きにヨハンたちが大半のラプチャーを片付けた事から、呪霊で処理したラプチャーの少なさも気にならない。その代わり、戦闘では私がサポートに徹する。)
パピヨンはバーニンガムと繋がりがある事から、こちらの手の内を明かすわけにもいかない。
それでも彼女の安全だけでも守れるように、夏油が術式を使用して最大限サポートに回ると言及。
行動方針について大体定まった夏油らだが、アニスがふと気になったことを伝える。
アニス(でも、指揮官様の話が本当ならその端末の先にいるのってニヒリスターでしょ?
このまま移動したら戦いは避けられないわ。)
ネオン(いくら仮想戦で戦ったとはいえ、インヘルトの方々を含めて戦うのとはかなり不利だと思いますよ。)
ヨハンが出してきた仮想戦はインヘルトとカウンターズ全員を指揮して戦うもの、だが離脱した今現存勢力でニヒリスターと戦うことになる。
最後の一勝もインヘルトとマリアンの攻撃によって何とか撃破することができたのだが、今回のメンバーで上手くいくとも限らない。
夏油(確かにその通りだが、このまま戻っても一層怪しまれる。
何より、あれだけ言われて黙って戻るなんてやるせないだろ?)
ラピたちは術式を使用して戦闘すると考えていたが、それはパピヨンがいない時であれば可能だ。
つまり、ニヒリスターの攻撃と下級ラプチャーの撃破しか、夏油の出来ることが限られている。
激戦を待ち受ける彼女らは、指揮を執る夏油の判断を息を呑んで待つ。
暫くして、夏油はこれから行う作戦を伝える。
暑いと執筆中に考えがまとまらず文字がガタガタになっている...早く冬にならないだろうか...
コインラッシュに訪れ店長就任の歓迎会が開かれると思われていた五条、しかしマスタングの計らいによって以前から店長に就任する為のイベントに強制参加させられた。
スマホを取り出して検索してみると、記事には
五条「......。」
この記事を見て思わずしかめっ面する五条、その五条の様子に気づいた隣の参加者が声をかけてくる。
「何だ兄さん、何が始まるのか分からず来たのか?」
五条「うん、友人がちょっと常識が無くて。
何も伝えずにここに来たんだ...。」
「そりゃあ可哀想だな...まっ! コインラッシュの店長になれば、この店の経営を任される重責があるが、それ以上に莫大な収益が見込めるからなぁ。」
五条「へぇ、参考程度にどれくらい?」
「半年もすれば、一生遊んでもお釣りがくるほどだ。
兄さんここがどれほどすごいか分からないたぁ、かなり真面目に暮らしてたんだなぁ。」
コインラッシュの収益について一瞬男は困惑した様子で五条を見ていたが、一月分の収益について調査した番組から100人のアーク市民を3ヶ月養えると取材で分かった。
そこから一人当たりの大凡の出費を計算し、100人分かけると半年で金遣いが荒くても暮らしていけると答えた。
男の返答を聞いて、尚更店長を決めることをこんなゲームに落とし込むマスタングの考えが全く分からない五条。
五条「そんなに稼げるなら、尚更店長は厳格に決めるべきなんじゃないの?」
「確かにそうだが、あの人は沢山の人を巻き込んで、沢山の人生を彩りたいのさ。
心を躍らせる、夢が膨らむ、湧き上がる熱を、
人が最も輝く瞬間だと考えて、それを提供することをエンターテインメントって呼んでる。
と俺はそう見えたんだ。」
五条「へぇ...。」
男からマスタングの人物像を聞いて、熱を愛してやり取りする事に執着を持っている生徒を思い出す。
方向性や手段は全く違うが似た者同士なのかもと考える傍ら、男は笑みを浮かべながら金以外にも利点があることを伝える。
「それと兄ちゃん、店長になる魅力は金だけじゃねぇんだ。」
五条「ふ~ん...それって何?」
「何?って、アレだよアレ!」
二やつきながら親指で指して件の利点について教える。
男の指の先には、ステージに建てられている二本のポールには、白と黒のバニースーツを来た美少女がかなりきわどく(性的に)危ないポーズを取っている。
白いバニースーツで白い肌の美女は天真爛漫で活発な印象で、スタイルはスレンダーで白髪の美女というより美少女が似合う。
黒いバニースーツで褐色肌の美女は心なしかオドオドして内気に見え、スタイルはダイナマイトも霞むほどの悩殺ボディで黒髪美女。
五条「ここスト●ップクラブだっけ?」
「違う、まああれ見てそう思うのも無理はねぇが。
あの双子のウサギはな、このコインラッシュで幸運のウサギと呼ばれてんだ。」
男によるとモノクロコンビのバニーガールは双子であり、コインラッシュで見かけると幸運になれる運を運ぶウサギと呼ばれている。
白いバニーがブラン、黒いバニーがノワールというらしく、テトララインのニケ部隊
イベントや通常営業で見かける事が出来れば、今日から数日の運気が上がるとの噂があるとか。
男は五条に説明しながら鼻の下を伸ばし、五条に肘をついて尋ねる。
「それで? 兄さんはどっちが好みなんだ??」
五条「う~ん、白い
「へぇ、確かに腰回りとかすげぇラインしてるよな。」
五条(このオッサンかなり面食いだな。)
男はスレンダーな女性が好みと判断して、ブランの体を上から下まで見ながら良さを語る。
因みに五条は遊んで盛り上がったりイタズラにノってくれそうだと考えてブランを選んだ。
ノワールはちょっかいかけた時に面白そうな反応しそうで劣っているとは考えていない。
「俺はノワールだな、北と南にあるデケェ山脈を踏破してぇもんだ。」
五条「オッサン、今言っていることどれぐらいヤベェか分かって言ってる?」
「っと、話がそれたな。店長になると、あの双子ウサギとの関わりが格段に増える...」
話題を店長になった時の利点に戻し、就職すると双子の関わりが増えるという当たり前のことを聞いて、五条はそれがどうしたんだという冷たい表情で男を見つめる。
そんな視線も知らず男は五条に、得られる幸福について話し始めた。
「毎日あの双子の姿を目に映せる、これだけでも眼福もんよ。」
五条「それだけ?」
「あっ? 十分すぎるだろ。
あの双子と毎日出会えると考えてみなよ。」
五条「......。
眼福になるか?」
異性の魅力に対して殆ど関心が無い五条の反応に、男は何歩か後ろに下がり恐る恐る直球質問する。
「兄さん...もしかして男が好きなのか...?」
五条「喧嘩売ってんの?」
男の発言に対して額に血管が浮き出る五条、二人のやり取りを他所にスマホがバイブレーションで震える。
二人はスマホを取り出して通知をタップすると、スマホの画面に数字が表示される。
会場のスピーカーからアナウンスが流れて、番号ごとにブロックに分かれるように指示を受けて、男と五条は自分の数字の範囲内にあるブロックに向かう。
「それじゃあな! 兄さん!!
運を掴んで生き残ろうぜ!!」
五条「そっちこそ、早々にお陀仏すんなよ。」
一時の別れを告げ、五条は今後の生活を賭けたゲームに、今握りしめている運気がこのゲームでどこまで通用するか。
小手調べ感覚でゲームに望む。