理性「お前が始めた物語だろ、執筆しろ。」
怠惰「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛!!!」
五条がM.M.R.に配属されてから2日、体力測定を終えてマルチャーナの講義を手伝うことに務めるように徹するように言い渡された。
五条「マルちゃ〜ん!講義の内容分かんな〜い!」
マルチャーナ「五条先生、静かにして下さい。」
五条「あっ話は変わるんだけど、何で僕が先生になったか気になる?」
マルチャーナ「......。」
そんな事知らないとでも言うように、五条は講義中でもマルチャーナに絡んでおり、普段はマルチャーナの声のみが聞こえる教室が騒がしかった。
最初は注意していたマルチャーナだが、面倒になったのか無駄だと分かったのか返事をやめた。
五条が一方的に絡んでくるものの、講義自体は滞りなく進みプリントの配布や回収も仕事はしっかり勤めてくれている。
アイン「あっ、私気になるかも!
ゴジョ先って先生に不向きなのになんで先生になったんですか?」
五条「僕以上に適任な先生がいるわけ無いじゃん!」
ツバイ「やかましい五条さんより、マルチャーナ先生の方が適任です。」
五条「うわぁん! マルちゃ~ん!!
ツバイが苛めるぅ!!」
マルチャーナ「静かにしてください。」
五条「はい。」
いつも以上に
いつもはついていけず眠ってしまうライも、五条がマルチャーナにちょっかいをかけることで目を覚まして講義を受けている。
煩わしさを感じているようにマルチャーナは、スクリーンを操作しながら五条がやって来た事を振り返っていた。
マルチャーナ(普段の素行はともかく...手伝いはしっかりやってくれて生徒たちを見守ってくれてるおかげか聞いてくれている生徒が増えた気がします。)
講義のカリキュラムを取り扱えない五条だが、元教師と言うだけあって手際と気配りの良さを2日で十分に感じていた。
夏油は話題性と生徒のモチベーションアップが見込めたが、試験にとっては本来のポテンシャルを発揮させてくれる五条も重要であると分析する。
そしてそれ以上に
マルチャーナ(普通の学校は、こういった賑やかな空間で講義を行うんでしょうね。)
教室内に広がっているこれまで感じたことのない雰囲気、五月蠅いと感じるかもしれないがマルチャーナにとってはそんな事微塵も考えておらず心地良さすら感じていた。
本当の教師にとってはこれくらいの雰囲気が、本来の学園生活なのだろうと考えたマルチャーナは普段よりスクリーンをなぞるペンが陽気に動き回る。
アイン「それでゴジョ先はなんで教師になったの?」
五条「それはねぇ...秘密!」
ライ「なんでぇ!?」
五条「言いたくないから~」
マルチャーナ「ここの範囲は試験に出ますよ。」
仮初の空に照らされている、仮初の学校。
この日からマルチャーナは、この学園で徹していた
地上に広がっている筈の空はどこまでも澄んでいる青空が広がり、照りつける太陽の熱光と涼しさを乗せた風が校舎を吹き付ける。
午前の講義が終わりマルチャーナは教室を後にし、生徒たちは各自昼食を取るために動き出す。
ある者は下の階にある購買所に駆け出し、ある者は教室のテーブルを繋げて友達同士で談笑しながら食事を楽しむ。
その中でライとツバイにアインも机を繋げて食事を始めようと準備を進めていく。
ライ「ねぇ~トリセラも一緒に食べよ~!」
小さな体を元気いっぱいに動かして手を大きく振る少女ライ、同級生で友達のトリセラに声をかけて昼食に誘う。
声をかけられたトリセラはばつが悪そうな表情を浮かべながら、ライに対して謝りながら食品を取り出しながら答える。
トリセラ「ごめん、今日は一人で食べるよ。」
ライ「そっか...分かった~!」
ライは断られてしょんぼりとしているが何とか我慢し、いつも通りの表情に戻して席に座って昼食の弁当箱の風呂敷を広げる。
ライと一緒に昼食を食べる為に机を繋げたアインとツバイは、最近トリセラが昼食を食べながら勉強をしている事に気付く。
アイン「そういえば、最近トリセラ先輩ずっと昼食食べながら勉強してますね。」
ツバイ「恐らくこれから控えている試験の筆記に備えて勉強しているんでしょうね。」
ライ「ずっと勉強し続けるの辛いし、何か私たちでできる事無いかな...」
ツバイ「私たちも筆記は自分の事で手一杯です、これ以上は試験の結果に影響を及ぼしかねませんよ。」
ライ「うぅ...」
殆どの時間を試験に備えて勉強を続け、精神的に追い込まれているのだと察しているライ。
試験前に勉強をして実技試験が低くとも、合格できる保険を作っておく為なのは分かるが追い込み過ぎて、実技試験で本領を発揮できないのかと心配していた。
五条「何の話~?」
そんな気持ちなど知らず気さくに声をかけてくる五条は、ライが作った昼食机に入り弁当を広げる。
アイン「ゴジョ先って弁当なんだ、誰に作って貰ったの?」
五条「自作だよ、僕は料理もできる欠点の無いナイスガイなのさ。」
アイン「ゴジョ先って料理できるんですか?
もっとガサツかと思ってました。」
五条「凄い偏見。」
アインは昨日の出来事から意外そうな印象を受け、五条は心外だと言いたげな表情を向ける。
話を戻してライたちは昼食を口に入れながら、トリセラの心が疲弊している事を恐れている事を五条に伝えた。
試験前に追い詰めている現状を見てトリセラの成績は悪いのかと気にするが、そこまで成績の悪いと思える生徒は居ない事は書類を一瞥して記憶している。
その事から特段試験に慌てる必要もない事は分かる、となると試験に備えて心を削り勉強する理由が見えない。
五条「それだけ控えている試験が重要って訳ね。」
アイン「ええ、確かな情報じゃないんですが...
記憶が消去されるとか、研究のための素体にされるとか噂が立っているんですよ...」
五条「ふ~ん。」
他人事のような調子で軽く返答する五条にツバイは眉をひそめるも、直ぐに昼食に戻りおかずとご飯を口に運ぶ。
詳しい説明を終えた後に口いっぱいに弁当箱の中身を食べながら、ライがトリセラの状況をあまり良くないと考えて元気づける方法は無いかと五条に意見を求める。
ライ「五条先生! トリセラを元気づける方法は無い!?」
五条「......。」
考えが無いかと求めてきたライに対して、五条は何も返答せず口に入れた昼食をペットボトルに入っている麦茶を喉に流し込む。
答えないに対してライは五条を目を離さなず真っ直ぐ見据える。
五条「確かに精神的な休養は必要だと思うよ。」
ライ「じゃあ...!」
五条「でもさ、試験が控えてる今から気を緩ませるのは得策とは思えない。」
五条が提言した考えに対してライに加えてアインとツバイも、試験前に苦しみながらも立ち向かっているトリセラの心情を考えてなかったと気づかされた。
精神の疲弊によって迷いや思考力の低下が発生することもある。しかし、思考力の低下は時に緊張感を阻害して気を緩ませてしまう要因となる。
だがこのまま疲弊して試験に支障をきたすのは、一応教師としての役割を担っている五条としては看過できない。
ライ「どうしよう...励ましたいけど...」
アイン「遊びに行くのは論外ですよね...
ただでさえ時間に追われてる雰囲気ですし...」
ツバイ「とはいえ今から始めることで、私たちができることは...」
五条「......。」
ここで五条は職員室のマルチャーナの仕事机に置かれていた生徒の成績表を思い出す。
その成績表は授業態度や提出物の有無による参加具合、そして小テストなどの学力に関して記録されていたものであった。
マルチャーナから試験には講義で教わった内容が頭に残っていて、その知識を広げられる応用力も見ている。
しかし、試験の評価項目の中に実技試験があるが実技に関する評価データはそこには無かった。
そして五条の目には、トリセラという生徒は勉学を蔑ろにするような人物に見えないと直感していた。
五条「トリセラって女の子、勉強できない訳じゃないでしょ?」
ツバイ「ええ、ライ先輩より熱心で真面目です。」
ライ「私が無関心で不真面目って言ってない!?」
ショックを受けた後しょんぼりした様子で凹んでいるライを、アインが頭を撫でながらキャンディーを分けて慰める。
その間、ツバイからトリセラの人物像や授業に取り組む姿勢、人となりなど粗方聞いて頭の中で整理する。
五条(成程、トリセラって子は目の前の物事に全力で取り組む全力少女タイプ...
加えて自分の気持ちを外には漏らさず抱える性格か...)
ある後輩と親友の悪いところを混ぜたような人物だと認識した上で、次はどうすれば彼女の負担を減らせる且つ心身に余裕を持たせられるのか考える。
五条(となると、勉強以外は断ってくるだろうし...
かと言って追い込み過ぎると本番でミスする可能性もある。)
高専時代にも、夏油は授業外で勉強してテストに備える事もあったが、入学してから数回あるミスで点を落としたことを思い出した。
そしてトリセラも夏油の性分に近いのなら自然と同じミスをするのではと仮定した。
五条「......。」
ライ「先生黙り込んじゃった...」
アイン「あーして真面目に考えている方が違和感強いですね...」
ツバイ「何か思いついたのでしょうか...」
五条が対処法を考えている姿を見て、授業中ずっとマルチャーナに絡んできているとは思えない一面を見せて、逆に落ち着かない様子の三人。
そして考えが纏まったのか、一応確認のためにそれぞれ三人に聞き始める。
五条「アインちゃん、勉強は苦手?」
アイン「別に、ただ簡単に理解できるのでつまんないって思ってるだけです。」
五条「でもいざ試験って時に合ってるか不安にならない?」
アイン「えっ...?」
五条「次、ツバイちゃん。
勉強熱心だよね?」
ツバイ「熱心というより、私がそうしないと頭に定着しないので...」
五条「でも応用問題で躓いたり、点を落としたりしない?」
ツバイ「......。」
五条「最後。」
ライ「はい!」
五条「ほぼ全部か?」
ライ「私だけ雑だよね!?」
五条はそれぞれ筆記試験に臨む時にありがちなミスを指摘、ライ以外は何度か経験があって小テストでもその兆候は見られていた。
そして五条が授業中にトリセラを見ていて三人同様に、筆記試験のミスが何なのかおおよその検討はついていた。
全員の癖を見抜いた上で、五条は浮かんだ解決方法を皆に共有した。
放課後、授業が終わった生徒たちは各々学寮や教室に残って試験に備えた勉強を始める。
その殆どの生徒は図書室の机でタブレットを持ち、そして必要なのだろうか問題集や教本を積み重ねている。
トリセラもその中の一人で、図書室は基本的に静かで雑音が少なく集中できる空間だった。
トリセラ(ここでこの問題は大丈夫の筈...次は...。)
黙々と試験範囲を進めていくトリセラ。
他の生徒は度々休憩を取ったり、教本などを借りて図書室を出て行くなどその姿は様々。
中でもトリセラは休憩を取らず対策を盤石にしようと励んでいた。
ツバイ「トリセラ先輩。」
トリセラ「??」
他の生徒の迷惑にならない声量で、自身の名前を呼ぶ声に反応が遅れて顔を上げる。
そこには声の主のツバイの他に、ライやアインもこちらを見ていた。
普段教室や学寮で勉強する3人だが、図書室に訪れてくるのは意外だったのか体が固まって応答が遅れる。
トリセラ「...どうしたの? 普段は教室と学寮でしょ??」
アイン「実は...前の中間テストを復習したら怪しいところがあって...」
ライ「それでね! それでね! 皆で勉強会しようかなって思って!」
勉強をしなくても応用力のあるアインは兎も角、授業中眠ることが多いライまでも勉強会に進んで参加することに驚いた。
遊びならまだしも勉強会なら断る理由もなくトリセラは快諾、アインとツバイ、ライは椅子に座って勉強を始める。
三人から質問が飛んでくるのは、主に中間テストの内容で筆記試験の範囲の大半を占める箇所。
これなら周回せずとも復習ができると、迷わず次の設問にトリセラは歩を進めていく。
ライ「ねぇ...ここってどういう意味...?」
ツバイ「その問題は...」
アイン「そこら辺は基礎が分からないと応用問題も厳しいですよ。」
問題文で分からなかった箇所に指を指して助け舟を出すライ、その疑問について解き方を教えるツバイと補足情報を提示するアイン。
静寂だったトリセラの耳には問題文の引っかかる所、問題の解き方について、そして更に難しい問題を解くヒントが流れ込んでくる。
視覚に加えて吸収できる情報量が格段に多くなり、更に勉強のペースが向上していく。
ライ「じゃあここは...?」
トリセラ「そこはさっきやった問題と、今日授業でやった内容を...」
ツバイ「昨日の解き方でも答えが出ますよ?」
トリセラ「あれ? そうだったっけ??」
アイン「どっちも解けますよ、ただ次の問題ではツバイ先輩の方で解かないと答えが出ないはず。」
加えて自分の問題の解釈のみならず同じクラスメイトの考えも共有されて、自分の間違った考え方を改められる。
事実、ツバイやアインが教えてくれた方法の方が解きやすい箇所が幾つかあった。
そしてそのきっかけを作ってくれたのは、分からないと質問した同級生のライ。
問題に対する追及がなければ、本当の解き方を誤解したまま試験に入るところだった。
こうしてそれぞれ分からない所を教え合い、また全員が分からない所は皆で解き方を共有し合って話し合いながら答えを出せた。
教えたことでより問題の解き方をパターンとして記憶するのではなく、文章から最終形を読んでその道中の要所から学んだ解き方を引き出す覚え方に変わった。
なんてことのない放課後という短い時間で、トリセラの勉強方法や考え方など多くの点が変化した。
ライ「終わった~~...」
ツバイ「お疲れ様です。」
アイン「最後の問題おかしいですよ...
今日の内容で解き方分かりましたけど、公式の途中式載ってないから迷子になっちゃいましたよ...」
アインの言う通り、今まで自分一人で考えても分からなかった問題が、今回の勉強会で解き方を理解することができた。
中間テストの内容半分を頭に叩き込んだライ、問題ないように装っているが額に汗を流して疲労が蓄積しているツバイ、そして背もたれによりかかり天井を仰ぎ見るアイン。
この三人と一緒の方が試験に良い結果を出せるかもしれない。
トリセラ「ねぇ......。」
ライ「?何??」
トリセラ「試験まで、皆と一緒に勉強会してもいい?」
三人は顔を見合って頷き、トリセラの方に向いて真っ直ぐ答える。
ライ「もっちろん!」
ツバイ「先輩のおかげで分からなかった所が分かりましたし。」
アイン「私も自信なかった問題も自信を持って取り組めるようになりまし。」
トリセラのみならずライたちもトリセラとの勉強会を通して、問題への理解も深まった。
正直勉強会で互いに必要だった要素を得られていると実感しているようで、試験が始まるまで図書館での勉強会を行う事となった。
そしてその時、ライがトリセラにツバイやアインにある提案を出す。
ライ「終わったみんなでパフェを食べに行こう!」
アイン「それだったらいいお店知ってますからそこに行きましょう!
ツバイもいいよね?」
ツバイ「ええ、試験後なら。」
勉強後の話は本来試験を終わらせてからだと思っていたが、今回のように勉強会を欠かさず開催すれば失点問題を着実に減らすことができる。
自分を必要としており、そして自分も彼女たちがいる事を望んでいる。
トリセラ「うん! 皆で食べよう!」
そして自分も心なしか、肩の重みが消えているような感覚を覚える。
睡魔にあらがって執筆した話です。お納めください。
昨日五条がアインの悩み事を解決する為に、スイーツ店を後にした2人はアークを出歩いていた。
アイン「次はどこに行くんですか?」
五条「う~んそうだねぇ...」
歩きながら次の目的に向かう道について考えていた中、ある店が目に留まる。
五条「...あっ。」
アイン「??」
五条の視線の先にはカフェ・スウィーティーが運営しているカフェがある。
喉が寂しくなってきたので、一杯買うことにした。
ミルク「おう客...ゲエッ...。」
五条「久しぶり~。」
ミルクは五条の顔を見て苦虫を嚙み潰したような表情を見せて、明らかに嫌悪しているような視線を向けている。
五条「シュガーコーヒーとミルクコーヒーを一つずつお願い。」
ミルク「...あぁ...。」
アイン「コーヒーは3種類、こだわりなんですか?」
五条「そんな感じ。」
注文を承ったミルクは代金を貰って店の奥に設置されている自販機のボタンを押す。
一見ドリップメーカーかと思ったアインだが、正真正銘自販機で啞然としていた。
アイン「自販機のコーヒー...。」
五条「味は保証するよ。」
抵抗を感じていたアインだったが、口に含んだ時にミルクの濃厚な味わいが広がり、自販機とは思えない位のクオリティーだ。
しかし主役であるコーヒーが脇役のような味になっていた。
コーヒーのインパクトも強烈だったが、ミルクが五条に向けていた視線にも気になっていた。
アイン「そういえば、あのお店で何かあったんですか?」
五条「確か初めて来たのは...」
今から数週間前、夏油は五条にアークを案内している時のこと...
五条「何か違和感あるんだよなぁ~」
夏油「外のような景色だけど、正直実感湧かないんだよね。」
地下にあるアークに対して地上にいないという違和感が拭えない様子を見せている。
前世では地上での生活が日常だった2人にとっては、全く感じた事無い感覚、まるで大きなドームの中で生活しているような物だった。
歩いている道中でたまたま見かけたカフェに五条の視線が向けられる。
夏油「?...あのカフェに興味があるのかい??」
五条「あそこカフェだったんだ。」
気になった五条はカフェ・スウィーティーの経営しているカフェに立ち寄り、メニューに目を通している間に客が来たと気づいてミルクとシュガーがカウンターに駆け出し、プリムがカウンターの奥から手を振る。
ミルク「兄貴か!? 」
シュガー「久しぶりだね、パートナー。」
プリム「よぉ。」
やって来た2人に対して鬼気迫るような眼光を向けて何を頼むのか聞いてきて、五条は若干引きつりながらシュガーコーヒーを頼む。
頼まれたシュガーは勝ち誇ったような表情をミルクに向けて奥の方に歩いていき、夏油はミルクとプリムコーヒーを頼む。
五条「ドリップメーカーじゃなくて自販機かよ...」
夏油「確かに気になるけど、味は美味しいから。」
あまり期待していない様子で自販機から出てきたコーヒーを見て、雑味があるのかと身構えていたが口に含んでみたら案外味が調えられている事に驚いた。
五条の反応にシュガーは満足している様子だが、五条自身としては何か味を加えたい様子を見せている。
五条「傑、確かミルクとクリーム買ったよな?」
夏油「あぁ、
五条「気にしねぇよ、使ってもいいか?」
こちらで販売している乳製品は加工物で、本物の牛からではなく人工食材として売られており、久しぶりに本物の肉食品にありつけたのはイサベルに誘拐された時だ。
五条は夏油から受け取った牛乳モドキと生クリームモドキを手に取り、缶のシュガーコーヒーを紙コップに移した後、ミルクをコップの半分、生クリームをソフトクリームのように盛り付けた。
五条「やっぱこっちの方が美味いな。」
手早くもアグレッシブにトッピングを追加した五条、夏油は横目で見ていてミルクたちの方を見てみる。
ミルク「......。」(目を細めて信じられないモノを見る目)
シュガー「......。」(目に光が消えて口から何か出ている)
プリム「じゃどぉー...」(表情は変わっていないが明らかに気分が悪化している。)
五条の行動が信じられないのか、それとも許せないのか分からないが、彼女たちのコーヒーに何か手を加える事はご法度のようだ。
五条「傑もいる?」
夏油「遠慮しておく。」
五条「...わっかんね☆」
アイン(何かしたんだろうなぁ...。)