アスミディアと共に旅に出ることになったマリアは彼女について色々と知ることになった。
まず彼女はアスミディア以外にも仲間がいるらしい。そしてその殆どが女性で構成されているという。
「私以外は皆女性ばかりなのは、昔からの慣わしっていうのもあるんだけど、大体は私の好みね」
そう言って得意気に胸を張るアスミディア。
次に彼女達の拠点である場所について聞くことにした。
「私達の拠点はここから南西の方角に位置する大きな都市なの。名前はスタフと言うわ。この街、昔は岩壁をくり貫いた砦だったんだけれど、様々な人々が共存して発展した街なのよ」
「そうなんですか」
「ええ。だから色々な文化や風習があるのよ。例えば食文化に関しては多様性に富んでいるわね。他にも衣類だったり装飾品だったり幅広いわよ」
楽しそうに説明してくれるアスミディアを見ると本当に好きなのだなと思う。
それから暫く歩いていると遠くの方に大きな建物が見えてくる。
「あれがスタフですか」
「ええ。そうよ」
やがて街の中に入ると多くの人で賑わっており活気があった。
「凄い人だかりですね」
「そうでしょう? 何せここは交易都市としても有名なのよ」
「確かに色々なものが売られていますね」
周りを見渡すと様々な露店が並んでいたり店舗が建っていたりする。
「ねぇマリア。せっかくだし見て回らない? きっと楽しいと思うわ」
「良いんですか? でも私はお金を持っていませんけど……」
「心配しなくてもいいわ。私が奢ってあげるから」
そう言うとアスミディアは笑顔を見せる。マリアはその笑顔に負けてしまい結局彼女の案内で街を見て回ることになった。最初に行ったのは雑貨屋だった。
「ここには武器や防具以外にも日用品なんかも売ってるのよ」
店内に入ると商品の数は少ないものの一つ一つ丁寧に陳列されていた。
「何か欲しいものがあれば言ってちょうだい。私が買ってあげるわ」
「そんな悪いですよ……」
遠慮しようとするとアスミディアはマリアの手を握りそのまま売り場まで引っ張って行く。
「ほらこれとかどう? 可愛いじゃない」
そう言いながらアスミディアが手に取ったのは小さなアクセサリーだった。それを見た瞬間にマリアはハッとする。それは以前自分が持っていたものだったからだ。
「あれ? このデザインって……」
「知ってるのかしら?」
「はい……実はその……」
少し恥ずかしそうにしながらマリアはそれを手に取って見せてくる。
「これは昔私が大事にしていたものなんです。でもいつの間にか無くなっていて……」
「そうだったのね。じゃあこれはお礼として受け取って貰えるかしら?」
「でも……」
「良いのよ。遠慮なんてせずに受け取って頂戴」
「……」
暫く考え込むように黙り込んでいたマリアだったがやがて決心が付いたのか小さく頷く。そして嬉しそうな表情を浮かべるとそれを受け取った。
「ありがとう」
「いえこちらこそ」
二人はお互いに微笑み合うと今度は他の商品を見る為に次の店へと歩みを進める。