オレは本物の宇宙海賊!   作:パイレーツ

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宇宙海賊、惑星を見つける

……本当に強盗団は雑草の如く現れるな。

 

「相変わらず盗人根性が盛んだな。中古の戦艦にここぞとばかりに群がってきやがる」

「向こうからすれば、格好の獲物に見えるでしょうから当然かと。全部、返り討ちにしてますがね」

 

副長がやれやれと呆れているが、オレの意見には同意しているようだ。弱い者虐めをしようとして、逆にボコボコにされ、恥も外聞もなく命乞いされれば当然ではあるが。

もちろん、連中の命乞いは聞く価値もないし見逃すつもりもない。そのままこの世から退場してもらう。

 

「サイズ的に巡洋艦辺りか?」

「全部、中古の巡洋艦を改修したタイプですね。数的にも分隊といったところでしょう」

「それは幸いだな。捕虜のことを考慮せずに済む」

 

連中の親玉は例外なく、捕らえた奴らは自身のお膝元に置いているからな。自分が一番愉しむために。

強姦や慰み者は気持ちは良くないが、まだ分からなくもないもない。だが、意味のない人体改造は本当に理解できん。医療の発展とかならギリ理解できるかもしれんが、あれはただの自己満足でしかなかったからな。まあ、命なんて本当に軽いからな。反抗すれば星ごと焼き払うほど、安く扱われるし。

 

「ゴアズの時もそうだったが、偽海賊は異常な悪趣味を持っているのが普通なのか?微塵も理解できないものだったし」

「むしろ悪趣味から犯罪者に進んでいるんじゃないのか?普通に違法だし」

「貴族の中にも悪趣味な人間はいましたからね。それも表に出さず、秘密裏で」

 

あー、いたな。確か、人肉を食べる子爵だったか?あれは本当に吐き気を覚えたし、襲ってきたから返り討ちにして、急いで逃げたんだよな。その後はどうなったかは知らん。

 

「宇宙海賊……もとい、盗賊の殲滅を確認しました」

「一応、連中の所有物は船も含めて回収しとくぞ。強盗共の所有物は己の物にしていいと認められてるし」

 

宇宙強盗……いや、もう宇宙盗賊でいいか。盗賊との戦いは命懸けだし、懸賞金以外の見返りがなきゃ割に合わないことも多かったし。無所属の船団だから所有権のあれこれが本当に厳しく、その多くが現金との交換になっていたが。

 

「今回はドレイクの出番はなしか……ああ、新たなドレイクをもっと動かしたい」

「私共の立場からすれば、良いことなんですがね。船長は立場をもっと意識して下さい」

「椅子に座ってふんぞり返るだけのお飾りになれと?そんな奴に誰も着いていかないし、オレの尊敬するレイジャー船長も常に前に立っていたからな」

 

オレの理想はレイジャー海賊団だからな。その為の努力は常日頃から怠っていない。

取り敢えず、盗賊共は殲滅したので戦利品を回収。回収されて積まれていくのは、札束と宝石だ。

 

「大将の大好きな黄金はなしか?」

「溜め込むのは基本、価値が高いものだからな」

 

そりゃそうだな。溜め込める場所にだって限りはあるんだし。

 

「それにしても……連中の襲撃が本当に多いな。これで二十回目だぞ」

「帝国は色々と不安定だからな。特に辺境の惑星は力不足の上、戦力も不十分だ。その殆どが数だけ揃えた見せかけの軍隊って聞くしよ」

 

整備士長の話を聞くと、本当に連中にとって都合が良い環境なんだなと思う。コケ脅しの軍隊なんて、非常時には何の役にも立たないからな。

 

「そこに加えて、バンフィールド伯爵が狩りまくっているからな。【海賊狩りのリアム】なんて二つ名が出回り始めてるし」

「そこは【強盗狩り】や【偽海賊狩り】だろ!本物の海賊への被害が大きすぎる!!」

 

二つ名なんて周りが口にして定着するのが通例だから、大将に文句言っても無意味かつ筋違いだし!言えば即、物理的に首が飛ぶし!!

 

「取り敢えず、船と残骸はワイヤーで括って一纏めに固定してオレらの船に繋げるぞ」

「まーたバンフィールド領に戻るのか。面倒な手続きは全部向こうがやってくれるから、楽だけどよ」

 

ウンウン。確認やサインなどの面倒は全部やってくれているし、所有物も山分けしてるから、お互いに得しているからな。海賊稼業に集中できるのは、良いことだ!!

 

 


 

 

「……なあ、天城。俺はアイツらを使い潰しているよな?」

「アイツらとは、クラーク船団のことでしょうか?」

 

天城の言葉に俺は無言で呟く。アイツらを一方的に利用できる契約を結び、使い潰して古代の遺産を俺の物にする。その筈だったんだが……

 

「この数ヶ月。アイツらは疲弊するどころかピンピンしていないか?むしろ、俺の方が利用されているとすら思えるんだが」

「そうでしょうか?帰還の際は何隻もの海賊船を持って帰ってきておられますし、討伐の報酬も何割かは旦那様の懐へと入ってきています。利益の話で言えば、旦那様の方が彼らより多くの利益を得られているのではないかと」

 

確かに天城の言う通りだ。アイツらは定期の報告に関係なく、海賊船を牽引して何度も戻ってきている。船は全部タダで引き取り、海賊共の所有物も山分け。残骸も船と同じくタダで引き取れ、錬金箱で資源に変えられるから利益はかなり出ているんだが……

 

「何で俺よりアイツらが海賊にかち合うんだよ!?お前の報告じゃ、海賊共は俺の領地を避けてる筈だろ!?」

「……これは推測になりますが、クラーク船団は旦那様の領地の外を航行していると思われます。バンフィールド領以外では、宇宙海賊は活発に活動していますので」

「何でそんなに遠出できるんだよ!?ワープでも限度がある筈だろ!」

「そのワープも、古代の遺産が関係しているのではないかと。本来、長距離のワープには相応の装置とエネルギーが要ります。ゲートを利用した報告もありませんので、船体のみで長距離ワープが可能とする装置があると仮定すれば説明が付きます」

 

船体だけで長距離ワープだと!?それが事実なら、行動範囲を縛れないじゃないか!これでは俺の計画が失敗に終わるじゃないか!!こうなったら、今から契約内容を変更し――

 

『戻ったぞ、大将。今回は改造船十隻に、札束と宝石の山。後は黄金の食器だ』

「よし。今すぐ持ってこい。特に黄金の食器は大事に扱えよ」

 

ようかと思ったが、旨味がある内はそのままでいいな。放置していても、勝手に金を運んでくる金づるだからな。利用できる内はトコトン利用するのも、悪徳領主だからな!!

 

 


 

 

「伯爵様は上機嫌だったな」

「大将の大好きな黄金を使った食器だからな。上機嫌になって当たり前だろ」

 

数としては決して多くはなかったが、丁寧に作られていたからな。使ってよし、飾ってよしの食器は気分が良かったんだろうな。その内、黄金の像を建てるかもしれないな。

 

船や残骸の牽引は、普通は中古の戦艦一隻でできることじゃない。だが、ウチには《ダイモン》、《メビウス》、《ポータル》があるからな。ワイヤーに括って牽引状態にすれば、長距離ワープで割と簡単に運ぶことができる。全部、上限がないに等しいし。

 

「大将は近々、他の貴族の下で修行するみたいだし、しばらくは天城殿に報告だな」

 

期間としては数年だったか?さすがに修行先で顔出し報告したら色々と面倒になるからな。財宝などの献上や引き渡しを考えれば、領地にいる天城殿への報告だけで大丈夫だろ。大将の意向が第一になるけど。

それはそれとして……どこかに未確認の惑星はないか~。ないか~。ないか~……あ、あった。

 

「九時の方向に惑星発見。すぐに向かうぞ」

「気が早いですって船長。まずは確認してからでないと。帝国が管理、もしくは貴族が管理する領地だったら不法侵入ですので」

 

航海士に宥められ、オレは少し気落ちする。いや、言わんとしてることは分かるぞ?不法侵入になったら色々面倒だし、契約している大将の不利益になったら大変だし。

航海士が惑星の登録データと見つけた惑星を照合すること数分。結論は。

 

「該当する情報なし。未発見、もしくは未登録の惑星かと思われます」

「よーし野郎共!これからお宝探しだぁ!!」

 

フリーな惑星と判明したので、オレは嬉々として宝探しを宣言する。久しぶりの宝探しだから、本当に楽しみだ。

惑星の外観は……凸凹のない、黒い球体だな。普通は陸地がある筈なんだが。

疑問に思いながらも惑星内部に侵入すると、そこに陸地はなく、黒く濁った海だけが広がっていた。

 

「陸地が一切ありませんね。海も大分汚染されているのか、それとも元からなのか真っ黒ですし」

「つまり、この黒い海の底に海底神殿があると」

「……あればの話だがな」

 

副長が呆れたように溜め息を吐いているが、可能性はゼロではない。最初から否定したら、あるものも見つけられないからな。

 

「全クルーに通達。《ダイモン》の障壁を球状展開。光源の準備が出来次第、潜水を試みる」

 

潜水自体は《ダイモン》があれば余裕でクリアできる。海の底は真っ暗なので、光がなければ探索すらできないからな。光源は数時間……

 

『馬鹿船長。こんな真っ黒に濁った海では、通常の照明では無意味です』

『倉庫の光学兵器を改造すれば可能だが……改造には一日掛かるぞ』

 

……見通しが甘かったよ。チクショウ。

 

 


 

 

「本当に馬鹿船長はノリと勢いで生きていますよね」

「ハハ、確かにな」

 

機動騎士用のレーザー砲を大型照明に改造しながらの私の呟きに、整備士長さんは笑いながら頷きます。他の皆さんも同じ反応です。

これまでも未発見や未登録、もしくは壊滅した惑星を見つけてはすぐに降りて、準備不足で立ち往生……本当にウンザリします。

 

……そのおかげで私は助かったので、複雑ですが。

私とお姉様の故郷――ミスティリアが滅んだあの日。あの日もいつも通りだと思っていた。

お姉様が海賊を倒し、お父様とお母様が褒め、お兄様が労い、私が甘える……それが当たり前で、ずっと続くものだと信じていた。

 

だけど、現実はそうならなかった。これは後で知ったことですが、味方の裏切りによってミスティリアが人質にとられ、故郷を守るためにお姉様たちは解放を条件にゴアズ海賊団に投降した。だが、その条件は守られなかった。

海賊たちの船から攻撃を受け、王国の戦艦も次々と討たれる中、お父様は私とお兄様、お母様に脱出用のポッドで逃げるように言いました。

 

『……貴方は逃げないの?』

『……すまない。国の王として、民を置いて逃げるわけにはいかない。だから――』

『でしたら私も残ります。私は夫の妻なのですから』

 

お父様だけでなくお母様もその場に残ることを決め、お兄様は嫌がる私の手を強引に引いてその場を後にしました。

強引に連れていかれた私は、辿り着いた脱出用のポッドに押し込む形で乗せられ……そこで更なる別れと直面することになりました。

 

『……ロイネ。お前だけで脱出するんだ』

『ッ!?どうしてですか、お兄様!?』

『このポッドの脱出コースは宇宙だ。だが、今は外から攻撃を受けている。その状況では撃ち落とされる可能性が高い。だから、海の底へとコースを変えなければならない』

『それだけでしたら――』

『それに、助けがいつ来るか分からない。少しでも助かる可能性を上げるには――こうするしかない』

 

お兄様はそう告げて扉を閉めると、そのままポッドの設定を操作し、海の底へと飛ばしました。

その後のことはよく覚えていません。ずっと泣き続け、哀しみに暮れていましたから。次に意識がハッキリしたのはベッドの上でした。

 

『ここは……』

 

私が漠然とした状態で気怠げな身体を起こすと同時に、部屋に人が入って来ました。海賊の格好をした馬鹿船長が。

 

『か、海賊……?』

『お?オレを一目で海賊と見抜いたのか?』

 

馬鹿船長が海賊と認めた瞬間、私の中から湧き出たのは恐怖でした。私は恐怖のあまり、叫ぼうとしましたが――

 

『そう!オレこそが、広大な宇宙を巡り、まだ見ぬ惑星を求め、太古の財宝を探す宇宙海賊!!略奪と虐殺を繰り返す偽の海賊ではない、夢と浪漫を追い求め続ける本物の大海賊!!その《クラーク海賊団》の船長、キャプテン・クラークとはこのオレだ!!』

 

あまり意味が不明な自己紹介に、恐怖も何もかもが吹き飛びました。本当に意味が分からず、馬鹿船長を見つめていました。

 

『あの……宇宙海賊はそんな冒険者のような存在では――』

『否!宇宙海賊は冒険者と同一の存在だ!!この《レイジャー海賊団の大冒険》のように、心を踊らせる存在なのだ!!あの強盗共は、本物の宇宙海賊に泥を塗る害悪だ!!』

 

古く分厚い本を片手に熱く語る馬鹿船長を見て、私はこう思いました。この人は、とてつもなく馬鹿な人であると。

そんな私に一頻り熱く語った馬鹿船長は、気を取り直したように話しかけてきました。

 

『ま、何にせよ目が覚めて良かったよ。見つけた当初は大分衰弱してたし、見つけるのが遅れていたらそのまま死んでたそうだからな』

 

馬鹿船長のその言葉で、私は思い出しました。あの日の出来事を。

 

『……なん、で』

『ん?』

『何で私、だけ……生き残ったの、かな……?』

 

その時は哀しみで胸も頭もいっぱいでした。あのまま死んでいれば、向こうでお父様たちに会えたのにと。

みんなが生きているとも思えず、震える声で呟いた私に対し、馬鹿船長は慰めるように頭を撫でました。

 

『そりゃ生きていてほしいからだろ?お前を保護したあの星――ミスティリアは本当に酷い状態だったからな。その状態で衰弱だけで済んだのは奇跡だって、船医も言ってたよ』

『…………』

『今は辛いだろうし、気持ちの整理も付いてないだろうが……ゆっくり考えればいいさ。弱ってる奴を放り投げるほど、オレらは薄情じゃないからよ。酒も不味くもなるし』

『……最後だけが余計です』

『確かに。お前にまだ酒は早いか』

『そういう意味ではありません!この馬鹿船長さん!!』

 

……あれは本当にないですね。私を元気付けるためとはいえ。

 

「ロイネちゃん?手が止まっているけど、何か問題でもあったの?」

「すいません。馬鹿船長と初めて会った時のことを思い出してまい、つい」

 

私が整備士の一人に謝ると、何故かニヤニヤしています。どこにニヤつく要素があるんですか?

それが伝わったのか、ニヤついた表情のままその理由を口にしました。

 

「いや、口ではうんざりしているつもりだろうけど……顔が笑ってるから、惚気にしか見えないよ?」

 

…………ふぇ!?

 

「な、なんでそうなるんですか!?あの馬鹿船長に気があるなんて、絶対にありえないです!!」

「そうかそうか。今回もそういう事にしておきますよ」

「今回もって何ですか!」

 

だから本当に違いますって!整備士長さんもみんなも、何で微笑ましい表情をしているんですか!ハリセンでひっぱたきますよ!?

 

 


 

 

「うーん……今回の一人あたりの賞与はこれぐらいが妥当か?」

「今の稼ぎでしたら確かに妥当でしょうが……普通は出さないもんですよ」

「誰だって個人的な買い物はしたいだろ?副長だって、高級酒を買って一人で飲んでるだろ」

 

オレがそう言うと、副長は降参と言いたげに両手を上げる。賞与がなくなって、好きな酒が買えなくなるのは避けたいようだ。

 

「そうですよ副長。賞与がなくなるとか、マジで勘弁して下さいよ」

「全くです。あ、船に通信が来てますね。相手は……いつもの人ですね」

 

通信士の報告にオレは気が重くなりながらも、その通信に応じる。応じるまで何度もかけ直すと知っているからだ。

 

『まだ生きていたわね、エセ海賊共。何時になったらロイネ以外は死んでくれるのかしら?』

 

……相変わらずの敵意丸出しのクリスティアナの発言に、オレは疲れたように溜め息を吐く。

 

「……一人じゃ船は動かせないだろ」

『そんな心配は無用よ。こちらから迎えに行けばいいだけだからね』

 

いや、心配しかないだろ。今のお前、船を自由に使える立場じゃないだろ。動かすには大将の許可がいるだろ。

 

「お前も毎日本当に飽きないな。後、エセ海賊はあっちだろ。オレらは本物の宇宙海賊だ」

『普通は逆よ、逆。後、お前らがリアム様にとって有益だから見逃しているだけよ。そうでなかったら、とっくに全員殺してるわ』

「あの偽物共と一緒にすんな。あれが宇宙海賊なんて、絶対にない」

 

このやり取りはもうお約束になっている。物理的な被害はオレだけだし、一応の分別はとってくれている。だから、この程度の罵倒はマシな方だ。感覚が麻痺しているとも言えなくもないが。

 

『そもそも、ロイネを整備士として働かせている時点で大罪よ。あの子の綺麗な手が、機械の油まみれで汚れ放題なんだから』

「それは本人の希望だって前にも言ったろ。働かざぬ者、食うべからずって言葉もあるしな」

 

あれこそ本人の努力の証で、嘆くことじゃない。クリスティアナ本人もそれは分かってるだろうから、ただの嫌味で言っている程度だ。

 

『そんなの関係ないわよ。ロイネの幸せを考えたら、リアム様に仕えるのが一番なのよ』

「それも度が過ぎたらアウトだろ。せめてアイツの意思くらいは尊重してやれ」

『ヌググ……確かにその通りなんだけど、私にだって認められない一線はあるのよ!ロイネもちょっと冷たい態度を取ってくるし!!』

 

これだけ聞けば、妹の将来を心配する姉なんだよな。大将のことが絡まなければ、だが。

 

「何だかんだで、ロイネもお前と話せて嬉しいと思うぞ。表情の陰りが大分消えてるしな」

『表情の陰り?まさか、ロイネに……』

「違うって。少し前の自分たちのことを考えれば当然だろ」

 

誤解しそうだったクリスティアナに、オレは呆れ混じりで言葉を返す。

どんな見た目になっていたかは知らないが、相当悲惨な目にあっていた筈だ。偽海賊を心底嫌悪しているのがいい証拠だ。

 

『…………』

「だから大将には感謝しているんだよ。アイツが重い荷物を背負わずに済んだことにな」

『……そうね。リアム様には、本当に感謝しきれないわ。本当に不本意だけど、お前にもね』

 

不本意ってなんだ、不本意って。いや、感謝されたくてやったことじゃないから、別にいいんだが。

 

『不本意かつ、本当に嫌だけど、お前にも礼を言っておくわ――ロイネを、私の大切な妹を、助けてくれて感謝します』

「……どういたしまして」

 

凄く嫌そうな顔でお礼を告げるクリスティアナに、オレは差し当たりのない言葉で返す。下手に指摘したら面倒だし。

 

『もちろん、リアム様を裏切れば即血祭りよ』

 

それだけ言って一方的に通信が切られる。いや、裏切る気はないって。

 

 

 

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