オラリオを照らしたい蒼い星   作:インビジブルです男

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こんばんはー!
取り敢えず今回は黒い化け物の登場とその黒幕を明かすまでを書こうと思ってます。
あと、今回は10000文字を超えてしまったため、かなり長くなっております。それでもよろしければ、よろしくお願いします!


第14話:第六天魔王 波旬

第六天魔王 波旬

 

その夜。

 

俺たちはロキ・ファミリア一行と飯を食っていた。

ニルヴァーナも俺の横で飯を食っている。

 

タハト「ニルヴァーナ、まさか助けたのがベル達だったとは。ご苦労だった。」

 

ニルヴァーナ「フルルル!」

 

ニルヴァーナは嬉しそうに鼻を鳴らし、俺に頬擦りをする。

可愛いヤツめ(?????)

 

ベル「義兄さん、ありがとう。ニルヴァーナがいなかったら今頃...」

 

タハト「いや、偶然だ。万が一冒険者がピンチだったら助けて欲しかったんだ。救える者は救う、それが俺の正義なのよ。」

 

ヴェルフ「それに加え、お前は俺の治療までしてくれた。本当にありがとう。」

 

タハト「礼なんて要らんよ。ベルの仲間なら尚更助けなきゃだ。」

 

俺はヴェルフにそう言い、飯を口に運ぶ。

 

タハト「そうだ、ニルヴァーナ。君にこれをやろうと思う。」

 

俺は無限の懐(インベントリ)から、蒼いカプセルを取り出す。

 

タハト「これを飲めば、君も喋れるようになるよ。きっと。」

 

巨星創器(ウェポンクリエート)は基本なんでも作れる。

武器から日用品に至るまで何でも。

イメージさえ出来れば、回復薬、精神回復役、万能薬(エリクサー)、魔石やモンスターのドロップアイテム以外なら複雑なものでも作成できる優れものだ。

だから、俺は飲めば言語能力を手に入れられる薬を作った。

ニルヴァーナとコミュニケーションができるようにね。

 

俺が手に出したカプセルをニルヴァーナは飲み込むと、特にニルヴァーナは苦しむ様子もなく、いつもの様子でその場に佇んだ。

 

タハト「声、出せるか?」

 

ニルヴァーナ「あー、あー、これが声...ですか。」

 

ニルヴァーナは軽くマイクテスト的な感じで無機質な女性の声(CV:ファイ○ーズあい)の声を出し、俺の方を見る。

 

ニルヴァーナ「マスター、私に言語能力を付与させていただき、感謝致します。」

 

タハト「いいさ。これで普段よりコミュニケーションを取りやすくなった。これからもよろしく。」

 

ニルヴァーナ「はい。」

 

俺たちがこんな感じで話していると、遠くからでっかい声が聞こえた。

 

ヘスティア「このっ!」

 

ベル「あっ?」

 

タハト「ん?」

 

ヘスティア「ぐああっ!」

 

一同「「「んん?」」」

 

ヘスティア「うっ ううっ、うあああっ...」

 

タハト「なんでダンジョンから神様の声がするんだ...一応禁止事項だった気が...」

 

ベル「行ってみよう!」

 

タハト「ああ。」

 

リヴェリア「私も行く。」

 

レフィーヤ「私も行きます!」

 

俺たちは、18階層の入口に向かった。

 

ヘスティア「うわっ、うわあーっ!どひゃっ!あふん....ぐあ...」

 

入口に到着すると、そこには地面に倒れたヘスティア様がいた。

 

ヘスティア「あんなでかいのがいるなんて聞いてないぞ...」

 

ベル「神様!?」

 

ヘスティア「ベル君!」

 

ヘスティア様はベルの名前を言うと、飛びつく。

なんか...2週間くらい家を留守にして帰ってきた時の大型犬みたいな...

 

ヘスティア「本物かい!?」

 

ベル「神ひゃま...」

 

ヘスティア様はベルの頬を引っ張ってそういう。

まあそうだろうな...こんな時間まで帰ってこなかったら、そりゃ心配するわ。

 

ヘスティア「うっ...うう...よかった...」

 

ベル「神様...あっ」

 

ベルがヘスティア様の顔を見ると、ヘスティア様は泣いていた。

 

ベル「心配かけて...ごめんなさい。」

 

ヘスティア「ふふっ...あっ!?」

 

リリルカ「いい加減にしてください、ヘスティア様〜!!!」

 

リリルカはそういうと、ヘスティア様をベルから引き剥がす。

 

ヘスティア「こら!感動の再会に水を差すんじゃない!」

 

リリルカ「ベル様はリリたちを魔物の軍勢から守ってくださったのです!きっと疲れてますから、休ませてあげないとダメなんです!」

 

ヘスティア「うおっ!?ヴァレン何某!?なぜ君までここに!?」

 

リリルカ「ちょっと!リリの話聞いてるんですか〜!?」

 

アリーゼ「タハト!」

 

タハト「アリーゼさん!」

 

アリーゼ「義弟くんは無事だったのね!良かったわ!」

 

タハト「そうっすね...ニルヴァーナがいなかったら仲間は死んでましたね...」

 

輝夜「そうか...」

 

ライラ「ニルヴァーナすげぇな、やっぱ...」

 

ヘルメス「君達がベル・クラネルとタハト・アクスリアンかい?」

 

そう問いかけてきたのは、金髪、金色の目を持つ神、ヘルメス様だった。

 

ベル「あっ、はい!」

 

タハト「そ。」

 

ヘルメス「そうか...君達が...ああ、会いたかったよ!俺の名はヘルメス、どうかお見知り置きを。」

 

ベル「あっ...ありがとうございます!」

 

ヘルメス「なあに、神友のヘスティアの為さ。それに、感謝なら俺以外の子達にしてやってくれ。」

 

ヘルメス様は振り返ると、手を後ろにいた和装の3人に手を向ける。

 

ヘルメス「彼らのお陰でここまで来れたんだ。」

 

ヴェルフ「ぐっ....」

 

リリルカ「んっ...」

 

何かされたんかな...?

俺らは1度、テントに戻った。

 

ーロキ・ファミリアのテントー

 

命「申し訳ありませんでした!」

 

ベル達に土下座をかましていたのは和装の少女、ヤマト・命。

ヴェルフ曰く、彼女らに怪物進呈(パス・パレード)をされて、ヘルハウンドに追っかけられてたらしい。ニルヴァーナがいなかったら...ヒェッ(?)

 

ベル「そんな、やめてください!」

 

リリルカ「いくら謝られても、簡単には許せません。リリたちは、死にかけたのですから。」

 

ヴェルフ「ああ、そう簡単に割り切れるものじゃない。」

 

千草「本当に、ごめんなさい。」

 

命「リリ殿達のお怒りはごもっともです!幾らでも...糾弾してくだs」

 

桜花「責めるなら俺を責めろ。あれは俺が出した指示だ。俺は今でも、あの指示が間違っていたとは思っていない。」

 

ヴェルフ「それをよく俺たちの前で口にできるな、大男。」

 

桜花「ん...」

 

全員の間に少しの沈黙が流れる。

 

ベル「僕も、リリやヴェルフの...仲間の命が懸かっていたとしたら、同じことをした....かもしれません。」

 

リリルカ「ベル様がそう仰るなら...」

 

ヴェルフ「割り切ってはやる。だが納得はしないからな!」

 

桜花「ああ、それで十分だ。」

 

ヘルメス「それじゃ、今後の予定について話し合おう。アスフィ!」

 

アスフィ「まず、地上への帰還ですが、我々はロキ・ファミリアがゴライアスを討伐した後に出発します。そして、彼らが移動を再開するのは、早くても2日後だそうです。」

 

ヘルメス「つまり、1日は暇がある。せっかくだし、明日はゆっくりしようじゃないか。」

 

一同「「「うん。」」」

 

俺はテントをでて、ニルヴァーナと出会ったあの場所に向かった。

目的?まあ、アレが現れてしまった時の対処を考えたりとかかな。

 

ーーーーーー

 

俺は、その場所で座り込み、頭の中であの黒髪の化け物を倒すためのイメージトレーニングをしていた。

魔法を放ったり、銃を撃ちまくったり、拳を放ち続けたり、大剣を振るったり...どんな方法で戦っても、あの化け物に勝てるイメージは湧いてこなかった。

まず奴の右腕が斧に変化し、俺と打ち合う。俺が巨星創器(ウェポンクリエート)で大盾を召喚しても、腕がドリルのような刃を展開し、盾を貫き俺の脳天をぶち抜く。良くても目が無くなったりするだろう。

それを避けたとしても、奴は左腕を潰して、剣に変形させて、右腕でそれを持つ。その剣から放たれる一撃は、例え受け止めたとしても、腕と脚が悲鳴をあげる。そして極めつけにはそいつが胸から放つ、黒い炎。

奴の肉体から放たれる馬鹿げた威力の攻撃に火属性を追加し、周りを破壊する。そして単純にそれを身体から放出して出す攻撃は、爆発を引き起こして全てを破壊する。夢の中で見た攻撃だけでこれくらいなのに、もしあれが現実に現れたとしたら最悪だ。仮にあれが予知夢的なのだとしたら、きっと攻撃手段は他にもあるだろう。

......こんなの、どうやって倒せってんだ...

 

タハト「参ったな...どう足掻いたって死ぬビジョンしか見えないぜ....」

 

俺はダンジョンの天井を見上げる。

クリスタルが輝き、花が咲いてるこの階層が、奴によって焼け野原になる。それに、俺の身内やそれ以外の人間も全員殺られる。

....嫌だなぁ...死なせたくないや...

俺の前世からの悪い癖だ。考えたりした物事が、何でも起きると思い込んでしまう。

 

タハト「ハハッ...ダメだな....こんなの考えても...」

 

リヴェリア「どうした?」

 

レフィーヤ「綺麗ですね...ここ」

 

タハト「ああ...リヴェリアとレフィーヤか...いや、ちょっと考え事をね...」

 

俺はリヴェリアとレフィーヤ後ろから話しかけられ、振り向いた。

 

タハト「2人はなんでここに?」

 

リヴェリア「お前が歩いているのが見えたからな。」

 

レフィーヤ「心配で見に来たんです。」

 

タハト「そっか...ありがとう...」

 

リヴェリア「大丈夫か?」

 

タハト「.....ああ」

 

この2人の前で弱音だけは吐きたくないな...

 

レフィーヤ「タハトさん...泣いてるんですか?」

 

タハト「えっ?」

 

何でだろうな。さっきまで辛かったのが、一気に楽になった気がする。

 

レフィーヤ「無理...しないでくださいね...」

 

リヴェリア「悩みなら幾らでも聞いてやる。一人で抱え込むな。」

 

タハト「ごめん...ありがとう...」

 

柄にもなく俺は少しの間泣いた。

2人はその間も俺に寄り添ってくれた。優しいなぁ...

 

リヴェリア「そうだ、レフィーヤ、タハト。明日はリヴィラの街に行こう。気分転換にもなるはずだ。」

 

タハト「わかった。行こう。」

 

レフィーヤ「はい!」

 

こうして夜は更けていった。

人前で...好きな人の前で泣いてしまった...死にたい。

 

ーーーーーーーーーー

 

翌日。

俺は集合場所に到着し、リヴェリア達と話をしていると、後ろから2人の声が聞こえた。

 

ヘスティア「はぁ...はぁ...ベル君...例の街はまだなのかい?」

 

ベル「もうちょっと見たいですよ、神様。頑張りましょう!」

 

ヘスティア「はぁ...ああ、それにしても、ベルくんと二人でデートのはずが、どうしてこんな大所帯に...はぁ...」

 

リリルカ「あっ、ベル様!見てください!」

 

ベル「えっ?うん。」

 

ベルはヘスティア様を背負うと、アイズの隣に立つ。

 

ベル「うわぁ...!」

 

その景色は素晴らしいものだった。

地上から生えたクリスタルと、森が入り乱れる景色。

この世のものとは思えない、最高の景色であった。

 

アイズ「私たちと同じように、モンスターもこの階層に入ってくる。」

 

アスフィ「18階層は我々のというより、モンスターの楽地と言った方が適切ですね。」

 

タハト「綺麗だな.....」

 

レフィーヤ「ですね...」

 

リヴェリア「ああ。」

 

ベル「神様、世界って美しいですね...」

 

ヘスティア「そうだね...ベルくん!」

 

俺らは景色を堪能した後、街へ向かった。

 

ーリヴィラの街ー

 

ベル「久しぶりに来たなぁ...」

 

タハト「そうだな。何週間ぶりだ?」

 

ベル「正直覚えてないかも...」

 

ヴェルフ「初めてじゃないのか?」

 

ベル「うん。オラリオに来てちょっとした時に、義兄さんと一緒に来たんだ。」

 

リリルカ「へぇ...」

 

俺たちは入口で少し話をしてから、街に入っていった。

 

 

ヴェルフ「たっ...高ぇ!この砥石が1万3000ヴァリス!」

 

リリルカ「このボロいバッグが2万なんて、法外もいい所です!」

 

店主「嫌ならこっちは別にねぇ...」

 

ティオネ「ここ、宿も馬鹿みたいに高いの。」

 

ティオナ「だから私たち、森でキャンプしてるって訳。」

 

ベル「何となく予想ついてたけど...宿も高いなんて...」

 

タハト「そういえば宿行ってなかったな。死ぬほど高いぞ。」

 

ベル「なるほど...ってあれ?神様は?」

 

アイズ「あそこにいる。」

 

そう言ってアイズは指を指す。

その方向にはアマゾネスが商売している香水店があった。

 

ベル「ほんとだ...いつの間に...」

 

ベルがヘスティア様に近づこうとすると、冒険者がぶつかってきた。

 

モルド「うおっ...」

 

ベル「あっ...すいません。」

 

モルド「ああん?...って新星(ニュースター)!」

 

スコット「じゃ...邪魔したわね...」

 

ガイル「それに...執行者(ヴェネーター)や剣姫もいるぞ...」

 

モルド「行くぞ!」

 

そういうと、冒険者3人はどっか行った。

なんか...モブ感が...

 

ティオネ「何あいつら?」

 

ティオナ「かっこ悪〜い」

 

タハト「Lv.2になったベルと戦ったら、第1級冒険者でも1v1(タイマン)なら止められねえもんなぁ。逃げて正解だよ。」

 

リヴェリア「そんな強いのか?」

 

ベル「Lv.3か4くらいにして、俺が本気で指導したら猛者と戦っても勝てるんじゃないかな...って感じはする。」

 

レフィーヤ「ヒェッ...」

 

それを聞いたレフィーヤは顔が青くなった。

そりゃそうだもんな....

恩恵(ファルナ)を刻んで1ヶ月とちょっとしか経ってない少年が、都市最強にもう少しで勝てるくらいのポテンシャルを持っているとか、考えたくもない。

 

そして少し歩いていると、クリスタルが生えている所を見つけた。

 

ベル「あっ...」

 

ヘスティア「ベル君、ベル君!」

 

ヘスティア様がベルを呼ぶと、その手に持っていた物をベルに見せつけた。そう、先程のアマゾネスが経営していた香水店の香水だ。

 

ヘスティア「ジャーン!どうだい、これ?」

 

ヘスティア様は香水を吹き付けてそう言う。

 

ベル「あ、いい匂いですね。」

 

ヘスティア「だろだろ?ベル君なら、そう言ってくれると思っていたよ!」

 

リリルカ「こんなぼったくりタウンでそんな買い物...経済観念が無さすぎですよ。」

 

ヘスティア「むっ!サポーター君だって、そのバックパックを買ったじゃないか!」

 

リリルカ「くっ!これは以上に戻るのに必要なので、仕方なくですから!」

 

ヘスティア「ボクだって必要だよ!乙女の嗜みだ!」

 

2人「ぐぬぬー!」

 

ヘスティア「ベル君!ベル君だって、汗臭い子なんていやだろ?」

 

ベル「えっ?考えたこともないですけど...」

 

リヴェリア「タハト、私は平気だろうか...」

 

タハト「リヴェリアもレフィーヤも、平気だよ。全く臭わない。」

 

面白い神様だなぁ...ほんと。

 

ティオネ「ヘスティア様〜!私達この後、水浴びに行こうかって話してたんですけど...」

 

ティオナ「一緒に行きます?」

 

ヘスティア「ホントかい!?行く!行くよ!」

 

リリルカ「リ...リリも行きます!」

 

命「!私達も、是非!」

 

タハト「リヴェリアとレフィーヤは?」

 

リヴェリア「私も行こう。」

 

レフィーヤ「じゃあ、私も...」

 

タハト「りょりょりょ〜!俺も水浴びしたかったし、皆とは違う場所でも探して来ようかね。」

 

リヴェリア「ああ、わかった。」

 

俺がキャンプに戻ろうとすると、ヘルメス様とベルの姿がなかった。

どこいったんだマジで。

 

ーーーーーーーーーー

 

暫くして。

 

タハト「ったく...どこら辺にあるんだ?」

 

俺は一人で水浴びをしようと、いい感じの大きさの水辺を探していた。

一応誰かに見られたりしてもいい平気なように、水着に着替えている。

 

タハト「おっ!あったあった!」

 

いい感じの綺麗な水辺が丁度見つかったので、俺はそこに入り、座った。

冷たさが心地良い。

 

タハト「はぁぁぁ...癒されるなぁ...」

 

いいね...プールとかそういうの、こっちに来てから入れてなかったからなぁ...

 

タハト「いいねぇ...頭から煩悩が抜けてく感じ...」

 

ガサッ

 

タハト「!?誰だ!」

 

俺は音のした方を振り向いて、アルコーンとアイオーンを巨大化させて警戒する。

 

リヴェリア「タハト...?何故ここに...?」

 

タハト「なんだリヴェリアか...ってはぁぁっ!?///」

 

俺が驚いた理由...

そう、リヴェリアが裸の姿で立っていたのだ。

俺はすぐさま目を逸らす。

 

タハト「お...おい....リヴェリア...」

 

リヴェリア「はっ!?///」

 

リヴェリアは急いで体を手で隠す。

 

タハト「じゃっ...じゃあ俺...出てくから...」

 

 

リヴェリア「待...待ってくれ!タハトさえ良ければその...一緒に入らないか?///」

 

思わぬ提案をされた。

ヤバい...心臓破裂しそう...

 

タハト「わ...分かった...///」

 

リヴェリア「ありがとう...///」

 

俺たちは背を合わせて座った。

会話はなかった。

気まずい空気が周囲を包む。

 

リヴェリア「その....タハト...」

 

タハト「んん?///」

 

リヴェリア「お前さえ良ければ...私に甘えてくれてもいいんだぞ?///」

 

どういうことですか!?

 

タハト「え?あ?ああ...分かった...」

 

なんで了承してんだよ俺はぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!

なんで好きな人が2人いるのかも、その片方に甘えてもいいってどういうことだよおおおおおおおお!

 

この会話が終わったあと、俺たちに会話はなかった。

だけど、どちらも顔が真っ赤だった。

 

俺たちは二人でキャンプに戻った。

あ、勿論着替えてだ。

リヴェリアがレフィーヤに俺と水辺で会ったことを話したらしく、レフィーヤはめちゃくちゃ悔しそうにしていた。

 

ーーーーーーーーー

 

翌日。

 

珍しく、遅く起きてしまった。

昨日のリヴェリアとの一件が頭から離れなくて寝れなかったからね...

目覚めた理由は、遠くから騒いでる音が聞こえたからだ。

あ、そうそう。ロキ・ファミリアは、解毒薬を届ける人員がトラブルにあったらしく、もう少ししてからこの階層を出るらしい。

 

タハト「何だ?ニルヴァーナ、高速移動形態だ。様子を見に行こう。」

 

ニルヴァーナ「承知しました。」

 

俺がニルヴァーナにそういうと、ニルヴァーナはバイクに変形し、その騒ぎの起こった場所であろう、中央樹の東へ向かった。

 

 

 

暫くして、到着した時には全てが終わった後だった。

ヘスティア様が神威を解放し、周りの奴らは武器を放り投げて去って行った。

 

モルド「まっ、待てお前ら!うっ、うわぁっ!?」

 

ベルはお人好しだから、あのスキルは発動させずに冒険者と戦っていたらしく、その頬には傷があった。

 

タハト「ベル!」

 

ベル「義兄さん!?」

 

タハト「大丈夫か?治療するから動くな!」

 

俺はベルを炎で包み、癒焔(クラーレ)で傷を全て治療した。

 

ベル「ありがとう、義兄さん...」

 

ヘスティア「ベル君!」

 

ヘスティア様はベルに飛びつく。

その豊満な胸をベルの顔面に押し当てられ、ベルは悶絶していた。苦しそう。

 

ヘスティア「ベル君、ホントに無事でよかった...良かったよ〜!」

 

ベル「ううっ!」

 

ヘスティア様はベルに抱きついて泣いた。

そりゃそうだよな...唯一の眷属だもんな...

 

タハト「俺がもっと早くに起きてりゃ、あいつも傷をおわずに済んだんだろうな...」

 

俺がそう思っていると、突如大きな地震が起きる。

 

タハト「なっ!?地震!?」

 

ベル「何...これ!?」

 

嫌な予感だ...

まさか!?本当にアレが起きるってのか!?

 

ボォォォオォォァン!

 

俺の目の前に何かが落ちてきた。

それと同時に地震も治まり、砂埃も晴れる。

そこに居たのは、一昨日夢で見た、最悪の存在。

黒い角が横に伸び、黒い髪が後ろに流れ、腰の辺りまで伸びている。

その腕と脚には、黒い龍で作ったかのような鎧のようなものがあり、身長は2.5Mはある。それに...凄い筋肉質で、右胸には真っ黒な穴が空いている。

 

リヴェリア「タハト!何があった?」

 

レフィーヤ「大丈夫ですか?!」

 

アイズ「大丈夫!?...ってあれは!?」

 

アイズは本能で何かを感じ取り、その大男...いや、化け物を睨む。

 

ベート「なんだよ...!?あれ!?」

 

ガレス「なんとも禍々しい...」

 

その大男の腕は異形だった。

肩からは変な突起のようなものが生え、前腕からは、赤い骨のようなものが三本ずつ飛び出ていた。

 

皆が本能でヤバいと感じ取っていると、アイズが飛び出した。

 

アイズ「よくも...よくも父さんと母さんを!」

 

黒い化け物「ふん。」

 

ブォンっ!

 

アイズ「なっ!?」

 

その大男が、腕をアイズに向けて振るうと、アイズは吹き飛んだ。

 

そして、もう一度アイズはその黒いのに突撃しようとするが、ヒリュテ姉妹によって阻まれる。

 

アイズ「ティオネ!?ティオナ!?離して!アイツは私が!」

 

ティオネ「ダメよアイズ!アレは...私達が勝てる相手じゃない...」

 

そう。

夢で見た通り、こいつはロキ・ファミリアでは勝てない。

俺でもだ。

 

タハト「お前...その腕...脚...黒龍は?」

 

黒い化け物「居らぬ。この世の何処にも...居らぬ。」

 

その大男は、低い声で俺にそういう。

 

波旬「我が名は...波旬。」

 

タハト「そうか...で、何がしたいの?」

 

波旬「我も分からぬ...だが、この力...今より使ってみたいと思う。」

 

その男、波旬は、拳を強く握り締め、こちらを見る。

 

ヘスティア「...波旬...?はっ!?」

 

ベル「何か知ってるんですか!?」

 

ヘスティア「ハデスから聞いた事がある...古より冥界、ヘルヘイムに伝わる伝説の狂戦士...」

 

ベル「め...冥界!?」

 

ヘスティア「ああ、ヘルヘイムには、こんな伝説があるらしいんだ。『黒き星と同じく、黒き陰混ざりし時...冥府の角目覚め、永久の闇生まれん。号して...【第六天魔王 波旬】』...!」

 

その話を俺が聞いてる間も、波旬は体の調子を整えるかのごとく、手首を回したりしている。

 

波旬「すまない...不慣れなものでな。」

 

波旬はそう言って拳を握ったり開いたりすると、勢いよく下に向けて振るう。

 

シャキーン!

 

すると、奴の右腕の赤い骨は黒い刃に変形し、波旬はその刃を見つめる。

 

波旬「...一瞬で終わらせてしまうやもしれぬ。」

 

そういうと、奴は頭の上に黒いエネルギーのリングと、黒い菱形の結晶6枚を回転させる。

 

リヴェリア「あれは!?」

 

アイズ「リヴェリアやベルと同じ...!」

 

タハト「なっ!?」

 

すると、波旬は飛びかかり、俺にその刃をぶつける。

 

カキーンッ!

 

俺はその刃を腕の鎧で防ぐ。

すると、地面が一気に変形し、俺は力で押し負ける。

 

波旬「受けるか...驚いたぞ。」

 

タハト「そんな無表情で言われても...説得力ない、ね!

 

俺は腕を振ってそれを弾くと、そいつは神速の斬撃を俺に放ってくる。

 

ジャキジャキジャキジャキジャキジャキ!

 

リヴェリア「タハト!」

 

ベート「なんだあの速さ...全く見えない...」

 

俺でも、防ぎ切るのがやっとだ。反撃なんてできる気がしねぇよ...

 

ベル「義兄さん...防戦一方だ...!」

 

俺の身体には傷が増えていく。

腕や脚はまだいいが、ロングコートに護られていない胸、顔、腹。

そこに傷が増えていく。

 

タハト「クッソ...こいつ...速いな...!それに、全ての攻撃が掠りで済んでるが..普通に当たれば即死級の一撃...」

 

俺は一瞬の隙を見つけ、波旬の腹に蹴りを入れる。

 

ボカァッ!

 

波旬は何事も無かったかのように、その腹をポンポンと叩く。

 

波旬「素晴らしい...では、我も本気で闘らせてもらおう。」

 

波旬はそう言うと、腕の刃をドリル状に変形させ、高速で回転させる。

 

波旬「天誅.....」

 

波旬がそう言うと、凄まじい速度の踏み込みを見せる。

 

波旬「魔廻天衝!」

 

タハト「!?巨星創器(ウェポンクリエート)!」

 

俺は咄嗟の判断で大盾を作り出し、それを防ごうとする。

 

リヴェリア「タハト!」

 

レフィーヤ「タハトさん!」

 

ギュイイイイイイイイイン!

 

大盾が嫌な音を上げ、だんだんとヒビが入る。

俺は咄嗟の判断で首を横に動かす。

すると、先程まで顔のあった場所は奴の攻撃の先端により貫通され、当たってれば確定で死んでいた。

 

タハト「あっっっっ...ぶな...」

 

波旬「ほう...これを避けるか...」

 

波旬はそう言うと、死ぬほど醜い笑みを見せる。

 

こんなことは今まで無かった...まさか、巨星創器(ウェポンクリエート)で作った武器...しかも防御に特価させた物が壊れるなんて...夢で起きたことが本当に起きるか...

 

波旬「素晴らしい...頭を貫くつもりだったが...既のところで躱したか...だが...」

 

波旬はそう言うと、右腕の前腕を全て、黒い斧の形に変えた。先端には槍のような部分があり、夢の中ではそれが俺の脇腹を貫いていた。

 

波旬「どこまで行けるかなぁ?」ニタァ...

 

波旬は醜い笑みを見せながらそう言う。

 

波旬「天誅ぅ!」

 

波旬はそう言うと、右腕を振り上げ、それを勢いよく振り下ろす。

 

タハト「なっ!?」

 

俺はそれを見て、無限の懐(インベントリ)から蒼の処刑人を取り出し、斬り合いを初める。

 

キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンっ!

 

奴が刃を入れた場所に俺の大剣がそれを防ぎ、俺がやつに攻撃しようとすると、奴の刃がそれを防ぐ。それを繰り返し、遂に俺はそいつの隙を見つけた。

 

タハト「!?フンっ!」

 

俺が大剣を勢いよく振るうも、それは奴が体を大きく後ろに逸らすことで避けられる。

 

タハト「いいか?お前ら!俺ができるだけお前らに情報を渡す!」

 

俺と奴は斬り合いを再開すると、俺はベル達に言う。

 

タハト「まずこいつは黒龍を土とし、花を咲かせたバケモンだ!ベルとアイズ、それにリヴェリアとレフィーヤが中心に戦わなきゃ勝てっこない!」

 

アイズ「やっぱり...!」

 

リヴェリア「ああ!」

 

タハト「そしてこいつは、俺やベルと同じ様に星の力を持っている!要するに...こいつは俺やお前らじゃないと倒せない!」

 

俺はそう言うと、連続した斬撃ではなく、フルで力を込めた一撃を放つ。

 

ブォォン!

 

すると、波旬はそれすらも身体を後ろに倒して避ける。

首元にかすり傷は与えたが、それでもまだまだだ。

 

タハト「クッソ...やたら強いのがムカつくぜ...」

 

波旬は体を起こすと、醜い笑みを浮かべた。

 

波旬「ハッ♪」

 

すパァん!

 

奴が突きを放つと、俺の右腕の鎧の内、肩の部分が割れ、ヒビが入る。

そして、その攻撃は肩を掠め、傷をつけた。

 

波旬「は〜っ♪天誅♪」ニタァ...

 

波旬は笑うと、その先端を俺に向け、気持ち悪く笑う。

 

タハト「はぁ...やるじゃん、お前。」

 

俺も大剣をそいつに構え、体制を立て直す。

そして、次の瞬間には再度打ち合いを始めた。

 

キンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキンキン!

 

ティオネ「互角!?」

 

リヴェリア「いや...認めたくないが、波旬が優勢だ...タハトが徐々に削られていってる...」

 

波旬「てん...てんてんてんてんてんてんてんてんてんてん...てーんてんてんてんてんてんてんてんてんてんてん!てんてんてんてんてんてんてんてんてんてんてんてんてん!てーんてんてんてんてんてんてんてん!てーーんてんてんてんてんてんてんてんてんてん!

 

ベル「加勢しようにも...あの打ち合いに入れるタイミングがない...!」

 

アイズ「うっ...父さん...母さん...」

 

俺がこいつを殺らなきゃ...地上に出たりしたら..誰もが死んでいく...

 

波旬「てんてんてんてんてんてんてん...てんんん!!!

 

波旬が右腕を大きく振り上げた。

 

ブォォォアオン!

 

ざくぅっ!

 

その腕は俺の脇腹を軽く裂いた。

あと少しでも反応が遅れていれば、俺の上半身と下半身は一生のサヨナラを決め込んでいただろう...

 

タハト「ぐっ...!」

 

波旬「天誅ぅ...!

 

奴は刃に付着した俺の血を舐め取り、舌を出しながらそういった

 

ヘルメス「ハデスから聞いた話だ...奴はかつて、ヘルヘイムを半壊させた...正真正銘の怪物さ...それで人間が勝とうなんて無理な話さ...」

 

ヘスティア「えっ!?じゃ、じゃあ、タハト君じゃ勝てないってことかい!?」

 

ヘルメス「そう。いや、何なら半壊で済んだ...の方が正しいんじゃないかな...奴はヘルヘイムで破壊の限りを尽くした後に突然消滅...幾星霜経っても、二度と復活することはなかったらしい...なのに何で現代で...下界で復活なんて...!?」

 

ヘスティア「...多分、その話を聞いた感じだと、神の誰かが消滅した波旬の残穢を手に入れて、それを培養して種子を作って...黒龍という土に植えた...んじゃないかな...」

 

ヘルメス「それが1番近いだろうね...そんな面倒臭いことできる神、一人しかいない。」

 

ヘスティア「...ベルゼブブかい?」

 

ヘルメス「そうだろうな...そんな力を持ち、こんな手間のかかる無駄な遊びをしようとする神なんて、彼以外思いつかない...」

 

ヘスティア様とヘルメス様が話している間にも、俺と波旬の打ち合いは終わっていなかった。

 

ー下界のとある一室ー

 

そこには、仲間を自身の手で殺し、神から悪魔へと成り下がった男が光に照らされ座っていた。

 

ベルゼブブ「...誰でもよかったんだ。」

 

その赤い瞳には光は無く、目線の先には薔薇の束が置いてあった。

 

ベルゼブブ「たまたまおあつらえ向きなのが、目の前にあったから。」

 

そう言うと彼は、薔薇の束から1本、バラを引き抜いた。

 

ベルゼブブ「あの美しい土に.....どんな花が咲くのか。」

 

彼がそう言うと、薔薇は朽ち、散っていった。

 

ベルゼブブ「.....ただ見てみたかった。そう.....誰でも...よかったんだ。」

 

そう言うと、彼はこの世のどこにも居ない彼の仲間、ルシファーの姿を思い浮かべ、空を見上げた。




いかがでしたか?
アストレアの投票、ありがとうございました!
波旬討伐後にフラグを作りたいと思ってます!
ベルとアイズも今回の波旬戦でフラグ立てようと思ってます。
ついでに1期中にリヴェリア、レフィーヤをタハトとくっつけようと思ってますんで。そこのところよろしくお願いします!
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