聖龍伝説 ジャッジ・ザ・デーモン ネオ・ダーク・レジェンド   作:セイントドラゴン・レジェンド

13 / 18
 今回からやっと、さらに多くの版権作品とクロスオーバーします!
 異世界の悪政から人々を解放するべく、聖龍隊が解放軍を指揮して戦います!
 最後にはジャッジ・ザ・デーモンや、あの傭兵も登場します!
 ※原作に対して勉強不足な箇所が多々あると思いますが、お許しください!



聖龍隊 異世界統一記

[聖龍隊という解放軍]

 

 聖龍隊の役割、それは独立国家アニメタウンの統治だけではない。

 異世界の国々と交流を持ち、そして同盟を築いた上で理想の世界を共に目指して共存共栄を果たすという使命もある。

 そんな聖龍隊は、自分達が統治するアニメタウンだけではなく、異世界にも理想を広めるべく二つの法案を施行する。

 

 能力者差別除去法そして差別完全排除法案の二つだ。

 これは如何なる能力者も、そして種族にも差別的言動や思想を除外させ、誰もが平等に生きていける世界を目指す為には必要不可欠な法案だった。

 どんな種族も自由に暮らせる社会と世界を目指し、実質的に聖龍隊が統治するアニメタウンとその同盟国は、この二つの掟を受け入れた。

 だがしかし……そんな掟を受け入れず、抗い続ける悪しき者たちが聖龍隊に反旗を翻した。

 

 聖龍隊はそんな悪しき者たちと、そんな彼らが支配する血盟に雇われた無法者たちと戦争を開始するに至った。

 

 

 聖龍隊が推し進める解放軍に反抗するのは。

【鉄血のオルフェンズ】のマクギリス・ファリド。

【七つの大罪】のドレファス、ヘンドリクセン、ヘルブラム、ギルサンダー、ギーラ、ジェリコ、ハウザーらの聖騎士達。

【それでも世界は美しい】のラニ・アリステス。

【盾の勇者の成り上がり】のマルティ=S=メルロマルクとオルトクレイ=メルロマルク32世。

 

 

聖龍隊は、そんな犯行勢力に対抗すべく、SRM(聖龍ロボットメンバーズ)はもちろん、その他大勢の二次元人たちと共に異世界の悪政を除外しつつ、人民を解放するべく立ち上がる。

 そして戦前で戦闘の準備を進める聖龍隊の各隊士たち。皆が皆、揃って配布された装備に身を包み、前線で戦う準備を整えていた。

 そんな各隊士の中には、今や聖龍隊の最高顧問を務めて表向きは隠居しているとされていながらも、有事の際には秘密裏に一般隊士に混ざって戦う覚悟を決めている小田原修司の姿もあった。

 今や修司は表向き隠居しているとは、聖龍隊の有事や二次元人たちの為の理想の世界を築く為にも、公にはできないが一般隊士に混ざって戦闘に参戦していたのだ。

 と、修司が配布された自分専用の装備に身を纏い、いざ出撃しようとしていると。

「修司さん……!」そんな修司に声をかける女子が。

 修司が振り向くと、そこには声をかけてきた琴浦春香を始めとする、修司のクローンでもある新世代型二次元人たちの姿が見受けられた。

「お前ら……」

 前線に出撃する自分に声をかけてきた新世代型二次元人たちを前に、修司は茫然と見詰める。

「修司さん、あなたも出撃するんですね……」

 琴浦春香からの悲し気な問いかけに、修司は毅然とした態度で答えた。

「ああ、今回は多くの異世界の反逆者達との大戦になる。俺も少なからず、聖龍隊や二次元人たちの理想の世界や社会の為に腕を振るうつもりだ」

『………………』

 戦場に出れば、少なからず命の奪い合いに発展するであろう戦場に、聖龍隊や二次元人の仲間の為に出撃する修司の勇ましい覚悟を前に、新世代型二次元人達は言葉を呑み込む。

「すまないな。俺は、お前たち……新世代型二次元人という我が子の為にも、もう命を奪いたくはなかったんだが……未だに多種族や格差で相手を見下し、そして蔑視する連中を野放しにするのは俺の……いや、聖龍隊の理想とは真逆だからな」

「修司さん……」

 修司の並々ならぬ覚悟を前に、真鍋義久も息を呑む。

 と、修司と新世代型二次元人達が向き合っていると。

 突如、聖龍隊の基地内に警音が鳴り響き、聖龍隊士に出撃の号令が出た。

「それじゃ行ってくる……誰もが平等に、そして差別なき世界を築く聖龍隊の理想を実現する為にな」

 そう修司が新世代型二次元人達に言い残して、出撃しようと歩み出すと。

「し、修司さん!」琴浦春香が修司を呼び止める。

 そして琴浦春香たち新世代型二次元人は、修司に言葉をかけた。

 

『どうかご武運を』『ご武運を』

 かつて自分のクローンである新世代型二次元人達に「もう命は奪わない」と宣言した小田原修司。そんな新世代型の女性陣や男性陣たちから修司の武運を祈るという発言を聞いて、修司は胸の中で微かな衝撃を受けた。

 戦場では必ずも生きて帰れるという保証はない。故に「生きて帰って」とか「どうかご無事で」とかは中々言えない。そんな中で新世代型達は修司に、聖龍隊総長の頃からの彼の口癖である「武運を祈る」という単語をかけた意味合いでも修司にそう言った。

 戦場に立つ以上、少なからず命を刈り取らなければ生きていけない現実を胸に、新世代型達は修司に自分達の為にも生き抜いてもらう為にも、戦場では躊躇なく命を刈り取ってでも生き抜いて欲しいという嘆願が「武運を祈る」という言葉に込められている事を修司は感じ取っていた。

 

 そんな新世代型二次元人達の思いを受け、修司は鋭い目付きで力強く頷くと、重装備で戦場へと向かうのだった。

 そして修司を始めとした聖龍隊の隊士達は、異世界亜空間ゲートを通って、戦場である異世界へと出撃するのであった。

 

 

 

[戦場に集いし戦士たち]

 

 戦場では、既に敵側である異世界血盟軍の軍勢が前線に並んでいた。数多の兵士にモビルスーツ、遠距離ミサイルなどなど。

 だが聖龍隊側の異世界解放軍も並々ならぬ軍勢が勢揃いしていた。SRMの勇者ロボやガンダムなどの巨大ロボだけにあらず、多種多様な種族及び能力者などの強豪が集っていた。

 そして大戦が開幕する手前、前線よりも後方に鎮座する解放軍の総指揮を務める聖龍HEADが、戦場の状況を見据えて談合していた。

「アイツらが人民解放運動に反する逆徒共か……」

「意外とモビルスーツや兵士の数が多いんだね」

 キング・エンディミオンや蒼の騎士が、前線に立つ敵方の勢力を遠視していると、参謀総長のジュピターキッドが事実を告げる。

「あの軍勢の中には、過去に犯罪を犯した傭兵……いや、ならず者も多数在籍していると報告されてるよ」

「寄せ集めにしては、結構頑張ってるじゃないの」

 ジュピターキッドからの報告に、ウォーターフェアリーも半ば感心する。

「……でも、いくら差別なき理想を実現するためとはいえ、差別主義者たちと戦争するのは心苦しいわ……」

「そうですよね……争う以外で、なにか方法がないかと思ってしまいます」

 悲痛な面持ちで語り合うセーラームーンと七海るちあの発言を聞き、聖龍隊総長であるメタルバードがHEADに公言した。

「確かに……! 争いで問題を解決するしかないオレら聖龍隊も、結局は争いの元凶かもしれない……だが! 亜人や能力者を差別し、見下す下種な輩を放置するのは聖龍隊の理念に……信念や理想に反する! 此処は覚悟を決めるしかないだろう」

『………………』

 メタルバードの発言に、聖龍HEADの女性達は思わず下を俯いて悲愴な面持ちを浮かべる。

 多くの聖龍HEADが、この戦争に対して複雑な心境を抱く中、聖龍隊総長メタルバードは通信機で味方陣営に連絡を入れる。

「マリネ、最初の作戦通り……SRMの多くが威圧する為だけの戦力で、そのほとんどは敵側に攻撃するな。オルガ・イツカ率いる鉄華団と一部の巨大ロボだけで敵側のモビルスーツだけを攻撃させて、兵士に対しては此方から隊士を送り込んでの白兵戦を仕掛ける。なるべく死者は出したくないからな」

「了解よ、総長。SRMは最初の作戦通り、一部のロボットだけを稼働させて敵陣営のモビルスーツだけを破壊するよう指令を出すわ」

 メタルバードは、SRMの総司令官である女性マリネに、当初の作戦通り一部の巨大ロボだけで敵陣営のモビルスーツのみを攻撃して破壊する戦法を行うよう指示を出す。

 続いてメタルバードは、SRMに新しく加盟した鉄華団を率いる二人に連絡を入れる。

「三日月、オルガ。腕の見せ所だぞ。オレら聖龍隊がついているから気張っていけよ!」

「は、はい!」「支援は頼んだぜ、聖龍隊の総長さんよ!」

 メタルバードからの指示に、三日月・オーガスとオルガ・イツカは威勢よく返答する。

「メリオダス、エリザベス! 白兵戦での活躍、期待してるぞ!」

「了解、総長!」「頑張りますっ」

 更にメタルバードは、戦闘に参戦している聖龍隊の新人であるメリオダスとエリザベスを筆頭にした七つの大罪の面々にも忘れず声をかける。

「岩谷尚文、ラフタリア……過去の屈辱を晴らす汚名返上の機会だ! 思う存分、暴れ回れ!」

「は、はいっ」「……分かった」

(やれやれ、尚文って奴。過去の事で未だに人間不信な所があるな)

 メタルバードの指示に元気よく返事するラフタリアに反して、過去の体験で人間不審な点がある岩谷尚文の不愛想な返答にメタルバードは呆れてしまう。

 こうしてメタルバードは新たに聖龍隊の戦力に加わった新人達を激励した直後、密かに暗号通信である聖龍隊の一般隊士に通達した。

「よっ、オレだ。どうだ、聖龍隊が用意した装備は?」

「ああ、まあな。国連軍に在籍してた頃よりも充実してるかもな」

「そりゃそうだろ。お前の為にSRMなどの科学技術班が総力を挙げて設計・開発した超強力な対戦車ライフルなんだからな。そのライフルで敵のモビルスーツを戦闘不能にしてやんな!」

「解ってる。この大戦の要は、敵方のモビルスーツを始めとする強大な戦力を如何に削ぐかだ。抜かりはないようにする」

「まあ、戦略・戦闘のプロであるお前が前線で戦ってくれるならオレたち聖龍隊にとって、これ以上の戦力はないだろうがな」

「無論、なるべく人命は奪わない。我が子たちと約束してるからな」

「その我が子である新世代型二次元人たちの為に、生き抜く為にも時には心を鬼にして敵方を容赦なく狙い撃てよ……お前が死んだら、アッコだって悲しむんだからな。修司」

「………………」

 最後にメタルバードは聖龍隊の一般隊士に紛れて参戦している小田原修司に通達すると、全解放軍に向けて言い放った。

「戦闘開始だ! 同志諸君、武運を祈る……!!」

 前総長である修司の代から引き継いだ「同志諸君、武運を祈る」という台詞を言い放ち、メタルバードら聖龍HEADを筆頭とした聖龍隊による解放軍は進撃した。

「聖龍隊が進軍したぞ! 此方も進軍して、攻撃だ!」

 一方の血盟軍の司令官も、前進してくる聖龍隊と抗戦するべく自分達も進軍するのだった。

 

 だが、血盟軍が戦闘を開始する前から、血盟軍側の戦闘員達の士気は滅入っていた。

「な、なんだ!? あのモビルスーツ……!」

「いや、あれらはモビルスーツとは違うんじゃないか……!?」

「見た事もないロボットの軍勢だ……!!」

 血盟軍の兵士達はモビルスーツだけではなく、勇者ロボやその他の巨大ロボなど生まれて初めて見る機体を前に目を丸くして畏怖する。

 と、血盟軍が挙動不審でいる中、聖龍隊側から攻撃が開始された。

『うわあっ!』

 見た事もない巨大ロボの砲撃を浴びて、兵士達の後方で待機してたモビルスーツは大破して一発で戦闘不能に至る。

「だ、ダメだ! 今の攻撃で、完全に機体がイカれちまった!」

 操縦者は強力な砲撃で、自分が乗っているモビルスーツが操縦不能に至って困惑する。

 そんな戦況の中、その一発の砲撃が進軍の合図になったかのように、地上で武器を振るって戦う聖龍隊の隊士達が一気に雪崩れ込んできた。

「き、来たぞッ!」

 兵士が隊士達が怒涛の勢いで攻め込んできたのを目の当たりにし、蒼褪めながら自分達も戦闘を開始する。

「卍解!!」『うわあっ!』

 しかし白兵戦でも、黒崎一護たち主力の戦力に加え、最新鋭の武器と装備を施した聖龍隊の隊士達を相手に、兵士達は戸惑うばかりで上手く戦えない。

「ガイン、動輪剣だ!」「了解だ、舞人!」

 一方、血盟軍のモビルスーツのみを狙う巨大ロボ陣営でも、勇者ロボのマイトガインは搭乗者である旋風寺舞人の命令で、必殺の武器を繰り出して敵方のモビルスーツの下半身部分を切断。

「だ、ダメだ! 離脱する!」

 下半身部分を一刀両断に切断され、血盟軍のモビルスーツ操縦者は機体が爆発する直前で慌てて脱出して事なきを得る。

 

 だが、敵方のモビルスーツを攻撃するのは、何も目の前のSRMの巨大ロボだけではなかった。

「わっ!」

 一機のモビルスーツが、銃を持つ右肩部位に攻撃を受け、稼働しなくなってしまう。

「も、モビルスーツの右腕が上がらない! これじゃ戦えない!」

 操縦者は困惑し、やむなく戦場から離脱する様に後退する。

「な、何者だ? モビルスーツを部分的とはいえ大破させてるのは……!?」

 兵士達は、地上からモビルスーツに砲撃を行った隊士の行動に目を見張る。

 その敵方のモビルスーツを撃ち抜いて戦闘不能に至らしめた聖龍隊の隊士は、混戦する戦場では目立っていた。何故なら余りにも巨大な対戦車ライフルを左肩に装備していたからだ。

「へっ、そんなバカでかい武器背負ってたら鈍いだけだろうが!」

「始末してやるぜ!」

 そんな対戦車ライフルを担ぐ隊士に、傭兵であるタクト=アルサホルン=フォブレイと槍の勇者として利用されるだけの北村元康が襲い掛かる。

 が、そんな二人の強襲に対して、ライフルを背負う隊士は右腰に差している日本刀を素早く抜刀して二人を剣戟で返り討ちにしてしまう。

「わっ!」

「そ、そんな……勇者である俺の攻撃を、こうも簡単に討ち返すなんて……!」

 隊士が抜刀した日本刀から放たれる斬撃を受けて、後ろへと転倒するタクトと元康の二人。

 そんな二人に、日本刀を抜刀した隊士が睨みを利かせて言い放った。

「おい……雑魚は引っ込んでろ……!」

「「っ!!」」

 その隊士の鬼の様な眼光に、タクトも元康も一瞬で血の気が引いて怖気付いてしまう。

 そして「次、俺の前に現れてみろ……命がないものと思え」の一言に、二人は完全に戦意喪失して涙目になり、慌てた様子で戦場から逃げ去ってしまった。

 二人を退かせた隊士は、それからも二刀装甲兵の強みを生かし、頑強なパワーフレームを身に纏い、生身の隊士では扱う事が出来ない巨大な対戦車ライフルや愛用の日本刀を駆使して戦闘を続ける。

 時に装甲兵である隊士は、背中や脚部に装備されているブースターを駆使して素早く敵からの攻撃を回避しながら戦場を跋扈する。

「あ、あの装甲兵を狙え! アイツの砲弾で、此方のモビルスーツがダメにされる!」

 と、血盟軍側は、地上で対戦車ライフルを駆使してモビルスーツを戦闘不能にする装甲兵を倒そうとするが、その直前に逆手を取られて巨大ロボからの攻撃でモビルスーツを破壊されてしまう。

 巨大ロボを狙う間に地上から対戦車ライフルが、対戦車ライフルを装備する装甲兵を狙おうとすれば巨大ロボから攻撃を受けて、血盟軍の戦力は瞬く間に削がれてしまう。

 すると敵勢力が衰え、敗北寸前に染まるのを目の当たりにしたメタルバードは、此処で更なる追撃をして敵方の士気を下げる事に。

「ここらでいっちょ敵の士気をタダ下がりさせてやるか……光、海、風、行くぞ」

「やれやれ」

 席を立つメタルバードに続き、魔法騎士の光と海と風の三人も戦いに不満といった表情でメタルバードの後を続く。

 それから戦場では。聖龍隊の軍事力に圧倒されていく血盟軍は、ここで逆転を狙ってモビルスーツでの後方支援として爆撃を敵・味方が入り混じる戦場にお見舞いしようと準備していた。

 そして準備が終わり、戦場に無差別爆撃を開始しようとした、その矢先。

 なんと超高速の飛行物体が、無差別爆撃を行おうとしていた血盟軍側のモビルスーツ全機をレーザー砲撃で狙撃して、爆撃不能にしてしまった。

「な、なんだ! あのシルバーの機体は!?」

 見た事もない形状の飛行物体を見上げて、血盟軍側の指揮官たちは唖然とする。

 この銀色一色の流線型の飛行物体こそ、現代科学でも完全に把握できない超獣族の科学力が造り上げたメタルバードの専用機「シルバーウィング」であった。

 シルバーウィングは、確実に爆撃を行おうとしていたモビルスーツのみをレーザーで攻撃して、無力化してしまう。

 敵陣営がシルバーウィングの襲撃に立ち往生していると、今度は真紅のボディに大きな翼を背中に生やしている巨大な機体が血盟軍の前に立ちはだかる。

「こ、今度はなんだ!?」

 最早泣きべそ状態の兵士達の前に立ちはだかったのは、獅堂光の炎神レイアース/龍咲海の海神セレス/鳳凰寺風の風神ウィンダムが合体した、合体魔神レイアースだった。

 真紅で美しいその巨体を前に、一時ばかし言葉を失くして見惚れてしまう兵士たち。

 だが此処で、戦場への無差別爆撃をも無力化された現状に、敵方の士気は一気に下がっている事を指揮官達は思い出した。

 

 そして

「ひ……退けッ! 一旦、退け!!」

 と、血盟軍側の指揮官が撤退を命令。その命令を聞いた兵士達は一斉に安どの表情を浮かべて、中には喜びながら戦場から撤退していった。

「よくやった! 最初の戦いは、オレ達の勝利だ!!」

 聖龍隊総長のメタルバードの声で、戦場で腕を振るってた多くの隊士達の士気も活気も上昇する。

「ふぅ……まっ、まだまだこれからが正念場だけどな、バーンズ」

 そう巨大な対戦車ライフルを担ぐ重量級の装甲兵である一般隊士に紛れ込んだ小田原修司は、今後の戦いも油断できないと静かに気合を入れるのだった。

 

 

 

[不死身の捕虜]

 

 それからも血盟軍は、聖龍隊が指揮する解放軍と接戦を繰り広げた。

 しかし、傭兵の中には自分勝手で傍若無人な無法者も多数在籍していた事から、血盟軍の士気は低下の一途を辿り、戦況は劣勢を極めてた。

 一方、聖龍隊の方は。

 大軍を率いる聖龍隊総長バーンズは、ある見過ごせない事実に対して知恵を絞り、戦場では一般隊士として参戦してた修司に秘密裏に指示を出した。

「修司、ちょっといいか……」「なんだ、バーンズ」

 修司はバーンズからの内密での指令を聞いて、行動に移した。

 

 

 

 

 時は経過し、血盟軍が戦場で思惑通りに戦えなくなってた時の事。

「おーーーーい! やったぞ、遂にやったぞ! 聖龍隊の……解放軍の敵兵を一人、捕虜として捕らえる事に成功したぞ!」

 血盟軍の兵士が他の兵士達に伝令したのは、なんと聖龍隊側の隊士を一人、捕虜として捕らえる事に成功したとの報告だった。

「ふふふ、敵兵を一人とはいえ捕虜として捕らえられたのは実に都合がいい。戦いで疲弊した兵士達の士気を高める絶好の機会……!」

 そう不敵に笑むのは、血盟軍の幹部の一人であるラニ・アリステスだった。

 

 そして大勢の血盟軍の兵士達の前に、その捕虜は鎖を繋がれた状態で連行されてきた。

 捕虜は、顔全体を髭などの濃い剛毛で覆われ、髪の毛もボサボサの汚らしい風貌だった。

 そんな素顔も分からない捕虜に、血盟軍の幹部が問い掛ける。

「おい、捕虜よ。貴様、名は?」「………………」

 幹部であり聖騎士の一人であるギーラが問い掛けるが、捕虜の男は無言を貫く。

「何とか言いなさいよ!」

 同じく幹部であるマルティ王女が捕虜を乱暴に蹴り付けるが、捕虜は寡黙を貫き通す。

「まあまあ、皆さん。もうこれぐらいで良いでしょう。そろそろ捕虜の公開処刑を執行しませんか」

 と、荒ぶる幹部達を、ラニ・アリステスが宥めると、聖騎士の一人であるハウザーが異議を唱える。

「ちょ、ちょっと待ってくれよ! 処刑は、いくらなんでもやり過ぎじゃないか? 此処は、この捕虜を交渉の材料にして、戦況を有利にした方が良いんじゃ……」

 するとハウザーと同じ聖騎士のドレファスが厳しく反論する。

「何を言ってる、ハウザー! 我々に歯向かった報いを聖龍隊に解らせる為にも、この捕虜は見せしめに処刑せねばなるまい!」

 更にオルトクレイ王も賛同する。

「その通りだ。兵士達の士気を高める為にも、この場で捕虜の公開処刑を行うのが妥当じゃろう」

「………………」

 多数決で兵士達の目前での公開処刑が執行される経緯に、ハウザーも無理やり納得させられてしまう。

 そして大勢の血盟軍兵士さらに幹部達の観衆の前で、捕虜の公開処刑が執行される事に。

「名もなき捕虜よ、最後に言い残す言葉はないのか」

「………………」

 聖騎士ギーラの問い掛けに、捕虜は相変わらず何も喋らず無言。

「ふん、まあいいわ。処刑せよ!」

 オルトクレイ王の命令で、傭兵であるタクトと北村元康は、捕虜の体に処刑用の槍を突き刺して刺殺を試みた。

 が、ここで思わぬ事態が観衆の眼前に広がった。

 なんとタクトと北村元康が振るった槍の先端が捕虜の体に直撃した瞬間、槍が鋼鉄にでも直撃したような衝撃が走り、二本の槍は意図も簡単にへし折れてしまう。

「「!?」」『!!』

 槍が見事にへし折れた状景を前に、処刑人のタクトと北村元康そして幹部達は愕然とした。

 そんな状況の中、処刑されかけた捕虜は黙り込んだまま。

「ま……まだだ! 槍がダメなら、絞首刑でさらし首だ!」

 焦り出すラニ・アリステスが指示すると、処刑人を始めとする兵士達は早々に絞首台の準備を進める。

 そして絞首台に捕虜を立たせ、首に縄を括らせると、足場の床板を開いて捕虜の首を縄で絞め付けた。

 が、捕虜は思いっきり真下へと落とされ、普通なら首の骨が折れて死んでる筈なのに、平然としてるどころか欠伸をする始末。

「そ、そんな……!」

 欠伸する余裕をも見せる捕虜に、マルティ王女は蒼褪めるが、幹部達は諦めない。

「ひ、引っ張るのだ! 引っ張って、無理やりにでも首を絞め付けるのだ!」

 焦りが色濃く顔に出るラニ・アリステスの命で、兵士達は捕虜の両脚に縄を巻き付けて、その縄を引っ張って捕虜の首周りを更に絞め付ける。

 が、兵士達が力いっぱい引っ張ると、捕虜の首を絞め付ける縄が千切れてしまう。それでも存命している捕虜。

「く、鎖だ! 鎖を代わりに首や足に巻き付けて絞め殺すのだ!」

 オルトクレイ王の命令通りに、兵士達は捕虜の首と両足に鎖を巻き付けて左右から引っ張り合って、強引にでも捕虜を絞め殺そうと図るが。

 なんと今度は、その鎖までも千切れてしまい、引っ張り合ってた兵士達は転倒し、捕虜は平然と生き延びていた。

「ぎ、ギロチンを持ってくるのだ!」

 聖騎士ヘンドリクセンの命で、兵士達が断頭台であるギロチンを用意し、そこに捕虜を寝かせて一気に首を切断しようと試みるものの。

 一気に落下するギロチンの刃が捕虜の首に直撃した瞬間、ギロチンの刃は粉々に砕け散って、捕虜はまたしても生存する。

『!!!!!』

 幹部達も兵士達も、悉く生き延びる捕虜に対して思わず絶句し、余りの情景に【エネル顔】になってしまう。

 絞首・断頭台・串刺しで処刑されそうになった捕虜、だがその全てが捕虜の肉体には通じなかった。

 そんな不死身と言える捕虜が、今まで黙り込んでいた口を開いて呟いた。

「……弱いな」『!!』

 突如、低い声で唸る様に喋り出す捕虜に、幹部達の顔色が一気に蒼褪める。

「俺を本気で殺したきゃ……もっとマシな殺し方をしやがれってんだ……!!」

 その捕虜の迫力に、幹部達も兵士も傭兵も、全員が蒼褪めた面持ちで静まり返った。

 そして不死身の捕虜を前に、兵士達の恐怖心が最高潮に達した時だった。

『わ…………うわあっ!!』

 不死身の捕虜に脅え切った兵士達が、恐怖心に打ち負けて一斉にその場から逃げ出したのだ。

「お、お前たち! 我らを置いて、逃げるというのか!?」

「も、元康! 私を置いて逃げないの!」

 オルトクレイ王とマルティ王女は、自分たち幹部を置いて一目散に逃げ出す兵士達を呼び止めるが、兵士や傭兵たちは捕虜に対して恐れ戦き、涙目で逃げ出す始末。

 そして兵士達が逃げ出すと同時に、恐怖で腰が抜けた幹部達が、生き延びた捕虜へと視線をゆっくり向けると。

 捕虜はギラリとした眼光で幹部達を睨み付け、威圧。

『ッ!』

 これには幹部達も真っ青になって恐れ出し、恐怖心で思わず弱腰で逃げ出した。

 

 兵士達に続いて幹部達も逃げ出したあと。

 一人その場に残された捕虜は、縄抜けの要領で後ろ手に拘束されてる手錠を手首から外し、続いて両脚の枷も自力で外して自由に。

 そして自ら手錠と足枷を外して、自由になった捕虜は一人夜の暗闇へと消えていった。

 

 

 

 処刑から数時間後。

「帰ったぞ」「おう、お帰り。どうだった?」

 聖龍隊の前線基地に捕虜であった男が帰投し、聖龍隊総長のバーンズと会話する。

「どうもこうも、向こうの兵の質は最悪だぜ。俺が死なないからってだけで、あっという間に戦意や士気を失って逃げちまった」

「そりゃ、お前が相手なら逃げ出したくなるよ。……それで。例の二人はどうだった?」

「ああ、その二人なら連れ帰って来たよ。ほれ」

 そう捕虜が言うと、捕虜の後ろから聖騎士に捕らわれていたリオネス王国国王のバルトラと第一王女のマーガレットが出てきた。

「おお、おお、これはこれは! 国王陛下も王女様も、無事で何より! ささっ、捕らわれの身で疲れれるでしょう。聖龍隊で手厚く介抱しますので、どうぞ此方へ」

「う、うむ……」「あ、あの……この方は?」

 戸惑うバルトラ国王に続き、マーガレット王女がバーンズに捕虜の事を質問すると、バーンズは笑顔で答えた。

「その男につきましては、また後ほどご説明させてもらいます。今は、お二方の健康状態をチェックしないといけません。おい、このお二方をナースエンジェルの所に」

「はっ」

 バーンズからの指示で、聖龍隊の隊士がバルトラ国王とマーガレット王女を護衛する。

「お前もご苦労なこったな。そんなむさ苦しい格好というか、潔癖症なのに剛毛の髭や髪の毛を生やしまくって潜入するとは……」

「まったくだ。剛毛だから、髭なんかチクチクして痛いし、髪の毛は伸び放題だから暑苦しいし、嫌になるぜ」

「まっ、どちらにしろご苦労さん。お陰でバルトラ国王とマーガレット王女の救出という最重要任務は達成できた」

「ついでに、聖龍隊の隊士は不死身な存在だと、敵方に認知させたぜ」

「ふぅ……お前みたいに不死身の戦闘狂ばかりじゃないんだけどな、聖龍隊は。どっちにしろ、早く体を洗って洗髪とか髪を整えろよ。ウッズも来てるからよ」

「不死身体質のお前にだけは言われたくないんだけどな……まっ、ウッズに整髪頼んでもらうぜ」

 そうバーンズと会話し終えた捕虜は、一人前線基地の奥に在るシャワー室へと足を運ぶ。そこで捕虜は全身を隈なく洗い、髪の毛も綺麗に洗髪する。

 そして全身を洗い終わった捕虜は、ウッズが待機する整髪室へと赴いて、ウッズに伸び切った髪の毛を切ってもらい、更には剛毛の髭を綺麗に剃ってもらう。

 髪の毛も髭も綺麗さっぱり整髪してもらった捕虜であった男は、最後は笑顔でウッズに礼を言う。

「ありがとよ、ウッズ。お陰で久々にサッパリしたぜ」

「いえいえ、修司様もご苦労様です。潜入任務のためとはいえ、髪の毛も髭も伸ばし切ったのはお疲れ様です」

 

 こうして小田原修司の敵方に潜入して、バルトラ国王とマーガレット王女の救出任務は終わったのであった。

 

 

 

[追い詰められる敵勢力]

 

 異世界血盟軍は、その後も聖龍隊が指揮する人民解放軍と接戦を繰り広げ、抗戦を続けた。

 だが、人質に利用できるバルトラ国王とマーガレット王女が救出され、手元に不在の戦況。そして捕虜一人すらも満足に処刑できない現状に、血盟軍側の兵士達の士気は低下する一方だった。

 反対に聖龍隊側は、数多の能力者及びスパロボの戦場投下によって、幾千の戦歴を叩き出し、血盟軍に圧勝を続ける。

 そんな戦場に投下される一般兵に混じって、本来は国連からの約定によって戦力として加入してはならない筈の小田原修司も、秘密裏に一般兵として戦場を縦横無尽に駆け抜け、数多の敵兵の命を刈り取る。

 劣勢に劣勢が続く血盟軍。そんな血盟軍に、聖龍隊からの不確定な噂に近い話が舞い込む。それは早い内に聖龍隊に投降して降伏すれば、温情を与えるというものだった。

 その様な噂に近い話が、血盟軍の兵士達の間で囁かれる中、ある晩兵士達は幹部達に隠れて密談を交わす。

「最早あの方々に付き従うのは限界だ!」

「最近は傍若無人な言動が目立つし……」

「言ってる事も支離滅裂だ!」

 上官兵も含む兵士達は、近頃増加の一途を辿る幹部達からの支離滅裂で傍若無人な命令や言動に対して、我慢の限界が近かった。

「だが、聖龍隊と敵対している以上、そう簡単に安全な生活が送れるとは思えん……」

 しかし兵士達の中には、強靭な組織力と戦力を誇る聖龍隊と敵対してしまった以上、簡単に平穏な生活が送れないのではと不安を零す。

 すると一人の上官兵が皆々に語り明かした。

「まあ、待て! 確かに聖龍隊は敵に回すと恐ろしいが、改心して味方になってくれた軍勢には並々ならぬ恩義を与えてくれると言うぞ」

『!』

「何より前総長の小田原修司は敵だった者には厳しかったと聞いているが、現総長のバーンズ氏は寛大な御方と聞く! 今の内に聖龍隊側につけば、恩赦が認められるかもしれない!」

『おおっ!』

 上官兵の発言に兵士一同は驚くが、更に上官兵はトドメの一言を放った。

「それに………………アッコちゃん、可愛いし」「でしたな」

 多くの兵士達は、戦場に立つ魔鏡聖女ミラーガールこと加賀美あつこの可憐さと美貌に骨抜きにされていた。

 そんな兵士達の決断は早かった。

『よーーし! 我々は聖龍隊につくぞーーっ!!』

 いつの世も、男は可愛いで動く。

 

 後日、聖龍隊の前線基地にて。

「総長!」「なんだ?」

 早朝から、バーンズに聖龍隊の隊士が言伝を伝える。

「明朝、異世界血盟軍の上官兵から密書が届きました! 内容は、今すぐにでも聖龍隊が指揮する解放軍に寝返るので、どうか恩赦を与えてもらえないかどうかとの事です!」

 この伝言を聞いて、バーンズは毅然とした真顔で言った。

「うむ、オレたち聖龍隊が流した噂を聞いたらしいな。オレら聖龍隊と、これ以上戦っても消耗戦になると理解したんだろう」

 ※違います、ただアッコちゃんの魅力に骨抜きにされただけです。

 そんなバーンズは隊士にこう告げた。

「よし! 此方に寝返りたいと訴えてる兵士達に、オレが今から書き留める密書を届けろ。同時に、これも一緒に持っていけ」

「え!? こ、これって……!」

 バーンズが密書と共に送り届けるよう隊士に持参させる物を見て、伝令兵である隊士は一驚する。

 

 そして聖龍隊は、血盟軍へと密書と共にある物を密かに送り届ける。

「じょ、上官! 聖龍隊からの密書です。それと、何かしらの品も一緒に……」

 兵士が寝返りを希望する上官兵に、聖龍隊からの密書と品を届けると、上官兵は密書の中身を拝読する。

「ふむふむ、なに……もし、聖龍隊に寝返る気があるのなら、今日の夕刻時の開戦と同時に此方の軍勢に加わる様に。これを逃したら次はない……追伸、聖龍隊につくというなら、此方の軍勢に加入する時に、この御旗を掲げるようにする事……んんっ!?」

 上官兵は、慌てて密書と共に送られた品を確認した。

「こ、これは……!!」

 その品を見て、上官兵は目を丸くして驚いた。

 

 

 そしてその日の夕刻。

 遂に聖龍隊が指揮する人民解放軍に負け続け、血盟軍の幹部達は自分達が拠点にしている古城へと籠城していた。

 幹部達が籠城する古城を背後に、血盟軍の軍勢は聖龍隊と対峙していた。

「ッ……聖龍隊に圧勝され続け、今や兵士達の士気も下がる一方……! だが、まだ負けん!」

 オルトクレイ王を始めとする幹部達は、劣勢が続く今の戦況下でも未だに解放軍に抵抗する意思を変えてなかった。

 そして

「全軍、進軍せよ! 聖龍隊と徹底抗戦するのだ!」

 ラニ・アリステスの指示で、血盟軍の軍勢は一気に聖龍隊へと攻め込む。

 が、何故か血盟軍の軍勢は途中から二手に分断し、分かれた大部分は何故か聖龍隊の軍勢の目の前で立ち止まった。

「な、何をしてるんだ……?」

 幹部の一人である聖騎士のジェリコが不思議がっていた、その時。幹部達は我が目を疑った。

 なんと立ち止まった大部分の軍勢が、一気に自分達が掲げる血盟軍の旗印を下ろして、聖龍隊の軍旗である魔鳥の御旗を掲げたのだ。

『なッ!!』これには幹部達も、またしてもエネル顔で驚愕。

 そして聖龍隊の軍旗を掲げた大多数の軍勢は、そのまま聖龍隊の軍勢に加わって血盟軍と決別したという意思表示を示した。

『う、うそォッ!?』

 自分達の味方である軍勢の大多数が聖龍隊に寝返った現状を目の当たりにし、幹部達はエネル顔で愕然とするのだった。

「な、なんてこった! 軍の8割が聖龍隊に寝返った!」

「これで戦うなんて自殺行為だ! 古城に撤退しろッ!」

 この戦況に兵士達の戦意は完全に消滅し、残った兵士達は幹部達が籠城する古城へと雪崩れ込もうとした。

 だが、此処でマルティ王女がタクトと北村元康に命じた。

「門扉を閉じなさい! 私たちの為に死なない兵など、城に入れる意味もないわ!」

「おうッ!」「わ、分かった……」

 マルティ王女の命令で、タクトや北村元康などを含む一部の兵士達が城への門扉を完全に閉じ、戦前に出てた兵士達の入城を拒絶した。

「わーー、頼む! 入れてくれ!」「死にたくない……死にたくないんだ!」

 しかし兵士達の懇願を聞いても、城内部の幹部達や兵士は聞き入れない。

 そんな戦前に取り残され、城への門扉の前で立ち往生する兵士達の前に、なんとメタルバードたち聖龍HEADが現れる。

「ああ……」「もう、ダメだ……」

 完全に絶望する兵士達の顔からは、敵意はもちろん戦意すらも消え失せていた。

 そんな兵士達を、メタルバードたち聖龍HEADは捕虜として捕らえ、これによって血盟軍の戦力は一部の傭兵だけを残して古城に籠城する幹部達だけになった。

 

 そして捕虜として捕らえられた兵士達は、聖龍隊によって手厚く看護された。

「ああ……な、なんと美しく、そして心優しい御方なんだ……」

「こんな事なら、さっさと聖龍隊に寝返れば良かった……!」

 捕虜になった兵士達は、心優しく出迎える聖龍隊の乙女たちの慈愛に心打たれ、聖龍隊と戦っていた事を心の底から後悔したという。

 

 

 

[最強の傭兵]

 

 遂に数人の傭兵を残し、全ての兵士を失ってしまった血盟軍。

 血盟軍が雇った傭兵のタクトや、正式兵の北村元康以外に、傭兵としては竹内/川井みき/島田一旗/植野直花/広瀬啓祐だけだった。

 最初は戦闘力が高い聖騎士達も抗戦していたが、聖龍隊の圧倒的な能力者達と最新鋭の武器による戦力の前では歯が立たない戦況が続く。

 焦り出す幹部達は此処で、前々から自分たち血盟軍と陰ながら武器の提供など支援をしてくれている組織から派遣された、一人の傭兵に依頼をする事に。

「……と、いう訳です。聖龍隊に密かに潜入し、奴らを指揮する聖龍HEADを密かに暗殺すれば、聖龍隊は混乱。その隙をついて聖騎士が攻め立てれば勝機が見えるのです」

「フッ、此処に居るだけの傭兵を残して、全ての軍勢を失っても、まだ聖龍隊に抗うとは……理解し難いな」

 幹部であるラニ・アリステスからの要望を聞いた、その傭兵が嘲笑すると間髪入れずオルトクレイ王が怒鳴り返す。

「黙れ! 我々が負けるなど、あってはならない事なのじゃ! お主は言われた通り、聖龍HEADを暗殺すればよいのじゃ!」

 すると傭兵は鋭い眼光でオルトクレイ王を睨み付け、その眼光に思わずオルトクレイ王は怯んでしまう。

「……俺に偉そうなことを言う前に、俺は傭兵だ。報酬はあるんだろうな」

 そう傭兵が言うと、マルティ王女に従うタクトと北村元康が傭兵の前に二つの宝箱を差し出す。

 二つの宝箱の中には、金貨が詰まっていた。

「ほほう……この金貨は俺の世界では流通してないが、金という鉱物が高値なのは何処も同じ。良いだろ、お前達からの依頼、聞き入れてやるよ」

 宝箱の中に詰まっている金貨を一枚、噛んで本物の金かどうかを確かめた傭兵は、依頼を請け負うと返答した。

 そして傭兵は、幹部であるラニ・アリステス、聖騎士のドレファス、ヘンドリクセン、ヘルブラム、ギルサンダー、ギーラ、ジェリコ、ハウザー、王族であるマルティ王女とオルトクレイ王、マルティ王女に従うタクトと北村元康、そして下っ端の傭兵としてこき使われる竹内/川井みき/島田一旗/植野直花/広瀬啓祐たちの視線を浴びる中、こう宣言した。

「では標的である聖龍HEADが寝静まっている上に、敵も油断しているであろう明朝に……HEADを暗殺してやるよ」

 そう幹部達や傭兵たちの前で、新たな傭兵として雇われたグービンシーは宣言するのであった。

 

 追い詰められた血盟軍が新たに雇った屈強の傭兵グービンシーが、明朝に聖龍HEADを暗殺する準備をしている深夜。

 聖龍隊に要請されて、古城に忍び込んでいた一人の異形の存在が、闇夜に隠れながら暗躍していた。

 その異形の者、真紅の大きく赤い瞳を光らせ、悪事を見逃さない制裁の象徴であるジャッジ・ザ・デーモンだった。

 ジャッジ・ザ・デーモンは、古城の隅に点在している石塔によじ登り、頂上に辿り着くと、今度はその石塔の真上から幹部や傭兵達が居住している本城へと、背負ってきた射出器でロープを射出して、そのロープを滑車で降って本城へと移動する。

 本城へ移動したジャッジ・ザ・デーモンは、まず手始めに城内を警備する下級の傭兵達を片付けつつ、同時進行で城内の各所で休んでいる幹部達を奇襲して拘束させる事に。

 人目を避ける為に、ジャッジ・ザ・デーモンは城の外壁を僅かな窪みに指を引っかけて、指の力だけで掴みながら外壁を移動する。

 そんなジャッジ・ザ・デーモンの目に留まったのは、下級の傭兵として雇われている、今やお尋ね者に成り下がった植野直花だった。

(今や私も犯罪者の仲間入り……何処まで落ちていくの、私の人生……)

 植野直花は、今や犯罪者の仲間入りを果たした下級の人生に対して心の底から悔やみ、苦悩していた。

 だが、ジャッジ・ザ・デーモンはそんな植野直花の心中すら知らずに、そして彼女にも容赦なく忍び寄って背後から襲撃する。

「っ! っっっ………………!」

 背後から襲われた植野直花は、ジャッジ・ザ・デーモンによって気管支を圧迫させられ呼吸困難に陥り、そして脳に酸素が供給されなくなった事で意識が低下して完全に気絶してしまった。

 植野直花を気絶させたジャッジ・ザ・デーモンは、気絶した彼女が見付からない様にと、口を塞いだ上で、鋼鉄製の縄で拘束してから城の外壁に上下逆さまの状態で吊し上げる。

 一人目の植野直花を気絶させ、口を塞いで自由を奪ってから外壁に吊し上げたジャッジ・ザ・デーモンは、すぐに他の傭兵の許へと向かった。

 大きく紅い瞳から視える赤外線センサーを巧みに使い、ジャッジ・ザ・デーモンは何処に傭兵が警備で配置されているか。そしてどの部屋に幹部達が居るのかを識別する。

(うむ……王室に当たる大部屋には、複数の人間が何やら集まっているな。一人は寝室で寝静まっているが、傭兵と思われる人間が何人か警備に当たってるみたいだな……まずは王室の奴ら以外の、警備に当たってる傭兵を倒すのが先決だろう。それから寝室で寝ている奴を拘束し、最後に王室の連中を片付けるのが常道だろう)

 城内を視察して、何処の誰を順序通りに倒すかを決めたジャッジ・ザ・デーモンは、再び静かに移動していく。

 ロウソクの灯りだけで照らされる廊下を静かに歩きつつ、ジャッジ・ザ・デーモンは廊下の角に身を潜めて警備に当たる傭兵を捕捉する。

 廊下を、武装した竹内元教師が小銃を両手に抱えて警護する中、ジャッジ・ザ・デーモンは息を殺して竹内元教師の隙を窺う。

 そして竹内元教師が振り返ってジャッジ・ザ・デーモンの方に背を向けた瞬間、ジャッジ・ザ・デーモンは素早く静かに移動して竹内元教師の背後を取る。

「ッッ……!」

 そして竹内元教師も窒息させて気絶させようと思ったのだが。

(……今はコイツの近くに敵は居ない。多少の音を出しても大丈夫だな)

 そう思ったジャッジ・ザ・デーモンは、竹内元教師の胸部を肘打ちで打撃を与えた。

「ッ!」

 骨が折れる音が響く中、近くに誰も居なかった為に竹内元教師が負傷した事は気付かれなかった。

 そして骨を折られて気絶させられた竹内元教師を、ジャッジ・ザ・デーモンは鉄製の縄で拘束した上で口を塞ぎ、誰も居ない空室に引きずって隠す。

 それからジャッジ・ザ・デーモンは一人、就寝していると思われる人物の部屋へと移動した。

 すると、その部屋の前には三人の傭兵が、一人は廊下を行き行きし、二人は就寝部屋の扉の左右を固めていた。

「異常はないよな。全く、他の幹部は王室で会議しているってのに、あの神官のんきに一人寝てるとは、何様なのかね」

「文句言わないでよ! 私だって、こんな殺人鬼みたいな傭兵やるなんて嫌なのに……」

「俺たち、もう普通の生活には戻れないのかな……」

 部屋の前で言い争う傭兵は、島田一旗と川井みき、そして広瀬啓祐の三人だった。

(三人か……何とか分散できないものか)

 何とかして三人を別々の場所へと分散できないかと考え込むジャッジ・ザ・デーモン。すると彼は思い付いた。

(物音を出してみよう。何か反応があるかもしれない)

 ジャッジ・ザ・デーモンは、三枚の刃が付いた円形状の投擲武器ジャッジラングを、廊下を徘徊する島田一旗の頭上を通過するように投げる。投げたジャッジラングはそのまま壁際に飾られている西洋甲冑に直撃し、鈍い金属音を発する。

「! 今、物音が……!」

 金属音に気付いて一驚する三人。そして廊下を徘徊していた島田一旗が物音がした方へと小銃を構えて様子を見に行く。

 そして部屋の前に残る川井みきと広瀬啓祐の付近を照らすロウソクの燈火も、ジャッジ・ザ・デーモンはジャッジラングを使って消してしまう。

「「!」」

 突然、自分達の周りの灯りが消えて暗闇に呑み込まれた二人は驚きつつも困惑する。

 そして暗闇の中で小銃を構えて周囲を警戒していると。

「っ……!」

 暗闇の中で、まずは川井みきが深淵の中に引きずられて消えてしまう。

 そして一人残った広瀬啓祐も、同様に深淵の暗闇の中でジャッジ・ザ・デーモンに奇襲されて、音もなく気絶させられてしまう。

「おい、こっちは異常なかった、ぞ………………!?」

 と、そこに様子を見に行ってた島田一旗が戻って来たのだが、彼が部屋の前に戻ってみると川井みきも広瀬啓祐も意識を失って倒れていた。

「お、おい! どうした!?」

 慌てて島田一旗が川井みき達に近寄って声をかけるが、そんな彼の眼前に暗闇からジャッジラングが飛んできて顔面に直撃してしまう。

「ぐッ!」

 顔面をジャッジラングで強打された島田一旗が苦痛で悶えている所に、ジャッジ・ザ・デーモンが素早く駆け寄って悶え苦しんでいる島田一旗の頭部に一発拳を叩き込んだ。

 頭部を強打された島田一旗は、そのまま気を失ってしまう。

「さあて……呑気に寝ているという神官様を起こすとするか」

 そう呟くと、ジャッジ・ザ・デーモンは三人を拘束した後に、部屋の鍵を持っていた小道具で開錠して室内に侵入した。

 室内には、一人で熟睡している神官のラニ・アリステスが寝床で横たわってた。

 が、ラニ・アリステスは室内を漂う異様な空気を感じ取ったからか、目を開けて起き上がる。

「誰だ……!?」

 思わず起き上がったラニ・アリステスは、寝床の横に置いてあるランプに燈火を点けて、暗闇に支配されている寝室を見て回る。

 が、この時ジャッジ・ザ・デーモンは既にラニ・アリステスが寝ていたベッドの真下に潜り込んで、身を潜ませていた。

 そしてラニ・アリステスがベッドから離れると、ジャッジ・ザ・デーモンは物音を立てずにラニ・アリステスの背後に忍び寄り、ラニ・アリステスに攻撃した。

「うわっ!」

 ジャッジ・ザ・デーモンはラニ・アリステスの頭部を掴むと、自らの太ももに頭部を打ち付けて必殺のヤシの実砕きでラニ・アリステスの頭蓋を叩き砕いた。

 頭蓋を叩き砕かれたラニ・アリステスは堪らず気絶し、再び眠りに就いてしまう。

 そしてラニ・アリステスも同様に縄で拘束して口を塞ぐと、ジャッジ・ザ・デーモンは呟いた。

「よし、最後は王室の連中だな」

 

 

 

[暗闇からの奇襲]

 

 その頃、今や廃墟寸前の古城の王室では。

 マルティ王女とオルトクレイ王の親子とマクギリス・ファリド、そして聖騎士達が会談してた。そんな会談を警護するのは、槍の勇者の北村元康と傭兵のタクト。

「あの傭兵達は何なんだ! まったく使い物にならない……!」

「所詮は平民の、それも子悪党に成り下がっただけの無法者。使い道がないのを、雇ってやってるんだから、もっとマトモに働いてほしい」

 どうやら話は【聲の形】から成り下がった無法者達への非難に変わってた。

「あやつらも問題じゃが……あの異界から来た一流の傭兵の方こそ大丈夫なのか? あやつ一人で聖龍HEADを片付けられるとは、到底思えんが……」

「今は耐え凌ぐしかないだろう。聖龍隊を束ねるHEADが死ねば、混乱が起きる……混乱が起きれば軍の統率が乱れ、そこをついて総攻撃を仕掛ければ勝機が見えてくるかもしれん……!」

 オルトクレイ王と聖騎士ドレファスが話し合っている、その時。

 突如として部屋の灯りが消えて、室内が暗闇に支配された。

「あ、灯りが!」「落ち着きなさい、すぐに火を点ければ問題ないわ」

 動揺するマルティに、聖騎士のギーラが落ち着かせると、ギルサンダーが部屋のロウソクに火をつけて灯りを燈そうとした。

 が、次の瞬間。

 

「うわッ!」

 突然、暗闇の中からギルサンダーの悲鳴が聞こえた。彼の声に一驚する一同。

「な、何事だ!」

 ドレファスが叫ぶと、暗闇の室内その高所からジャッジ・ザ・デーモンがドレファスに何らかの装置を付着させて、続いてヘルブラムにも同じ装置を取り付けた。すると二人の間に鉄製のロープが張られ、そのロープに引っ張り合ったドレファスとヘルブラムは激突してしまう。

「だ、大丈夫ですか!?」「今、ロープを切ります!」

 激突して混乱するドレファスとヘルブラムを助けるべく、ヘンドリクセンとジェリコが駆け寄るが、二人が駆け寄り四人が一カ所に集まった瞬間、ジャッジ・ザ・デーモンは暗闇からジャッジラングを投げて四人の頭上に吊るされているシャンデリアのロープを切断した。

 天井と繋がっていたロープを切断され、一直線に四人の頭上へと落下するシャンデリアに、ドレファスとヘルブラムとヘンドリクセンとジェリコは下敷きになってしまう。

『うわあッ!』

 頭上から落下してきたシャンデリアに押し潰されて、四人は完全に気絶してしまう。

「な、何が起きているんだ!?」「侵入者よ! 侵入者が室内に忍び込んだのよ!」

 激しく動揺するマクギリス・ファリドに、ギーラが説明する。

 暗闇に支配された王室に取り残されたマルティとオルトクレイの親子にマクギリス・ファリド、そして聖騎士ではギーラとハウザー、そして警護兵であるタクトと北村元康。

 残り七人という状況の中、混乱は更に続いた。

「侵入者を逃がしてはなりませんわ! タクト!」「おうッ、扉は絶対に開けさせねえ!」

 マルティの命令で王室から出る為の扉の前に立ちはだかるタクト。

 が、タクトが扉の前に立った瞬間、彼の首に金属製の紐が飛んできた。

「うわッ!」

 首に飛来した金属製の紐は、タクトの首を絞めつけると同時に彼を背後の扉に拘束させる。

「だ、誰か助けてくれ!」

 必死に助けを求めるタクトを、北村元康が助けようとタクトの首に絡まる金属製の紐を引っ張るが。

「や、やめてくれ! 紐を取ろうとすればするほど、首に紐が食い込んで余計に苦しくなる……!」

 なんとタクトの首に食い込む金属製の紐は、扉から引っ張って外そうとすればするほど逆に食い込み、余計にタクトの首を絞め付ける構造になっていた。

 全員が、この状況に恐怖を感じる中、再び暗闇から悲鳴が。

「うわあッ!」

 その悲鳴はマクギリス・ファリドのものだった。

「だ、誰か私を護ってくれ……! そ、そこの若者! 私を護るのだ!」

「えッ!?」

 恐怖で正常な判断がつかなくなっているオルトクレイは、近くにいた聖騎士のハウザーを引っ張って無理やり護衛させる。

 が、そんな二人の背後からジャッジ・ザ・デーモンは忍び寄り、背後に近付いた瞬間、オルトクレイとハウザー双方の頭蓋を叩き付けて二人同時に気絶させる。

 

 激しい頭蓋の骨が砕ける音に、扉の前で立ち往生していたマルティと北村元康、そして扉に紐で首を固定されているタクトに警戒するギーラが驚く。

「は、早く逃げないと……! ちょっと、あなた! 早く扉から離れてよ……! 開けられないじゃない!」

「な、なに言ってやがる! 誰の命令で扉を塞いだのか忘れたのかよ!」

 言い争いに発展するマルティとタクトの二人を尻目に、ギーラは背後を取られない様に壁伝いに背中を向けて移動していた。

 が、そんなギーラが室内の内壁に飾られているガーゴイル像の真下に移動した際、そのガーゴイル像の上に待機していたジャッジ・ザ・デーモンが、ロープを巧みに使って急降下し、ギーラを捕えてガーゴイル像の上まで引き上げる。

「ッ!」

 ギーラが最後に目撃したのは、ジャッジ・ザ・デーモンの紅く大きな瞳だった。その瞳に睨まれた直後、ギーラは真っ逆さまに床へと落とされ、頭から床に激突して気を失ってしまう。

「「「ひっ!」」」

 残されたマルティとタクトと北村元康が脅え切っていると、ここで恐怖で混乱したマルティが叫び出す。

「あ、あなた達わたしを何としてても死守するんですのよ! 何のために今まで利用してやったと思ってるの!」

「な、なんだと……!」「……!」

 自分勝手なマルティの言動に、焦燥を覚えるタクトと北村元康の二人。

と、自分勝手な言動のマルティに暗闇からグラップネルガンのフックが付着。驚くマルティを余所に、ジャッジ・ザ・デーモンはグラップネルガンでロープを引き戻してマルティを強引に引き寄せる。

「きゃあっ!」

 強引に引き寄せられたマルティに、ジャッジ・ザ・デーモンは彼女の顔面にラリアットを打ち込み、更に彼女が宙を舞ったと同時にマルティの背骨を自身の太ももに打ち付けてバックブリーカーで追撃。

 顔面にラリアット、背骨をバックブリーカーで痛め付けられたマルティは悶絶しながら床に叩き落されると、ジャッジ・ザ・デーモンはトドメに彼女の頭蓋に拳を叩き込んで完全に気絶させる。

 そして立ち往生するタクトと北村元康の前に姿を見せるジャッジ・ザ・デーモンの異様な姿に、タクトと北村元康は恐怖で蒼褪める。

「あ、あああ……っ!」

 すると完全に怖気付いた北村元康は、事もあろうにタクトを置いて部屋の隅に逃げてしまう。

「おいコラ逃げんな! お前、槍の勇者だろッ!」

 一人で逃げ出す北村元康を見て、タクトが怒鳴り散らすが、そんな彼にジャッジ・ザ・デーモンは歩み寄り、より一層恐怖を煽る。

「く、来るな! 来るなぁ!!」

 しかしタクトの嘆願も空しく、ジャッジ・ザ・デーモンは彼の目前まで歩み寄ると、そのままタクトの顔に一発強烈なストレートパンチをお見舞い。余りの高威力のパンチに、タクトの頭部は背後の木製の扉をぶち抜き、タクトはそのまま気絶してしまう。

 そして最後に残っている、完全に脅え切った北村元康の許に歩み寄るジャッジ・ザ・デーモン。

 北村元康は、完全に震え上がり、部屋の隅で背中を丸めて蹲っていた。

「フッ、腰抜けの臆病者が」

 そう呟くと、ジャッジ・ザ・デーモンは北村元康の首根っこを掴んで、彼を仰向けにさせると馬乗りに北村元康に跨り、そのまま力の限り北村元康の顔面を殴打し続ける。

 暴力の限りを続けるジャッジ・ザ・デーモンに、北村元康は顔面が腫れ上がる中「ゆ、許して……」と許しを請うのだが、ジャッジ・ザ・デーモンは聞く耳を持たない。

 

 そう何度も何度も北村元康の顔を殴り付けるジャッジ・ザ・デーモン。と、殴り続けていると。

「おい、それまでだ」

 と、北村元康を殴り続けるジャッジ・ザ・デーモンの背後から声が。

 一時的に停止するジャッジ・ザ・デーモンが後ろを振り返ると、そこにはあの男が。

「た、たずげで……」

 もはや原型が崩れて、誰なのかも分からないほど顔が腫れ上がる北村元康が助けを求めると、ジャッジ・ザ・デーモンは後ろを振り返ったまま北村元康にトドメの一発をお見舞いして彼を完全に気絶させる。

 そして北村元康を気絶させたジャッジ・ザ・デーモンは、後ろを振り返ったまま、ゆっくり立ち上がり、声をかけてきた男と向き合う。

「グービンシー……何ゆえ此処に?」

「お前さんこそ、なんでこんな異世界に居る? やはり聖龍隊に付いたという情報は確かだったようだな。この元連続殺人鬼が、俺らと同じ犯罪者だった癖に、聖龍隊に寝返るとは」

「寝返ったつもりはない。確かに俺は正義の味方でも無ければ英雄でもない。ただ聖龍隊と俺の利害が一致したから、こうして協力し合ってる訳だ」

「なるほど。俺が聖龍HEADを始末する前に、お前さんが血盟軍の幹部共を叩きのめしに来た訳だな」

「グービンシー、無駄な争いはそれこそ罪だ。大人しく投降しろ、お前の依頼主たちはもう居ないも同然だ……何なら、今だけは特別にお前を見逃してやる。此処から立ち去れ」

「ハッ、そうはいかないな。俺だってプロだ。金をもらった以上、最後まで任務を請け負うのは当然だ。悪いがジャッジ・ザ・デーモン、俺は今からお前を……殺す」

 ジャッジ・ザ・デーモンと対話したグービンシーは、背中から両刃の日本刀を抜刀してジャッジ・ザ・デーモンと闘う姿勢を示す。

 殺意むき出しのグービンシーを前に、ジャッジ・ザ・デーモンも致し方ないという心境でグービンシーと闘う決意をした。

 

 

 

[鬼VS傭兵]

 

 両刃の日本刀を振り翳し、ジャッジ・ザ・デーモンと対峙するグービンシー。

 日本刀を振り翳し、果敢に斬りかかるグービンシーの斬撃を、ジャッジ・ザ・デーモンは両腕に備わっている相手からの剣戟を受け止め防ぐブレードエッジでグービンシーからの斬撃を防ぎ切る。

 それでもグービンシーは諦めず日本刀を振るい続け、時には切っ先で刺殺しようと突撃するも、ジャッジ・ザ・デーモンはこの突撃も俊敏に回避する。

 ジャッジ・ザ・デーモンの方もグービンシーに反撃として果敢に拳を振るって反撃に転ずるが、グービンシーも負けじと日本刀を振るった。

 グービンシーの剣戟をジャッジ・ザ・デーモンがブレードエッジで受け止めるたびに、暗闇の中で紅い火花が散る。

 ジャッジ・ザ・デーモンと同様に、グービンシーが装着しているマスクにも赤外線センサーが備わっている為、グービンシーにもジャッジ・ザ・デーモンの動きは捉える事が可能。

 グービンシーからの斬撃をかわすと、ジャッジ・ザ・デーモンも反撃にと拳を振るうが、グービンシーはその拳をかわすと瞬時に刃を振るって斬りかかる。

 まさに一瞬の隙と油断で斬り殺される状況の中、ジャッジ・ザ・デーモンは冷静に立ち回ってグービンシーの剣戟を見極めた上で回避しつつ反撃に転じた。

 しかしジャッジ・ザ・デーモンの拳で攻撃され続けたグービンシーは、突然ジャッジ・ザ・デーモンの目前で煙幕を張って、ジャッジ・ザ・デーモンの視界を一時的に奪うと、その隙をついて跳躍してジャッジ・ザ・デーモンに何度も斬りかかる。が、ジャッジ・ザ・デーモンはグービンシーからの斬撃をブレードエッジで受け止めつつ、冷静に対処して反撃。

 ジャッジ・ザ・デーモンがグービンシーを壁まで追い詰めると、グービンシーは器用に壁を蹴って跳び上がり、ジャッジ・ザ・デーモンの頭上を舞う様に跳躍して広い部屋中央へと場を変える。

 と、ここでジャッジ・ザ・デーモンがグラップネルガンでグービンシーを捕えて、強引に引き寄せるとグービンシーの体を宙に舞い上がらせて床へと叩き付けて攻撃。

 

 一方、日が昇り、明け方になってた同刻。

 古城の周りを包囲する聖龍隊を指揮するウェルズは、腕時計を見ながら時間を気にしていた。

「うーーむ、まだかなジャッジ・ザ・デーモン……」

 ウェルズは、ジャッジ・ザ・デーモンからの連絡を待っていた。まさかジャッジ・ザ・デーモンが古城内でグービンシーと死闘を展開しているとは夢にも思わず。

 と、ここでウェルズは時間も時間という事で、ある決断を下した。

「よし………………全部隊! 古城に向けて、攻撃開始だ!」

 なんと古城には、まだジャッジ・ザ・デーモンを始めとする人間が居ながらも、古城に向けて攻撃するよう指示を出したのだ。

「ちょ、ちょっと待て! まだ城の中には敵とはいえ幹部や傭兵が居るんだぞ! それなのに古城に攻撃って……」

「い、いくらなんでも無茶苦茶なんじゃ……」

 と、古城への攻撃を指示するウェルズに、岩谷尚文とメリオダスが問い返すが。

「なぁに、ちょっと古城を跡形もなく更地にしてやるだけだ。少なくともジャッジ・ザ・デーモンは大丈夫だろうし、平気平気」

「「………………」」

 ウェルズの返答に、岩谷尚文もメリオダスも唖然とするばかり。

 そして

「撃てーー! 撃って撃って撃ちまくれッ!!」

 ウェルズの合図と同時に、古城を包囲する戦車や砲撃部隊が、古城に向けて一斉砲撃を開始した。

 砲撃に晒される古城は、外壁から続々と崩壊していき、城内でジャッジ・ザ・デーモンが拘束してる幹部や傭兵達は次々に瓦礫に呑み込まれていく。

 一方、そんな砲撃により崩落が始まる古城の王室内では。未だにジャッジ・ザ・デーモンとグービンシーが死闘を展開していた。

「グービンシー、分からないか。遂に古城への攻撃が始まった……このままでは俺たち二人とも、瓦礫に埋もれるぞ……!」

「どうだっていいさ、そんな事! 俺はお前を殺せれば、それでいい!」

 闘いをやめて逃げ出さないと危険だと唱えるジャッジ・ザ・デーモンに対し、グービンシーは殺意を消さず両刃刀を振るい続ける。

 

 闘いをやめないグービンシーの攻撃を耐え凌ぎ、ジャッジ・ザ・デーモンは反撃とばかりにグービンシーに拳での殴打の嵐をお見舞いする。

 ジャッジ・ザ・デーモンから何発も拳を叩き込まれて軽く混乱するグービンシー。

 グービンシーは最後にジャッジ・ザ・デーモンに日本刀で斬りかかるが、ジャッジ・ザ・デーモンはその刃を両手で挟み込んで受け止め、真剣白刃取りの要領で捕えた。

 そしてグービンシーに力いっぱい打撃をお見舞いすると、グービンシーは日本刀を振るいながらも軽く混乱状態に。

 そんなグービンシーの日本刀を奪い取り、グービンシーに攻撃の嵐をお見舞いする。

「もう終わりだ、チャオ」「お、お前は……お前は、誰なんだ……!?」

 グービンシーが問い返す中、ジャッジ・ザ・デーモンはグービンシーの顔の真横に奪い取った日本刀を投げ付けて壁に突き刺す。その日本刀に視線を向けてたグービンシーに、ジャッジ・ザ・デーモンはトドメ打撃を浴びせて完全に気絶させる。

 と、グービンシーを倒した直後、闘っていた部屋が崩落を始め、ジャッジ・ザ・デーモンは急ぎ古城の屋内から脱出する。

 

 そして古城はジャッジ・ザ・デーモンが脱出した直後、完全に崩落して瓦礫の山と化した。

「おーーい、そっちはどうだ!」

「あ、居た居た。こっちに居ましたーーッ!」

「こっちにも埋もれてる奴らがいまーーす」

 崩落した古城の瓦礫を退かして探索する聖龍隊の隊士によって、先にジャッジ・ザ・デーモンが拘束していた傭兵や幹部達は無事?に瓦礫の中から助け出された。

 だが、同時に傭兵や幹部達は隊士達によって発見された直後に、両手を機械仕掛けの手錠で拘束されて連行されるのだった。当然、そんな連行される者の中には、同じく瓦礫の中から助け出されたグービンシーの姿もあった。

「これで現段階で、聖龍隊が認知している異世界の悪政を誇ってた連中は捕らえる事が叶ったな」

「ああ、だがこれで終わりじゃない。まだまだ俺達の知らない異世界が、この世には存在する……そんな異世界を正しく導くのも、俺たち聖龍隊の務め。まあ、そこはお前さんも同じだけどな」

 幹部や傭兵達が連行されるのを横目に、ジャッジ・ザ・デーモンと現場を指揮するウェルズが話し合ってた。

「……この世に完璧な正義はない。だが、弱者が虐げられる世界や社会は決して正しいものでもない。聖龍隊が今後、そんな悪政や習慣を敷く異世界や国家を正してくれる事を祈ってる」

「ああ、俺も同じ気持ちだ。ジャッジ・ザ・デーモン」

 そう話し終えると、ジャッジ・ザ・デーモンはウェルズの許を離れた。

 そして聖龍隊の隊士によって連行され、護送車に乗せられていく幹部や傭兵そしてグービンシー達を見届けたジャッジ・ザ・デーモンは、その場にジャッジウィングを呼び寄せ、グラップネルガンで機内に飛び乗ると去っていった。

 

 そんな一人でジャッジウィングに搭乗して去っていったジャッジ・ザ・デーモンを見上げて唖然とする幹部達。

「あいつは、一体……!」

 幹部達が何者かまでは知っていないジャッジ・ザ・デーモンの事を疑問視してると、そんな幹部達に同じく捕縛されたグービンシーが説いた。

「アイツはジャッジ・ザ・デーモン………………俺達の敵だ」

『ジャッジ・ザ・デーモン……!!』

 グービンシーが語ったジャッジ・ザ・デーモンの名を聞いて、衝撃を受ける幹部達。

 

 そして幹部と傭兵達は、そのまま護送されていくのであった。

 

 

 

[聖龍隊の異世界平定]

 

 こうして何とかして異世界で悪政を強いていた二次元人たちを捕縛した聖龍隊。

 聖龍隊総長バーンズは、悪政を施行していた二次元人たちが存在していた異世界の重鎮達と親睦を深め、同盟を果たす。

 晴れの国を統治するリヴィウス一世ことリヴィウス・オルヴィヌス・イフリキア、メルロマルクの女王であるミレリア=Q=メルロマルク、リオネス王国国王のバルトラと第一王女のマーガレット。バーンズはそんな王族と、同じ王族同士で交流を持ち、更に戦争で血盟軍に属していた反逆者達の管理も引き受けた。

 こうして聖龍隊と同盟を結んだ晴れの国とメルロマルクとリオネス王国などの国家の治安を、聖龍隊が治安維持に務める形で共に協力して統治する形式へと政策が執り行われた。

「しっかし、まあ……冤罪を吹っ掛けられた騎士団である【七つの大罪】のメンバーの冤罪を払拭するだけでも中々難しいのに、亜人達への差別や奴隷解放制度も取り込まないとは……仕事が増える一方だぜ」

「そんなの言わないの。差別や軋轢を無くすっていうのが、聖龍隊が掲げる理想の一つだって事は解っているでしょ」

 同盟国が増えた事で増加した業務に追われるバーンズに、同じく書類業務の整理を行うジュニアが呆れながら言う。

「だけど、新しくオレら聖龍隊が協力して統治する国の人民達に、色々と教え込むのも相変わらず大変だな」

「確かに。でも、僕たち聖龍隊が守らなきゃならない国民に新しい決まりやルールを指導してあげるのも、指導者たる聖龍隊の役目だよ」

「でもなぁ……教育=洗脳って思われるのが辛い」

「あーー、分かるわーー」

「オレ達が新しく教えたり、指導してやる差別禁止や奴隷制度の撤廃も、異世界の国々では簡単に受け入れてもらえないのが実情だからなぁ……」

「でも異世界の人々にも、正しい人道というか、道徳的な教育をしていかないと、また同じ過ちを懲りずに繰り返そうとするからね」

「確かになーー……大変だけど、一から教育したり、指導したりしてやんないといけないよなーー」

「そうそう。ところでバーンズ、例の血盟軍に属してた幹部や傭兵達は大丈夫かな?」

「アイツ等なら、今でもアニメタウンの留置所に閉じ込められてるけどよ。相変わらず自分勝手な言動ばかりでウルサイってウェルズが困り果てているみたいだぜ」

「叔父さんも大変だな、アニメタウン警察の本部長として、戦争犯罪を犯した犯罪者達も面倒見なきゃならなくて……」

「幹部達以外にも、竹内元教師ら傭兵も一緒に収監されているからな。まあ……あの男は、ちょっとな……」

「あの男って、まさか義兄さんのコピー兵士だった、あの……?」

「ああ、予見はしていたが……先日、外国の……それも三次元界の政府機関から、身柄を譲渡する様にと通達が来た。きっと今回も依頼だとか任務とかで恩赦を与えて、また釈放されるんだろう」

「……チャオも義兄さんのコピー兵士として整形されて、人生が狂ってしまったとはいえ……すぐに釈放されて自由を与えられたんじゃ、他の犯罪者や異常者(ヒール)が不憫に思えてくるね」

 

 バーンズとジュニアが話をしている頃、アニメタウンの留置所では。

 狭い牢屋に無理やり押し込められたラニ・アリステスに聖騎士であるドレファス/ヘンドリクセン/ヘルブラム/ギルサンダー/ギーラ/ジェリコ/ハウザー、そしてマルティ=S=メルロマルクとオルトクレイ=メルロマルク32世、槍の勇者である北村元康に傭兵のタクト=アルサホルン=フォブレイ、そして雑兵である傭兵の竹内元教師/川井みき/島田一旗/植野直花/広瀬啓祐の面々が醜い声で牢屋の外に向かって叫んでた。

 誰も彼も自分勝手な言動で、聞いているだけでも呆れ果ててしまう内容の罵声を吐き散らす面々を尻目に、そんな彼らが押し込められている牢屋の鉄格子の前を、ウェルズ本部長と同行するグービンシーことインヤン・チャオが通り過ぎる。

「ちょっと傭兵! ……グービンシー! あなた良くも私たちが痛め付けられたって言うのに助けなかったわね! しかも自分だけ外国に身柄を移されてから自由になるなんて、許さないわよ!」

 獄中で耳にした情報で、外国に身柄を移された後に釈放されるグービンシーに怒声を放つマルティ。

「フン、俺は別にお前らの警護を依頼された訳じゃないからな。それに外国に身柄を移されて釈放されるのも、俺が必要とされている証だ……!」

 そう唱えながら牢屋の方へ振り返ったグービンシーは、不意にマスクを外して素顔のインヤン・チャオ、そう新世代型二次元人の始祖である小田原修司と瓜二つの素顔を晒して力説する。

「俺は俺で、他人から必要と認められるだけの力量があるから自由になるだけだ。お前たち出来の悪い新世代型二次元人と違い、俺は世界に……大勢の権力者たちに認められる実力があるからこそ、自由すらも勝ち取れる! 俺はお前ら新世代型二次元人の始祖である小田原修司のコピー兵士インヤン・チャオではなく、鬼の兵士グービンシーとして戦いに身を投じながらも必要と認可され、自由でいられる人生を勝ち取った強者なのだよ!!」

『!!』

 そうグービンシー、いやインヤン・チャオから力説された新世代型二次元人たちは愕然と表情を強張らせる。

 そしてグービンシーことインヤン・チャオは、アニメタウン警察本部長のウェルズに同行され、身柄を三次元界の外国へと移されるのだった。

 留置所の牢屋に取り残された新世代型二次元人たちは、自分達の小田原修司のクローンとしての必要性の皆無に(自分達は、なんなんだ……!)と、各々苦悩する。

 

 

 

 

 それからラニ・アリステス、ドレファス/ヘンドリクセン/ヘルブラム/ギルサンダー/ギーラ/ジェリコ/ハウザー、マルティ=S=メルロマルクとオルトクレイ=メルロマルク32世、北村元康とタクト=アルサホルン=フォブレイ、そして竹内元教師/川井みき/島田一旗/植野直花/広瀬啓祐たちは全員、戦争犯罪に加担した戦犯として裁かれた。

 しかし彼らの精神に異常性がある事が認められ、全員が異常者(ヒール)認定を受けて精神異常者収容施設へと収監される流れとなった。

 そんな戦犯達に反し、グービンシーことインヤン・チャオは後日、中東のとある紛争地域で活動している事実を、諜報機関が掴んだという。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。