聖龍伝説 ジャッジ・ザ・デーモン ネオ・ダーク・レジェンド 作:セイントドラゴン・レジェンド
遂にアメコミヒーローと聖龍HEADの戦いが始まります。
因みにMARVELヒーローは、MCUをメインに色々と設定を混ぜています。
[国連との会合]
現政奉還の混乱の中で数々の暴挙を起こした小田原修司の身柄引き渡しを拒絶し。その後、世界中で活動していた自警団ジャッジ・ザ・デーモンを正式に隊士に加えた聖龍隊。
そんな聖龍隊の行動を、各国の政財界の大物達はもちろん国連の議員達も快く思わず、全て横暴と見なしていた。
数多の暴力で時には政財界や法曹界の人間達までも私刑に至らしめるジャッジ・ザ・デーモンの横暴に苦渋を飲まされてきた国連。
そんな国連から召集を受けて、バーンズやジュニアたち聖龍HEADが国連本部へと赴いた。
「……それで? 今日は何の用件でオレ達を呼んだんだ? ……義輝」
聖龍隊総長のバーンズは、かつて現政奉還を起こして世界中を戦乱に招いた国連総長の足正義輝に問い掛ける。
一方の義輝は、現政奉還での贖罪として国連総長の任を続けるという贖罪の中で、本日は多くの国連議員の面々と国連軍のトップであるマグマード・岩田こと赤犬元帥にその側近である元帥補佐官ユーリ・ペトロフを引き連れて聖龍隊と会合していた。
「朋よ、今日はよくぞ遠路遥々アニメタウンより来てくれた。実はな、朋よ……本日は其之方たち聖龍隊と、其之方たち聖龍隊が加盟させた異形の存在ジャッジ・ザ・デーモンについての処遇を話し合いたいのだ」
「処遇ですって?」
義輝の発言に聖龍隊副長のミラーガールが驚くと、義輝は説明を始めた。
「以前より、聖龍隊の小田原修司の身柄譲渡を拒絶しただけでも問題視されてはいるが……今回は更に、あのジャッジ・ザ・デーモンをも聖龍隊に加盟させた事も大きな問題なのだ」
『………………』義輝の話に、聖龍HEADは黙って耳を傾ける。
「予の下に、国連議員だけでなく、世界中の多くの政財界や法曹界の者たちから書状が届いておるのだ。その全てが、今まさに聖龍隊の元で活動しているジャッジ・ザ・デーモンに対する処遇についてなのだ」
そう黙然と義輝の話に耳を傾ける聖龍HEADに、沈黙していた国連軍元帥補佐官であるユーリ・ペトロフが口を開く。
「我々、国連軍としても……聖龍隊の加護の下で安易に過度な暴力を振るい続けるジャッジ・ザ・デーモンを野放しにしておくのを見過ごす訳にはいかないんですよ」
「過度な暴力なら、国連軍……特に赤犬元帥の方がお得意なんじゃないですか」
「ッ……!」
「元帥殿、落ち着いてください」
ユーリ・ペトロフの話に割って入るHEADのコレクターユイの言動に赤犬元帥が苛立つが、それをユーリ・ペトロフが冷静に宥めては話を続けた。
「単刀直入に申しますね。今後もジャッジ・ザ・デーモンが世界中で無差別に暴力を振るい続けるというのであれば……我々国連はジャッジ・ザ・デーモン、または彼を擁護する聖龍隊を国連の統括下におくよう処置を取ります」
「お、おい! なんだ、それは……! ジャッジ・ザ・デーモンは無差別に暴力を振るっている訳じゃないぞ! 時には話し合いで解決する事もあるし、暴力は話し合いが通じない犯罪者のみに振るっているんだぞ!」
ユーリ・ペトロフの申し開きにキング・エンディミオンが反論すると、彼に続いてミラーガールも反論する。
「そもそも! ジャッジ・ザ・デーモンをなんで、そんなに目の敵にするのよ! 確かに彼は過去に殺人も犯したけど、今では私たち聖龍隊の監視下で人命は奪ってないのよ。それ以前にジャッジ・ザ・デーモンが暴力を振るうからって……暴力を振るって犯罪を抑制するのはゴッサムシティのバットマンやアメリカの一部のヒーロー達にだって言える事じゃないの! それなのにジャッジ・ザ・デーモンだけ国連の統括下におくなんて可笑しいわ」
ミラーガールの反論に対してもユーリ・ペトロフは冷静さを欠ける事無く説き続ける。
「バットマンなどのアメリカのヒーロー達は、基本的に街や一区画のみで活動しているのですよ。ですがジャッジ・ザ・デーモンは、アニメタウンやジャッジ・ザ・シティだけでなく世界中で活動しては、その国の情勢をも乱してしまいます。私たち国連が危惧しているのは、其処なんですよ」
「何よ、それ! ジャッジ・ザ・デーモンが人命を救って困る事があるっての!?」
ユーリ・ペトロフに反論するミラーガールに続き、バーンズも反論を述べる。
「建前はやめろよ、ペトロフ。いや、国連の議員達……お前さん達は、ジャッジ・ザ・デーモンによって自分達には都合の悪い事実や罪が露見されるのを恐れているんだろ? 国際社会がジャッジ・ザ・デーモンを目の敵にしているのも、それが主な理由なのは解り切っている」
「まあ、そこはお好きな様に想像してくれて構いませんよ。どちらにしろ、ジャッジ・ザ・デーモンをこれ以上、擁護するのであれば……ジャッジ・ザ・デーモンだけでなく聖龍隊という組織そのものが危惧されるのですよ」
「ジャッジ・ザ・デーモンは今後も、僕たち聖龍隊が統括して管理下においておく。彼が世界中で制裁を繰り返して、経済界や法曹界の人間の不都合な真実が公にされても、それは相手の問題であって僕たちには関係ないだろ」
バーンズに指摘するユーリ・ペトロフに反論する参謀総長のジュニアの話を聞き、ユーリ・ペトロフが気難しい顔で言った。
「そうはいかないんですよ、ジュニア参謀総長。ジャッジ・ザ・デーモンの制裁という暴力で罪人が裁かれる事で、その国の情勢に多大な被害が出るのもまた事実……我々、国連はそれを見過ごす訳にはいかないんです」
話が平行線を辿る中、ユーリ・ペトロフはジャッジ・ザ・デーモンの処遇について聖龍隊にせまった。
「何度も忠告しますよ。ジャッジ・ザ・デーモンの身柄を国連に譲渡して、彼を国連の管轄下におかない以上……聖龍隊そのものを国連の統括下におく事。それが我々、国連が下した結論です」
[苦悩するヒーローたち]
ジャッジ・ザ・デーモンによって自分達にとって都合の悪い事実や罪が露見される事を恐れた国際社会は、ジャッジ・ザ・デーモンを管理下におく聖龍隊共々危険視していた。
己の意思だけで戦い続けるジャッジ・ザ・デーモンに対して、危険視した国連が各国の秩序が乱れるという名目で、ジャッジ・ザ・デーモンまたは彼が所属している聖龍隊を国連の統括下におくようHEADにせまる。
ジャッジ・ザ・デーモン、いや、黙認しているだけでジャッジ・ザ・デーモンが小田原修司と認知している国連の勅令に聖龍HEADは考え込んだ。
国連いや世界はジャッジ・ザ・デーモンこと小田原修司を再び手中に収めて、修司を人間兵器として管理したい思惑が見え見えの決議に聖龍HEADは反発した。
そして聖龍HEADはアニメタウンに帰国後、早速ジャッジ・ザ・デーモンの処遇について会議した。
「遂に国連も本気で動いてきたという訳か……」
「ジャッジ・ザ・デーモン、または小田原修司を再び人間兵器として自分達の統括下におきたい思惑で、今回の決議を下したんだろうね」
聖龍隊総長のバーンズと、参謀総長のジュニアは険しい面持ちで話し合う。
「いつもの事だけど……役人とか、上の立場の人間は自分達の利益や立場の事しか考えてないわ!」
「その通りだわ! ジャッジ・ザ・デーモンの活躍で、自分達の汚職や不正が公にされるのを恐れてるのよ」
聖龍HEADのセーラーマーズにミュウザクロも意見を述べる。
「皆さんが不満を零すのは当然ですが、それよりもジャッジ・ザ・デーモンの身柄を国連の統括下におくか、聖龍隊そのものを統括下におくかの二択に迫られている現状をどうにかしませんと……」
「修司くん……いいえ、ジャッジ・ザ・デーモンを国連に譲渡するのは、絶対避けないと!」
聖龍HEADの鳳凰寺風とセーラージュピターが懸念を述べると、彼女達に続いてミラーガールも険しい面持ちで話し出す。
「そりゃ、修司に……ジャッジ・ザ・デーモンに問題がないと言えば嘘になるわ。ジャッジ・ザ・デーモンは今まで犯罪を抑制する為にも、自分自身もたくさん法を犯してきた……けれど、法という制限を破らなければ守れなかった人命も多々ある事は明白なのに。それなのにジャッジ・ザ・デーモンだけ冷遇するなんて……!」
険しい面持ちのミラーガールに、バーンズが言う。
「だがな、アッコ。それがジャッジ・ザ・デーモンの強みでもあり、弱点でもある。国際社会は法を犯してきたジャッジ・ザ・デーモンの弱みにつけ込んで、ここぞとばかりにジャッジ・ザ・デーモンを自分達の手中に収めようって魂胆なんだろう」
バーンズに続き、ジュニアも話し出す。
「ジャッジ・ザ・デーモンを手中に収められないなら、いっそ聖龍隊そのものを手中に収めようと画策する……自分達の利益や社会的地位しか考えてない人間達の常とう手段だよ」
ジュニアの話を聞いて聖龍HEADの女性達が反発する。
「ど、どうするんですか!? このままじゃ、ジャッジ・ザ・デーモンの身柄を引き渡すか、聖龍隊そのものを国連の統括下におくしか選択肢がないじゃないですか!」
「修司くんは今まで弱い人を守る為にジャッジ・ザ・デーモンとして活動してきたんだよ! それなのに、そんな修司くんをまた人間兵器として利用するなんて……!」
七海るちあや獅堂光が困惑しながらも不満を零していると、聖龍隊総長のバーンズが締めくくった。
「今は国連が、どう動くか動向を見守るしか手立てがない……ジャッジ・ザ・デーモンか、または聖龍隊の権限を放棄するか……二者択一しか残されてない現状で、オレ達もどう動くか考えないとな……!」
『………………』
バーンズの苦悩に、他の聖龍HEADは険しい面持ちで黙然とするのだった。
一方、国連側は聖龍隊またはジャッジ・ザ・デーモンの戦力を統括下におく為に動いていた。
「……と、いう訳だ。このまま聖龍隊を、そしてジャッジ・ザ・デーモンを野放しにしておくのは、世界情勢の混乱にも繋がる訳なのだよ」
「「………………」」
「どうか、ここは聖龍隊を説得させる為にも貴方方に動いてもらいたい。他のヒーロー達にも、我々国連が伝えておくから宜しくお願いするよ」
「しかし、ですね……」「………………」
「このまま聖龍隊、いやジャッジ・ザ・デーモンを放置しておけば、世界中で活躍する君たちを含めたヒーロー達の活動にも影響が出るのは目に見えている。どうか、他のヒーロー達とも協力して、聖龍隊を説得させてほしい……トニー・スターク、それにブルース・ウェイン」
「「………………」」
国連からの使者の訴えに、スターク社社長であるアイアンマンことトニー・スタークと、ウェイン産業社長のブルース・ウェインことバットマンは考えさせられていた。
[決断するヒーロー達]
聖龍隊が小田原修司の身柄を自分達へと受け入れ、それに続いて元殺人鬼でもあるジャッジ・ザ・デーモンを聖龍隊に加盟させた事で起きた今回の波乱。
国連は小田原修司およびジャッジ・ザ・デーモンの問題から聖龍隊を危険視し、ジャッジ・ザ・デーモンまたは聖龍隊そのものを国連の統括下につくようHEADに迫る。
当然ながら、聖龍隊はこの国連からの勅令を拒絶。自分たち聖龍隊はもちろん、ジャッジ・ザ・デーモンも国連の統括下につく事はないと宣言。
しかしこれに国際社会が聖龍隊やジャッジ・ザ・デーモンへ向ける危険視を増長させ、次第に聖龍隊およびアニメタウンは国際社会より孤立。
更に其処へ追い打ちをかけるかのように、聖龍HEADにある人物達から連絡が入った。
「……と、いう訳だ、バーンズ。君たち聖龍隊には本当に悪いが、我々もこれ以上ジャッジ・ザ・デーモンの横暴さには目を瞑る事はできない」
「僕たちの方も同じ意見だ。ジャッジ・ザ・デーモンの制裁が、アニメタウンや日本国内に留まっていれば、まだ違った見解が出たんだろうが……」
『………………』
ジャスティス・リーグのスーパーマンにアベンジャーズのキャプテンアメリカの思い悩んだ表情での報告に、聖龍HEADは険しい面持ちで聞き及ぶ。
「私も前々から、ジャッジ・ザ・デーモンの制裁には不安があった……彼は発達障害者である以上、いつ感情が爆発して昔同様、残忍な殺人鬼に戻るか懸念なのだよ」
「ミラーガール達には悪いけど……私も本音を言うと、ジャッジ・ザ・デーモンの活動は認めにくいっていうのが本心で……」
バットマンにワンダーウーマンに続き、アイアンマンも聖龍HEADに言う。
「そもそも、感情が不安定なあの彼がジャッジ・ザ・デーモンとして活動するのは危険なんだよ。これは彼本人の為でもある。僕としては、ジャッジ・ザ・デーモンとして活動するよりも、本当の意味で隠居生活を送って大人しくしていた方が本人の為にも世界の為にもなると思ってる」
アイアンマンたちアメリカのヒーロー達の意見を険しい面持ちで聴く聖龍HEAD。
するとバーンズが此処でアメリカのヒーロー達に向かって真意をついた。
「お前ら……なんて脅されたんだ? ジャッジ・ザ・デーモンや聖龍隊が国連の統括下にならないのなら、自分達のヒーロー活動も制限されるぞって国連のお偉いさん方に忠告されたのか?」
『………………』
バーンズからの指摘に、アメリカのヒーロー達は口を閉ざす。
そして沈黙を破って、キャプテンアメリカが聖龍HEADに忠告した。
「バーンズ、そして聖龍HEADの諸君。これは忠告だ。もし、ジャッジ・ザ・デーモンが今後も活動するというのなら、そのジャッジ・ザ・デーモンまたは君たち聖龍隊が国連の統括下におかれる事を、国連は最優先するだろう。そして、その決議に従わない場合………………僕たちアベンジャーズやジャスティス・リーグが聖龍隊及びアニメタウンに強硬策をとる事になるだろう」
「その言葉……宣戦布告として受け取らせてもらうぜ、キャプテン」
キャプテンアメリカからの忠告を聞いたバーンズは、宣戦布告と受け止めた上でテレビ電話の電源を切った。
こうしてアメリカのヒーロー達との全面対決は免れない事態となり、聖龍HEADは緊急会議を開いて対策を練った。
「相手のスーパーヒーロー達は僕ら聖龍隊のメンバーの戦術や能力を熟知している! 此処は新世代型二次元人を始めとした新メンバーも戦力に加えて、敵の不意を突かないと……」
「聖龍隊の新人達を参戦させるのは反対だ! これはヒーロー同士の戦争なんだ! 新人達を……新世代型達を戦争に巻き込むわけにはいかない!」
「バーンズ、そんな悠長な事は言ってられないよ! この戦争に勝たなきゃ、世界は僕ら聖龍隊だけじゃない……最強戦力である小田原修司をも再び手中に納める可能性だって十分に考えられる……!」
アメリカのヒーロー達との全面戦争に新戦力として新世代型二次元人たちも加えるよう提言するジュニアに対し、新世代型二次元人たちを戦争に参加させたくないと主張するバーンズ。
「……バーンズの言ってる事の方が納得よ! 私達だけでも大変なのに、新世代型二次元人達までも巻き込むのは可哀そうよ!」
「だけどセーラームーン、もうボクたち聖龍HEADの戦闘データはジャスティス・リーグやアベンジャーズに周知されているんだ。ここはジュニアの言う通り、新戦力として新世代型二次元人達で補った方が戦いに有利なのは明白だ」
意見を交わし合うセーラームーンにセーラーウラヌスに続き、コレクターユイ達も悲痛な面持ちで話し合う。
「確かにジュニアくんの言う通り、此方の情報は全て相手側に周知されているから、新戦力を補おうって考えは解るけど……でも……」
「まさか、アメリカのヒーロー達と全面対決になってしまうなんて……」
「これはもう対決なんて甘い言葉では片付けられないわ! もうヒーロー同士の全面戦争なのよ」
コレクターユイに続き、鳳凰寺風に真紅も神妙な面持ちで話す。
「だけど、このままじゃ何れアメリカのヒーロー達と全面戦争になるのは目に見えている! 戦力拡大の為にも、新世代型二次元人を投入すべきじゃ……」
「オレは反対だ! 現政奉還以降、色んな混乱に喘いだ新世代型二次元人を、オレ達の勝手で争いに巻き込む訳にはいかない! それ以前に、まだ経験も浅い新世代型二次元人をベテランであるアメリカのヒーロー達と戦わせるのが無理ってもんだろ」
「た、確かにそうだけど……!」
新戦力を加えるべきと唱えるジュニアに反論するバーンズの返答に、ジュニアも思わず絶句する。
「俺は正直、ジュニアの言う通り聖龍HEADだけで戦うのは無謀だと思う。相手のアメコミヒーロー達は俺達の事を熟知しているしな……だからと言って、バーンズの言う様に経験も浅い新人達を戦闘に投下するのは危険とも思う」
「私も……ジュニアの言う通り、戦力は多い方がいいとは思うけど、経験を積んでいない新世代型二次元人の新人達までも戦争に投下するのはかえって危ない気がするわ」
「え、エンディミオンにアプリまでも……まあ、確かに経験が浅い新人を戦前に出すのも考え物だけど……」
キング・エンディミオンとアプリコットの発言に、ジュニアも納得せざるを得なかった。
「ねえ、なんとかしてアメリカのヒーロー達との戦いは避けられないのかしら……」
「そうですよ! 戦う前提で話が進んでいるけど、戦いを避ける方法を見付けるのが大事なんじゃないですか?」
「そうだよ、みんな! ヒーロー同士が戦争なんて、おかしいよ!」
ミラーガールに続き、七海るちあと獅堂光も戦争反対を唱えるが。
「だけどな……戦争を回避するには、オレたち聖龍隊かジャッジ・ザ・デーモンを国連の統括下におくようにするしか今のところ手立てがねえ……! 無論、アニメタウンに住まう二次元人の未来の為にも、聖龍隊の権限とジャッジ・ザ・デーモンの身柄は譲れないが……!!」
バーンズが険しい面持ちで皆に明言して答える。
「ジャッジ・ザ・デーモンか、聖龍隊そのものを国連の統括下におくなんて……二者択一しか迫れないなんて、困ったものね」
「アニメタウンの役人達は、この国連の勅令とアメリカのヒーロー達の忠告に、どんな反応をしているんですか?」
ナースエンジェルとミュウイチゴが難しい顔で苦悩してると、バーンズがミュウイチゴの疑問に答えた。
「アニメタウンの役人達は、アニメタウンが戦場になるならジャッジ・ザ・デーモンを国連に譲渡しろという奴らまで出てきやがる始末……このままオレ達も手を拱いている以上、聖龍隊の組織維持にも影響が出るのは目に見えている」
なんとアニメタウンの役人達も、自分達の汚職や罪を公にしてきたジャッジ・ザ・デーモンの処遇を国連に一任させるべきと唱えている始末だという。
「何とか、何とかしないと……このままじゃジャッジ・ザ・デーモン、いえ、修司がまた国連の所有物になっちゃう」
「今の私達にできる事は……やっぱり、国連の命で聖龍隊を抑制しようとするアメリカのヒーロー達と対決する以外、ないのかもしれないわ……」
ミラーガールと最終兵器ちせが思い悩んでいると、バーンズが現状を語り明かした。
「此方は当然、表向きは隠居している修司を戦力には加算できねえし……ハニーは、今や産休中で戦力には加えられない現状。もし新世代型二次元人を加えないのなら、此処に居る38人の聖龍HEADでアメリカのヒーロー達と戦うしかない」
険しい面持ちでその場の38人の聖龍HEADに話すバーンズに続き、ミラーガールも神妙な面持ちで言った。
「そうね……新世代型二次元人はもちろんだけど、この戦いに他の聖龍隊士であるキャラクター達を巻き込むのは居た堪れないわ」
すると此処でジュニアが険しい面持ちで語り出した。
「アメリカのヒーロー達は恐れてるんだ……ジャッジ・ザ・デーモンの様なダークヒーロー的存在を野放しにしたら、自分達のヒーロー活動も国際社会に抑制させられると……!」
自分達の活動も国際社会によって抑制させられる事を恐れたアメコミヒーロー達の心情を、ジュニアは語るのだった。
するとバーンズが真剣な顔で聖龍HEADに言い放った。
「オレ達は修司の平和で平等な理想を実現する為に戦っている。それは修司ことジャッジ・ザ・デーモンも同じだ。例えアメリカの英雄達と戦う事になろうと、今後も同志であるジャッジ・ザ・デーモンの活動を支援していかなきゃならねえ……!」
バーンズの固い決意を前に、他の聖龍HEADも賛同した。
こうして聖龍HEADの中でも意見の食い違いが表れ始めてた会議の末、アメリカの英雄達との戦いに発展した場合、聖龍HEADのみで立ち向かおうという決議に至った。
[思い悩むヒーロー達]
そして会議の後、バーンズたち聖龍HEADは会議で決まった結論を聖龍隊全域に報告。
誰もが聖龍HEADとアメリカのヒーロー達との戦いは避けられないのかと不安を募らせた。
そんなバーンズやジュニアにミラーガールといった現聖龍隊のビッグ3が基地内を見回っていると、三人の許に聖龍隊の新人達が駆け寄ってきた。
「総長!」「……出久か」
バーンズたち三人の許に駆け寄ったのは、緑谷出久たち聖龍隊の新人だった。
「君たち。今は任務中じゃないけど、無意味なお喋りは余り感心できないよ」
「解ってる! オレ達だって考えて総長たちに言いたいんだ……!」
「………………」
ジュニアの注意にサイタマが発言の許可を求めると、そんな真剣な眼差しの新人達をミラーガールが悲痛な面持ちで見詰める。
「総長、副長、そして参謀総長……お願いします、僕たちも参戦……アメリカのヒーロー達と戦わせてください!」
「な、何を言ってやがる……!?」
驚愕するバーンズたちに、出久たちは思いの丈を吐き出すように嘆願した。
「僕たちも出撃させて下さい、バーンズ総長……!」
「これはヒーロー同士の戦争なんだ。もう戦争にお前達を……新世代型を巻き込みたくない」
しかし出久たち新人達の嘆願を、バーンズは新世代型二次元人を争いに巻き込みたくない一心で反対する。
「お前達の気持ちはありがたい。けどな、今回悲しい事に戦う相手は、ある意味オレたち以上にベテランであるアメリカのヒーロー達なんだ。まだ経験の浅いお前たち新人まで出撃させる訳にはいかないんだ。分かってくれ」
すると緑谷出久が悲痛な面持ちで自分の胸中を吐き出した。
「ヒーローはみんなを護る存在、それなのに……なんで世界を護るヒーロー同士で争わなければならないんですか……!」
「………………」
緑谷出久の発言に、バーンズ達その場の一同全員が沈黙した。
その日の事、バーンズとジュニアとアッコの現聖龍隊のビッグ3は三人だけで会談し合った。
「……はあ、まさかアメリカのヒーロー達と戦うまで状況が悪化しちまうとは……」
「いつかは国連から何かしらの形で迫られるのは覚悟していたけど、まさかアメコミヒーロー達と戦う事に至るなんてね」
「………………」
呆然と腑抜けるバーンズに疲れ切った様子で呟くジュニアを、アッコは悲痛な面持ちで見詰めてた。
すると、ここでアッコが二人に問い掛ける。
「……ねえ、二人とも」
「ん?」「なんだい?」
「あのね………………二人は、私たち聖龍隊がジャッジ・ザ・デーモンを仲間として公式に受け入れた事を、後悔してないわよね……?」
「アッコ……」「………………」
「確かに、元々の原因は私たち聖龍隊が現政奉還の混乱の中で猛威を振るってた修司を許して、アニメタウンに帰国させた事や……その後にジャッジ・ザ・デーモンを公式に聖龍隊の仲間として受け入れた事から始まった。けど、私は修司を許した事も、ジャッジ・ザ・デーモンを仲間として受け入れた事も間違いだとは思いたくないのよ。確かに現政奉還の時の修司の暴挙は酷かったし、聖龍隊に入る前のジャッジ・ザ・デーモンは多くの人命を殺害してきた。それは紛れもない事実よ。だけど……」
「「………………」」
「だけど、私は全面的に小田原修司という人間を受け入れた聖龍隊の決断は間違ってなかったと思いたい。修二を許した事も、ジャッジ・ザ・デーモンを受け入れた事も、聖龍隊が一歩未来へと前進できた切っ掛けなんだなって、信じたいの! いくら修司を許して、その上ジャッジ・ザ・デーモンを仲間として認可した事がアメリカのヒーロー達と戦う切っ掛けになってしまったとはいえ……私は修司を、そしてジャッジ・ザ・デーモンを仲間として受け入れた事を後悔したくないの」
「アッコ……」「アッコさん……」
アッコの真剣な思考に、バーンズもジュニアも沈黙する。
そして、沈黙の後、バーンズとジュニアはアッコに言った。
「……フッ、アッコ、それはオレも同じだよ」
「僕もだ。確かにアメコミヒーロー達と戦う事になってしまうのは残念だけど、ジャッジ・ザ・デーモンを仲間として正式に認めた事で、僕たち聖龍隊の犯罪に対する活動の幅が広くなったのは明白だからね。それ以上に、小田原修司という人間を受け入れた事を後悔なんてしないよ」
「ふ、二人とも……!」
バーンズとジュニアの賛同に、アッコは感激した。
「今思い返すと……昔、そう……まだ聖龍隊が国連に認可された頃が懐かしいわ。あの頃みたいに、アメリカのヒーロー達と仲良くできないのかしら……」
「ホントにそうだね……」
「ああ、まったくだな……」
昔を思い返すアッコに、ジュニアもバーンズもその頃を思い返しながら思慮に耽る。
そう、まだ聖龍隊が国連に認可されたばかりの頃、アニメタウンにアメコミヒーロー達が視察に来た時を思い返して。
[聖龍隊とアベンジャーズとジャスティス・リーグ]
それは当時、ちょうど修司が渡米してアメリカ軍で修行していた頃の事。
国連に認可されたばかりの聖龍隊の基地に、アベンジャーズやジャスティス・リーグのヒーロー達が視察に訪れた時の事だった。
この日、米国のアベンジャーズやジャスティス・リーグといったアメコミヒーロー達に、当時は不在だった小田原修司に代わって聖龍隊の副長バーンズ達が面会した。
「では此方でございます。まだまだ不完全と言えど、精鋭揃いの聖龍隊を宜しくお願いします」
アメコミヒーロー達を聖龍隊の基地へと案内する当時は聖龍隊のサポートを行っていた修司の執事であるウッズに導かれ、アメコミヒーロー達は基地内へと赴く。
「貴方は確か……今は不在の聖龍隊総長、小田原修司に仕えている執事のウッズ・J・プラントでしたね。私の執事であるアルフレッドとは親しいと、アルフレッド本人から窺っていますが……」
「はい、アルフレッドさんとは衛星電話でよくお話したりする間柄です。言っては何ですが、あの方も私も、一癖も二癖もある主人に仕えているからか、話が何かと合うんですよ」
「ハハッ、言われちゃったな、バットマン」
自分の執事と親しい間柄なのかと訊ねるバットマンに答えるウッズの返答に、スーパーマンがバットマンを指摘する。
そして一行は、ウッズの案内の元、聖龍隊の会議室へと赴いて、そこでバーンズたち聖龍隊の面々と対面する。
会議室で対面した聖龍隊とアメコミヒーロー達の会談の中、聖龍隊に在籍している英雄達の詳細を聞いてアイアンマンが声を上げる。
「おいおい、フザケルな! 日本最強のヒーローと聞いていたが……全員、女子供じゃないか!」
このアイアンマンことトニー・スタークの男尊女卑な発言に、ブラックウィドウとワンダーウーマンが睨み付けると、アイアンマンは即座に訂正を述べた。
「い、いや、その………………だ、男尊女卑な発言は訂正する。ごっほん! だ、だが、彼女達が子供である事実は変わらないだろ!」
トニー・スタークに指摘されると、不在の聖龍隊総長に代わって、聖龍隊を指揮している副長バーンズが話した。
「まあ、大きくて高校生だからな」
「高校生だと!? ジョーーダンにも程がある!」
聖龍隊の多くのヒロインが、大きくても高校生である事実を知って呆れ返ってしまうトニー・スターク。
するとそんなアイアンマンに、キャプテンアメリカが話し掛ける。
「まあ、トニー。確かに聖龍隊のヒーロー達のほとんどが年端も行かない子供で女性なのは困惑するだろう。しかし、彼女達の情報を見れば、如何に彼女達が強く気高いかが解るじゃないか。もう少し寛大な目で見てやれないか」
「だ、だがキャップ。年端も行かない女の子が危険なヒーロー活動をしているのは、目を瞑れない。ヒーローってのは遊びじゃない、危険極まりない事だって多いんだ。そんな危険なヒーロー活動を、子供にさせるのは承認できないよ」
と、険しい面持ちで話し合うキャプテンアメリカとアイアンマンの二人に、スーパーマンが話し掛けてきた。
「しかし……例の異次元からの脅威から、この世界を護り抜いたのは聖龍隊の精鋭である事は明白だ。彼女達の活躍が無ければ、この世界は崩壊していたという実績を見れば、聖龍隊の活動を容認しても良いんじゃないかな?」
「だけどな、スーパーマン。いくら世界を護り抜いたいうという実績があろうと、子供に危険なヒーロー活動をさせるのは容認し辛い! それ以上に、この聖龍隊の組織を本来統率するのも、今は不在だけど確かまだ15歳にも満たない少年なんだろ? 子供に組織の統率が可能か、疑問なんだが」
スーパーマンと意見を述べ合うアイアンマンの発言に、バーンズが説明する。
「その聖龍隊を本来統率する少年、そう修司は現在、お宅らが本拠地にしているアメリカに渡米して外人部隊に入隊しているみたいだぜ。アメリカ軍で組織のノウハウを学んで、その知識を生かして聖龍隊の基盤を強固なものにしようって修司は考えているつもりらしい」
「なるほど、アメリカ軍で組織の基盤を学んでいるという訳か……」
バーンズの説明に、元アメリカ軍人のキャプテンアメリカも納得する。
「ふぅ、まあ……子供に世界を護れる実力や、組織を統率できる力が備わるのか疑問ではあるが……一応は君たちが持っているスーパーパワーや技術を拝見させてもらうとしますか」
「よろしくお願いします、皆さん」
溜息を衝きながらも、一応は実力を確認してみたいと述べるアイアンマンに、ミラーガールは笑顔を向ける。
「……うーーむ……超獣族の科学技術は、確かに素晴らしい……! この僕の知能を持ってでも、金属の構成やプログラムが理解し切れない……」
「へっ、どうだいトニー・スターク。これが超獣族の科学力って奴だ」
「いや、君が創り上げたものでもないだろ……」
チップバードを調査して、超獣族の科学力の高さを思い知ったトニー・スタークに鼻を高くするバーンズだが、そんな彼にトニー・スタークは呆れて返す。
トニー・スタークことアイアンマンが超獣族の科学力に目を奪われている頃、別の場所では聖龍隊の精鋭が使える魔法について見聞されてた。
「ふむふむ……なるほど。これは確かに、私でも扱えないほど高度な魔法……いや、魔力が封じ込まれたカードだ」
「………………」
此方では、ドクターストレンジからカードキャプターさくらのカードを視察されているのだが、さくらは少し不安そうな顔を浮かべてた。
「このカードたちは面白い。一枚一枚、人格というか個性があって、意思そのものも感じられる。しかも、どのカードも主である君の為に勤めようと励む姿勢が感じ取れる」
そう言うと、ドクターストレンジは全てのカードをさくらに返却して礼を述べる。
「ありがとう。素晴らしいカードだったよ」
ドクターストレンジが礼を述べると、彼は次に近くで様子を見てたナースエンジェルに話し掛ける。
「君がナースエンジェルか。傷付いた人を治療できる能力に秀でているという……」
「は、はい……」
「……ふぅ、君を見てると羨ましくなる。かつては私も脳外科医だった。医師として手に入る名声は手に入れたが、事故で指先の神経が傷付いてからは人を治す事ができなくなってしまった。君の様に、傷付いた人命を救えるヒーローに、私もなりたかったものだ」
「そんな事ないですよ。形はどうあれ、あなたは今も昔も、人を守れる立派なヒーローです」
笑顔のナースエンジェルに言われ、ドクターストレンジも思わず微笑んだ。
そして此方では、アベンジャーズのビッグ3である雷神ソーが聖龍隊の参謀総長であるジュピターキッドと談笑してた。
「やあやあ、大自然の申し子ジュピターキッドよ! 日本の最強クラスのヒロインであるセーラー戦士達をも凌駕したその実力、私に見せてくれないか」
「やめてくださいよ、ソー。正直、今でもセーラー戦士達を倒したのは歯がゆい過去なんですから」
ジュピターキッドの黒歴史に関心を持ち、ちょっかいをかける雷神ソーの姿が見受けられる一方、その近くではキャプテンアメリカとミラーガールが仕合っていた。
「やあッ!」「はぁっ!」
キャプテンアメリカとミラーガールは自身の武器である盾を投げ合って、お互いの実力を見定めていた。
「なるほど。君の盾はヴィブラニウムほど頑丈ではないが、どんなエネルギーでもはね返せるのか。いや、凄いな!」
「いえいえ。あなたの盾の投擲技術は私も見習わないと……キャプテンアメリカ」
キャプテンアメリカもミラーガールも、相手に敬意を払うのだった。
「まあ、君たち聖龍隊の戦力は想像以上だったのは理解できた……が、チームメンバーは此処に居るだけなのかい?」
去り際、聖龍隊にアイアンマンが問い掛けると、バーンズが返答する。
「まあな、異次元からの脅威との大戦時も、今ここに居るメンバーだけで戦い抜いた。でも、まだまだ隊士は募集かけたり引き入れたりして増やすつもりだ」
「それは心強い! 君たちの様な人々を護る英雄によるチームが増える事は、我々にとっても喜ばしい事だ」
バーンズの説明を聞いて、スーパーマンが喜々とした表情で笑顔を浮かべる。
「ところで、バーンズ君……君たちの本当の総長すなわちリーダーである小田原修司がアニメタウンに帰国した際は、どうするつもりなんだい?」
「キャップ、それはそれで改めてアンタたち米国のヒーローチームと対面させたいと思ってる。なあに、修司も弱い者イジメが嫌いなイイ奴だから気が合うと思うぜ」
キャプテンアメリカからの質問にも、バーンズが答えると彼に続けてミラーガールも話した。
「修司は、ちょっと癖が強いけど優しい人だから安心してください! 何より、聖龍隊は修司だけで統率はしません。みんなで協力し合って、支え合いながら今後も発展させますので!」
「それは更に心強いわね、ミラーガール。私も同じ女性として、女性が社会進出するのは嬉しいわ」
ミラーガールの話を聞いて、ワンダーウーマンが笑顔を向ける。
「それじゃ、今後もお互いの健闘を称えて……ジャスティス・リーグとアベンジャーズの武運を祈る!」
そうバーンズが言い放つと「武運を祈る」という言葉に米国のヒーローチームは不思議がった。
「な、なあ……その、武運を祈る、ってなんなんだ?」
アイアンマンが訊ねると、ジュニアが答え返す。
「武運を祈るってのはですね……聖龍隊結成時からの、互いの武運や健闘を気遣うみたいな台詞ですよ。アベンジャーズ、あなた達のアッセンブルみたいなもんですよ」
「な、なるほど……武運を祈る、か。覚えておくよ」
ジュニアの返答に、アイアンマンは戸惑いながらも返事する。
そうして聖龍隊が如何に強靭な組織かを知り得たジャスティス・リーグとアベンジャーズは、アニメタウンより去っていき、双方の意見交換や健闘を称えて別れるのだった。
しかし時は過ぎ、現在聖龍隊と対立するアベンジャーズとジャスティス・リーグ。
二つの強大なアメリカのヒーロー達と、聖龍隊は衝突してしまうのだろうか。
[来襲するアメリカのヒーロー達]
国連は遂に、アメリカのヒーロー達に聖龍隊またはジャッジ・ザ・デーモンを国連の管轄下に就かせる為に、アニメタウンを制圧するよう指示を出した。
そう、恐れていた事が現実となったのだ。
アメリカのヒーロー達がアニメタウンを強襲して、強引にでも聖龍隊を国連の統括下においた上で、独立国家アニメタウンも再び国連の統治下におくよう仕向けたのだ。
そして戦火の火蓋は切って落とされた。
「……それじゃ聖龍隊、君たちはあくまで投降しないというのだね?」
「ああ、キャップ。オレ達はオレ達の信念に則って、小田原修司やジャッジ・ザ・デーモンを擁護する」
「そうか………………残念だ」
そうバーンズと話を終えると、キャプテンアメリカはテレビ通話を切った。
するとバーンズは意を決した様に、メタルバードへと変身して米国のヒーロー達の来襲に備える。
「アニメタウン湾岸に設置している防衛システムを起動しろ! アイアンマンやスーパーマン達の襲撃に備えるんだ!」
メタルバードの指示の下、聖龍隊はアニメタウン湾岸の地中に設置されている迎撃ミサイルなどの防衛システムを起動させ、米国のヒーロー達の襲撃に備えさせた。
湾岸の砂場が盛り上がり、地中から多数のミサイルが顔を覗かせ、弾頭が青空に向けられる中、米国のヒーロー達は確実にアニメタウンに接近していた。
「フッ、やはり湾岸の砂場に設置している迎撃システムを起動させたか……コンピューター、ハッキング作戦開始だ!」
「了解です、ボス」
上空からアニメタウンへと向かってくるアイアンマンが、スーツに内蔵しているコンピューターに命じて作戦を実行する。
するとコンピューターはアニメタウンの防衛システムへとハッキングし始める。
「っ! 敵、予想通り防衛システムにハッキング! ミサイル発射プログラムを無効にされました!」
「これ以上のハッキングは許すな! 他の迎撃システムを発動させろ!」
通信士であるキャサリン・ルースの報告に、メタルバードはミサイル以外の迎撃システムを起動させるよう通達。
だが「ダメです! ハッキングのスピードが異常なまでに早く、既に他の迎撃システムも起動不可の状態です!」と、キャサリン・ルースは現状を報告。
「ッ! 流石は天才トニー・スタークのハッキング技術だぜ……!」
メタルバードはハッキングを容易に行えるトニー・スタークことアイアンマンの知能と技術に称賛するしかなかった。
その直後、アイアンマンやスーパーマンなど、自力飛行できるアメコミヒーロー達はアニメタウン海岸へと着地。それとほぼ同時に、バットウイングなどのステルス機からヒーロー達が投降してアニメタウンに降り立つ。更に海上からは、高速移動でやって来たフラッシュに、海中からはアクアマンも襲来。
大勢のアメコミヒーロー達がアニメタウン海岸に降り立ち、その圧倒的軍勢に聖龍隊基地で支援通信している通信士たちや、映像で現況を把握している聖龍隊士は愕然とする。
「街中で大規模な戦闘が展開されるかもしれない……国民達は全員、地下の避難シェルターに移動させたか!?」
「は、はい! 市民の避難誘導、終わりました!」
上空を飛来するメタルバードからの質問に、聖龍隊士である直枝理樹が返答する。
そしてメタルバードがアメリカのヒーロー達が整列する海岸へと到着して着地すると、彼に続いて街中を茨の鞭で滑空しながら移動してジュピターキッドも馳せ参じた。
メタルバードとジュピターキッドの二人が到着すると、ミラーゲートを通ってミラーガールと、彼女に続いて聖龍HEADの面々が整列する。
聖龍HEADとアメコミヒーロー達が向き合う中、メタルバードが再度アメコミヒーロー達に説く。
「アンタ達! こんな戦争紛いの行為が無益だって気付いている筈だ。話し合いで解決できないか……!」
するとこのメタルバードの訴えに、スーパーマンとキャプテンアメリカが答える。
「解ってる……こんな真似は、戦争紛いだと。だが……!」
「君たち聖龍隊がジャッジ・ザ・デーモンを国連に引き渡すか、聖龍隊そのものを国連の統括下におかない以上……僕たちの争いは避けられないのも、また事実」
「ッ……! 何が何でもジャッジ・ザ・デーモンを手中に収めたい国連の言いなりって訳か……!!」
スーパーマンとキャプテンアメリカの言い分にメタルバードが睨み付けると、アメコミヒーロー達は静かに下を俯く。
「どうする、バーンズ……!」「戦うしかないだろう……!」
相手と対峙したまま語り合うジュピターキッドとメタルバードの二人。
ジャスティス・リーグやアベンジャーズの軍勢と向かい合い、最早戦いが避けられない状況にメタルバードたち聖龍HEADは覚悟を決める。
すると此処で、ミラーガールも相手陣営であるアメコミヒーロー達に訴えかける。
「どうしても、私達と戦うというの? ……スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン。それにキャプテンアメリカ、アイアンマン、雷神ソー……」
『………………』
「そう、なのね………………残念だわ」
次の瞬間、双方は互いに駆け出し、真っ向から激突した。
こうして後に「ヒーローウォー」と呼ばれる大戦が勃発するのであった。
[開戦! ヒーローウォー]
遂に衝突した聖龍HEADとアメコミヒーロー達。
戦闘は足場の悪い砂地から、自然と街中へと移り変わり、ヒーロー達は激しい戦闘を展開する。
「そりゃそりゃッ!」
メタルバードは伸縮自在の腕を伸ばして、鋼鉄の拳をワンダーウーマンやアイアンマンに打ち込んでいく。
と、そんなメタルバードに何とファンタスティックフォーのリーダー、ミスター・ファンタスティックから拳を叩き込まれる。
「リード・リチャーズ……! アンタらファンタスティックフォーも国連に従うのか……!!」
「すまない、バーンズ……」
メタルバードに対して謝罪を述べるミスター・ファンタスティック。そして二人はそのまま伸縮自在の身体を生かして殴り合い出した。
だがゴムの様に伸縮自在で柔らかいミスター・ファンタスティックの打撃に比べ、メタルバードは鋼鉄製の肉体の為に、殴り合いなどの打撃においてはメタルバードが有利だった。
「リチャーズ、オレはアンタに致命傷は与えたくない……! オレがレーザーなんかを使う前に、撤退してくれ!」
ゴムに近い肉体の為に、熱や低温そしてレーザーなどの科学兵器に弱いミスター・ファンタスティックに撤退するよう促すメタルバード。だが
「ッ! そうは……行かないんだ!」
なんとミスター・ファンタスティックは、そのゴムの様な体でメタルバードを覆い、最終的には球体の様に丸まってメタルバードを拘束してしまう。
「ッ……済まねえ、リチャーズ」
が、メタルバードが一言詫びた次の瞬間、メタルバードは全身から電撃を放電。ミスター・ファンタスティックを感電させて気絶させた。
「……なんでこんな事になっちまったんだが……」
気絶したミスター・ファンタスティックを見下ろして、メタルバードが呟いた、その時。
「うおッ!?」
そんなメタルバードに超高速で体当たりして吹き飛ばしたヒーローが。
「ッ……フラッシュか」
そう、メタルバードに超高速で体当たりしたのは、アメコミヒーロー屈指の最速フラッシュだった。
しかしメタルバードも負けじと自身も超高速でフラッシュを追いかける。
「フラッシュ! 聖龍隊最速と言われた……光速のオレ様の速さに勝てるかな!」
そしてそのままメタルバードはフラッシュと共に超高速戦闘に突入した。
一方、ジュピターキッドは自信の周囲の地面を茨の鞭で叩き付けて、周辺から巨大な草木を自生させる。その草木に絡み付かれて、アクアマンやキャプテンアメリカが捕まってしまう。
「乱戦状態じゃないか、こんなの……」
街中での戦闘が、大勢のヒーロー達による乱戦状態である現状に悲観するジュピターキッド。
するとその時、ジュピターキッドが自生させた草木が瞬く間に枯れ果て、干からびてしまう。
「こ、これは……!?」
草木が瞬く間に枯れ果てるのを目の当たりにし、一驚するジュピターキッド。
すると驚くジュピターキッドの前に、バットマンが立ちはだかる。
「ジュピターキッド、君の草木は私が調合した薬で枯れさせた。私に同じ手が通用するとは思わない事だな」
「……なるほど、あのポイズン・アイビーと何度も死闘を展開した貴方なら、草木への対策も解っている訳か」
次の瞬間、ジュピターキッドはバットマンと鞭で死闘を展開した。
別所では、ミラーガールがウォーターフェアリーと共にアメコミヒーロー達と戦闘を展開していた。
ウォーターフェアリーが水の技で戦いながら、その背中を護り合う様にミラーガールが防御しながら盾を投げて応戦する。
と、そんな二人の前にアイアンマンとキャプテンアメリカが立ちはだかる。
「お嬢さん、申し訳ないが二人とも此処で離脱してもらおうか」
「ミラーガール、君たちとは戦いたくない!」
やや冷やかしながら言うアイアンマンに、戦いに不本意なキャプテンアメリカの言い分に、ミラーガールとウォーターフェアリーは言い返す。
「悪いけど、私達は仲間の為にも諦めない!」
「誰にとっての拠り所である聖龍隊も、新たな仲間のジャッジ・ザ・デーモンも……どっちも守る!」
これを聞いたキャプテンアメリカとアイアンマンは悲観する。
「そうか……あくまで抵抗すると言うんだね」
「やれやれ、仕方ない」
そうしてキャプテンアメリカをミラーガールが、アイアンマンをウォーターフェアリーが相手する事に。
最初の一手として、ミラーガールもキャプテンアメリカも自分の盾を投げ合って、その盾が激突すると同時に両者も激突した。
激しい格闘技の応酬に、ミラーガールもキャプテンアメリカも一歩も退かない。
一方、アイアンマンとウォーターフェアリーも激闘を展開。しかしアイアンマンのミサイルもレーザーも、流動体質系の能力者であるウォーターフェアリーには効果が無かった。
「そういえば……君は現政奉還の戦いの中で、流動体質系の能力者にバージョンアップしたんだったな」
「そうよ! アイアンマン、貴方のレーザーもミサイルも、私には効かないわよ!」
ウォーターフェアリーが流動体質系の能力者に進化したのを目の当たりにして再認識させられたアイアンマン。
しかしアイアンマンは「フッ」と鼻で微笑したかと思った瞬間、アイアンマンは左手の手首から冷凍光線を発射してきた。
「っ!」
不意に放たれた冷凍光線で右腕が氷漬けにされてしまうウォーターフェアリーが驚いていると、アイアンマンが自慢げに説く。
「なーーんてね! こんな事もあろうかと、左腕部に冷凍光線発射装置を組み込んでおいたんだ」
得意気に語るアイアンマンを前に、右腕を氷漬けされたウォーターフェアリーは自ら、凍った右腕を粉々に砕いた。
「!?」
自分で氷漬けになった右腕を砕いたウォーターフェアリーの行動に、驚愕するアイアンマン。
すると驚くアイアンマンを前に、ウォーターフェアリーは流動体質系の水の能力で右腕を再生させて完全な状態へと戻る。
「おいおい、これだから流動体質系の能力者は嫌なんだ……スグに再生してしまうんだからな」
呆気にとられるアイアンマンに、今度はウォーターフェアリーが反撃。巨大な水の手裏剣をアイアンマン目掛けて投げ飛ばした。
「って、僕の鋼鉄のアイアンスーツに水の武器が通じると思ってるのかい?」
水の手裏剣が直撃したアイアンマンが呆れた様子で言うと、次の瞬間アイアンマンのスーツから煙が発生し出した。
「ッ!? こ、この煙は……!?」
「ボス! スーツ内に微量の水分が流れ込んでます! 電気回路がショート寸前です!」
戸惑うアイアンマンに、内蔵されているコンピューターが危険を報告すると、ウォーターフェアリーが説明する。
「私は水分を自在に操作できる……! 微量とはいえ、水を精密機械であるスーツ内に潜り込ませて、回路をショートさせる事もできるわ」
「! 狙いはアイアンスーツを使えなくさせるつもりか!」
ウォーターフェアリーの説明を聞いて、アイアンマンは愕然とする。
するとアイアンマンは内蔵されているコンピューターに命じた。
「コンピューター! 発熱装置でスーツ内に潜り込んだ水分を全て蒸発させろ!」
「しかしボス、発熱させるとスーツにも負荷が……」
「構わない! やってくれ!」
そしてスーツは電気熱により発熱し、その熱でスーツ内の水分は蒸発した。
「ふう、やれやれ……さあってと、まだまだだ!」
そしてアイアンマンとウォーターフェアリーは再び戦闘に突入するのだった。
[激化する戦闘]
『うわあっ!!』
別の聖龍HEADの面々はと言うと、破壊音波で辛うじて吹き飛ばされる戦況まで追い詰められていた。
「ッ! まさか破壊音波の使い手、ブラックボルトまで来るとは……!」
キング・エンディミオンは、口から一言発するだけで街をも破壊する音波を放てるアメコミヒーローのブラックボルトに苦戦を強いられていた。
そんなブラックボルトは、再び破壊音波を今度は至近距離から放とうと、口を閉ざして無言を貫きながら一歩一歩歩み寄る。
「く、来るぞ!」
堂本海斗がブラックボルトが接近してくるのに若干脅えつつも伝える中、破壊音波を放とうとするブラックボルトに異変が。
「レリース!」
一人の乙女の掛け声の直後に破壊音波を放とうとするブラックボルトだったが、何故か彼の口から言葉が発せられなかった。
酷く戸惑うブラックボルトを前に、唖然とする聖龍HEADの面々に、先ほどカードを使用した木之元桜が説いた。
「みんな、もう大丈夫! ブラックボルトさんは、私が発動させたサイレント「静」のカードで言葉を言えなくしたから」
「でかしたわ、さくらちゃん!」
さくらの功績にセーラーヴィーナス達が拍手を送る中、一方のブラックボルトはいくら頑張っても言葉が発せられない現状に激しく戸惑っていると、其処にドクターストレンジが浮遊してやって来た。
「ブラックボルト、言葉を封じられたか」
「………………!」
「カードキャプターは私に任せてくれ。魔法は私の方が得意分野だ」
そうブラックボルトに告げると、ドクターストレンジは浮遊して聖龍HEADの面々に接近し、攻撃魔法を仕掛けようとする。
「ストレンジさん……!」「貴方まで……!」
さくらに龍咲海が悲観する中、ドクターストレンジは魔法で繰り出した黄金の鎖でさくらのステッキを奪い取ろうとする。
「っ!」「さくらちゃん!」
ナースエンジェル達がさくらの危機に駆け付けようとするが、其処に皆の頭上から蜘蛛の糸を発射してナースエンジェルを捕える者が。
「わっ!」「な、ナースエンジェル!?」
驚くナースエンジェルを見上げる聖龍HEADの面々が、頭上を見上げると、なんと蜘蛛の糸でナースエンジェルを捕まえたスパイダーマンがそのまま彼女をビルの屋上まで連れて行ってしまう。
「スパイダーマン!?」「彼も参戦してたなんて……!」
親愛なる隣人と親しまれているスパイダーマンもこの戦いに参戦していた事に、驚きつつも悲観してしまうセーラーマーズとセーラージュピター。
すると其処に続々とアメコミヒーロー達が聖龍HEADの面々に襲い掛かってきた。
「うわっ!」「ミュウプリン!」
黄金の腕輪で吹き飛ばされたミュウプリンを見て、ミュウイチゴが心配するが。
今度はそんなミュウイチゴやミュウミュウズの前に、あの国王が立ちはだかる。
「そんな、貴方まで……ブラックパンサー!」
ミュウプリン以外のミュウミュウズに立ちはだかったのは、黒き豹ブラックパンサーだった。
「ミュウミュウズ、悪いがワガンダの未来も懸かってる……大人しく投降してくれ!」
次の瞬間、ブラックパンサーはミュウイチゴ達に襲い掛かる。
ミュウイチゴ達がブラックパンサーと激しく戦闘している頃、一人ミュウプリンは自分を腕輪で吹き飛ばした武人と闘いを始める。
「なんでなのだ!? なんで、貴方までこんな戦いに参加してるのだ! ……シャン・チー!」
ミュウプリンと対峙するのは、テン・リングスを使いこなす武人シャン・チーその人だった。
シャン・チーはそのまま複雑な心中で、ミュウプリンと激しく武術で攻防を展開する。
「シャドウ(影)!」「ッ!」
一方こちらでは。さくらとドクターストレンジが闘っているのだが、さくらがシャドウ(影)のカードでドクターストレンジを拘束する。
しかしドクターストレンジは自身の魔法でシャドウ(影)に攻撃して、拘束を解除してしまう。
「カードキャプター、君の魔法は私にとっても未知の魔法だ……だが、カードそのものに意思がある為に、実体化したカードに攻撃すれば痛覚を与えられるのも、また事実……!」
「ストレンジさん……!」
一進一退の攻防を展開するさくらとドクターストレンジの闘い。すると其処に魔法騎士の三人が駆け付ける。
「さくらちゃん、大丈夫!?」「光さん! 海さん、風さん……!」
駆け付けた獅堂光に龍咲海そして鳳凰寺風にさくらが肩から呼吸しながら反応すると、海がドクターストレンジに言った。
「ドクターストレンジ! さくらちゃんと私たち、聖龍HEADでも至高の魔法が使える私たちを相手に戦える!?」
すると海に続き、風も言った。
「四対一、此方が有利です……どうか退いてください」
だが、ドクターストレンジは険しい面持ちで返事する。
「数が有利というのなら……こちらも数を増やせばいいだけの事」
するとドクターストレンジは魔法で自分の分身体を一気に増やして、大人数でカードキャプターと魔法騎士たちを取り囲んだ。
しかし大人数のドクターストレンジに囲まれても尚、カードキャプターと魔法騎士たちは諦めず、戦いに挑む。
「オレ達も合流するぞ!」
混戦状態に、メタルバードとジュピターキッドそしてミラーガールにウォーターフェアリーも参戦する。
参戦すると同時に、ウォーターフェアリーは水を操れる能力で、戦場に水流を作り出し、その水流の中にマーメイドプリンセス達が飛び込んで遊泳し、水流の中からアメコミヒーロー達に攻撃。
だが、水流の中から攻撃していくマーメイドプリンセス達に抗戦しようと、自らも水流に飛び込んで、マーメイドプリンセス達に向かって水棲生物と意思を共有できる音波を放って彼女達を苦しめるアクアマンが。
音波を受けて苦しむマーメイドプリンセス達は、堪らず水から飛び出してしまう。
「水中が自分達だけのテリトリーだと思わない事だな」
そんなマーメイドプリンセス達に、同じく水から出てきたアクアマンが説く。
と、混戦状態に参戦したメタルバード達と同様に、混戦に参戦するスーパーマンやキャプテンアメリカたちアメコミのビッグ3。
「また来たか……!」
メタルバードがアメコミのビッグ3の参戦に表情を歪ませていると、ミラーガールが駆け付けてくるキャプテンアメリカに向かってミラー・シールドを投擲しようと構えた。
が、そんなミラーガールの盾を高所から糸で奪い取るヒーローが。
『スパイダーマン!?』
ミラーガールの盾を奪い取ったスパイダーマンに聖龍HEADが驚く中、無防備になったミラーガールにアメコミのビッグ3達が襲い掛かる。
「ミラーガール、お前は盾だ! 盾を奪い返してこい!」
そうミラーガールに告げたメタルバードは、ジュピターキッドと共に向かってくるビッグ3を相手に奮闘する。
一方でミラーガールから盾を奪い取ったスパイダーマンは、ビルの屋上まで上がってた。そこには先ほど捕らえたナースエンジェルが壁に蜘蛛の糸で拘束されていた。
「お、お願い、スパイダーマン……! こんな戦い、やめて……!」
必死に嘆願するナースエンジェルに、スパイダーマンは悲痛そうに溜息を衝く。
すると其処に飛来してきたセーラーヴィーナスがスパイダーマンと交戦する。
「スパイダーマン! 親愛なる隣人の名が泣くわよ!」
セーラーヴィーナスなラブミーチェーンでスパイダーマンと応戦するが、スパイダーマンは攻撃を咄嗟に回避できるスパイダーセンスで避けながら、最後はセーラーヴィーナスも蜘蛛の糸で屋上の床に拘束してしまう。
「ごめん……僕も辛いんだ……」
セーラーヴィーナスをもナースエンジェルに続いて拘束したスパイダーマンは、悲痛な心境で呟くのだった。
と、スパイダーマンが悲痛な心境で突っ立ていると、そんなスパイダーマンが持ってた盾をミュウミントが飛翔して奪い返した。
「ミラーガール! 盾、取り返しましたわ!」
「あ! いけない!」
と、スパイダーマンは咄嗟にウェブシューターを放ってミュウミントを捕まえるが、ミュウミントは捕まる直前に地面に向かってミラー・シールドを投げてミラーガールに渡してた。
高層ビルの屋上から落下してくる盾を、ミラーガールは道路に駐車されてる車の屋根伝いに飛び乗って、空中で盾を受け取った。
そして完全装備に戻ったミラーガールは再び戦闘に参加する。
「ファイナルウェポン、メタルバード! 僕のアイアンスーツの威力の前では、君たちは無力だ!」
「私の装備は確かに劣っているかもしれないけど……今は仲間を守る聖龍隊の戦士! 兵器よりも強いわ!」
「オレ様の最強武力に勝てる訳ねえだろ? トニー・スターク」
高層ビルよりも高い上空では、アイアンマンと対峙するちせとメタルバードが。
アイアンマンは胸部より放つ最強のビームで攻撃し、ちせとメタルバードも自身のレーザー武器で真っ向から応戦。
三人の攻撃は中間で直撃し合い、どちらも衰える事無く威力を発揮する。
しかし、三人の攻撃が一定時間、直射し合ってたのが原因で、ぶつかり合ってたレーザーから高威力のエネルギーが爆発して放射。エネルギーの爆発は戦場であるアニメタウンに降り注ぐように放射された。
地上で各々戦い合ってた聖龍HEADとアメコミヒーロー達は、爆発の放射を浴びて吹き飛ばされてしまい、それと同時に建物なども半壊するなどの被害が生じた。
アイアンマンに最終兵器ちせ、そしてメタルバードの三人の激突で生じたエネルギーの放射でビルは半壊し、地上は半ば荒廃した。
[止まらない戦闘]
アイアンマンが放ったエネルギービームと、ちせとメタルバードの光線が直撃した事で生じた大爆発による衝撃波は、地上のビルなどの建物を半壊させ、更には地上で戦ってた多くのヒーロー達を吹き飛ばす惨状に至る。
この惨状を、遠地のカメラから見守ってたアニメタウン市長のウッズは愕然と口を開けてしまう。
「……これは、役員の皆さん方の怒りが凄まじいでしょうね……」
街が半壊したのを見たウッズは、アニメタウン役員達からの怒りが凄まじいだろうと予想して唖然とした。
一方、上空で互いにエネルギー光線で攻撃し合ったアイアンマンにちせとメタルバードの三人は、エネルギー爆発に吹き飛ばされて双方ともに後方へと吹っ飛んでいた。
その一方で、地上で激しく戦ってたヒーロー達は瓦礫に埋もれていた。
「ッ……! あらら、これは……父さんが困るだろうな」
何とか自力で瓦礫から這い出てきたジュピターキッドは、実父であるウッズが苦労するだろうなと呆然とする。
同じ頃、爆発の衝撃から何とか這い出てきた蒼の騎士と堂本海斗の二人が、爆発で吹き飛んで負傷して満身創痍の雷神ソーを発見する。
蒼の騎士と堂本海斗は、急いでソーの許へと駆け付ける。
「!」
一方のソーも、二人を見て急ぎ攻撃しようと遠距離にあるハンマー武器のムジョルニアを引き寄せようと右腕を伸ばしたが。
「させねえ!」
海斗が叫びながら、蒼の騎士と共にソーへと剣を突き刺そうと突撃する。
ソーは反射的に蒼の騎士と海斗が突き刺してきた二本の剣を両手で受け止め、自分の体を貫く寸前で止めた。
だが、蒼の騎士も海斗も力を込めて、ソーへと剣を突き刺そうと躍起になる。
完全に頭に血が上って、ソーを殺めようと剣に力を籠める蒼の騎士と海斗の二人。ソーは二本の剣を両手で掴んで止めるのがやっとだった。
と、蒼の騎士と海斗がソーに剣を突き刺そうとしてる頃、二人の背後ではソーが引き寄せられないでいるムジョルニアが地面から離れる。
そして蒼の騎士と海斗がソーを殺めようと剣を突き刺そうとしている所に、なんと二人の背後からムジョルニアが飛んできて二人の頭部を強打。蒼の騎士と海斗の二人は吹っ飛んでしまった。
「海斗!」「青山くん!」
吹っ飛んだ海斗と蒼の騎士の二人に、恋人である七海るちあとミュウイチゴが駆け寄るが、二人は頭から大量の血を流して顔面が血で真っ赤に染まってた。
そして顔面が血で真っ赤になった蒼の騎士と海斗、そして七海るちあとミュウイチゴが見てる中、蒼の騎士と海斗を強打したムジョルニアが後方へと戻っていく。
そしてなんと、戻っていくムジョルニアを受け止め、持ち上げているのは、先ほど蒼の騎士と海斗に向かってムジョルニアを投げ付けたキャプテンアメリカだった。
「ッ……! アンタも持てるなんて聞いてないぞ……!!」
愕然とする海斗に蒼の騎士。
すると本来は高潔な人物しか持てないと言われているムジョルニアを振り回して、キャプテンアメリカが攻め込んできた。
ミュウミントにミュウレタス、そしてミュウプリンにミュウザクロが突撃してくるキャプテンアメリカへと攻め込んで突進していくと、目前まで迫ったところでキャプテンアメリカがムジョルニアを振り回して遠心力を利用し、ムジョルニアを四人のミュウミュウへと直撃させる。
激しい打撃音が響くと同時に、周りに散らばるミュウミュウ達。
するとキャプテンアメリカは次に攻め込んで来ようとしているマーメイドプリンセス達にムジョルニアを振るって、地中から雷を振るい放って攻撃。
更に追撃とばかりに、キャプテンアメリカはムジョルニアを天へと突き出した直後に振るって、天空からも雷を降らせてマーメイドプリンセス達に攻撃。
キャプテンアメリカからの雷攻撃に、マーメイドプリンセス達は感電して痺れてしまう中、キャプテンアメリカはトドメと言わんばかりにマーメイドプリンセス達に跳びかかってムジョルニアを打ち込もうとするが。
そんなキャプテンアメリカに、空中を浮遊して急速で駆け付けた真紅が必殺の「絆パンチ」でキャプテンアメリカを殴り付けて吹っ飛ばす。
真紅に殴られた拍子に、ムジョルニアを手放して地面へと落としてしまうキャプテンアメリカ。
するとキャプテンアメリカは、ムジョルニアを引き寄せようと手を伸ばしてみたが。
「させないよ!」
と、ジュピターキッドが茨の鞭でキャプテンアメリカの伸ばした腕を捕えると、そのまま鞭を振るってキャプテンアメリカを投げ飛ばしてしまう。
しかしキャプテンアメリカはスグに立ち上がると、ジュピターキッドと交戦を開始する。
すると其処に駆け付けたドクターストレンジとシャン・チーとブラックパンサーの三人も、戦闘に参戦するが。そんな三人にカードキャプターと魔法騎士、それにミュウミュウ達が応戦する。
ドクターストレンジをカードキャプターと魔法騎士が、シャン・チーをミュウプリンが、ブラックパンサーをミュウイチゴ/ミュウミント/ミュウレタス/ミュウザクロが対応する。
熾烈な魔法合戦の側で、シャン・チーとミュウプリンが激しく格闘技で攻防を展開し、その傍らでは四人のミュウミュウ達がブラックパンサーと死闘を展開してた。
「ふう、やっと戻ってこれたよ」
と、先ほどの爆発で吹き飛んでたアイアンマンが戦場に帰還し、戦闘に参戦しようとした。
が、その時。
「ぼ、ボス! プログラムに異質な存在が紛れ込みました!」
「なに!?」
アイアンスーツに搭載されている人工知能が、アイアンスーツのプログラムに異常を装着者のトニー・スタークに報告する。
なんと、この時にアイアンマンのスーツに潜入していたのが、聖龍HEADのコレクターユイたち三人だった。
「ボス! このままではスーツのプログラムが破壊されて、スーツが機能しなくなります!」
「ッ! 早く三人を追い出すんだ!」
トニー・スタークは人工知能に、早くコレクターユイたち三人をアイアンスーツのプログラムから追い出すよう人工知能に命令する。
その頃、ジュピターキッドと交戦するキャプテンアメリカは、その屈強な肉体から放たれる格闘技でジュピターキッドを苦しめていた。
更に其処へ、スーパーマンやバットマンも駆け付けて、戦闘に加わり、戦闘は更に混沌としながらも激化する。
メタルバードとちせの二人も、戻ってきて戦闘に突入するが、そんな二人の前にスーパーマンが立ちはだかる。
しかしメタルバードは慌てる事無く、この時の為に体内に隠し持ってたモノを腹部を開平してスーパーマンの前に見せ付ける。
「! そ、それは……!」
その物体が放つ緑の光を浴びて、苦しみ出すスーパーマン。そうメタルバードが隠し持ってたのは、スーパーマンの弱点である鉱石クリプトナイトだった。
「ど、何処でクリプトナイトを……?」
「知識不足だな、スーパーマン……今や、クリプトナイトは裏社会で売買されている品だぞ」
苦しむスーパーマンからの質問に、メタルバードは平然と答え返す。
そしてクリプトナイトで弱体化したスーパーマンを、メタルバードは殴り付けて攻撃。
「ぐはッ」
メタルバードの鋼鉄の拳に殴られて、クリプトナイトで弱体化してるスーパーマンは口の中を切ってしまう。
更にメタルバードは追撃とばかりにスーパーマンを殴り続けて、スーパーマンを追い詰めていく。
が、其処にバットマンがバットラングを投げ付けてメタルバードを攻撃。
しかしバットマンの攻撃は、メタルバードには効かず。
同じ頃、ウォーターフェアリーはワンダーウーマンと交戦してた。
ワンダーウーマンは真実の投げ縄でウォーターフェアリーを捕えようとするが、ウォーターフェアリーの流動体質系の肉体で、すぐに液状化して投げ縄から回避するウォーターフェアリーに苦戦を強いられていた。
その一方、キャプテンアメリカはジュピターキッドと殴り合いして、ジュピターキッドを追い詰めていた。
満身創痍で倒れるジュピターキッドに、キャプテンアメリカが追撃の拳を振り下ろそうとすると。そんなキャプテンアメリカにミラーガールが背後から盾で殴り掛かった。
「それっ!」「ッ!」
後頭部を盾で殴られて驚くキャプテンアメリカ。
するとキャプテンアメリカは先ほど落としてしまったムジョルニアを引き寄せようと腕を伸ばす。
キャプテンアメリカの方へと飛来するムジョルニア。
だが、そんなムジョルニアを空中でミラーガールが捕まえると、そのままムジョルニアでキャプテンアメリカを殴り付けてしまった。
「そおれっ!」「ぐはッ!」
ムジョルニアで殴り付けられて、キャプテンアメリカは堪らず血反吐を吐く。
「私のだ、返せ!」
と、そんなムジョルニアを取り返そうとする雷神ソーの突進にも、ミラーガールは応戦しようとムジョルニアを振るって雷神ソーを吹っ飛ばした。
「う~~ん……結構重いわね、これ……!」
そう言ってムジョルニアを持ち上げては、雷神ソーをムジョルニアを振り回して吹っ飛ばしたミラーガールの言動を目撃して、メタルバードとジュピターキッドは。
「「………………」」
「アッコ、お前……それ、持てるの?」
「? それが何? まあ、結構重いけどね」
メタルバードからの質問に素っ気なく答えるミラーガールの返答を聞いて、メタルバードとジュピターキッドは唖然としてしまう。
「オレ、前々から思うんだけど………………高潔ってなに?」
本来、高潔な人間でなければ持ち上げる事もできないムジョルニアへの定義を疑うメタルバードにジュピターキッドが説いた。
「まあまあ、マーベルでは、あのデッドプールでさえも持ち上げられたんだから。言っちゃなんだけど、マーベルでは高潔の定義が不確かなんだよ」
半ば呆れながら淡々と説明するジュピターキッド。
と、ムジョルニアを平然と持ち上げてしまうミラーガールを前に呆然とするメタルバードとジュピターキッドの所に、超高速で突進するフラッシュが体当たりを仕掛ける。
「うおッ!?」「ッ!」
超高速で体当たりされて転倒してしまうメタルバードとジュピターキッド。
「悪いがフラッシュ、速さならオレの方が上手だぜ。光速を超えた速さって奴を見せてやる!」
と、聖龍隊で最も速いメタルバードが、光速を超えた速さでフラッシュと闘い始める。
その一方、ミラーガールはムジョルニアを振るって、ムジョルニアとミラー・シールドの両方でキャプテンアメリカと戦闘を展開。
攻撃を盾で防ぎつつ、ムジョルニアを振るって反撃するミラーガールの戦法に流石のキャプテンアメリカも疲労困憊する。
「つ……強くなったな、ミラーガール」「ええ、お互いにね……!」
互いに健闘しつつ、激しく闘い合うキャプテンアメリカとミラーガール。
そんなミラーガールと闘うキャプテンアメリカに加勢しようと、バットマンが接近する。
だが「ごめんなさい!」と謝罪しながらミラーガールは接近してきたバットマンをムジョルニアで殴り付け、バットマンを気絶させてしまう。
戦闘は激化の一途を辿るばかりだった。
[動き出す鬼]
アニメタウンをも半壊させるほどの激しい戦闘をヒーロー達が展開している頃。
この戦闘の元凶である小田原修司は、一人デーモンハビタットで頭を抱えていた。
「俺は所詮……結局は、争いの元凶になっちまう運命だというのか……!」
修司は悲観していた。人間兵器から戻っても尚、自分という人間は争いの原因になってしまう存在なのかと。
「ジャッジ・ザ・デーモンは本来、争いを無くす為に平等に裁きを与える制裁の象徴……なのに、そのジャッジ・ザ・デーモンが争いの原因になっちまうなんて……!」
更に修司は、自警団として活動しているジャッジ・ザ・デーモンそのものが、このヒーロー同士の大戦に繋がってしまった顛末に嘆いてしまう。
と、そんな修司の許に一人の人物が訪ねてきた。
「修司様」「! ウッズか……」
それは長年、修司の執事としてジャッジ・ザ・デーモンの活動も支えてきた現アニメタウン市長のウッズだった。
アニメタウンが戦闘で半壊したのを見届けたウッズは、何かを思ったのか一人苦悩している修司の許へとやって来たのだ。
「ウッズ、俺は結局……平和を壊すしかない元凶なのだろうか。今や俺やジャッジ・ザ・デーモンの存在が原因で、人命を守るべきヒーロー達が争い合ってる……俺は、俺は……!」
一人、悶々と苦悩する修司を前に、ウッズは問い掛けた。。
「……修司様、貴方はなんでジャッジ・ザ・デーモンとして戦い始めたのですか?」
「そ、それは……ヒーロー達にも、平穏な時を過ごしてもらいたくて、少しでも世界が平和に近づける様にしたかったからだ……」
「そうですよね。そして人間の歪んだ思想や悪を抑制するには、正義だけではダメだと悟り、時には法も破ってしまう闇の制裁をするジャッジ・ザ・デーモンへと変わられたんですよね」
「………………」
修司に語り掛けるウッズに振り返り、向き合う修司にウッズは更に話し続ける。
「修司様、この世は万能ではありません。それ故に人は過ちを犯し、その過ちを正すと同時に端正する力が必要なのです。ジャッジ・ザ・デーモンがそのいい例です」
「ウッズ……」
「男女はもちろん、年齢や種族など関係なく、常に平等に裁きを……制裁を与えられる力が、まだまだこの世の中には必要なのです」
「………………」
「そして、その平等な制裁を与えられるのは……何も悪人ばかりではないのです。誰にでも過ちはあり、誰であろうと罰は必要なのです」
そして最後にウッズは、修司に告げた。
「貴方は常に……平等な見方で捉える御方の筈です」
誰にでも平等に制裁を与えられる、平等な見方ができる存在こそが必要と説くウッズの話を聞き、修司は決断した。
「……ウッズ、すまないが手伝ってくれないか」「はい、仰せのままに」
正義だけでは救えない人々がいるのも、また事実。そして正義を守るべき英雄もまた人。故に英雄にも裁きと罰は必要不可欠。
意を決して、小田原修司は行動に移した。
その頃、戦場では相変わらずヒーロー達が戦い合ってた。
ミラーガールもキャプテンアメリカと激しく攻防を展開。
そして激しい攻防の中、ミラーガールは手にしていたムジョルニアをキャプテンアメリカの盾で弾き飛ばされてしまう。
と、ここでミラーガールとキャプテンアメリカはムジョルニアの取り合いを展開。
ミラーガールが腕を伸ばしてムジョルニアを引き寄せようとすると、キャプテンアメリカも腕を伸ばしてムジョルニアを引き寄せようとする。
二人の引き合いでムジョルニアが空中で停止してると、なんと二人の方向とは全く別の方へとムジョルニアが引き寄せられた。
「悪いがお二人さん、これは元々私の持ち物だという事を忘れないでくれ」
そうムジョルニアを引き寄せて手にしたのは、本来の持ち主である雷神ソーだった。
「ミラーガール!」
と、ムジョルニアを雷神ソーに取り返されたところに、セーラームーンたちセーラー戦士達が駆け付けるが、ソーはそれを狙ってミラーガールとセーラー戦士達に向かって雷を落とした。
「っ!」
だが、反射的にミラー・シールドを頭上に構えたミラーガールによって、雷は完全に防ぎ切られてしまう。
「ソー、彼女のミラー・シールドは如何なるエネルギーをも防いでしまう。雷も同様だ」
「それじゃ、直接殴ればいいんだな」
セーラー戦士達が安堵する中、キャプテンアメリカに説明された雷神ソーはムジョルニアと共にミラーガール達の方へと飛んで行った。
だが、一直線に飛んでくるソーを、セーラージュピターが待ち構え、なんと飛来してくるソーにセーラージュピターはラリアットで殴り付けた。
「ウッ!」
セーラージュピターのラリアットを浴びて悶絶する雷神ソーが宙を舞うと、セーラージュピターは右ひざを前へと出して、そのまま雷神ソーをシュミット流バックブリーカーで背骨を痛め付けてしまう。
「ぐおッ!」
背骨を折られて更に悶絶する雷神ソー。
「す、凄いね。まこちゃん……」
セーラームーン達が目を丸くして驚く中、セーラージュピターは平然と言い放つ。
「これぐらい修司くんの……いえ、ジャッジ・ザ・デーモンの技をいつも見てれば覚えられるよ」
平然と言ってしまうセーラージュピターの言動に、ミラーガールやセーラー戦士達は唖然としてしまう。
その時、アイアンマンはちせと交戦してた。
「ッ! 古い技術で改造されているのに、抵抗を続けるのか……!」
「仲間の為に抵抗するのは、人間の意志よ……アイアンマン!」
互いにレーザー武器で交戦し合うアイアンマンとちせ。すると其処に真紅たちローゼンメイデン達が駆け付けて、ちせに加勢。アイアンマンを猛攻する。
「ローゼンメイデンか……意思を持つ人形とは。ヴィジョンを思い出すな……」
五体のローゼンメイデン達からの猛攻を受けて、アイアンマンは今は亡きヴィジョンを思い返す。
その頃、シャン・チーと激闘するミュウプリンだったが、シャン・チーが繰り出すテン・リングスが腹部に直撃し、吹っ飛ばされてしまう。
同じ頃、ミュウプリン以外のミュウミュウ達はブラックパンサーと死闘を展開していたが、ブラックパンサーの爪での攻撃を浴びて、ミュウイチゴが顔に傷を負うなどの激戦にまで発展。
木之元桜と魔法騎士の四人も、ドクターストレンジと激しい魔法合戦で死力を尽くしていた。
一方、アイアンマンはスーツのプログラム内にコレクターユイたち三人が潜入して、プログラムを破壊されるのを防ぎながら、ちせと激しく攻防を展開。
メタルバードは胸部に隠し持ってたクリプトナイトから抽出したエネルギー光線でスーパーマンを苦しめながら、フラッシュの速度からの攻撃を耐え忍んでいた。
ジュピターキッドは雷神ソーとバットマンからの猛攻を凌ぎながら、果敢に攻めていく。
ウォーターフェアリーは相変わらず、ワンダーウーマンと激しく闘っていた。
ヒーロー達の戦いは、いつになったら終わるのであろうか。
[平等なる裁き]
ヒーロー達の戦闘が激化する中、この消耗戦に終息を迎えさせようと自在に巨大化・縮小化できるアントマンとアトムが巨大化し、聖龍HEADを倒そうとしてきた。
「あ、アントマン……! アトム……!」
巨人のごとく巨大化したアントマンとアトムの二人を見上げて、ミラーガールは愕然とする。
が、この事態に魔法騎士の三人が大声を挙げた。
「レイアーースッ!」「セレーースッ!」「ウィンダムっ!」
光と海と風の三人が声を挙げると、戦場に三機の魔神である炎神レイアースと海神セレスそして風神ウィンダムが飛来してきた。
三機の魔神は、巨大化したアントマンとアトムを相手に街中で取っ組み合い始める。その取っ組み合いの中、建物が崩壊し、瓦礫が地上のヒーロー達に襲い掛かる。
「うわっ!」
セーラームーンたちセーラー戦士達が慌てて倒壊する建物から離れる。
しかし建物が崩落し、更に街中が瓦礫で埋もれようとも争いをやめないヒーロー達。
戦闘の激化が加速する戦況の中、突如戦い合うヒーロー達の頭上を一機の戦闘機が飛来してきた。
「あ、あれは……!」
メタルバードたち聖龍HEADも、アメコミヒーロー達も愕然とした。何故なら、その戦闘機はあのジャッジ・ザ・デーモンの専用機であるジャッジウィングだったからだ。
飛来するジャッジウィングは、地上で戦闘してたスーパーマンを狙いに定め、何かを機体から射出。
ジャッジウィングから射出されたのは、鉄製の網だったが、普通の網ではなかった。
「わッ!」「スーパーマン!」
網に捕えられるスーパーマンにワンダーウーマンが駆け寄ると、スーパーマンが苦しそうに呟いた。
「こ、この網は……クリプトナイトが組み込まれている……!」
なんとスーパーマンを捕縛した網にはクリプトナイトが組み込まれており、スーパーマンは自力で脱出できずにいた。
更にジャッジウィングは、地上で茫然とジャッジウィングを見上げるフラッシュにも特別な網を射出。
「うわっ!」
フラッシュを捕縛した網からは、高圧電流が放電され、フラッシュは痺れて動けなくなってしまう。
そして最後にジャッジウィングは、飛行中目の前に立ち塞がったアイアンマンにも何かを射出。それを直撃したアイアンマンは突如飛行不能に陥り、地上に舞い降りるとそのまま動けなくなってしまった。
「こ、コンピューター……! スーツが機能しないぞ……!?」
「ボス、未知のコンピューターウイルスで……ガガガ……ッ」
なんとアイアンマンのスーツに付着した装置から、アメコミヒーロー達が知り得ないオーバーテクノロジーで作られたコンピューターウイルスがアイアンスーツに感染し、スーツの機能を完全停止してしまう。
スーパーマンにフラッシュ、そしてアイアンマンを戦闘不能にすると、ジャッジウィングの機体から飛び出したジャッジ・ザ・デーモンが地上へと着地する。
「ジャッジ・ザ・デーモン……!」
ミラーガールや多くのヒーロー達が、地上に着地したジャッジ・ザ・デーモンを見て唖然としていると、ジャッジ・ザ・デーモンは自然と歩き出した。
誰もが突如として戦場に降り立ったジャッジ・ザ・デーモンに注目する中、バットマンとキャプテンアメリカの二人がジャッジ・ザ・デーモンに歩み寄る。
「じゃ、ジャッジ・ザ・デーモ……」
と、キャプテンアメリカが声をかけようとした、その時。
ジャッジ・ザ・デーモンは素早い動きでキャプテンアメリカの腹部に拳を叩き込み、その直後に素早くバットマンを武具で感電させて、二人を気絶させてしまう。
『!!』
この情景を目の当たりにした一同は愕然とした。
「お、おい!」
と、今度は雷神ソーたちアメコミヒーロー達がジャッジ・ザ・デーモンに群がるが、ジャッジ・ザ・デーモンは彼らを素早い動作と武器で気絶させて戦闘不能にさせる。
「うわあッ!」
最後にジョン・ジョーンズを感電させて、アメコミヒーロー達を全員戦闘不能にさせたジャッジ・ザ・デーモン。
この突然のジャッジ・ザ・デーモンの来襲に戦慄する聖龍HEAD。
「……じゃ、ジャッジ・ザ・デーモン、なんで……」
と、セーラームーンが挙動不審でジャッジ・ザ・デーモンに声をかけようと近付いた、次の瞬間。
ジャッジ・ザ・デーモンは腹部に膝を打ち込み、続いてお腹を押さえるセーラームーンの首後ろに手を叩き込んで完全に気絶させたのだ。
『!!』
このジャッジ・ザ・デーモンの行動に、聖龍HEADは全員愕然と表情を強張らせた。
「お、おい! 何をする……!」
と、キング・エンディミオンがジャッジ・ザ・デーモンに駆け寄ると、ジャッジ・ザ・デーモンは容赦なくキング・エンディミオンをも打撃で気絶させる。
聖龍HEADがジャッジ・ザ・デーモンの突然の攻撃に戸惑っていると、ジャッジ・ザ・デーモンは続け様に他のセーラー戦士達をも武術で気絶させてしまう。
急ぎナースエンジェルが気絶したセーラー戦士達の許に駆け寄ろうとするが、そんな彼女の背後に素早く移動したジャッジ・ザ・デーモンは、ナースエンジェルの首を締め上げて骨を痛め付けた上で彼女も同様に気絶させてしまう。
「ジャッジ・ザ・デーモン、何を……!」
そんな次々に聖龍HEADを痛め付けて気絶させるジャッジ・ザ・デーモンにウォーターフェアリーが呼びかけると、ジャッジ・ザ・デーモンは彼女に向かってジャッジラングを投げ付ける。するとウォーターフェアリーに直撃したジャッジラングは強力な冷気を放って、直撃したウォーターフェアリーを凍らせてしまう。
「ジャッジ・ザ・デーモン!」
彼女を凍らせられて困惑したジュピターキッドが駆け寄ろうとするが、ジャッジ・ザ・デーモンはジュピターキッドも同様に格闘技で痛め付けて気絶させてしまった。
その後もジャッジ・ザ・デーモンはカードキャプターと魔法騎士の四人も痛め付けて気絶させてしまい、ちせに至っては特殊な装置を取り付けられてアイアンマン同様に動けなくさせてしまう。
「何をするの、ジャッジ・ザ・デーモン……!」
七海るちあやミュウイチゴといったマーメイドプリンセス達とミュウミュウ達が駆け付けるが、ジャッジ・ザ・デーモンは彼女達も容赦なく完膚なきまでに痛め付けて気絶させた。
「血迷ったか、ジャッジ・ザ・デーモン……!」
彼女達を痛め付けられて立腹した堂本海斗に蒼の騎士の二人が、感情のままにジャッジ・ザ・デーモンに斬りかかるが、ジャッジ・ザ・デーモンは二人の剣戟を防ぎつつ態勢を入れ替えて海斗と蒼の騎士も痛め付けて意識を奪う。
「ジャッジ・ザ・デーモン! これはどういう事……!?」
そこに真紅らローゼンメイデン達が駆け寄るが、そんな彼女達にジャッジ・ザ・デーモンは鋼鉄製の網を射出する銃型の武器から発射し、身動きを封じてしまう。
「うわっ!」
身動きを封じられて非常に困惑するローゼンメイデン達。
そしてジャッジ・ザ・デーモンは最後に残ったミラーガールとメタルバードの許へと歩み寄る。
「「………………」」
蒼然と言葉を失うミラーガールとメタルバードの二人。
「ど、どうして……!?」
と、ミラーガールが勇気を振り絞って問い掛けたが、その瞬間にジャッジ・ザ・デーモンは素早い動作でミラーガールに接近し、彼女にも打撃を浴びせて気絶させてしまう。
とうとう最後になったメタルバードの目前まで歩み寄り、迫るジャッジ・ザ・デーモンにメタルバードは唖然とするばかり。
「お前、どうして……何のつもりで……!」
テレパシーが通じないジャッジ・ザ・デーモンに問い掛けるメタルバード。するとジャッジ・ザ・デーモンはメタルバードに顔を近付けると、こう告げた。
「これ以上、ヒーロー同士で無益な争いを続けるというのなら……聖龍隊だろうが、何処のヒーローチームだろうが、容赦しない」
「ッ!!」
この発言に、メタルバードは勘付いた。長年、相棒として付き合っているジャッジ・ザ・デーモンこと小田原修司の思考を理解している故に。
無益な争いをした者同士を、争いという罪を犯した者同士、喧嘩両成敗の裁きを下すという決断をしたとメタルバードは察した。
そしてメタルバード以外のヒーロー達を気絶させたジャッジ・ザ・デーモンは、頭上に遠隔操作で呼び寄せたジャッジウィングに飛び乗って、そのまま帰還するのだった。
[新たなる決断]
突然のジャッジ・ザ・デーモンの乱入により、全員が戦闘不能に陥った事で終結したヒーローウォー。
その後、ジャッジ・ザ・デーモンによって完膚なきまでに痛め付けられたヒーロー達は聖龍隊によって搬送されて治療を受けて大事には至らなかった。
この突然のジャッジ・ザ・デーモンの乱入により突如終結した大戦の結末に、世界中の重鎮および国連の人間達は驚愕する。
そんな中、世界に向けられてジャッジ・ザ・デーモンと小田原修司の双方からメッセージ映像が流された。その内容とは。
「これ以上アニメタウンで……世界でヒーロー同士の無益な争いが続くのであれば、俺が手に入れた公にしてはいけない情報を公開する。例えそれで、何十億という人命が路頭に迷おうが自殺しようともだ」
「これ以上、アニメタウンなどでヒーロー同士を戦わせるのであれば……俺が秘匿しているコレクション・シークレットを全て開示する。それで世界各国の政府機関が壊滅したとしてもだ」
この警告とも取れるジャッジ・ザ・デーモンと小田原修司の告発に、世界中の重鎮達は震え上がり、国連も世界情勢が崩壊するのを恐れてアメリカのヒーロー達に通告。これによりアメコミヒーロー達と聖龍隊が戦う必要は無くなった。
それから数日後、聖龍HEADは再び国連に召集された。
「平等に裁いたとはいえ、なにも僕らまでも痛め付ける必要あるかな」
「無益な争いも、双方ともに平等に裁く……それこそが真正なる裁きだとアイツは思ってるんだろうからな」
公平な裁きだったとはいえ、仲間である自分達までも痛め付ける必要はあったのかと疑問に思うジュニアに、バーンズがジャッジ・ザ・デーモンの真意を説く。
「私なんか、首の骨が痛め付けられちゃったわ……」
そう首にギプスを巻いたナースエンジェルが憔悴している中、聖龍HEADは国連本部の会議室に招かれて入室する。
会議室には、アニメタウンで戦ったアメコミヒーロー達の代表者たちと、例に及ばず国連軍元帥補佐官のユーリ・ペトロフが既に待機していた。
互いに向き合った状態で座り合う聖龍HEADとアメコミヒーロー達の間に、ユーリ・ペトロフが座った状態で話し合いが始まった。
「……まあ、あれだね。今回の戦争で、お互いジャッジ・ザ・デーモンに制裁を喰らって痛み分けとなった訳だが……」
「ジャッジ・ザ・デーモンの制止が無ければ、私達は最悪、殺し合いまで発展していたからな。その最悪の状況を回避させてくれたんだろう」
「まだまだジャッジ・ザ・デーモンには問題点が多いけど……それでも、彼の平等に裁くという信条には助けられた訳だし、もう私達が無益な争いをする必要はなくなったわ」
聖龍隊とは痛み分けで戦争が終わった事で殺し合いまでに事態が発展するのは防げたという意味では、ジャッジ・ザ・デーモンの価値観に救われたと理解を述べるスーパーマンとジョン・ジョーンズとワンダーウーマン。
「まあ、ジャッジ・ザ・デーモンが僕のスーツに植え付けたコンピューターウイルスで、アイアンスーツがダメになっちゃったけどね」
「ジャッジ・ザ・デーモンを国連の統括下におくのは一旦保留となった訳だ。もう、あんな戦争は僕もごめんだよ」
痛み分けとはいえ、ヒーロー同士の戦争は懲り懲りといった心境を述べるトニー・スタークとキャプテンアメリカ。すると此処でトニー・スタークが戦闘中から気になってた疑問を発した。
「ところで戦闘中から思ってたんだが……キューティーハニーはどうしたんだい?」
「トニー、忘れたかい? 彼女は現在、産休中で聖龍隊の職務も休業中なんだよ」
そう、聖龍HEADのキューティーハニーは、現在産休中な為に戦闘はもちろん聖龍隊の職務も休業中なのだ。
と、聖龍HEADにアメコミヒーロー達が集結したのを視認したユーリ・ペトロフが話し始めた。
「まあ、今回の大戦では双方ともに多大な被害が生じた訳ですが……この事態に、我々国連も多少ながら責任を感じています。なので、アニメタウンでの被害状況に見舞った見舞金を聖龍隊にお渡ししますので、大破してしまった街の復興に使ってください」
「ああ、遠慮なくもらっておくぜ」
ユーリ・ペトロフからの見舞金の話に、バーンズは呆れながら返事する。
するとユーリ・ペトロフは続けてヒーロー達に話した。
「それで、アニメタウンに見舞金を渡すのですが……それと同時に、アニメタウンを始めとする各国の各所に国連が管轄する施設を建設したいのです」
このユーリ・ペトロフの発言に、ヒーロー達は目を光らせる。
「いえ、建設するのは今やジャッジ・ザ・デーモンだけでなく、世界各地で活躍するヒーロー達によって逮捕される犯罪者や
「国連が管轄する施設を、アニメタウンにも建設させようってのか?」
バーンズが目を光らせていると、ユーリ・ペトロフは冷静な態度で答えた。
「でも安心してください。その施設建設に懸かる費用は、全て国連が出しますので。アニメタウンの役員やあなた達聖龍隊が出す必要は全くありません」
「費用は国連が出す代わりに……世界中に同様の施設を建設しようって魂胆なんですか?」
ジュニアも目を光らせて問い返すと、ユーリ・ペトロフは平然と返答する。
「ジャッジ・ザ・デーモンを始めとするヒーロー達の活動によって、既に世界各地の刑務所や収容施設はパンク寸前ですからね。その為の対策なんですよ」
「なんて収容施設を造るつもりなんだ?」
最後にバーンズが訊ねると、ユーリ・ペトロフは神妙な面持ちで言った。
「その名もずばり………………タナトス・アサイラム」
タナトス・アサイラム。
死神の名を持つ触法精神障碍者病棟は、後に大きな事件の舞台として名を馳せる事を、この時誰も知る由もなかった。
[暗躍する者たち]
アメコミヒーロー達との大戦が終わり、国連からアニメタウン領内にタナトス・アサイラムを建設する事を余儀なくされた聖龍HEADは。
「……今回は、修司の……いや、ジャッジ・ザ・デーモンの機転で、オレたち聖龍HEADとアメコミヒーロー達が殺し合いをしなくて済んだ」
『………………』
「そして今回、オレは実感した。オレ達が掲げる正義という価値観は曖昧で、かつ現実では非常に弱いという事を……オレ達が今後、更に人命を救済するには、もっと力が……現実的な見方が必要なんだと」
「バーンズ……」
総長バーンズの悲痛な面持ちに、アッコが複雑な心境で見守る。
「……特に、オレたち聖龍隊を束ねるHEADが現実に追いつき、そして現実的にも多くの人命を救済する為には、オレ達は変わらなきゃならない! オレ達を今まで守って来てくれた修司の様に、闇夜の活動にも取り組めるよう変わらねえと……!」
「それで? 僕たちは結局、どう変わるべきなんだい? バーンズ……」
参謀総長のジュニアが問うと、バーンズは真剣な顔付きで皆に言った。
「オレ達が新たな時代に適応する為にはただ一つ………………オレたち自身もまた変わるべきだ。そう、オレ達が今でも守り抜き、共に生きようと決意している修司のクローン、新世代型二次元人に……!」
このバーンズの判断に、聖龍HEADは一驚した。
「オレ達も修司の呪われた血を受け継いだ、新世代型二次元人に変わるべきだ。そう、修司と義兄弟の契りを結ぶんだ……!」
こうして聖龍HEADの新世代型二次元人化計画は始められた。
国連からアニメタウンを始めとする世界各地に、国連管轄の触法精神障害者病棟タナトス・アサイラムを建設する決定が下された後の事。
その情報を、世界中の報道機関を操れる国連報道局は事細かい詳細で公表した。
「ふう、まさかあのユーリ・ペトロフが先導して、世界各地にキチガイな連中を投獄する為の施設が建設するとはな……」
そう呟くのは、国連報道局局長のモルガンズだった。
「しっかし……運がいいな、ジャッジ・ザ・デーモンは。今や既にネットの都市伝説でも公になっているが、ジャッジ・ザ・デーモンの正体とG13の情報開示は、世界中の報道機関全体のタブーだからな。そのタブーをニュースにしなくて済んだぜ」
そう呟くモルガンズだったが、彼は最後に不敵な笑みを浮かべて零した。
「だが………………悪人や
公にはされないものの、ジャッジ・ザ・デーモンの正体は誰もが知る暗黙の領域なのであった。
一方、世界各地にタナトス・アサイラムを建設する事を決めたユーリ・ペトロフは、個人電話である人物と話していた。
「はい、私です……ええ、全ては私の予測通りに動いています。聖龍隊が実質、アメリカの英雄集団と戦争をし、ジャッジ・ザ・デーモンによって引き分けになった事で予定通りアニメタウン政権の中心に息のかかった役人を数名、配置させる事が叶いました。後は他所と同じく、アニメタウンにタナトス・アサイラムを設立し、多くの罪人達を収集させる計画が実行に移せます。いえ、もちろん……多くの罪人達に真なる裁きを下し、世界を浄化させる私達の計画は始まったばかりですからね。では、私は今後も国連軍元帥補佐官としての立場を活用し、着々と計画を進めていきますので。では……」
ユーリ・ペトロフの計画は、まだ始まったばかりだった。
そして国連からの命令で、アニメタウンに攻め込んだアメコミヒーロー達の本場であるアメリカ全土を賑わす報道があった。
「今回のアニメタウンでのヒーロー同士の大戦は、少なからずアニメタウン国民の生活に支障を来たしただけでなく、世界情勢にも多大な影響を齎しました! この様に、スパイダーマンだけでなく、キャプテンアメリカやアイアンマン、そしてスーパーマンやバットマンだけに飽き足らず、聖龍隊の英雄と自称する連中は世界情勢を混乱させているだけなのです! 私は前々からヒーロー達による世界情勢の悪化を提言していますが、今回のアニメタウンでのヒーロー大戦で、ヒーロー達が如何に危険かを世界中の人々は周知した事でしょう。最後にこれだけは言わせてもらいます……ヒーロー達は世界を護っているのではありません、秩序を乱して混乱を招いているのです! では、本日のニュースはこれにて。アメリカ国民の味方、未来のニューヨーク市長のJ・ジョナ・ジェイムソンでした!」
今現在、テレビのニュース司会者をしながら同時にヒーロー批評家であり、ニューヨーク市長選に立候補しているJ・ジョナ・ジェイムソンがアメリカ全土に報道した発言である。