聖龍伝説 ジャッジ・ザ・デーモン ネオ・ダーク・レジェンド   作:セイントドラゴン・レジェンド

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 今回の話は並行世界からやって来たある人物から救援に、ジャッジ・ザ・デーモンたち聖龍隊が馳せ参じるというストーリーです。
(以前執筆した「ホワット・イフ…?」のパラレルワールドとは違う物語となっています)
 最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。



パラレルワールドを救え!

[捕まったのは……?]

 

 ある晩のアニメタウン。

 その一角の路地裏から、何か次元の亀裂の様なものが出現した。

 そしてその亀裂の中から一人の人物が覚束ない足取りで出てきた。

「うっ……」

 その人物は亀裂から出ると、弱々しい歩みで公道へと出る。

「こ、ここは、一体……」

 男は満身創痍の様子で辺りを見渡した。

 すると其処に……

「おい! 誰だ!?」

 男に懐中電灯の灯りを照らして投げかける人物が。

 男が眩しい中、目を凝らして見てみると相手は警官だった。

「あ、警察の方ですね。ちょっとお尋ねしたいのですが……」

 と、男が警官に歩み寄ると、男の姿を視認した警官の顔色が一変した。

「! お、お前は!!」

 驚愕した警官は慌てて男に拳銃を向けて威嚇する。

「動くな!」「!?」

 拳銃を向けられ、一驚する男は激しく戸惑う。

 そうこうしている内に、警官は素早く男の両手を背中に回して手錠をかける。

「怪しい動きをしてみろ、すぐに発砲するからな……Mrフェイク!」

「はいっ? Mrフェイクって誰!? ボクは………………Mrトゥルースだよ!」

 果たして、警察に拘束されたこの男は何者なのであろうか。

 

 

 翌日。

 聖龍隊にMrフェイクが警察に捕まったと報告が入った。

「またか、Mrフェイクの奴……」

「だけど今回は少し様子が違うらしいの」

「アイツがおかしいのは、いつもの事だろうが」

 ジャッジ・ザ・デーモンにミラーガールそしてメタルバードたち聖龍HEADの面々が、Mrフェイクを捕えたという留置所に足を運ぶことになった。

 この時の聖龍HEADはジャッジ・ザ・デーモンを除けば38名。なぜ一人足りないのかと言うと、それはキューティーハニーこと早見ハニーが妊娠して産休してるからだ。

「よっ、お前ら。来てくれたんだな」「叔父さん、Mrフェイクの様子は?」

 留置所の牢屋へ続く廊下の手前で聖龍HEADを出迎えるウェルズに参謀総長のジュピターキッドが問い掛けると。

「いや、あいつは精神異常者であるのはいつもの事だろうけど、今回は常軌を逸して可笑しい言動ばかりなんだ。なんだか自分はMrフェイクなんかではない、とかなんとか……」

「とうとう自分が誰なのかも解らなくなるほど気がふれたのか」

 ウェルズの返答にキング・エンディミオンが呆れていると、ウェルズが皆に言う。

「まあ、こっちに来てくれ。一応、牢屋に入れてはいるが何かしら仕出かしてもスグに対応できるように武装させたニュージェネレーションズを配置させてる」

「おっ、やっと新世代型二次元人を活用してるんですね!」

 小田原修司のクローン、新世代型二次元人で構成された部隊を活用してる現状に堂本海斗が大いに喜ぶ。

 そして一行はウェルズの案内の元、Mrフェイクと思われる男が閉じ込められてる牢屋の前まで出向くと、そこには武装したニュージェネレーションズの面々が大勢待機していた。

「な、なんだか仰々しいわね……」

 部屋の前で完全武装した部隊を前にセーラームーンが困り顔を浮かべると、ウェルズがHEADに言った。

「それじゃ、あとはお前達に任せるよ。俺が何度も尋問しても、同じことばかり言う始末だし、バーンズのテレパシーでもなんでも使って何を企んでいるか探ってくれ」

 そうHEADに伝えると、ウェルズはHEADをMrフェイクと思われる男が収容されてる部屋へ通した。

 

 そこでHEADが見た光景は……

 

 

 

[Mrトゥルース]

 

『きゃあああっ!!』

 部屋に入るや否や、聖龍HEADの女性達は悲鳴を上げた。

 其処に居たのは、なんと全身裸体の男が取調室の机の前で椅子に座り、新聞を読んでいたからだ。

「お、おおっと。これはこれは失礼。まさかレディーがこんなに部屋に入ってくるとは思ってなかったから。失礼……」

 全裸の男は入室してきた聖龍HEADに局部を隠しながら丁寧に謝罪する。

「Mrフェイク! 今度は何を企んでる!」

 ジャッジ・ザ・デーモンが尋問すると、男は不思議そうな顔で答えた。

「うーーむ、なるほど……君たちがこの世界の、正真正銘のヒーローなんだね?」

『?』

「それで、ボクはこの世界ではMrフェイクという悪人って訳だ」

「お前、さっきから何を言ってる……?」

 男の言い分に聖龍HEADもジャッジ・ザ・デーモンも戸惑うばかり。

「失礼、混乱させてしまって。だけどこれからボクが語る真実を話しても。君たちは簡単には信じられないかもしれないから……」

『?』

 戸惑う聖龍HEADを前に、男は語り明かした。

「単刀直入に言おう! ボクはMrフェイクではなく、Mrトゥルース。分かりやすく言うと、この世界とは異なる並行世界パラレルワールドから命辛々逃げてきた人間さ」

 突然理解不能な話をする男の言動に、蒼の騎士が怒鳴る。

「フザケルな! Mrフェイク、今度は何の真似だ!」

 ジャッジ・ザ・デーモンに続いて男に問い詰める蒼の騎士だが、そこにメタルバードが宥めながら制止する。

「まあ、待て。いつもは正気じゃないからテレパシーが通じないが、今のコイツはちゃんとテレパシーで思考が読み取れる。……本気でコイツ、自分はパラレルワールドから来たMrトゥルースだと思い込んでやがる」

「い、いや、だから思い込みじゃなくて、本当なんだってば……」

 戸惑いながらもメタルバードの発言を否定する男。

 すると此処でジャッジ・ザ・デーモンがHEADに言った。

「みんな、ちょっと待ってくれ。俺はどうも、こいつが言ってる事がウソの様には感じられない」

「ま、待ちなさいよデーモン。まさか本当にあなたは、このMrフェイクがパラレルワールドから来た人間って戯言を信じる訳?」

 ジャッジ・ザ・デーモンの発言にHEADの真紅が物申す。

 するとジャッジ・ザ・デーモンに続き、メタルバードも半信半疑な心境で話した。

「だけど、本当にコイツの思考じゃパラレルワールドから来たMrトゥルースって奴だぜ」

「ど、どういう事なのだ?」

 ミュウプリンたちHEADは困惑するばかり。

 すると此処でキング・エンディミオンが発案した上で実行した。

「ちょっと待ってくれみんな。念のために、俺の千里眼で竹島の州立刑務所を覗いてみる」

「ほお、この世界のエンディミオンにも超能力は備わってるんですね」

 エンディミオンの発言に男が納得する中、エンディミオンは千里眼で国連が設立した竹島のアジア州立刑務所を遠視してみる。

 すると竹島のアジア州立刑務所の一角の堅牢な牢屋の一室には、確かに拘束されてるMrフェイクが見て取れた。

「……Mrフェイク、ジャクソン・グレイシスは……今でもちゃんと竹島のアジア州立刑務所に収監されている」

「! それじゃ、こいつの言ってる事は……!」

「ああ、間違いない。彼は正真正銘、本当にMrトゥルースということだ」

 エンディミオンの遠視で判明した事実に、メタルバードたち聖龍HEADの面々は驚愕する。

「分かってくれたかい? ボクはこの世界で有名な危険な異常者(ヒール)ではなく、Mrトゥルースなんだよ」

「さっきから聞いてるけど……トゥルースってなんですの?」

 金糸雀が不思議そうに発すると、Mrトゥルースは説明した。

「トゥルースとは、真実という意味さ。ボクは真実を明らかにする事こそ、正義だと信じてるからねっ」

「なんだか、この世界のMrフェイクとは正反対ね」

 Mrトゥルースの説明に、セーラーマーズは一驚してしまう。

 皆が未だにMrトゥルースの話に困惑するな中、一人冷静さを保つジャッジ・ザ・デーモンがMrトゥルースに話しかける。

「話を戻そう……あんたはパラレルワールドのMrフェイク、Mrトゥルースなんだな」

「ああ、そうさ!」

「さっきこの世界に逃げてきたと言ってたが……どういう事だ?」

 ジャッジ・ザ・デーモンから訊ねられたMrトゥルースは、ジャッジ・ザ・デーモンや聖龍HEADの顔を凝視してから一瞬考え込んだが、すぐに答えた。

「うーーん、実に申し上げにくいんだけど………………ボクの世界の悪者……そう、パラレルワールドの君たちから逃げて来たんだよ」

「なんだって!?」

 Mrトゥルースの返答にセーラーウラヌス達の顔が一変した。

 しかし聖龍HEADの表情が一変したのを視認しながらもMrトゥルースは語り続けた。

「さっき新聞などを読ませてもらって解ったけど、君たちはこの世界の英雄集団で聖龍隊っていうんだろ? ボクの世界では、ボク自身がリーダーを務めさせてもらってるセイント・ジャスティスが一応は自警団みたいな集まりなんだけど……そんなボクらと敵対してるのがクライムシンジゲート・オブ・ジャパンという組織で、アニメタウンだけでなく日本までも実質支配下に置いている犯罪集団なんだ。だけど巧妙に犯罪行為を隠蔽して偽りの正義を掲げる一方で、その超人的な能力で政府をも降してるんだよ」

「パラレルワールドの俺たち……おそらく一種の反転世界だろう」

「反転世界?」

「ああ、何かが逆転したパラレルワールドの事だ。男女逆転もそうだが、このMrトゥルースの場合は善悪の立場が逆転してる並行世界なんだろう」

 Mrトゥルースの話を聞いたジャッジ・ザ・デーモンの説明に、訊ねたナースエンジェルたち聖龍HEADは納得する。

 このジャッジ・ザ・デーモンの説明にMrトゥルースは指をパチンと鳴らして明言する。

「その通り! 話を戻すと、ボクはそのクライムシンジゲート・オブ・ジャパンとの戦いに追い詰められて、やむを得ず次元の壁を突き破って並行世界へと逃げてきたって訳」

「なるほどな。そんじゃ、お前さんを元の並行世界に戻せば全ては丸く収まるって訳だな」

 メタルバードの発言にMrトゥルースは思わず反論する。

「ちょ、ちょっと! 助けてくれないの!?」

「超獣族の科学でも、並行世界に関与するのは危険だと云われている。悪いが、オレ達だって危ない橋は渡りたくないんだよ」

 すると、このメタルバードの発言にMrトゥルースは慌てながらも告白した。

「ま、待ってくれ! そもそもボクがこの並行世界に来たのには、ちゃんとした訳があるんだ!」

「ほほう、それはなんだ?」

 メタルバードが問い返すと、Mrトゥルースは顔色を悪くしながら真実を述べた。

「実は、ボクの世界の君たち……クライムシンジゲート・オブ・ジャパンは別の並行世界にまで襲来しようと計画してる事を掴んだんだよ!」

「なんだと?」

 Mrトゥルースの告白に、ジャッジ・ザ・デーモン達は愕然とする。

 すると此処でMrトゥルースが聖龍HEADに訴えてきた。

「聖龍隊、ボクの世界のクライムシンジゲート・オブ・ジャパンがこの並行世界にも来襲するかもしれないんだ。大変申し訳ないが、ボクと一緒に並行世界まで来てほしい……ボクの仲間達だけじゃ心許ないんだ。助けが要る……お願いできるかな」

 大変申し訳なさそうに嘆願するMrトゥルースの訴えに、聖龍HEADは黙然と考え込んでしまう。

 しかしそんな中、ジャッジ・ザ・デーモンが口を開いて聖龍HEADに言った。

「……みんな、もし並行世界の悪の聖龍隊がこの世界に来襲すれば弱き民衆にも被害が生じる可能性があるかもしれない。ここはMrトゥルースの嘆願を聞き入れ、共に並行世界へと向かうのが最善ではないか」

 ジャッジ・ザ・デーモンの言葉に、聖龍HEADも渋々ながら承諾した。

「ふぅ、そうだな。癪だけど、パラレルワールドのオレ達と戦ってやるか」

「あ、ありがとう! 聖龍隊!」

 メタルバードたち賛同してくれる聖龍HEADに感謝を伝えるMrトゥルース。

 

 すると話が纏まった矢先、ミュウザクロとセーラーマーキュリーがMrトゥルースに言った。

「そ、それじゃまずは……」「先に服を着てくれないかしら……」

 頬を赤く染めて照れながらMrトゥルースにお願いする二人に、Mrトゥルースも顔を赤くして返事する。

「あ、ああ、ごめんよ。君たちも最初は疑ってたMrフェイクでもなければ、危険な人物でもないと訴える為に、衣服や身に着けている武装は全て外して潔白を証明したかったんだ……」

 

 かくしてジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADはMrトゥルースと共に、別の並行世界へと赴く準備に取り掛かった。

 

 

 

[いざ並行世界へ]

 

 聖龍隊本部。ここでジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADは、パラレルワールドから来たMrトゥルースと共に、彼が来たという並行世界へと赴く準備を進める。

「ありがとう、わざわざ君たちの本部の研究所を使わせてくれて……」

「いや、オレ達もアンタの並行世界へ行くんだ。協力しなきゃ、別の並行世界には行けねえだろ?」

 聖龍隊に礼を言うMrトゥルースにメタルバードが真顔で返す。

 そしてウッズを始めとする聖龍隊に関係がある科学者達とMrトゥルースが協力し合い、異世界はもちろん次元までも移動できる「異次元亜空間ゲート」を調整して、並行世界へとゲートを繋げた。

「よし、これでパラレルワールドへと赴けます」

「ありがとう、ウッズ」

 開通した異次元亜空間ゲートを調整したウッズにジャッジ・ザ・デーモンが礼を言う。

「それじゃ最初はオレたち聖龍HEADが様子を窺う意味も込めて、先陣を切ってパラレルワールドに出向く。向こうの世界で何か進展があったらお前達を呼ぶかもしれないから待機しててくれ」

「ああ、分かったぜバーンズ。俺とニュージェネレーションズが待機してるから、何かあったらスグに呼んでくれ」

 最初に聖龍HEADだけでパラレルワールドに様子を見に行くと伝えるメタルバードに、ウェルズが特別指揮を一任された新世代型二次元人の部隊ニュージェネレーションズが待機してる算段。

「それじゃ、まず最初に向こうのパラレルワールドに着いたらボクが指揮するセイント・ジャスティスの秘密基地まで案内するよ。向こうの君たちの事を詳細に教えとかないと……」

「ああ、頼んだ、Mrフェイ……あ、いや違った、Mrトゥルース」

「ははっ、大丈夫。こっちの世界のボクは精神異常者で犯罪者なんだろ? 気にしてないから安心して」

 思わず名前を呼び間違えてしまうジャッジ・ザ・デーモンに、Mrトゥルースは笑って許した。

 そして先行としてジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADがMrトゥルースの案内の元、善悪の立場が逆転してるパラレルワールドへと向かうのだった。

「どうかご武運を……!」

 ニュージェネレーションズの隊長である鬼龍院皐月と新世代型二次元人達からの敬礼に見送られ、ジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADはMrトゥルースと共にパラレルワールドへと続くゲートを潜って先行した。

 

 

 

 そしてMrトゥルースの先導で、ジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADはパラレルワールドへと到着した。

 皆が辿り着いたのは街の片隅の路地裏だった。

「気を付けて。敵は既にこのアニメタウンを手中に治めて支配下に置いている。まずはボク達の秘密基地に案内するよ」

 そういうとMrトゥルースは仮面を外して服装も一般のへと一変させて変装。これを見たジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADもMrトゥルースに倣って変装した。

 一般人に成りすましたMrトゥルースの後ろをついていく修司に人間に変身したバーンズ、そして一般の服装姿に戻った聖龍HEADの面々。この時は更に一般人を装う為に五体のローゼンメイデンは持参してた紙袋に一体ずつ入れて運んであげてた。

 Mrトゥルース同様に一般人に扮した修司が街の様子を窺うと、街の至る所に自分の顔や何処となく聖龍HEADに酷似した容姿の人物達が写ってるポスターなどが貼られてた。しかも交番にはMrトゥルースの手配書もある始末。

「おい、Mrトゥルース。この世界の俺達は普通に一般人に浸透してるだけでなく、お前らも元から指名手配されてるじゃねえか」

 若干Mrトゥルースを疑い始める修司に、Mrトゥルースは密談しながら返答した。

「この国と日本を実質支配しているクライムシンジゲート・オブ・ジャパンのメンバーは、一般人を洗脳する形で仮初の英雄のつもりで売名してるんだよ。そしてボクを始めとする反発する一部の人民は力と恐怖で徹底的に潰す算段さ」

「なるほど」

 Mrトゥルースの返答に、修司は納得するしかなかった。

 更に街中を進む一行にMrトゥルースは密かに伝える。

「気を付けて。監視カメラなんかも、既に敵の手中にある。顔認証プログラムに引っかからないよう、カメラのある道は成るべく避けよう」

 と、ここで星羅がある事に気付く。

「なんか……街の人たちに明るさがあまり感じられないわ……」

 これにもMrトゥルースは静かに答えた。

「いくら情報管理されてても、奴らクライムシンジゲート・オブ・ジャパンが犯罪めいた事をして、アニメタウンだけでなく日本の政権をも支配している現状に一般市民は恐れおののいているのは明白だからね」

「恐怖政治か……胸糞悪いな」

 Mrトゥルースからの説明に、バーンズは心中不快な思いで満たされた。

 

 

 

 

[セイント・ジャスティス]

 

 そしてジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADはMrトゥルースの案内の元、この世界の自警団セイント・ジャスティスの秘密基地を訪問した。

「ただいま、みんな!」

 Mrトゥルースが元気よく扉を開けて入ると、中にいたセイント・ジャスティスの隊員達が温かく出迎える。

「Mrトゥルース!」「おかえりなさい!」

「よかった! 敵の基地に潜入してから連絡がつかなかったから、捕まったのかと思ったよ」

 温かく出迎えてくれる隊員達の様子から、Mrトゥルースが如何に信頼があるのか察するジャッジ・ザ・デーモンたち。

 と、Mrトゥルースを出迎える隊員の一人が彼の背後にいるジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADに気づく。

「や、やあ」

 何気なく挨拶を交わそうとするメタルバードたちであったが。

「クライムシンジゲートだ!」「敵襲だ!」

 聖龍HEADを視認した途端、隊員達は咄嗟に物影に飛び込んで、銃や武器を構えて臨戦態勢に入ってしまう。

 そんな現状を目の当たりにしたMrトゥルースと聖龍HEADは半ば茫然としてしまう。

「ご、ごめんよ。前も言ったけど、敵は君たちにそっくりだから……」

「いや、別に俺は気にしてないから」

 謝罪するMrトゥルースにジャッジ・ザ・デーモンは平然と返す。

「みんな! 彼らは敵であるクライムシンジゲート・オブ・ジャパンではない。パラレルワールドから救援に駆け付けてくれた真のヒーロー集団、聖龍隊だ!」

 Mrトゥルースは仲間達に説明するが、仲間の隊員達は初見である聖龍隊を前に疑いを消せない様子。

「聖龍隊だと?」「パラレルワールドから来ただって?」

「本当にクライムシンジゲートじゃないんだよな……? コスチュームは確かに少し違うけど、それにしても似過ぎてる……」

 信頼あるMrトゥルースからの説明を聞いても尚、敵対してるクライムシンジゲート・オブ・ジャパンに酷似している聖龍HEADを前に隊員達は不安がるばかり。

「……本当に、この世界の私達って嫌われ者なのね」

「なんだか複雑……」

「は、ははは……いや、ごめんよ。でもボクは君らのことを信じてるからさ」

 複雑な心境の七見るちあにミュウイチゴに、Mrトゥルースは苦笑いしながら詫びる。

 

 しかし最初は聖龍HEADの事を疑ってたセイント・ジャスティスの隊員達であったが、話を交えていく毎に解り合い、次第に心を開いてくれた。

「……そうか、向こうの僕は顔半分が黒く爛れたことで異常性犯罪者に変貌してしまったという訳か」

「え、ええ……」

 七海るちあ達マーメイドプリンセスと会話して、彼女達のパラレルワールドで自分が如何なる運命を辿ったか、その末路を神妙な顔で聞き入れる元アイドルの流水霧也。

「……こっちの世界では敵側であるクライムシンジゲート・オブ・ジャパンはメディアなども牛耳り、アイドル業も制限されてる。そんな中、僕はステージを強行した訳だが……そこでテロに見せかけられてステージが爆破、大勢のファンが死傷するのと同時にこの僕の顔の一部に火傷ができ、アイドルを続けるのは困難になってしまった……」

「そう、なんだ……」

 るちあ達が悲痛な表情になる中、クラウディは力強い表情で言い切った。

「だからこそ……! 僕はMrトゥルースと共に、この世界を潔白で美しい世界にするべく戦うザ・ホワイトへと変わったんだ!」

 平穏なアイドル業を続けられなくなっても尚、日夜悪と戦うザ・ホワイトへと変化したと主張するクラウディの台詞にマーメイドプリンセス達は一驚される。

 元居た世界では、クラウディは顔半分が黒く爛れた事で二面性を持つ異常者(ヒール)、ブラックホワイトへと変貌しているのだが、なんとも皮肉である。

 

「俺はテレビ業界に革命を起こし、明るい話題を世間に流すべくクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの真実を公開しようとした……だが、その直前に奴らに犯罪の濡れ衣を着せられ、テレビ業界から追放。今はMrトゥルースに勧誘されて自警団の一員さ」

「まあ、私達が元居た世界でも、あなたは過激に革命を起こそうとしてたけど……それらは全て私利私欲に塗れた汚い思想だったわ。この世界のあなたみたいに真実を公開して多くの人に夢を与える思想ではなかったわ」

 パラレルワールドの黒木旭と共に彼が戦闘時に装備する機械の調整を見守りながら会話する東京ミュウミュウのミュウザクロ。

「でも……今では微かな希望がある! 君たち聖龍HEADの協力があれば、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンに一泡吹かせられるかもしれない! この光の翼、ライトニングの出番って訳だ!」

 そう東京ミュウミュウに熱弁する黒木旭は、自身が設計・製造した黄金色の装備を背負って、光の翼ライトニングとして戦う決意を東京ミュウミュウに示した。

 本来の黒木旭は全身に90パーセント以上の火傷を負った事から、精神に異常を来たして黄金の爆弾魔ゴールデン・ボマーへと変わってしまっているが。

 

「なるほど……そういう事が君たちの世界で起こったんだね」

「は、はい……」

 此方では同じ医療従事者という事で、ナースエンジェルが一人の老人と対話してた。

「いや、しかし……まさかパラレルワールドの私は、暴力団と結託して麻薬の密売に手を染めてただけに飽き足らず、患者を実験台に様々な非人道的実験を繰り返していたとは。挙句の果てにナイトメアなんて異常犯罪者に成り下がってしまうとは……」

「で、でも……この世界のあなたは献身的に多くの同士を手当てする立派な医師です! 私達の世界に居たナイトメアとは一線を引きます!」

「ふぅ、ありがとうナースエンジェル……だが私は基本的に精神科医。怪我を負った仲間の治療は君に比べたら未熟な方だよ」

「それでも、患者を……傷付いた人を救う気高い意志は素晴らしいです!」

「……本当にありがとう。この仕事をしてると、他人ばかりではなく自分自身も精神的に負荷がかかるから余裕がなくてね」

「人は肉体よりも心の傷が治りにくい、その傷を治療してあげるあなたの信念は素晴らしいですよ……肥田裕久先生」

「あ、ここでは一応ながらドクタードリームと呼んでくれ。私はヒーローでも自警団でもないが、Mrトゥルース達の心のケアには全力で取り掛かるから」

 そうナースエンジェルと話し合うのはMrトゥルース達の精神面をケアしている医師の肥田裕久。彼は元の世界では人々に恐怖を撒き散らす精神科医ナイトメアなのである。

 

「協力者は此処にいるだけなのか?」

「一応、外部にも協力者はいるけど……クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの監視社会が厳しいから、アニメタウンと日本国内には限られている。でも国外ではアジア連盟の議長が常日頃からクライムシンジゲートを監視しててね、彼とはいい関係を築いているよ」

「アジア連盟の議長とか! それは心強いな」

 ジャッジ・ザ・デーモンからの質問に答えるMrトゥルースの返答を聞いてメタルバードは期待する。

 するとMrトゥルースはメインコンピューターを操作して、画面にアジア連盟本部のカメラ映像を映した。

「此処は?」

「アジア連盟の本部だよ。いつ敵襲に遭うか分からないから、頻繁に監視カメラで注視してほしいと友から言われてね」

「その友とは?」

「彼は……」

 と、Mrトゥルースがジャッジ・ザ・デーモンの問いかけに答えようとすると。

 なんと画面に映し出されたアジア連盟の本部からの映像が乱れ出し、映し出されてる木々が激しく揺れ出してるのが視認できた。

「なんだ!?」

 一驚するジャッジ・ザ・デーモンにメタルバードに、Mrトゥルースは慌て出した。

「まさか……敵襲か!?」「「!」」

 Mrトゥルースの発言にジャッジ・ザ・デーモンもメタルバードも動揺する。

 そして三人が戸惑う中、現場であるアジア連盟の本部では激しい木々の揺れに驚いた議員達が警備員たちと共に外に飛び出してきた。

 現場のアジア連盟の本部では、建物から出てきた議長らと警備員たち、そしてアジア連盟の本部に襲来してきた敵をカメラ越しで視認したMrトゥルースは叫んだ。

「アイツらだ! クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの筆頭、修二にバルドそしてジュピッドの三幹部!」

 Mrトゥルースの叫びに、ジャッジ・ザ・デーモンとメタルバードそしてジュピターキッドが画面を凝視する。

 そんな上空から来襲してくる三人を見上げ、アジア連盟の議長は声を荒げる。

「何しに来た! クライムシンジゲート・オブ・ジャパン!」

 そんな議長をカメラ越しで見て、Mrトゥルースがまたしても叫ぶ。

「グーイ……!」「グーイ?」

 Mrトゥルースの発言にジャッジ・ザ・デーモンが首を傾げると、Mrトゥルースは返答した。

「グーイ、本名はチャオっていう中国人なんだけど……見て分かる通り、彼は過去に修二に影武者として顔を整形させられたんだ。そして命辛々、修二の元から逃げ果せた後は努力の末にアジア連盟の議長にまで出世したボクの友なんだ」

「「「チャオ!?」」」

 Mrトゥルースから発せられた名前にジャッジ・ザ・デーモンとメタルバードとジュピターキッドは驚愕した。チャオという中国人で、顔を整形させられたというのは元の世界ではグービンシーという危険極まりない傭兵だからだ。

 と、ジャッジ・ザ・デーモン達が驚いてる最中、アジア連盟の本部では引き続き議長のチャオとクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの三幹部が対談し始める。

「何しに来た! 修二、バルド、ジュピッド!」

 チャオに問い詰められて、この世界の小田原修司である修二がチャオに答える。

「チャオ、そんなにいきり立つな。かつては俺が直々に中国の孤児だったお前を拾った末に殺人兵器に教育した上で、俺そっくりに整形させて俺の影武者として絶対の地位を約束させた仲じゃないか」

「黙れ! 私はそんな劣悪なお前達の指導を堪え、機を窺って逃げ出したお陰で目が覚めた! クライムシンジゲート・オブ・ジャパン、お前らには屈しないぞ!」

「チャオ、いやグーイ……そんなに反感的な態度を取るなら、此処でレーザー砲の一発でもお見舞いしてやるぞ」

 修二に反抗するチャオに、バルドが機械化した腕を変形させてチャオたちアジア連盟の議員達を脅す。

「ッ……!」

 今にも砲撃されそうな状況にチャオは一瞬怯んでしまうが、そんなバルドにパワードスーツを着てる修二が宥めて話し掛ける。

「まあ待て、バルド。チャオ、俺たちクライムシンジゲート・オブ・ジャパンは既に名乗ってる通り日本だけでなくアニメタウンをも手中に収めてる支配者なのだ。いい加減、他のアジア諸国も俺たちクライムシンジゲート・オブ・ジャパンに屈した方が後々の為だぞ」

「うるさい! 我々は悪には屈しない!」

「……まあ、いい。しばしの猶予を与えてやろう。俺は心が広いからな。だが、これだけは言っておくぞ」

「………………」

「……我々、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンは既にセイント・ジャスティスの隠れ家を周知している。近々、総攻撃を仕掛けるつもりだ」

「!」「「「「!」」」」

 修二からの発言に、現場のチャオはもちろんカメラ越しでその状況を見てたMrトゥルースたち四人も愕然とする。

 そして、そう発言した修二が徐に本部に設けられたカメラに顔を向けると言葉を発した。

「覚悟しておくんだな、セイント・ジャスティス……いや、Mrトゥルース」

 次の瞬間、修二は着衣しているパワードスーツの右手からエネルギー弾を発射して見詰めてたカメラを破壊した。

 

 カメラが破壊された事で画面が砂嵐に切り替わり、何も映らなくなった画面を見詰めて唖然とするジャッジ・ザ・デーモンやMrトゥルースたち。

 ふと四人が後ろの気配に気づいて振り向くと、そこには聖龍HEADの面々とセイント・ジャスティスの幹部達が揃っていた。彼らもまた先ほどの映像を観てたのだ。

 聖龍HEADはこの世界での聖龍HEADのビッグ3を、そしてセイント・ジャスティスの幹部達は自分達の隠れ家が既に既知されているという修二の発言に驚いて唖然としていた。

「……聖龍HEAD、一緒に来てくれ。本格的な戦いになる前に、この世界での君たち……そう、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達の詳細を教えるよ」

 こうしてジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADはMrトゥルースに、この世界での聖龍HEADすなわち敵であるクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達について教えられる事となる。

 

 

 

 

[クライムシンジゲート・オブ・ジャパン]

 

 そしてジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADは、Mrトゥルースに連れられて映写機が置かれてる別室へと招かれた。

「それじゃ、今からボクらがこれから戦うであろうクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達の詳細を教えるよ。……まあ、言わなくても解ってるだろうけど、パラレルワールドの君たち自身だから覚悟はしておいて」

「ああ、解ってる。なるべく手短に教えてくれ」

 ジャッジ・ザ・デーモンからの返答に、Mrトゥルースは彼と聖龍HEADの前で映写機を回してクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達の紹介を始めた。

「まずはクライムシンジゲート・オブ・ジャパンを統率してる小野田修二。君たちの世界で言う小田原修司だ。彼は闇の能力を持っていて、その能力で多くの他の能力者達を力でねじ伏せて支配下に置いている。先ほどアジア連盟の本部を襲った時にも着用してたけど、闇の能力を増幅できるパワードスーツを着用して、自身の能力を高めた状態を常に維持してるから常時危険だ」

「パラレルワールドの修司か……闇の能力を増幅させるパワードスーツを常時着衣しているというのが厄介だな」

「………………」

 Mrトゥルースの敵方を統率してるパラレルワールドの小田原修司、小野田修二の存在を知らされて考え込んでしまうメタルバードと寡黙なジャッジ・ザ・デーモン。

 

 次にMrトゥルースは映像を切り替えて、まるで容姿がロボットなのかサイボーグなのかの様な両腕に両翼のある異人の姿を映す。

「彼はさっき修二達と共に連盟の本部に襲撃してた一人で、バルド。今は滅んだ帝国の王族の生き残りで、今では修二の闇の能力で配下に降ってからは実質クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの№2に位置している実力者。産まれ付き、衰弱だった肉体を改造しサイボーグの様な体を武器に戦う」

「パラレルワールドのオレかよ……! でも、生まれ付き体が弱く、それでサイボーグに改造したってのは違うな」

「君はサイボーグではないのかい?」

「ああ、正確にはオレの王国の技術で一時的に肉体をサイボーグ化してるだけで、いつでも自由に生身の体とサイボーグの体を変えられるんだ」

「それは凄い……!」

 説明を聞いて自分とバルドの違いを語るメタルバードの言葉にMrトゥルースが問うと、それに返答するメタルバードにMrトゥルースは目を輝かせる。

 

 その次にMrトゥルースはワイルドそうな黒の衣装に身を纏う茨の鞭を持った恰幅のいい男を映し出す。

「彼はジュピッド。植物を操れる能力者で、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンでは三本の指に入る実力者。彼が戦闘の際に用いる植物性の猛毒はゾウすらも容易く殺せる」

「この世界の僕は戦闘に毒なんか使うのか。なんだか複雑だな」

 戦闘で猛毒を用いると説明されて、ジュピターキッドが複雑そうな顔を浮かべる。

 

「次はウォーター・レディー。今は既に没落した妖精族の王家の姫君だったと言われてる彼女は、水を自在に操れる能力を持っている……弱点としては、氷点下の気温に滅法弱いってところかな」

「弱点まで私と同じなんて、嫌だわ……」

 続いてMrトゥルースが紹介したウォーター・レディーに、ウォーター・フェアリーことアプリコットは複雑な心境に至る。

 

「チーム・プラネット。彼女達はかつて前世では太陽系の星々を統治していたという惑星の支配者で、生まれ変わった今なお、その傲慢な政治でクライムシンジゲート・オブ・ジャパンを統率する幹部の一員だ。特にプラネット・ムーンなんか、情夫であるカイザー・エンディミオンと協力し合えば、どんな形勢も逆転してしまう力を持っている」

「パラレルワールドの私たち、セーラー戦士なのね……」

「こっちではプラネットの名前で通ってるのね」

「全員、悪人ってのが癪だわ」

 Mrトゥルースからパラレルワールドの自分達を紹介されて複雑な心境に至るセーラームーンにマーキュリー、そして癪に障るセーラーマーズ。

 

「スカーレット・ハニー。あるマッドサイエンティストが創り出した人工生命体である彼女は、空中元素固定装置というものを体内に宿しており、それを用いて様々な戦術が可能となっている」

「こっちの世界のキューティーハニーか……」

「本人は今、妊娠期間で休み取っているとはいえ、そんなハニーさんとも戦う事になるなんて……」

「おやっ? そっちの彼女は妊娠してるのかい? それはそれで、おめでたいけど」

 説明を聞いてメタルバードとウォーターフェアリーが神妙な面持ちで映像を見詰めていると、説明するMrトゥルースが妊娠してる事実に驚きながらも半ば祝福する。

 

「白衣の聖女ナースホワイト。彼女はクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの広告塔を兼ねてる。表向きは医療事業を率先して先導してると世間では拡散されているが、裏では様々な人体実験を行ってる……最近ではクローン実験にも手を出している」

「クローンか……」

(こっちではアッコさんじゃなく、私が聖女なんだ……)

 Mrトゥルースの説明に、ジャッジ・ザ・デーモンはクローンの実験と聞いて密かにある疑惑を思い浮かべ、一方のナースエンジェルはこの世界の自分の呼び名に若干驚いてた。

 

「カードマスターさくら。彼女は魔力が封印されたカードを使って、時には人を誘惑したり幻覚を見せたり……またある時は変幻自在の戦いを展開する。オマケにカードはもちろん他人をも使い捨てる非常に恐ろしい女性だ」

「こっちの世界の私、なんだか好戦的だな……(それだけじゃなく、スタイルもいい……!)」

 Mrトゥルースが説明するカードマスターに、木之元桜はパラレルワールドの自分の性格も体格も正反対だなと人知れず思う。

 

「ザ・コレクト。彼女たち三人は、電脳空間などの仮想空間で主に暗躍する幹部だ。SNSを巧みに使って情報操作しつつ、自分達にとって不都合なネット上の書き込みを人知れず、書き込んだ本人共々抹消する」

「か、書き込んだ人間を抹消って……」

「つまり、陰で殺してしまうって事……?」

「情報操作で不都合な事実を隠蔽するなんて、不愉快極まりないわ……!」

 Mrトゥルースからの説明に、悲愴な面持ちを浮かべるコレクターユイとコレクターハルナに対して、不快そうに強面を浮かべるコレクターアイ。

 

「マジックイレイザー。彼女たち三人は異世界から会得した魔法を使って、各々火と水と風の戦法を得意としている」

「彼女達が、この世界の私たち……」

「やっぱり、いくらパラレルワールドの私達と言えど、複雑だわ……」

「ええ……胸が締め付けられますわ」

 Mrトゥルースが説くマジックイレイザーの三人を紹介され、魔法騎士の獅堂光に龍咲海そして鳳凰寺風の三人の心中は複雑だった。

 

「ファイナルウェポン、本名はちとせというんだが……軍によって体を改造され、その後、自分を改造した軍を壊滅した後にクライムシンジゲート・オブ・ジャパンに加盟。その凄まじい破壊力で各地を制圧していける最強クラスの戦力だ」

「………………」

 Mrトゥルースのファイナルウェポンに対する説明を、最終兵器ちせは黙って聞き入れてた。

 

「ビーストガールズ。彼女たち五人は遺伝子操作されて、動物の身体能力を得た一種の改造人間。戦闘で本気になればなるほど、ビースト化が進行して正真正銘の野獣として襲ってくる」

「う、うわあ……この世界の私たち、なんか野性的というか、ワイルドな風貌だにゃ……」

 Mrトゥルースの説明にあるパラレルワールドの自分達の野性的な風貌に、東京ミュウミュウ達は圧倒される。

 

「デビルズ・マーメイド。七人組の彼女達が歌う合唱は、人々の心を惑わし、洗脳する。時には一度に何十人という人間を一斉に洗脳して集団自殺へと誘導した事例もある」

「そんな……歌で人を自殺に導くなんて……」

 七人のデビルズ・マーメイドを説明するMrトゥルースの話に、七海るちあたちマーメイドプリンセスは悲しみに暮れる。

 

「呪詛の傀儡。五体の和装の人形に見えるが、ちゃんと自分の意思を持っている。呪術を得意としており、呪いで相手を殺せる恐ろしい和人形なんだよ」

「あら、この世界の私達ローゼンメイデンは、和装の人形なのね」

 Mrトゥルースの説明を聞いて、真紅たちローゼンメイデンは軽く驚いてしまった。

 

「……以上が、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達だ。誰も彼も、恐ろしい実力者揃いだよ」

「ね、ねえ……なんだか幹部メンバーに私がいなかったけど……」

「ミラーガール? 確かに……ボクが知ってるクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部に、君に該当するメンバーというか人物はいないね」

(ど、どうなってるのかな? このパラレルワールドには元々、私はいないのかな……)

 Mrトゥルースの返答を聞いて、ミラーガールは自分に該当する幹部はこの世界にはいないのかと不思議に思う。

 

 こうしてMrトゥルースから、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達の詳細を伝えられ、ジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADは予備知識を得た。

 

 

 

[敵襲!]

 

 ジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADは、セイント・ジャスティスを取り仕切るリーダーのMrトゥルースから、敵対してるパラレルワールドの自分達クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達の詳細を教わり映写室から出る。

「……それで、Mrトゥルース。俺たちは今後どう行動すればいいんだ?」

 説明会が終わり、ジャッジ・ザ・デーモンがMrトゥルースに訊ねると彼は真剣な眼差しで答えた。

「うん! 君たちパラレルワールドの英雄達の力を借りられるなら、これ以上クライムシンジゲート・オブ・ジャパンを好き勝手にさせる理由はない。敵の幹部と同等の力を持つ君らと共闘して、今度こそクライムシンジゲート・オブ・ジャパンと決着をつけるよ!」

 遂にリーダーであるMrトゥルースから、敵であるクライムシンジゲート・オブ・ジャパンとの最終決戦を告げられ、同室に居る同士達の表情が険しくなる。

 そしてパラレルワールドの悪の自分達を倒す決心がついている聖龍HEADも、Mrトゥルースの意見に賛同した。

「そうだな。これ以上、悪党どもの好き勝手にはさせられねえからな!」

「このパラレルワールドも、僕たち聖龍隊と君らセイント・ジャスティスの共闘で救おう!」

「ありがとう、友よ」

 メタルバードやジュピターキッドの心強さに、Mrトゥルースは心から感謝を述べ、メタルバードと握手を交わす。

 

 と、メタルバードとMrトゥルースが握手を交わしてた、その時だった。

「うわっ!」

 突如、轟音にも近い爆撃がセイント・ジャスティスの秘密基地を襲い、セーラームーンたちが悲鳴を上げる。

 すると駆け足と共に、セイント・ジャスティスの隊員が叫んだ。

「敵襲! クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの敵襲!!」

 突然の事態にMrトゥルースはもちろんジャッジ・ザ・デーモンも聖龍HEADも騒然とした。

「敵襲ですって!?」「こんな早く?」

 思わずミラーガールに洞院リナも戸惑う。

 現場が騒然とする中、セイント・ジャスティスの隊員達は外部からの敵襲に銃で抗戦した。

 だが、そんな人員に対して外部からは、なんと戦車が乗り込んできて隊員達に襲いかかる。

「せ、戦車ですって!?」

 龍咲海が驚く中、Mrトゥルースが説いた。

「クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの息がかかった国の軍隊も襲撃に加勢してるんだろう! さっきも言った通り、この世界ではボクらの方が悪人だと報道されてる……!」

 と、Mrトゥルースが説明する中、戦車からは何発もの砲弾が発射され、更には進撃する戦車によって隊員達が無残にもひき潰されていく。

「酷い……! こんなのって……っ!」

 無残に戦車に轢き殺される隊員達を前に悲観するセーラームーン。

 しかしセイント・ジャスティスも黙ってばかりではない。

「クライムシンジゲート、お前らの思惑通りにはさせないぞ!」

 と、セイント・ジャスティスの幹部の一人であるライトニングが金色のアーマーを装備して飛行し、閃光弾を進軍する兵士達の目の前に着弾させる。

 するとライトニングに続き、ザ・ホワイトも麻酔銃である二丁拳銃をガンマンの様に振るって連射し出す。

「ここは僕たちが食い止める! ひとまずMrトゥルースと聖龍隊は安全圏まで逃げてくれ!」

「な、何を言うんだ! ここはボク達も戦う……!」

 と、戦前で二丁拳銃を連射するザ・ホワイトにセーラーウラヌスが唱えるが、そんな彼女にザ・ホワイトが力強い眼力で唱える。

「君たち聖龍隊とMrトゥルースは……僕らにとって最後の希望! どうかMrトゥルースを守ってくれ!」

「……! き、君は……!」

 命を賭けてでも自分達を指揮するMrトゥルースの身を最優先してほしいと訴えるザ・ホワイトの迫力にセーラーウラヌスも戸惑う。

 そんな切羽詰まる中、ドクタードリームが聖龍HEADに言う。

「ここは私達に任せて、君たちは兎に角Mrトゥルースの身を護ってくれ。なに、私達だって死ぬ気で戦う訳じゃない。必ず生きて再会しよう」

「……っ! 分かりました、ドクタードリームも他の皆さんも、どうか命だけは捨てないで」

 ドクタードリームの言い分に、戦況を見極めて同意するしかないナースエンジェルは苦渋の決断を下す。

 そして多勢に無勢の戦況の中、ジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADはMrトゥルースを連れて秘密基地からの脱出を図る。

「それじゃ、みんな! どうか無事で……!」

「ああ! Mrトゥルースも必ず生き延びろよ!」

「僕たちの底力、軍隊に見せ付けてやる!」

「怪我しないよう気を付けるんだよ」

 聖龍HEADと共に逃避行する直前、仲間に言葉をかけるMrトゥルースにライトニングもザ・ホワイトもドクタードリームも力強く返事した。

 

 そしてMrトゥルースはジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADと共に態勢を立て直すべく、秘密基地から抜け出し、隠し通路へと避難するが、その直後。

「ヤバい! クローン部隊だ!」

「アイツら、体に爆弾を取り付けてる自爆要員だ!」

「く、来るぞ!」

 セイント・ジャスティスの隊員達の叫び声の直後、凄まじい轟音と共に爆発による衝撃が隠し通路まで伝わる。

 この隊員達が発したクローン部隊という単語に何かを察したジャッジ・ザ・デーモンが、同行するMrトゥルースに問い掛けた。

「クローン部隊とは……?」

 するとMrトゥルースは薄暗い隠し通路を通りながら重く険しい面持ちで語った。

「クローン部隊……小野田修二が自分の遺伝子をベースに生み出した人造人間、いや小野田修二のコピーでクローンと言った方が妥当だろう。小野田修二は自分のクローンたちを戦前に立たせ、その多くを捨て駒の様に扱ってる……さっきみたいに爆弾を体に取り付けさせて自爆要員として特攻させる場合もある」

『!!』

 Mrトゥルースが語った小野田修二のクローンという事実に、ジャッジ・ザ・デーモンも聖龍HEADも愕然とし言葉を失った。

 すると最後尾を歩いてた東京ミュウミュウのミュウイチゴが声を発した。

「! この臭い……!」

 動物の遺伝子を持つミュウイチゴが異臭に気付き、自分より先頭を歩いてる面々に告げた。

「大変にゃ! 後方から毒ガスにゃ!」

「な、なんだと!?」

 ミュウイチゴからの報告に、メタルバード達は動揺し出す。

「先を急ぐぞ! 毒ガスが此方に辿り着く前に……!」「ああ!」

 ジャッジ・ザ・デーモンとMrトゥルースの掛け声に合わせる様に、隠し通路を通る面々は一斉に早足になった。

 

 そして隠し通路を通って、出入り口に手前まで辿り着く。

「よし、あそこから外に出られる!」

 Mrトゥルースが指さす方から外からの光が零れており、全員の足が速くなった、その時だった。

「待て、Mrトゥルース! そこから出てはいけない!」「き、君は……!」

 隠し通路の内部、進路方向より奥から聞こえてくる声にMrトゥルースは反応する。

 

 その頃、隠し通路の出口では。

 なんと既にクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの軍勢が待ち受けてた。

「それにしても、出てくるのが遅いわね。Mrトゥルースの奴……」

「ホントよ。スイーツの時間に遅れちゃうわ……まったく、修二の奴、自分のクローンだっていうのに私達に先導指揮をさせるなんてホントにムカつく」

 小野田修二のクローン部隊を引き連れて、Mrトゥルースを待ち受けていたのはクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部であるプラネット・ムーンとカードマスターが愚痴を零しながらも任務に就いていた。

 

 

 

[合流! レジスタンス]

 

 一方、隠し通路の中でMrトゥルース達を呼び止めた声の主の先導で、Mrトゥルースとジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADは別の真新しい出口から隠し通路を出た。

「いや、助かったよ。まさかクライムシンジゲート・オブ・ジャパンが既に隠し通路まで把握してるなんて……!」

「でも間に合って良かったよ。危うく君らが敵の待ち受けに入って、捕まってしまうところだったよ」

 隠し通路から出てMrトゥルースと話す戦闘用ヘルメットを被る人物。

 そしてMrトゥルースと会話した人物は、Mrトゥルースの後から出てくる聖龍HEADを出口先で待っていた同じ戦闘用ヘルメットを被る面々と共に歓迎する。

「ようこそ、パラレルワールドの英雄集団の聖龍隊! よくMrトゥルースを護ってくれた。君たちを歓迎する」

「お前達は一体……」

 出迎えてくれる一団を前にジャッジ・ザ・デーモンが不信感を募ると、Mrトゥルースが彼と聖龍HEADに説き始める。

「彼らはレジスタンス! さっきも通路内で小野田修二のクローンについて話しただろ。彼らは、そんな修二のクローンでありながら、しっかりと自我を持ち、修二の悪事に加担する事を拒んでレジスタンスという地下反乱組織を結成した、ボクたちセイント・ジャスティスの仲間なんだ!」

 するとMrトゥルースからの説明が終わったのを認識したレジスタンスの面々は、頭に被ってるヘルメットを外して素顔をジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADに明かした。

 が、レジスタンスの面々の素顔を見たジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADは驚愕してしまう。

「お、お前らは……!!」

 レジスタンスの素顔に、メタルバードも他の面々も愕然とした。

 何故ならジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADの前で素顔を明かしたのは【琴浦さん】の小野崎功、【リトルバスターズ!】の高宮に勝沢と山崎そして三枝一族、【ダンボール戦機ウォーズ】の風陣カイト/伊丹キョウジ/有馬トオル/シャーロット・レイン/甲本ダイゴ/ブルース・ブラド―そしてセレディ・クライスラー、【キルラキル】の鬼龍院羅暁と針目縫に鳳凰丸礼、【食戟のソーマ】の叡山枝津也と美作昴、【ガンダムビルドファイターズ】のマシタにベイカーそしてナイン・バルト、そして【プリティーリズム・レインボーライフ】の法月仁だったからだ。

「お、お前達がなぜ……!」

 思わずメタルバードは右腕を銃口に変形させて、素顔を晒したレジスタンスに銃口を向けてしまう。それにレジスタンスの面々が怯んでしまうが、仲裁に入る様に間に割って入るMrトゥルースが双方に説明した。

「メタルバード、落ち着いてくれ。おそらく君たちの反応から、レジスタンスの面々も君らの世界では極悪人なんだろうけど違うから……レジスタンスも、どうか話を聞いてくれ。彼ら聖龍隊の世界では、ボクらは悪人の側であったんだ。だから勘違いしてしまった訳なんだ」

 Mrトゥルースの説明を聞いて、メタルバードはようやく銃口を下ろした。

「でも、なんでレジスタンスが此処に……?」

 セーラーマーキュリーが疑問に思ってると、これに対してもMrトゥルースは話してくれた。

「実は君たちを秘密基地に招いてスグ、ボクは君らパラレルワールドの聖龍隊の事をレジスタンスにも伝えていたんだ。パラレルワールドから心強い味方が来てくれたってね!」

 そう話すMrトゥルースが話し終わると、レジスタンスの一員である鬼龍院羅暁がジャッジ・ザ・デーモンと聖龍HEADに訴える。

「た、頼む聖龍隊! 小野田修二の、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの下には我々の身内が……妾の大事な娘たちが今なお道具として使われておる……! もう妾達だけではどうする事もできないのじゃ! 頼む、力を貸しておくれ……!」

 そう懇願する鬼龍院羅暁の言動に、過去の自分達の世界で暴虐の限りを尽くした鬼龍院羅暁との違いの差に驚いて呆然としてしまう聖龍HEAD。

 すると、そんなレジスタンスを前に、ジャッジ・ザ・デーモンが動いた。

「そうか……そうなんだな。この世界では、世界の意思ではなく、俺個人の意思でクローンが生み出されてる訳か」

『?』

 ジャッジ・ザ・デーモンの発言に一瞬きょとんとするレジスタンスの面々。

 するとジャッジ・ザ・デーモンは徐に首元の生体認証システムに右手の人差し指と中指を押し当て、頭部を覆うヘルメットマスクをスーツから離脱させる。そしてマスクを完全に外して、Mrトゥルースとレジスタンスの面々の前で素顔を明かした。

「そ、そんな……!」

 レジスタンスの面々は愕然とした。ジャッジ・ザ・デーモンの素顔は、憎き小野田修二と瓜二つだからだ。

 と、ジャッジ・ザ・デーモンの素顔を見て、感情的になった法月仁が携帯してたナイフを手に取り、小田原修司に襲い掛かろうとする。

「小野田修二ッ!!」

 怒りで我を忘れた状態の法月仁を、Mrトゥルースが慌てて押さえ込み制止する。

「お、落ち着くんだ! 彼は小田原修司! 小野田修二じゃないッ!」

 前もって向こうのパラレルワールドの新聞で得た情報や知識で、素顔を明かしたジャッジ・ザ・デーモンが小田原修司であると必死に説くMrトゥルース。

 すると騒然とする現場で、素顔のジャッジ・ザ・デーモンは一歩二歩とレジスタンスに歩み寄ると、彼らの顔を凝視して呟いた。

「……この世界のお前達は、まだマトモなんだな」

 この素顔のジャッジ・ザ・デーモンの発言に、パラレルワールドのセレディ・クライスラーが問い掛ける。

「あなた……なんでボク達に素顔を明かした? なにか特別な理由でもあるのか?」

 セレディ・クライスラーの質問に、素顔のジャッジ・ザ・デーモンは瞳を輝かせて語り出した。

 その語りに、ようやく落ち着きを取り戻した法月仁も、彼を制止したMrトゥルースも黙々と聞き入れた。

 

 向こうのパラレルワールド、聖龍隊がいる並行世界での出来事を素顔のジャッジ・ザ・デーモンこと小田原修司は語り明かした。

 それは後に「現政奉還」と呼ばれる事象の前触れから。

 2013年、三次元政府によって特殊な遺伝子を持つ小田原修司の遺伝子構造を基に特殊な二次元人が生誕される。これこそ新世代型二次元人であり、直結に言えば彼らは小田原修司のクローンと同等だった。

 だが生誕された初期の小田原修司のクローン新世代型二次元人は反乱を起こし、その後聖龍隊によって制圧、反乱に加担したとされる初期の新世代型二次元人は全て処分された。

 しかしその後に生み出された新世代型二次元人の一人、国連総長足正義輝が起こした「現政奉還」によって、世界は乱世へと舞い戻ってしまう。

 そんな戦乱の中、異常者(ヒール)として連行された多くの新世代型二次元人が起こした大規模な爆破テロにより、何百人という犠牲者で出た。そして、そのテロを起こしたのが、並行世界のレジスタンスの面々である「新世党」だったという。

 新世党の暴虐は、やがて乱世の渦中に巻き込まれた一般の二次元人たちを大勢巻き込んだが、しかしそんな新世党を陰で操ってた黒幕の新世代型二次元人によりテロを起こした新世代型二次元人は捨て駒として使い捨てられた。

 しかし苦戦の末、新世党は崩壊し、黒幕も倒された。

 だが同時に新世代型二次元人が小田原修司のクローンである事実を知ってしまい、絶望に打ちひしがれたという。

 更に追い打ちをかけるかのように現政奉還を起こした足正義輝と共謀してた「黒武士」なる謎の武士の猛威によって、世界は新世代型二次元人を危険視した。

 そして遂に黒武士を追い詰めた連合軍であったのだが、その黒武士の正体が事もあろうに新世代型二次元人の始祖に当たる小田原修司本人だった。

 小田原修司は世界が無尽蔵に血で穢れた己のクローンを生み出し続ける惨状に絶望し、足正義輝と共謀して全ての新世代型二次元人を、新世代型二次元人を生み出す世界を滅ぼそうと画策したという。

 だがそんな彼を最後まで信じ、手を差し伸べてくれた聖龍隊の仲間や大勢の友のお陰で、小田原修司は救われたという。

 

 そんな素顔を明かしたジャッジ・ザ・デーモン、小田原修司から並行世界での出来事を語り明かされ、Mrトゥルースもレジスタンスの面々も愕然と項垂れた。

「そんな……! まさか別の平行世界では、個人の意思ではなく、世界そのものがクローンを無尽蔵に生み出してるなんて……」

 自分達の様に個人の意思ではなく、世界の意向で自分達と同じクローンが生み出されている現状を知って愕然とするセレディ・クライスラー。

 打ち明けられたパラレルワールドでのクローン生産の事実を知って絶望するレジスタンスの面々に、素顔を明かしたジャッジ・ザ・デーモンが語り続ける。

「俺は最初、こんな欠けた心を持つ異端児でもあれば……同時に世界で暗躍し続け、血で穢れ切った俺のクローンを生み出し続ける世界に絶望し、更に自分のクローンである新世代型二次元人を心の底から憎んでた。だが、そんな俺でも仲間や友は諦めず手を差し伸べてくれ……そして最後には憎んでたクローンたる新世代型二次元人の事を我が子として受け入れる事ができた。今の俺があるのは、聖龍隊の仲間や友のお陰なんだ」

 小田原修司としての言葉でレジスタンスの面々に語るジャッジ・ザ・デーモンに、Mrトゥルースは言った。

「君は……自分のクローン、自分の子供を受け入れる事が出来たんだね」

「ああ、仲間達のお陰でな」

 Mrトゥルースの言葉にジャッジ・ザ・デーモンは返事する。

 そして、そんなジャッジ・ザ・デーモンの話を聞いて、レジスタンスの面々は顔を上げた。

「そ、それで君は……君は、結局私達の身内、私達と同じクローンを助けてくれるのか?」

 顔を上げたパラレルワールドの小野崎功の問い掛けに、ジャッジ・ザ・デーモンは真顔で答えた。

「ああ、無論だ。今の俺だから理解できる……個人の意思で生み出され様が、戦闘兵器として乱用されてようが、パラレルワールドの俺から生み出されたとはいえクローンである我が子には罪はない。俺は、平等なる裁きの象徴として罪なき命を救うのを使命としている」

「お、おお……っ! ありがとう、ありがとう……! パラレルワールドの小野田修二……!!」

 と、感極まって礼を述べる鬼龍院羅暁に、ジャッジ・ザ・デーモンは言い返した。

「パラレルワールドの俺は別の名前だが、今の俺は正確には人間ではない。真の平等たる裁きの象徴、恐怖の体現者、弱者を救う存在……ジャッジ・ザ・デーモンだ」

 そう話すジャッジ・ザ・デーモンに、伊丹キョウジが問うた。

「あんたはヒーローと違って、恐怖を人々に齎してるんだな。寂しくないのか? 聖龍隊の様に人々の希望でなくてよ……」

 するとこれに対してジャッジ・ザ・デーモンは外していたマスクを顔へと上げながら答えた。

「この世に人々を勇気づけ、希望を与える英雄が存在している以上……犯罪者を抑制する恐怖が必要不可欠となる。俺は、聖龍隊の様な希望の象徴である英雄ではなく、犯罪を抑制する恐怖であり続ける。これから先もずっとな……」

 そう唱えながら、小田原修司はジャッジ・ザ・デーモンとしてのマスクを完全装着するのだった。

 そんなジャッジ・ザ・デーモンの意志と信念が垣間見えたのを皮切りに、ジャッジ・ザ・デーモンはレジスタンスの面々に告げた。

「では、これからクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの本拠地に乗り込む手筈を……作戦を練るぞ」

『おうッ!』

 ジャッジ・ザ・デーモンからの提案に、レジスタンスの面々は力強く同意するのだった。

 

 恐怖と希望は相容れない。

 だが、人々を勇気付ける希望が必要な様に、犯罪を抑制する恐怖も必要なのが現実である。

 

 

 

[突撃! クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの本拠地]

 

 場所は移り、此処はクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの本拠地。

 その最深部の部屋ではパラレルワールドの小田原修司、小野田修二がテレビ電話で通話してた。

「……ああ、こっちは後はMrトゥルースを捕まえればセイント・ジャスティスのメンバーは全員終わった事になる。残ってるレジスタンスの連中は、所詮は俺さまのクローン……簡単に捻り潰せるさ」

「それは結構な事だが……だが、なんでセイント・ジャスティスのメンバーをスグに処刑しないんだ? 全員、捕えたままというのも変な話だが……邪魔者は即刻排除するのが妥当ではないのか?」

「俺には俺の考えがあるんだよ、ウルトラマン。お前さんこそ、いい加減、敵対勢力を捕まえるなり何なりしろよ。いくらお前さんらクライムシンジゲート・オブ・アメリカのメンバーには、それぞれ弱点があるとはいえよォ」

「……! わ、解ってる! お前こそ、油断してMrトゥルースに寝首を掛かれるなよ!」

 そうして小野田修二と通話してたクライムシンジゲート・オブ・アメリカのリーダーであるパラレルワールドのスーパーマン、ウルトラマンは通話を強引に切った。

「はっはっは、ウルトラマンめ。だいぶ焦ってたな」

 わざと通話内でウルトラマンをなじる発言をした小野田修二は不敵に微笑む。

 すると小野田修二はデスクに設置されてるテレビ画面を操作して切り替えると、ある部屋に置かれたカプセルの中に納められた女性を見詰めた。

「もうすぐだ、もうすぐで力が蘇るからな……!」

 カプセルが映る画面を見詰めて怪しく笑む小野田修二。

 

 と、小野田修二が怪しく笑んでいたその時。

「ッ!? な、なにごとだ!?」

 突如、自分がいるクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの本拠地が激しく揺れ出したのだ。

 何事かと思い、小野田修二がデスクに設置されてるモニターをつけて本拠地内の映像を見てみると、其処には。

「こ、これは!」

 映像を見た小野田修二は我が目を疑った。

 映し出されているのは、なんと自分の配下にそっくりな聖龍HEADが、ジャッジ・ザ・デーモンやMrトゥルースそれにレジスタンスの面々と共に本拠地を襲撃してる映像だった。

 しかも目を凝らして見てみると、ジャッジ・ザ・デーモンやMrトゥルースに聖龍HEADそしてレジスタンスの面々と共に戦前で戦っているのは、なんとパラレルワールドのクローンである新世代型二次元人による部隊ニュージェネレーションズの姿も見受けられたのだ。

 そんな本拠地を襲撃する聖龍隊の面々と交戦する小野田修二のクローン部隊だったが、鍛え抜かれたニュージェネレーションズとの接戦に打ち負けて次々に倒されていく。

 襲撃してきた聖龍隊のニュージェネレーションズ相手に苦戦を強いられ、ジャッジ・ザ・デーモンやMrトゥルースたちに本拠地の最深部へと進攻を許してしまうクローン部隊を見て、小野田修二の憤りは最大まで上がった。

「ッ……! どいつもこいつも、役立たずだ!」

 そう怒鳴ると、小野田修二は部屋の端に配置させている自分専用のパワードスーツへと早足で歩み寄り、素早くパワードスーツを着用して進攻する聖龍隊とMrトゥルースの討伐に乗り出す。

「我が本拠地を襲撃するのが、どれほど愚かか解らせてやる……!」

 怒りに満ちた表情の小野田修二は、幹部達を召集しながら戦前へと赴くのだった。

 

 一方その頃。

 聖龍HEADはMrトゥルースやジャッジ・ザ・デーモンと共に、ニュージェネレーションズとレジスタンスが切り開いてくれた先陣を突き進んでた。

「お前達! 色々と複雑な心境かもしれねえが、この世界のレジスタンスと共にこの場を陣取ってろ! オレらは先に進んで、幹部達を何とか倒す!」

「了解しました、総長!」

 メタルバードの指示にニュージェネレーションズの隊長である鬼龍院皐月は力強く返答しながら周辺の敵を倒していく。

 実はこの本拠地に乗り込む前、聖龍HEADは自分達の世界から新世代型二次元人による部隊ニュージェネレーションズを呼び寄せて、彼らと合流した上で共に乗り込んできてた。

「ふふ、まさか……今や敵味方として分かれてしまった娘たちと、こうして共闘できるとはな」

「それは此方の台詞です。私達の世界では、母上はもう……」

「しんみりしてる場合じゃないぜ、姉さん、母さん! まだまだクローン部隊が群がって来てるんだ、これも何かの縁だし、思いっきり暴れてやろうぜ!」

 互いに過去に色々な事情や葛藤を経験してきた親子として、夢の共闘で腕を振るう鬼龍院羅暁に皐月と纏流子の親子。

「それにしても……君たちの世界のボクはテロを起こしてたなんて笑えないね」

「それでも、俺達はLBXを通して世界を平和にできる可能性を見出した……俺たちの世界では道を違えたけど、今は一緒に自由を勝ち取ろう!」

 そうセレディ・クライスラーと話す、経験を積むために一時的に聖龍隊のニュージェネレーションズに加盟してLBXで戦前を切り開く瀬名アラタ。

 と、全員が進撃しようと前進しようとしたその時。なんと戦前へと爆弾ベストを着用したクローン部隊による自爆要員が特攻してきた。

「クローン部隊の自爆要員だ!」

 レジスタンスの法月仁が叫ぶ中、戦前に突っ込んで自爆するクローン部隊の兵士が雪崩れ込んでくる。

「クソっ! こっちの世界じゃ、本当にクローンを自爆要員として利用してるなんて……!」

「瀬名アラタ! 奴らが着用してる爆弾ベストの緑色のコアの下にある線をどうにか切断するんだ! そうすれば爆弾は爆発しない!」

 パラレルワールドの自分達を本当に自爆要員にしてる現状に憤りを感じる瀬名アラタに、セレディ・クライスラーは爆弾の解除方法を伝える。

 そして聖龍隊のニュージェネレーションズの瀬名アラタとレジスタンスのセレディ・クライスラーは協力して、自機のLBXで爆弾ベストを素早く解除していった。

 自身が着用してる爆弾ベストが機能しなくなって戸惑うクローン部隊の兵士達を、ジャッジ・ザ・デーモンやMrトゥルースが殴り飛ばして気絶させる。

 そうして戦前で向かってくるクローン部隊の兵士を各個撃破していった聖龍隊とMrトゥルース率いるレジスタンスが最深部へと前進しようとする中、戦闘の最中に散らばる瓦礫に身を潜めて完全に怖気づいている一人のクローン部隊の兵士に皆気付いた。

 そんな恐怖で縮こまる兵士にMrトゥルースは歩み寄ると、そっとその兵士が着用してる爆弾ベストの線を引きちぎって爆弾を解除してやると優しく話し掛ける。

「もう大丈夫……もう、無理に自分の命を散らす必要はない。誰も死ぬ必要なんてないんだ」

「っ!!」

 Mrトゥルースからの優しい言葉に感極まった少年兵は、そのままMrトゥルースの胸の中で泣き出してしまう。

 そんなMrトゥルースと少年兵に皆が歩み寄ると、聖龍隊の面々は驚き、そして悲しい顔になった。

 何故ならMrトゥルースが救った自爆するのに対して臆病になってた少年兵は、なんとパラレルワールドの瀬名アラタ本人だったからだ。

 聖龍隊がいるパラレルワールドから来た瀬名アラタは、この世界の自分が自爆要員として利用され、そして今恐怖で泣きじゃくってる現状を見て胸が締め付けられたという。

 

 

 

[激突! クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達]

 

 それから聖龍隊とレジスタンスは合同で、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの本拠地の各所を次々に制圧。更に聖龍隊のコレクターズとレジスタンスの協力で、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンに捕らわれたセイント・ジャスティスのメンバーが収容されている部屋を突き止める。

 HEADにジャッジ・ザ・デーモンそしてニュージェネレーションズの聖龍隊にMrトゥルースとレジスタンスの面々が、急ぎセイント・ジャスティスのメンバーが収容されてる部屋へと走る。

「ま、まだ生きてるかね? セイント・ジャスティスの連中……!」

「希望を捨てるな! それが英雄なら尚更だ!」

「みんな、無事でいてくれよ……!」

 収容部屋まで駆け抜ける中、話すメタルバードにジャッジ・ザ・デーモンの真横で、Mrトゥルースは仲間のセイント・ジャスティスの無事を祈る。

 

 そして最前線を進攻する一同は遂に、セイント・ジャスティスのメンバーが収容されてる大部屋へと到着。

「みんな!」

 仲間であるセイント・ジャスティスのメンバーを目視してMrトゥルースが部屋を見渡す。

 セイント・ジャスティスのメンバーは、全員大部屋の壁際に設けられた小部屋に一人ずつ収容されており、懸念されてた命には別状はなかった。そしてその大部屋には、奥に謎の扉が在った。

「ウソだろ……! 全員が本当に、俺達の世界で悪名を轟かせてる異常者(ヒール)とそっくりだ……」

 話には聞いてたが、実際にセイント・ジャスティスのメンバーを見て、自分達の世界で悪行を尽くす異常者(ヒール)とそっくりなのを視認して唖然とする瀬名アラタたちニュージェネレーションズ。

「早くみんなを出そう!」

 Mrトゥルースがそう言うと、メタルバードが指示を飛ばす。

「コレクターズ! この部屋の端末にアクセスして収容者たちを解放しろ」

「了解!」

 メタルバードの指示にコレクターユイが返事すると、他のコレクターハルナとコレクターアイと共に大部屋の端末を操作しようとした。

 が、その時。

「きゃっ!」

 なんと行動に移そうとしたコレクターズの三人を阻害する攻撃が、三人の目前に仕掛けられる。

 誰もが突然の攻撃に驚き、上を見上げてみると、なんと上方からパワードスーツに身を纏った小野田修二とクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達が静かに不気味に降りてきていた。

「Mrトゥルース、これ以上の暴虐は見過ごせないぞ」

「! 小野田修二……!」

 舞い降りてきた小野田修二をMrトゥルースは睨み付ける。

 すると此処で小野田修二は改めて、Mrトゥルースの付近にいる聖龍隊の存在を凝視する。

「? お前達は……! そうか、Mrトゥルースよ。お前、俺達が襲撃しようとしてたパラレルワールドに先に出向いて、向こうの世界でも英雄をやっている俺達を引き連れていたのだな」

「違うだろ! 彼ら聖龍隊はお前らと違って偽りの英雄ではない!」

 小野田修二の問い掛けに、Mrトゥルースは真っ向から否定する。

 すると小野田修二は、右ひじを曲げて右手を挙手させると、その右手を下ろして自分以外のクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達に無言の命を出してMrトゥルース達へ襲い掛からせる。

「聖龍隊! 戦闘開始だ!」

 メタルバードの指示に聖龍HEADもジャッジ・ザ・デーモンも戦闘に突入。

「レジスタンス、ボクらも参戦するぞ!」

 それに引き続いてMrトゥルースの指示でレジスタンスの面々も戦闘へと参戦。

「ニュージェネレーションズ! 我々も加勢するぞ!」

 更に鬼龍院皐月率いるニュージェネレーションズも加勢する。

 こうしてクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達との大乱闘が始まった。

 

 聖龍HEADはパラレルワールドの自分達と激しく闘い合い、凄まじい攻防を展開。

「なんで……なんで、この世界の私達は悪者な訳!?」

「お黙り!」

 涙目で訴えながら、パラレルワールドのプラネット・ムーン達と攻防を展開し合うセーラームーン達。

 

「命を弄ぶなんて……! それでも看護師!?」

「他人の命を手中にできる……この満足感、なぜ分からないの」

 命を自由に弄ぶナースホワイトに腹を立てるナースセンター。

 

「……ふぅ、このカードもう駄目ね」

 戦闘の最中で消耗し、使用できなくなったカードを意図も簡単にゴミクズの様に使い捨てるカードマスターを前にし、カードキャプターさくらは悲しくなる。

「あなた、なんでカードを其処まで使い捨てられるの? あなたの為に一生懸命だったのに……!」

「ふん、何を言ってるの? カードも弱者も、単なる使い捨ての道具にしか過ぎないでしょ」

 悪びれる様子の無いカードマスターさくらに、カードキャプターさくらは更に悲しみが膨れ上がる。

 

「コレクターズ! お前達はこの部屋のシステムにログインして、捕らわれているセイント・ジャスティスのメンバーを救出するんだ!」

 戦闘中、ジャッジ・ザ・デーモンがコレクターズの三人に指示を飛ばし、コレクターユイ達は即座に行動に移るのだが。

「ザ・コレクト! バルド! あの三人の思い通りにさせるな!」

 パワードスーツを着て戦う小野田修二からの指令に、ザ・コレクトとバルドがコレクターズの前に立ちはだかり、そのまま戦闘に。更に其処へメタルバードも参戦して、コレクターズはザ・コレクトを、メタルバードはバルドを相手に立ち回る。

 

「はァッ!」

 此処では魔法騎士の獅堂光が、パラレルワールドではマジックイレイザーと呼ばれる自分と剣で応戦してた。

 その近くでは、龍咲海も鳳凰寺風もパラレルワールドの自分と死闘を展開する。

 

「………………」

「っ……! この世界の私、感情までも機械化してるみたい」

 ファイナルウェポンと空中戦を展開するちせは、相手のファイナルウェポンが感情までも失っている現状に気付く。

 

 一方、辛うじて敵であるビーストガールズを追い詰める事に至った東京ミュウミュウの六人だったが、なんと此処で追い詰められたビーストガールズが突然の獣人化。血に飢えた獣と変わって東京ミュウミュウの六人に再び襲い掛かる。

「うわ、この世界の私たちって、ピンチになると完全に獣化しちゃうんだ……!」

「気味が悪いですわ」

 目の前で獣化したビーストガールズを目撃して、ミュウイチゴもミュウミントも他の皆も蒼然とする。

 

 その頃、乱戦状態で懸命に戦うニュージェネレーションズは、不思議な声色の旋律に惑わされてた。

「な、なんなんだ……この不思議な、声は……」

 瀬名アラタたちニュージェネレーションズを惑わす歌声を発しているのは、デビルズ・マーメイドの七人。

 するとデビルズ・マーメイドの七人は合唱し、瀬名アラタたちニュージェネレーションズが所持してる刃物などの武器で自らの首を掻っ切らせようと声を合わせる。

 ニュージェネレーションズが今まさに自分の首を刃物で切り付けようとしてた、その矢先。

 マーメイドプリンセスの七人が自分達の歌声を合わせて、デビルズ・マーメイドの七人の合唱の波長を狂わせてニュージェネレーションズの催眠状態を解いた。

「ッ!」

 自分達の歌声による洗脳でニュージェネレーションズを自殺させられなかったデビルズ・マーメイドの七人はマーメイドプリンセス達を睨み付ける。

 

 そして乱戦状態の集団を外れた大部屋の一角では。

「クックック……聖龍隊とやらめ、私達の呪術で一瞬で殺してやるわ……! まずは、あのジャッジ・ザ・デーモンから……」

 と、パラレルワールドのローゼンメイデン、呪詛の傀儡達が乱戦中のジャッジ・ザ・デーモンの背中に札を貼り付け、標的に定めた後に巨大な藁人形と五寸釘でジャッジ・ザ・デーモンを一瞬で呪殺しようと謀ってた。

 そして皆が乱戦の最中、呪詛の傀儡達は一斉に金づちを振り上げて藁人形に刺さってる五寸釘を打ち込もうとする。

 が、それにジャッジ・ザ・デーモンが気付いて声色を変えて叫んだ。

「っ! やめろーーーーッ!!」

 だがジャッジ・ザ・デーモンが叫んだのも空しく、呪詛の傀儡達は一斉に五寸釘へと振り上げた金づちを下ろして、藁人形に深く深く五寸釘を打ち込んだ。

 すると呪詛の傀儡達が藁人形に五寸釘を打ち込んだ、次の瞬間。

「「「「「ぎゃあああああっ!!」」」」」

 なんと五体の呪詛の傀儡達が同時に大破してしまい、粉々に砕け散ってしまった。

 その惨状を目撃したMrトゥルースがジャッジ・ザ・デーモンの隣に立ち止まると、ジャッジ・ザ・デーモンが訳を説く。

「俺は生まれ付き、呪い返しという体質を持っている。如何なる強力な呪術もはね返してしまい、呪術者に強力な呪いが倍返しで返って行ってしまう」

「うわあ……」

 ジャッジ・ザ・デーモンの説明に、流石のMrトゥルースも引いてしまう。

 

 

 

 

[参戦! セイント・ジャスティスとシザー・シスターズ]

 

 そうして呪詛の傀儡たちが大破した傍らで、聖龍HEADとクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達は熱戦を繰り広げた。

 各々の特殊能力で戦う聖龍HEADに対して、ジャッジ・ザ・デーモンは自らの拳や体術で周辺のクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達を圧倒していく。

 そんな戦況の中、自身の闇の能力を増幅させるパワードスーツを着て戦う小野田修二が、聖龍HEADのミラーガールと対峙した瞬間、彼女の顔を見て動きが止まった。

「ッ……!」「?」

 突然、拳を振り翳した瞬間に動かなくなる小野田修二を前に、ミラーガールは唖然としてしまう。が、そんな小野田修二をMrトゥルースが殴り飛ばした。

「大丈夫かい? ミラーガール」「え、ええ……」

 Mrトゥルースに心配されるミラーガールは、唖然としつつも返事する。

 と、その時。

「!? ねえ、バーンズの姿が見えないけど?」

 と、ミラーガールが激しい乱戦が展開される大部屋の中にメタルバードがいない事を察する。

 ミラーガールの言葉にジャッジ・ザ・デーモンも辺りを見渡すが、メタルバードの姿は影も形もなかった。

 念のため、パラレルワールドのメタルバードであるバルドに視線を向けるが、バルドは聖龍HEADのセーラー戦士達と立ち回ってた。

 すると、そんなミラーガールやジャッジ・ザ・デーモンの思考をテレパシー能力で感じ取ったのか、メタルバードが声を挙げる。

「オレは此処だぜ」

 その声に、戦闘してた多くの面々が一斉に顔を向けると、なんとメタルバードは自身の体をステルス能力で透明化させると同時に、大部屋のメインシステムに繋がる端末に機械化してる自分の指を突っ込んでハッキングし、システムに介入してた。

「へへっ、メタルバード、トランスミッション! てな」

「って、ロックマンエグゼか!」

 メタルバードのボケに、ジュピターキッドがツッコむ。

 するとメタルバードがハッキングしたお陰で、大部屋の壁と一体化してる小部屋を隔たってる強化ガラスの壁が上へと開き、中に閉じ込められてたセイント・ジャスティスのメンバーが自由となった。

「みんな! ……よし、行くぞ!」

 仲間であるセイント・ジャスティスのメンバーが解放され、Mrトゥルースは仲間と共に乱戦へと突入する。

 解放されたセイント・ジャスティスの面々も加勢し、戦闘は更に大混戦と化したが、同時に聖龍隊やレジスタンス側にとっては優勢に至った。

 そんな大混戦の中、周辺の敵を蹴散らしてたジャッジ・ザ・デーモンは思わず反射的にというか、自然と拳が近くで乱闘してるザ・ホワイトに殴りかかってしまう。

「おおっと」「!?」

 思わず殴ってしまいそうになるも寸でのところで拳を止めるジャッジ・ザ・デーモンに対して、ザ・ホワイトは驚いてしまう。

「すまない、俺の世界の悪党と瓜二つだったもんでな」

 ジャッジ・ザ・デーモンは自分の世界で悪事を働くブラックホワイトと間違えたと述べ、それに関してザ・ホワイトは無言で戦闘に戻るのだった。

「危ないッ」

 戦闘に夢中なニュージェネレーションズの栗山未来が背後からスカーレット・ハニーに狙われているのを視認し、誘拐されてたアジア連盟議長のチャオが栗山未来を押しのけて攻撃から庇った。

「大丈夫かい、お嬢ちゃん」「えっ、ええ……大丈夫、です」

 チャオから心配された栗山未来は、自分達の世界ではかつては命を狙ってきたチャオとは正反対の性格に驚きつつも礼を述べる。

「まだ戦いはこれからだ! 気張っていくぞ!」

「あ、あなた……アジア連盟の議長なのに、銃器の扱いが上手いですね……」

「ああ、まあな。顔を見れば分かると思うが、俺は小野田修二の影武者として整形された上に使い捨ての駒にされたんだ。その報復も兼ねて、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンを潰す!」

 チャオからの事情を怒号で知った栗山未来は、この世界の小野田修二に怒りを覚えつつもチャオと共闘するのだった。

 

 と、ここで小野田修二は戦況が此方に対して大分不利である事に気付く。

 敵対してるのはパラレルワールドの自分達である聖龍HEADにジャッジ・ザ・デーモンだけでなく、Mrトゥルースにレジスタンス、そして解放されたセイント・ジャスティスの面々。

 戦力的に此方が大分不利だと認識した小野田修二は、大声で召集を発した。

「シザー・シスターズ!!」

 すると小野田修二が召集した途端、天井から二体の人影が飛び降りてきて、乱戦してるニュージェネレーションズやレジスタンスに襲い掛かる。

「うわっ!」

 突然の天井からの奇襲に驚き、後退するニュージェネレーションズやレジスタンス。

 そしてジャッジ・ザ・デーモン達が凝視してみると、その二人組はフルフェイスのヘルメットを被り素顔は見えなかったが、双方ともあの片太刀バサミと同形の刃物を武器といて使用してた。

「お、おい! まさか、あの二人は……!」

「まさか……!」「マジかよ……!」

 片太刀バサミに似た武器を構える二人を前に、キング・エンディミオンや鬼龍院皐月に纏流子たちが愕然とする中、悲しみと怒りの感情の狭間にいる鬼龍院羅暁が呟いた。

「ああ、間違いない……! あの二人は妾の最愛の娘……! 皐月と流子だ!!」

 天井から奇襲を仕掛け、今目の前に立ちはだかる二人組の正体。それはこの世界のレジスタンスの一人、鬼龍院羅暁の愛娘達であるパラレルワールドの皐月と流子の姉妹だった。

「シザー・シスターズ! 裏切り者のレジスタンス共々、セイント・ジャスティスも聖龍HEADも皆殺しにしろ!!」

 小野田修二からの命令に忠実なシザー・シスターズの二人は、それぞれ片太刀バサミと同形の武器で目前のレジスタンスやセイント・ジャスティスに斬りかかる。

「応戦するぞ!」

 メタルバードが乱戦に参戦するシザー・シスターズの二人を相手に応戦しようとすると、それに鬼龍院羅暁が待ったをかける。

「ま、待っておくれ! 娘たちを、娘たちを殺さないでくれ!!」

「安心しろ、気絶程度で済ませるからよ」

 嘆願する鬼龍院羅暁からの訴えに、メタルバードは素っ気なく返答する。

 

 こうして聖龍HEADとジャッジ・ザ・デーモンそしてニュージェネレーションズの聖龍隊に、Mrトゥルースとセイント・ジャスティスそしてレジスタンスの連合軍。

 その連合軍と相対して交戦するのは小野田修二を筆頭としたクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達に、小野田修二のクローン部隊に同じくクローン兵であるシザー・シスターの姉妹。

 彼らの戦いは更に苛烈を極めるのであった。

 

 

 

[妖艶なる美貌! 登場ミラー・クイーン]

 

「喰らいやがれ、悪党共!」

 聖龍HEADやレジスタンスと戦前で戦う幹部やクローン部隊に、上空を飛来するライトニングが特製の照明弾を発射して、激しい閃光で幹部達にクローン部隊の兵士たちの目を晦ます。

「今だ! 総攻撃!」

 メタルバードの指示で、聖龍HEADとニュージェネレーションズは一気に戦前を越えて雪崩れ込み、パラレルワールドの自分達である幹部やクローン兵を薙ぎ倒していく。

「このッ!」「はァッ!」

 その一方で、ニュージェネレーションズの纏流子と鬼龍院皐月は、パラレルワールドの自分達であるシザー・シスターズと激しく剣戟でぶつかり合う。

 流子と流子、皐月と皐月。パラレルワールドの自分同士で闘い合うその光景は、どこか悲しくも感じられる。

 しかし聖龍隊でも鍛えてきた流子と皐月の二人は、激しい剣戟の末にパラレルワールドの自分達であるシザー・シスターズを突破した。

 ニュージェネレーションズの流子と皐月に吹き飛ばされ、大部屋の壁に激突して気絶するシザー・シスターズの二人に、レジスタンスの鬼龍院羅暁が駆け寄る。

「流子……! 皐月……! おお……っ」

 母と娘たちの悲しい再会を前に、ニュージェネレーションズの流子と皐月は悲観する。

 羅暁が娘たちの許へと駆けつけて抱き寄せる中、激戦を繰り広げてた聖龍HEADはパラレルワールドの自分達を次々に倒すと同時に大部屋の中に設置されてる収容部屋に押し込められていく。

「こいつっ」「きゃっ!」

 ジュピターキッドによって、スカーレット・ハニーも収容部屋に押し込められ、ガラス壁で閉じ込められた。

 そして最後に小野田修二だけが現場に取り残され、周辺を聖龍隊にセイント・ジャスティス、レジスタンスにニュージェネレーションズに囲まれて追い詰められてた。

「もう君だけだ……観念しろッ、小野田修二!」

 Mrトゥルースの宣告を前にすると、追い詰められた小野田修二は辺りを見渡した。すると彼の目に映ったのは、収容部屋に押し込められた幹部達の姿だった。

「……ニッ」突然、不敵な笑みを浮かべる小野田修二。

すると小野田修二は自身が着用しているパワードスーツに搭載されたスイッチを押す。すると大部屋全体に電気が流れ出し、収容部屋の中が蒼白く光り出した。

「な、何をする気なんだ!?」

 Mrトゥルースが問い質すと、小野田修二は笑いながら語り出した。

「ははははッ、本当ならセイント・ジャスティスの連中にしたかったが……まあ、スーパーパワーのある幹部達の方がいい生体エネルギーになってくれるし、結果オーライって事でいいかな」

「お、おい! 修二! それはどういう事だ!!」

 小野田修二の発言に、カイザー・エンディミオンが収納部屋の中から問い詰めると、小野田修二は不敵に笑みながら答えた。

「俺はな、全てはこの時の為に動いていただけに過ぎないのだよ……! この世で最強にして、最も美しいと言われる乙女を封印から解放するべく……お前らの様な弱者ばかりの、偽りの英雄集団を結成したのだよ」

「弱者ですって……!」

 小野田修二の発言に、ナースホワイトが怒りで表情を一変させるも、修二は更に語り続けた。

「はははッ! 彼女の封印を解くには、大勢の人間の生体エネルギーなどが必要だったが……この際、セイント・ジャスティスの連中でなくてもいいわッ! むしろスーパーパワーを持ってる幹部共の生体エネルギーの方が何倍も彼女は喜ぶだろう!!」

 喜々として笑う小野田修二に、Mrトゥルースが問うた。

「か、彼女って……一体……!?」

 Mrトゥルースが険しい面持ちで問い掛けると、小野田修二は不敵な面構えで述べた。

「彼女こそ、全てのスーパーパワーの根源にして原点! そして頂点!! 彼女は……」

 と、小野田修二が述べようとした、その時。

 凄まじいエネルギーが、電流が走り、蒼白く光る収容部屋に流れ込み、それと同時に小部屋内に押し込められた幹部達が苦しみ出した。

「うわあ!」「ち、力が……!」

 幹部達が悲鳴を上げ、聖龍隊やセイント・ジャスティスの面々が愕然とする中、小野田修二が苦しむ幹部達に向けて告げた。

「良かったな、同士たちよ。クイーンを救えて、初めて……本当の英雄になれるのだから……!」

 そう小野田修二は不敵に微笑みながら幹部達に吐き捨てた。

 すると次の瞬間。

『うわあっ!!』『きゃあっ!!』

 収容部屋の中の幹部達が断末魔を叫び、収容部屋に流れ込んでくるエネルギーに幹部達は吸収されて跡形もなく消滅してしまう。

『!!』

 収容部屋に押し込めた幹部達が次々に消滅していくのを目の当たりにし、聖龍隊もセイント・ジャスティスの面々も言葉を失う。

 と、収容部屋に押し込められた幹部達が消滅すると、そのエネルギーは部屋の片隅で残骸となっている五体の呪詛の傀儡達も綺麗に吸収してしまう。

 クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達、全員を吸収したエネルギーは、大部屋の奥に在る扉に吸引される。するとその扉を思いっきり開閉して室内に在ったカプセルを突き破って一人の乙女が宙を舞うようにジャッジ・ザ・デーモン達の前に現れる。

 その乙女は、黒いドレスに、大きな胸など発達した体型をしている妖艶な女性だった。

 幹部達のエネルギーを吸収して蘇った乙女に向かって、小野田修二は喜々として叫んだ。

「復活したぞ、最高の美女にして全ての力の根源………………ミラー・クイーン!!」

「ミラー……クイーン……!?」

 小野田修二が叫ぶミラークイーンの名に、ジャッジ・ザ・デーモン達は慄いた。

 黒いドレスに身を纏うミラークイーン。その顔立ちから察するに、彼女は完全にパラレルワールドのミラーガールに間違いなかった。

 すると宙に浮かぶミラークイーンを包んでた光が収まり出し、彼女は大部屋の中央に降り立った。

「おお、おお……ッ! クイーン、ミラークイーン! 蘇ったか」

 感極まる小野田修二がミラークイーンに歩み寄った、その時。突然ミラークイーンが小野田修二の頬を引っ叩いた。

『!』

 突然のミラークイーンの平手打ちに驚かされる周囲の皆々と小野田修二本人。すると目覚めたばかりのミラークイーンは癇癪を起してた。

「遅いわ! 私を復活させるのに、どれくらい時間をかける気なの!」

「す、すまない、クイーン……少し邪魔が入って……」

「言い訳は言わない! ……で、その邪魔者ってのが、今この場にいる連中って訳ね」

「あ、ああ、そうだ。こいつらがセイント・ジャスティスに裏切り者のレジスタンス、そしてパラレルワールドから来た聖龍隊とやらだ」

 ミラークイーンは小野田修二からの説明を聞いて、周りを見渡し、周囲の面々の顔を視認する。

「……ふんっ、誰も彼も貧弱そうな顔してるわね。修二、あなたはこんな低俗な奴らに劣っているの?」

「い、いや。パラレルワールドから来た聖龍隊がいなければ、もっとスムーズに事が運んでいた筈なんだ」

「まっ、いいわ。修二、こんな奴ら、さっさと始末するわよ」

「あ、ああ……君の言うとおりにするよ、クイーン」

 この小野田修二とミラークイーンのやり取りを目の当たりにしたメタルバードは、隣のジャッジ・ザ・デーモンに耳打ちした。

「この世界のお前って、完全に女の尻にひかれてるな」

「うるさい」

 メタルバードからの指摘に、ジャッジ・ザ・デーモンは不服そうに返した。

 

 こうしてクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達を吸収して封印から解き放たれたミラークイーンは、小野田修二と共に聖龍隊やセイント・ジャスティスの面々と戦闘を開始する。

 

 

 

[闇と鏡の脅威! 小野田修二とミラー・クイーン]

 

 クライムシンジゲート・オブ・ジャパンを率いていたパラレルワールドの小田原修司、小野田修二の真の目的。それは最愛の乙女にして、全ての能力の根源であるミラークイーンの復活だった。

 そして小野田修二は、自分以外のクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達の生体エネルギーを利用して、ミラークイーンを復活させる。

 幹部達の生体エネルギーを吸収して蘇ったミラークイーンは、そのまま眼前の聖龍隊やセイント・ジャスティス達を相手に、小野田修二と共闘する構えで戦闘を開始。

 ジャッジ・ザ・デーモン達も幹部達のエネルギーを吸収した、最悪にして妖艶なミラークイーンと彼女に首ったけの小野田修二と戦闘を再開する。

 

 しかしミラークイーンは、先ほど自分が復活する為に吸収したクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部達のスーパーパワーも手に入れたようで、大部屋全域に竜巻と雷を発生させて誰も寄せ付けない状態に。

 そして小野田修二は着用してるパワードスーツに装備されてる背中のジェットで飛行して、ミラークイーン共々、上空から地上のジャッジ・ザ・デーモン達を襲う。

「っ……! これじゃ近付くのも難しいわ!」

「わ、私達の能力を吸収して、パワーアップしてるの……!?」

 竜巻と雷から身を護るのに精いっぱいなセーラーヴィーナスとカードキャプターさくら達は困惑する。

「ふふふっ、此方から行くわよ……!」

 すると発生する竜巻と雷の上空を浮遊するミラークイーンが攻撃に転じる。彼女は激しい竜巻と雷の中、自身の両手を前に突き出すと、手の先から巨大な機械による砲口を出現させ、その砲口から強力で太いレーザーを射出して地上へと攻撃を放つ。

「ひええッ!」「こ、これって私の能力!?」

 ザ・ホワイトたちが逃げ惑う中、聖龍HEADのちせはパラレルワールドの自分であるファイナルウェポンの能力をミラークイーンが使用しているのに驚く。

「怯むな! 此方も反撃するぞ!」

 と、そんな戦況下でレジスタンスの法月仁が仲間の伊丹キョウジや小野崎功、そしてアジア連盟議長のチャオと共に所持してる銃器でミラークイーンを攻撃しようとするが。

「そうはさせんぞ……!」

 と、ミラークイーンと同じく上空に滞空する小野田修二が、自身の闇の能で強力な重力を四人の足元に発生させる。すると四人が構えてた銃器が重力に引っ張られ、地面に落ちるのと同時に凄まじい重力で押し潰されて板状にされてしまう。

「チッ、ミラークイーンの数多の能力と、全ての能力を無力化できる上に強力な重力も発生させられる小野田修二の闇の能力……二人を相手にするのは骨が折れるぜ」

 あまりにも不利な戦況に、メタルバードは思わず舌打ちしてしまう。

 だがジャッジ・ザ・デーモンが此処で上空のミラークイーンに向けて投擲武器ジャッジラングを投げ付け攻撃。だが、ミラークイーンはそれを紅い鞭を出現させて、叩き落として難なく防いでしまう。

「ッ……! (くッ、なにか策はないか……!)」

 ジャッジ・ザ・デーモンは何とかして猛威を振るうミラークイーンと小野田修二を倒せないかと思考を巡らせる。

 と、ジャッジ・ザ・デーモンが思考を練っていると、そこにミラーガールが話し掛けてきた。

「修司! 私に考えがあるわ」

「!?」

「ミラークイーン……パラレルワールドの私なら、多分私と同じ鏡魔法の使い手よ。鏡魔法なら私だって専門だし、何とか闘えれば勝機が見えてくるかも……!」

「だ、だが、危ないぞ……あのミラークイーンは、お前と違って好戦的で残忍性も垣間見えてるんだぞ」

「それでも! このまま黙って見過ごせないわ! 修司、いえ、ジャッジ・ザ・デーモン、一緒に戦ってくれる?」

 ミラーガールからの提案に、ジャッジ・ザ・デーモンは一時ばかり考え込んだが、彼女の意志と決意の固さを考慮して返答した。

「……分かった、だが無理はするなよ」

「ふふっ、いつも無茶ばかりしてる貴方に言われたくないわ」

 ジャッジ・ザ・デーモンからの返答に、ミラーガールは微笑み返す。

 そして周りの聖龍HEADやセイント・ジャスティスの面々を残して、ジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールは行動した。

 仲間の聖龍HEADが見守る中、ミラーガールは背中から蒼白い光の翼を出現させて飛び上がり、それに続くようにジャッジ・ザ・デーモンも飛び上がった。

「……うむ! 竜巻による気流に乗れば、なんとか飛べるか」

 ジャッジ・ザ・デーモンは飛び上がる直前、ミラークイーンが起こしている竜巻の気流に乗れば、滑空用の翼でも容易に飛行できると考え、跳躍した。

 案の定、ジャッジ・ザ・デーモンが広げた漆黒の翼は竜巻による気流に上手い具合に乗れ、上空へと滑空する事に成功。

 そして上空へと飛び上がったジャッジ・ザ・デーモンとミラーガールは、各自上空に滞空してる小野田修二とミラークイーンに攻撃する。

「シールド・ブーメラン!」「喰らえッ!」

 ミラーガールは盾を小野田修二に投げ、ジャッジ・ザ・デーモンはジャッジラングを投げて交戦。するとミラーガールが投げたミラーシールドは小野田修二の顔面に直撃し、ジャッジ・ザ・デーモンが投げたジャッジラングをミラークイーンはバリアーで防いでしまう。

「ッ! 鏡魔法によるバリアーか……!」

「ジャッジ・ザ・デーモン! 此処は闘う相手を変えてみましょう!」

 ジャッジ・ザ・デーモンに相手を変えるという戦法を求めるミラーガールの提案に、ジャッジ・ザ・デーモンは了承して相手を変えた。

 そしてジャッジ・ザ・デーモンはミラークイーンを、ミラーガールは小野田修二と戦闘を開始する。

 

「喰らいなさいっ!」「フンッ、そう何度も当たってたまるか!」

 ミラーガールからの攻撃シールドブーメランを、小野田修二は避けながら自身の闇の能力による引力で引き寄せようとするが、ミラーガールは宙を飛行しながら引力をかわしていく。

 一方で、ジャッジ・ザ・デーモンもミラークイーンの炎や電撃の攻撃をかわしながら接近し、ミラークイーンに向けて火薬入りのジャッジラングを投げて攻撃。

「きゃっ!」

 直撃した瞬間に爆発する火薬入りのジャッジラングに、ミラークイーンは痛み出す。

「クイーン!」

 そんなミラークイーンを気にかけ、小野田修二がミラークイーンの許に近づこうとするが、それをミラーガールが阻止する。

「あなたの相手は私よ!」

 ミラーガールはすかさず、小野田修二に自身の美脚から繰り出す蹴りを喰らわして、小野田修二を後方へと蹴り飛ばす。

 その頃、ジャッジ・ザ・デーモンは苦労の末にミラークイーンの攻撃を?い潜って、彼女の背後へと回り込み、ミラークイーンの首を両腕で締め上げた。

「降参しろ……!」「っ……冗談じゃないわ!」

 ジャッジ・ザ・デーモンが投降を促すが、ミラークイーンはそれを拒絶し、なんと全身から電撃を放ちジャッジ・ザ・デーモンを感電させようとする。

 が「ッ……! あいにく、俺のデーモンスーツは電撃が流れないように設計されてるんだよ!」と、ジャッジ・ザ・デーモンは更に首に回した腕を締め付けた。

「ッ……!」

 首を締め上げられて悶絶するミラークイーンは、右手からジュピッドが使ってた鞭を出現させて、背面にしがみ付くジャッジ・ザ・デーモンに鞭を振るって胴体に巻き付けた。

 だが強靭な腕力で首を締め上げてくるジャッジ・ザ・デーモンを、そのままでは引きはがせないと判断したミラークイーンは、プラネット・ジュピターの怪力を複製して、その怪力でジャッジ・ザ・デーモンを強引に背中から引きはがした。

「うおッ!」

 思わず背中から引き?がされてしまったジャッジ・ザ・デーモンは、態勢を立て直して今度はミラークイーンの真正面に何とか移動し、彼女の両肩を掴んでしがみ付く。

「っ……邪魔!」

 今度はミラークイーンが思わず両肩を掴んできたジャッジ・ザ・デーモンを掴み上げて、地上へと放り投げた。

「ジャッジ・ザ・デーモン!」

 放り投げられたジャッジ・ザ・デーモンを見て叫ぶミラーガール。だが、彼女のその隙を見逃さず、小野田修二が闇の引力で彼女を引き寄せて、ミラーガールの胸倉を掴むと右の拳で顔面に殴り掛かろうと身構える。

「っ!」

 思わず強張るミラーガールだったが、そんな彼女の顔を真正面から視認した小野田修二は、ミラークイーンと瓜二つの顔立ちに戸惑って思わず振り上げた拳を止める。

 と、そんな小野田修二の行動を前に、ミラーガールは左手に装備している盾で小野田修二の顔を殴り付けて距離を置くと、すかさず真下に落下するジャッジ・ザ・デーモンへと急いだ。

 一方のジャッジ・ザ・デーモンは、スーツに収納している翼で滑空して緩やかな速度で地上へと舞い降りて、床上への激突だけは避けれてた。

 着地したジャッジ・ザ・デーモンに、仲間の聖龍HEADやMrトゥルースたちセイント・ジャスティス、そして皆に続いてミラーガールも駆け寄る。

「ジャッジ・ザ・デーモン! 大丈夫?」「ああ、大丈夫だ」

 ミラーガールの呼びかけにジャッジ・ザ・デーモンは平然と返答した。

「ふふふっ、スーパーパワーもないのに、私に歯向かうからよ」

 皆の頭上ではミラークイーンが不敵に微笑む。

 するとジャッジ・ザ・デーモンがミラークイーンへと視線を見上げて述べた。

「俺がなんの策も講じずに、突っ込んでいったと思うか?」

 そう言うとジャッジ・ザ・デーモンは手に握り締めてたスイッチを押す。するとミラークイーンの背面と胸部に取り付けられてた爆弾が爆発して、その衝撃を受けたミラークイーンは床上へと撃墜されてしまう。

「きゃあっ!」「クイーン!」

 悲鳴を上げて床上へと墜落するミラークイーンを見て、小野田修二が慌てて彼女に接近して我が身を犠牲にミラークイーンを庇って二人とも床上へと激突。

 ジャッジ・ザ・デーモンが取り付けてた小型爆弾によって、床上に墜落したミラークイーンを守る為に、庇って共に墜落した小野田修二。

 床上に墜落したミラークイーンと、彼女を庇って我が身をクッションにした小野田修二の許に皆は歩み寄る。

「くっ……! よ、よくも……!」

 ミラークイーンは自分を庇ってくれた小野田修二を、邪魔者の様に押しのけて、自分に爆弾を取り付けたジャッジ・ザ・デーモンを睨み付ける。

 そして自身の武器であろうか、ミラーガーが使用する短剣ミラーソードに似た長剣を構えて、ジャッジ・ザ・デーモンに襲い掛かる。だが、ミラークイーンの前にミラーガールが立ちはだかり、盾を身構える。

「ッーー!」

 ミラーガールが前に出てきても尚、ミラークイーンは突撃をやめず、ミラーガールに向けて長剣を刺突する。

 が、ミラークイーンが突撃する寸前で、ミラーガールが発動させた鏡魔法によるバリアーに、ミラークイーンの長剣での刺突が直撃。すると鏡魔法による反射効果か、刺突してきたミラークイーンの方に亀裂が入り出す。

「ッ……!!」「………………」

 鏡魔法によるバリアーで攻撃が反射されて、自身の体が崩壊していくのを感じ取って愕然とするミラークイーンに対し、そんなパラレルワールドの自分を悲しい瞳で見詰めるミラーガール。

 そして鏡魔法での反射効果で、ミラークイーンは自身が傷付いてしまい、遂には全身に入った亀裂により、粉々に砕け散って死んでしまった。

『………………!!』

 ミラークイーンが粉々に砕け散ったのを目の当たりにし、ミラーガール以外の面々は言葉を失って固まってしまう。

「……ごめんなさい、パラレルワールドの私……」

 ミラーガールはミラークイーンに対して悲しい思いで詫びの言葉を呟いた。

 

 と、皆がミラークイーンの死に様を目の当たりにしてた、その時。

「……く……クイーン……?」

 気絶してた小野田修二が目を覚まし、ミラークイーンの死を目撃した為に呆然としてた。

「よくも……よくも、クイーンを……!」

 ミラークイーンに心酔してた小野田修二は、彼女の死を目の当たりにした為に、完全に頭に血が上ってた。

 そして逆上した小野田修二は、パワードスーツに内蔵されてる小型ナイフで、ミラーガールやジャッジ・ザ・デーモンたち聖龍HEADを殺めようと飛び掛かる。

 が、その直前。メタルバードが自身の腕を伸ばして小野田修二の顔面を一発殴り付ける。

 結果、小野田修二はまたも気絶してしまい、その場は収まった。

 

 こうして、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンを率いていた小野田修二と、彼が蘇らせたミラークイーンとの激しい戦いは幕を下ろし、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンに勝利した。

 

 

 

 

[民衆が知るべき真実]

 

 聖龍HEADとニュージェネレーションズと共闘したセイント・ジャスティスとレジスタンスの活躍により、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンは敗北。

 幹部である小野田修二以外の幹部達は死亡し、小野田修二本人はレジスタンスによって連行され、刑務所に収監される事に。

 誘拐されてたアジア連盟議長のチャオは、公にはしないものの、セイント・ジャスティスとレジスタンスの活躍を称え、彼らに感謝を述べた。

 だが、クライムシンジゲート・オブ・ジャパン消滅後、その顛末は簡単には解決しなかった。

 

 所はアジア連盟の本部。此処に聖龍HEADとジャッジ・ザ・デーモン、そしてMrトゥルースが議長であるチャオに召集されて言伝された。

 なんとアジア連盟を始め、日本を始めとするアジア各国の国々および政府機関は、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンが今まで行ってきた犯罪行為を発表せず、秘匿する形式でクライムシンジゲート・オブ・ジャパンが自然消滅したかのような成り行きに任せるとしたのだ。

 これにMrトゥルース反発するが、盟友であるチャオは複雑な事情を語り明かしてくれた。

 今までクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの犯罪行為を黙認してた各国の政府やアジア連盟は、自身の保身のためにクライムシンジゲート・オブ・ジャパンの悪事を隠蔽する政策をとると決まってしまったという。

 このアジア連盟議長のチャオの話に、聖龍HEADとジャッジ・ザ・デーモンも複雑な心持だったが、そんな黙然とする空気を分断する様にMrトゥルースが盟友であるアジア連盟議長のチャオに言った。

「……確かに、この世には平和を維持する為に秘匿しなければならない秘密、いや、真実もあるだろう……! だが! 悪しき者たちの罪状を隠蔽してまで守るべき平和は、果たして本当の……いや、真の平和だと言えるのだろうか!」

「………………」『………………』

 Mrトゥルースの力説に、チャオも聖龍隊も真顔で聞き入れる。

 そして最後にMrトゥルースは、こう言い残した。

「真実は全ての民衆に、平等に知る権利がある!」

 そう盟友でもあるアジア連盟議長のチャオに言い残すと、Mrトゥルースは隠ぺい行為を強く非難すると迷いなくその場から立ち去る。そんなMrトゥルースに続いて、聖龍HEADもその場を立ち去った。

 力強い言葉を言い残すMrトゥルースの言動に、アジア連盟議長のチャオは静かに口にした。

「すまない……友よ」

 と、チャオはMrトゥルースに対して謝罪の言葉を呟くのだった。

 

 そして遂に聖龍隊とジャッジ・ザ・デーモンが、Mrトゥルースたちセイント・ジャスティスとレジスタンスの面々と別れる時が。

「本当にありがとう、聖龍隊! 君らがいなかったら、クライムシンジゲート・オブ・ジャパンを倒す事はできなかったよ」

「いやいや、こっちこそ共闘してくれてありがとよ。Mrトゥルース」

 別れ際、Mrトゥルースとメタルバードは固い握手を交わし合った。

 そしてMrトゥルースは、ジャッジ・ザ・デーモンとも手を差し伸べ、握手を求める。

「……君もありがとう、ジャッジ・ザ・デーモン。色々と複雑かもしれないけど、君ら聖龍隊は正しい組織だ。それだけは忘れないでくれ」

「……ああ、解り切ってるよ。ありがとな、Mrトゥルース」

 Mrトゥルースとジャッジ・ザ・デーモンは互いに握手を交わして、双方の今後の健闘を祈り合った。

 

 一方、此方では。

 聖龍隊のニュージェネレーションズとレジスタンスも別れの挨拶を交わし合ってた。

「皆さん、本当に……本当に、ありがとうございます! これで我々の苦労も報われました」

「小野崎さん、そう泣かないでくださいよ」

「そうだよ! せっかく自由を勝ち取ったんだし、笑顔笑顔!」

 感激のあまり泣き出すレジスタンスの小野崎功に、ニュージェネレーションズの斉木楠雄と燃堂力が笑顔で返事する。

「ハハ。ところで……あなた達以外のクローン、小野田修二のクローンたちはどうなるんですか? 処遇はどうなるんですか……」

「ああ、心配無用。小野田修二に無理やり戦わせられてたって証明はできたから、今後は俺達と一緒に平和貢献の為に活動できるようバックアップしていくからよ」

「クローン部隊のみんなの精神的ケアは、私を中心に行うから安心してくれ」

 ニュージェネレーションズの栗山未来からの問い掛けに、レジスタンスの伊丹キョウジとセイント・ジャスティスのドクタードリームこと肥田裕久が答える。

「そうか。クローン達が今後も無事な様なら、一安心かな」

「ああ、彼らはこれから先、小野田修二のクローンではなく個々の命として共生できるよう取り計らうよ」

「それにしても……いくらパラレルワールドでも、セレディと一緒に協力し合えるとは思わなかったよ」

「はは、確かにね。君らの世界の悪しきボクら新世党と違って、最後まで瀬名アラタ、君たちと共闘できて嬉しいよ」

 ニュージェネレーションズに一時的に参加している瀬名アラタに、レジスタンスのセレディ・クライスラーは笑顔で会話する。

「ほら、もう別れの時なんだし、羅暁もいい加減にパラレルワールドの流子と皐月から離れて……」

「ううっ……でもでも! いくらパラレルワールドのとはいえ、娘と別れるのは辛いわ……! グスッ」

「はは……パラレルワールドの母さん、ありがとな。会えて嬉しかったよ」

「パラレルワールドの母上、もう今生の別れとは思いますが、どうかお元気で……」

 別れを惜しむレジスタンスの鬼龍院羅暁の泣き顔を前に、ニュージェネレーションズの纏流子と鬼龍院皐月は苦笑いしながらもパラレルワールドの母親に礼を言う。

 

 そして本当に聖龍隊がパラレルワールドから撤退する間際、ジャッジ・ザ・デーモンとMrトゥルースが対話を始める。

「それじゃ……解ってるな」

「ああ、十分理解してるよ。パラレルワールド間の接触は、非常に混乱を招く危険性がある……だから、本当にボクらが出会うのは、これで最後にしよう」

「うむ。それにしても……まさか、Mrフェイクが善人のパラレルワールドが存在するとはな」

「はははっ、向こうのパラレルワールドでの活躍、応援してるよ。ジャッジ・ザ・デーモン」

「ああ……今後の武運を祈る! セイント・ジャスティス! そしてレジスタンスよ!」

 そうMrトゥルースと話し終えたジャッジ・ザ・デーモンが、セイント・ジャスティスとレジスタンスの面々に告げると、聖龍HEADとジャッジ・ザ・デーモンそしてニュージェネレーションズの面々は自分達の世界へと帰っていった。

「ありがとう、パラレルワールドの英雄達……」

 そして聖龍隊の帰還を見届けたMrトゥルースは、仲間であるレジスタンスの面々に指示を飛ばした。

「装置を壊せ!」

 するとレジスタンスの面々は、二度と二つの世界が繋がらない事を祈って、自分達の世界と聖龍隊の世界を繋ぐ装置を破壊した。

 

 こうして聖龍隊の世界とセイント・ジャスティスの世界、二つのパラレルワールドを繋ぐ道は完全に遮断された。

 しかし双方とも、互いに相手の今後の健闘を祈り合ったのも、また真実なのである。

 

 

 

 

 

 

 一方、とある刑務所の独房にて。

 クライムシンジゲート・オブ・ジャパンの幹部で一人生き残った小野田修二は、独房の中で寡黙に座り込んで憎しみを滾らせていた。

 小野田修二は、聖龍HEADとパラレルワールドの自分である小田原修司に対して深い憎しみを抱き続けてた。

 

 

 

 

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