こちら葛飾区亀有公園前派出所 サメの勢いはサメないの巻   作:青色好き

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どうぶつの森シリーズに、両さんみたいな繋がり眉毛を再現したアクセサリーってあったっけ?


第11話:対決! ジャイアントシャーク

 この広々とした大海原に、一匹の生物が泳いでいる。

 その生物は巨大な背鰭と尾鰭を出しながら悠々と海面を切り裂くように移動している。その大きさは優に100メートルを超えてり、まるで大型船のような大きさだ。クジラでもこの大きさを超える事は無い。単体の生物であれば恐らく世界最大の生物だろう。

 

「うぅむ、実際に見てみると何て大きさなんだ……」

 

「あんな大きさで暴れたら一溜りも無いですよ」

 

「この速度だと、あと30分で東京湾に到達しますよ!」

 

 両津達は高所から航空機に乗って海上に来ている。あの巨大なサメはもうじき東京湾に迫ろうとしている。もしも東京湾への侵入を許したら船や港の被害は計り知れない。今すぐにでも巨大サメの進行を止める必要がある。

 

「今回自衛隊が総出で食い止める算段です。それでどうにか止めれば良いのですが……」

 

「サメの阻止で此処までの軍事力を1か所に集めるのは、初めてね」

 

 今回の作戦はかなりの大がかりだ。この先に待機している自衛隊が総攻撃をする事であの巨大サメを止めるという作戦だ。軍が総出で巨大生物の進行を止めるとは、まるで怪獣映画のようだ。

 

「怪獣映画だと、総攻撃してもピンピンしているっていう展開が多いですが……」

 

「両津! 不吉になりそうな事を言うもんじゃない!」

 

「あ~、ネットで言う『死亡フラグ』みたいな……」

 

 両津は縁起でもない事を言っているが、あれだけの巨体となると無力化するにはそれ相応の攻撃が必要だろう。麻酔銃を撃とうにも巨体ともなれば麻酔が効くのに時間がかかる。それに巨体に有効な麻酔の量を用意するとなると時間がかかる。それ故にある程度の攻撃で弱らせる事になったのだ。その攻撃が自衛隊の攻撃と言う訳だ。

 

「もう直ぐ攻撃位置に到達します!」

 

 巨大サメは間も無く自衛隊の攻撃が始まる境界を通る。その時に自衛隊の総攻撃により巨大サメを無力化する、と言う手筈なのだ。陸上からは誘導弾による攻撃、空からは戦闘機による攻撃、そして海上からは護衛艦による攻撃。これ程の一斉攻撃は滅多にお目にかかれないだろう。

 

「間も無く攻撃ラインを通過します!」

 

 もう直ぐ巨大サメへの攻撃が始まろうとしている。両津達は固唾を飲みながらその様子を待っている。

 

「500メートル! 400メートル! 300メートル!」

 

 もう直ぐ攻撃が始まる。

 

「100メートル!」

 

 遂に巨大サメがラインを…………

 

「通過!」

 

 超えた。

 

「攻撃開始!」

 

 陸空海からの攻撃が始まった。

 陸からは誘導弾が発射され、空からは戦闘機から多数のミサイルが発射し、海からは護衛艦が魚雷を発射させる。優に100発は超えるであろう自衛隊の攻撃が巨大サメに向かっているのだ。

 

「これだけの攻撃って、特撮映画位しか見られませんよ……」

 

「まるでアクション映画みたいだ……」

 

 大量の火器が巨大サメに襲い掛かる。次々と爆発と水飛沫が上がり、その衝撃が両津達の乗る飛行機にも伝わってくる。爆発音も何度も響き渡る。今まで色んなサメと戦ってきたが、此処まで激しい攻撃はサメ退治の中で無かった。だからこそ両津達は息を飲んでいる。

 

「これであの巨大サメを止められれば良いのだが……」

 

「あれだけの攻撃なら、多少はダメージを負っていると思います」

 

「そうね…… 弱っている所を何発か攻撃すればどうにか無力化出来そうね」

 

「あのデカいサメを捕獲しても、何処に入れておくんですかね……? 巨大な水槽を用意するんですか?」

 

「絵崎博士が造る特殊な水槽に収容するようなんだ」

 

「大丈夫かよ…… あいつの造るもんって…………」

 

 両津達は巨大サメへの攻撃を見ながら会話をしている。あれだけの攻撃なら大なり小なり通用していてもおかしくはない。今までのサメ退治よりも強力な火力だ。皮膚にある程度の傷が付いてもおかしくない。そこから巨大サメの無力化する事が可能かもしれないと、希望を抱いていた。

 

 だが、それは打ち破られた。

 

 

 

 

 

 巨大サメが水面から顔を出した。

 

 グオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!

 

 巨大なサメの顔が水面から出てきた。その顔の表情と声色から怒りを露わにしている事が分かる。そのサメの顔は一般的なサメ、特にホオジロザメと殆ど同じだ。見た所サメが巨大化しただけに見える。

 

「とはいえあの巨体は厄介ですね……」

 

 だが、体が巨体であるだけでも厄介な点と言える。あれ程の大きさならぶつかるだけで大型船は木っ端微塵に破壊出来るだろう。小型船なら言うまでもない。更に、移動すると大波も発生する為周辺の海岸に大波が押し寄せてしまう。ただ大きなサメと言えども侮れない。

 

「効いていないように見えるが……」

 

 自衛隊が巨大サメへの攻撃が続いているが、サメの表面を見てみると特に傷付いていないように見える。つまり、自衛隊の攻撃に耐えているという事だ。

 

「あのサメ、どんだけ皮膚が硬いんだよ……」

 

 両津が巨大サメの頑丈さに呆れていると、サメに変化が訪れる。

 

 水面から顔を出している巨大サメの視線は自衛隊の方向を見つめている。敵を見つけたため、攻撃しようというのだろうか。だとしたら自衛隊は直ぐに回避行動をとらなければならない。

 

 だが、巨大サメはこの後衝撃的な攻撃を行った。

 

 グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!

 

 鼓膜が破れそうな、特大の咆哮が放たれた。威嚇の咆哮か? と思ったが、それは間違いだと直ぐに気づく事になった。

 

 その方向は水平方向に向かう竜巻のように大気が渦巻いている。普通の咆哮ではこのような現象は起きない。一体何なのだろうか?

 

「ななな、何だ……!?」

 

「あれって…… まさか…………」

 

 巨大サメの咆哮によって発せられた渦巻は海上自衛隊の船に向かっている。船は避けようとするが、大型船は直ぐに動ける訳では無い。大気の渦巻の方が圧倒的に早い。間違い無く当たってしまう。

 

 大気の渦巻が船に到達すると同時に、

 

 

 

 

 

 海上自衛隊の船は大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

「な、何!?」

 

「船が爆発したわ!?」

 

「何て威力なんだ!!」

 

 爆発の衝撃が両津達の乗る飛行機に伝わって揺れる中、海上自衛隊の船が爆発する様子を見て両津一同は驚きを隠せない。海上自衛隊の船という事もあってかなり頑丈な筈だ。それをあっさりと破壊するとは……

 

「やっぱり、あれは振動波ですよ!」

 

「振動波!?」

 

「大気を振動させて、共振現象を起こして対象を破壊しているんです!」

 

「何だ!? その怪獣映画に出て来そうな設定は!?」

 

 とんでもない必殺技を巨大サメが使うという、想定外の事態に両津達は驚きを隠せない。光線のような芸当なんて、それこそ特撮映画の中での技ではないか。しかし、あの巨大サメは簡単にそれを扱っている。大きさだけではなく、技も驚異的だ。

 

 グオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!

 

 次に巨大サメは振動波を周囲に向けて放つ。付近で巨大サメを攻撃していた別の船も直撃を受けて破壊する。先程破壊された船と同様に、鋼鉄の残骸が散らばりながら粉々に粉砕されてしまった。巨大サメが周囲に薙ぎ払っていき、次々と周囲に浮かぶ海上自衛隊の船を破壊していく。日本の主戦力とも言える自衛隊の船が破壊される様子は驚愕としか言いようが無い。

 

「おいおい! 船がみんなやられちまったぞ!」

 

「何て事だ……!」

 

「待って下さい! 今度は背鰭が光っています!」

 

「今度は何だよ!?」

 

 巨大サメの背鰭が光始めた。明らかに異常な事態だ。生物が光るというのはホタルなどがいるが、甚大な被害を出した生物が光っている。何か不味い事態が起きようとしているのは皆本能的に察していた。

 

 巨大サメは背鰭を光らせると、

 

 背鰭から大量の電撃が放たれた。

 

「「「「なっ!?」」」」

 

 背鰭から放たれた電撃は雷の如く空を舞い、雄大な空を駆け巡る。それらの電撃は飛行する戦闘機を次々と貫通して爆散させていく。日本の自衛隊が誇る戦闘機が次々と打ち抜かれて破壊されていく様子を見て、両津達は驚きを隠せない。

 

「おいおい! 次は戦闘機が破壊されていくぞ!」

 

「不味いですよ! それではこの飛行機も……!」

 

 航空機が次々と破壊されていくという事は、今両津達が乗っている飛行機も……

 

 例外無く電撃が直撃した。

 

「どわぁ!?」

 

「きゃあ! 飛行機が燃えているわ!」

 

「海面に緊急着水します! 衝撃に備えて下さい!」

 

 両津達が乗る飛行機が不安定な姿勢のまま海面に向かって下降していく。飛行機が煙を上げたまま飛行機は着水すると同時に大きな衝撃が飛行機を襲った。地震のような揺れが両津達を大きく揺さぶる。

 

「ぐ……、大丈夫か?」

 

「えぇ、何とか………… 皆無事?」

 

「僕も大丈夫です」

 

「僕も……」

 

「くそっ! あのデカいサメめ!」

 

「最早ジャイアントシャークです……!」

 

「名前を付けてる場合か!」

 

 あの巨大サメ…… ジャイアントシャークは落ちていく戦闘機を無視しながら、陸地を見つめている。次の狙いは陸地にいる自衛隊の様だ。もしや、次は陸地の方を攻撃するつもりなのか。

 

「くそっ! ヤバいな! このままじゃあ……!」

 

「両津! 何をするんだ!?」

 

 両津は部長の制止を聞かずにジャイアントシャークに向かって泳ぎ始めた。両津の泳ぎは非常に早いため、追いかけて捕まえようとしても捕まえられないだろう。

 両津は早い泳ぎでジャイアントシャークに向かって泳いでいく。超人的な身体能力と体力を持つ両津であれば船のようなスピードで泳ぐ事も出来る。ジャイアントシャークが移動する事で発生する波を力づくで突破しながらジャイアントシャークに向かっていく。

 

「あのサメヤロウ! まさかそのなりで地上に上陸するつもりか!? そうはさせんぞぉ!」

 

 ジャイアントシャークは上陸するつもりだと判断した両津は、阻止すべく猛スピードで泳いでいく。しかし、猛スピードとはいえジャイアントシャークの方が早い。それに大波を乗り越えなくてはいけないので、体力の消費も早い。このまま泳いでもジャイアントシャークに追いつけるかどうか……

 

「くそっ! どうすれば……!」

 

 両津はどうにか追いつきたいのだが、そのような事は出来そうにない。ジャイアントシャークはどんどん陸地に近付いている。このままでは上陸してしまう。最早ここまでなのか。

 

 その時だった。

 

「んっ? 下から何かが……?」

 

 下から泡が多く浮き出てくる。その泡の数は数重にも上る。自然界でこれ程の泡が出る現象は、海底から気体が出ているのか? それとも……

 

「おわぁ!?」

 

 生物の呼吸による泡か。

 

 突然、泡の中を潜るように両津の下から大きなイルカが出てきた。

 

 キュウゥ♪

 

「ま、まさかこのイルカは……!?」

 

 両津はこのイルカに見覚えがあった。以前から少し面倒に思っていた、変わり者の刑事の集団がいるのだが、その内の一人が飼っているイルカ…… そのイルカがいるという事は……

 

「おぉ! 無事か!」

 

「ドルフィン刑事じゃねぇか!」

 

 両津の近くに突然小型の潜水艦が浮上してきた。そして、潜水艦の入り口からはとある男性が出てきた。その男性は頭からヤシの木を生やし、キセルを咥え、そして褌一丁という色んな意味で目立つ格好の男性が現れた。

 彼の名は「ドルフィン刑事」。

 警視庁のエリート刑事の集まりである「特殊刑事」の内の一人で、主にイルカ達を駆使して海の事件を解決する警視だ。今まで両津と何度も会った事があり、その度に事件の解決を手伝ってきた。尤も、両津にとっては苦手としている人物達であるため、あまり会いたくは無いのだが。

 

「東京のピンチと言う事もあって駆け付けて来たのだ! 流石に今回は被害規模が更に大きくなりそうだからな!」

 

「お前がいるって事は……」

 

「うむ!」

 

「「「その通り!」」」

 

 声のする方向を見てみると、ドルフィン刑事の後ろから3人の人物が出てきた。その人物は黒い海パンを履いている人物・セーラー服を着ているおっさん2人。

 

「海パン刑事!? 月光刑事!? 美茄子刑事!?」

 

「うむっ! 久しぶりだな! 両津!」

 

「緊急事態だから来たのだ!」

 

「手伝うぞ! 両津!」

 

「今回はありがたいぜ! 早くあのサメを止めるぞ!」

 

「両津! お前はイルカに跨ってあの巨大サメに向かえ!」

 

「おい!? 潜水艦に乗せてくれないのか!?」

 

「小型の潜水艦だからあまり人数を入れないのだ!」

 

「私の戦闘機も2人しか乗れん! だからイルカに乗って近付くのだ!」

 

「マジかよ……」

 

 キュイイィィ!

 

「…………、えぇい! こうなりゃこのまま行くぞ!」

 

 両津はイルカに跨ってジャイアントシャークに向かう事になった。イルカに跨って移動する事もあって、海面の波を少し食らいにくくなった。あくまでも少し減ったというだけだが。両津としてはドルフィン刑事の小型潜水艦もしくは月光刑事と美茄子刑事の戦闘機に乗って行きたかったが、此処で断ったらイルカがショックを受けて泣き出しそう…… に感じたので仕方無くこの手段で移動する事にした。

 

「意外と早いな…… これならそんなに時間がかからないかもしれん」

 

 キュイイィ♪

 

「お、おう……」

 

 イルカは喜んでいるようだ。自分が人の役に立てている事に。その様子を見ると、まぁ…… 喜んでいるのであれば良かった…… と両津は心の中で思うのであった。それに潜水艦程ではないがイルカの速度もそれなりにある。何とかジャイアントシャークに着けそうだ。

 

 問題は、どうやってジャイアントシャークを止めるか、だが……

 

「う~む…… 取り敢えずあのデカいサメに近付いて噛みついてやる!」

 

 キュウゥゥゥ…………

 

「いや、あまり効果が無さそうだな。あの巨体だし…… 噛む場所にもよるかもしれんが」

 

 実のところ両津はどうやってジャイアントシャークを止めるか考えていなかった。兎に角止めようと衝動的に飛び出したのだ。途中で運良く特殊刑事達が助太刀に来てくれたのは幸いだった。変態集団ではあるが。

 

「両津、私にいい考えがあるぞ」

 

「…………、一応言ってみろ」

 

 海パン刑事こと北野が両津にとある提案を持ちかけた。

 

「私が無防備になっ」

 

「それはヤメロ!!」

 

 両津は海パン刑事の提案を即座に却下した。何せ彼のしようとする事はこの小説では書き記してはいけないような…… R-18系の描写になってしまうだろう。それは絶対にあってはならないだろう。

 

「しかしどうしたものか…… 先程自衛隊の攻撃も効かなかったし……」

 

「それに、爆音染みた声で戦闘機とか船を破壊したんだろう? それに加えて電撃で戦闘機を撃墜したんだろう? うぅむ、まるで弱点が無いように見える」

 

 正直此処まで語ると、本当に勝てるのか更に分からなくなってきた。あれ程の巨体をどうやって無力化すれば良いのか……

 

「うぅむ………… せめて上陸を遅らせる事も出来ないものか……」

 

「どうすればいいのだ? あのサメ達から聞いた弱点って、本当にあいつに通じるのか?」

 

 両津は出発する少し前に、捕まえたタコシャーク達から巨大サメの弱点を無理矢理聞き出した。それが本当かどうか、本当にあれ程の巨体に効くのか分からなかった。

 

「とにかくやるしかない! 失敗したらあいつらを食ってやる!」

 

「「「「えぇ…………」」」」

 

 両津は特殊刑事達に今後行う作戦の事を無線で話す。これで少しはジャイアントシャークの気を引けるだろうと、今はその弱点を突くしかないと思い、直ぐに作戦の準備を始めた。




次回は2025年8月9日21時00分に投稿予定です。
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