こちら葛飾区亀有公園前派出所 サメの勢いはサメないの巻   作:青色好き

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予約投稿を間違えて13時42分頃に今話を投稿してしまいました。
申し訳ございませんでした。


第6話:激闘

「な……」

 

「何ぃ!?」

 

 両津達はサメ達が後ろを見ながら麻酔弾を受け止めた事に驚愕している。それもそうだろう。銃弾を見ずに受け止めるなど、漫画やアニメなどの創作物でしか見られない、超人的な技能だからだ。それを人ではなくサメが行ったのだから当然である。

 

 麻酔弾を受け止めたサメは両津達の乗るヘリコプターを見つめる。

 

「こっちを見ています!」

 

「大丈夫です! 空を飛んでいるので攻撃は届かない筈です!」

 

 今両津達が飛んでいる高度は高度70m程の位置。サメがタコ・イカ足を使っても届く筈が無い。

 

 

 

 

 

 しかし、

 

 

 

 

 

 麻酔弾を受け止めたサメは、

 

 

 

 

 

 受け止めた足でヘリコプターに向けて投げ返した。

 

 

 

 

「っ!」

 

 まずい、避けろ! と言おうとしたが、遅かった。

 

 

 

 

 

 打ち返した麻酔弾が、ヘリコプターの運転席の窓にぶつかった。

 

 

 

 

 

「ひぃ!?」

 

「どわぁ!?」

 

 麻酔弾は窓に蜘蛛の巣状のヒビを作った。幸い貫通していない為運転手に怪我は無い。しかし、ヒビのせいで正面が非常に見づらい。これでは運転しづらい状態だ。

 

「まずい……! 危険です! 何処かに着陸しないと!」

 

「かなり厄介ですよ! あのサメ!」

 

「両ちゃん! あんなの創ったの!?」

 

「知らん! あいつらが勝手に進化したんだろ!」

 

「全く、とんでもないサメを創ったな! 一先ず何処かに着陸せんと海に墜落してしまう!」

 

 前方への視認性が大幅に減少した事でヘリコプターの飛行が一層困難になった。止むを得ず両津達は近くの安全な陸地に着陸する事を決断、一旦作戦を練り直す事に決めた。

 

 だが、

 船上で暴れているイカの足を生やすサメは、イカの足で何かをしようとしている。

 

「ん? あいつ、何をしようとしているんだ?」

 

 両津が何をしようとしているのか気になり、その様子を見ていた。先程麻酔弾を撃ち返してきたため、また何か恐ろしい事をするのではと内心不安な気持ちで満たされる。

 

 その悪い予感は的中した。

 

 イカの足を生やすサメは、数トンはあろうかというコンテナをそのまま持ち上げたのだ。

 

「っ!? ヤバい!! おいっ!」

 

 直ぐに回避しろ!

 両津がそう言いかけた。

 だが、遅かった。

 

 イカの足を生やすサメはヘリコプターに向かってコンテナを思いっ切り投げた。

 

「うわぁ!!」

 

 運転手の悲鳴と共にヘリコプターは回避をしようと下に移動した。

 しかし、コンテナがローターの部分にかすった。

 ローターが損傷した。

 

「うおぉ! ローターが!!」

 

「不味いわ! このままじゃあ落ちちゃう!」

 

「海じゃあまずい! 船に着陸するしかない!」

 

 このままではヘリコプターは墜落してしまう。海はまずい。頭を複数生やすサメに襲われてしまう。陸地は…… 距離があるので間に合わない。残るのは、イカの足を生やすサメとタコの足を生やすサメが暴れている船だけ。

 危険であるが、止むを得ない。

 

 両津達の乗るヘリコプターは貨物船にあるヘリポートに緊急着陸する事にした。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「いてて…… 大丈夫か?」

 

「えぇ、何とか……」

 

「私も無事よ……」

 

「ワシもだ。本田は……」

 

「気を失っていやがる…… まぁ、無理無いか……」

 

 両津達は貨物船にヘリコプターを緊急着陸させた。幸い墜落せず何とか着陸に成功。全員何とか無事だった。

 

 だが、まだ安全とは言えない状態だ。

 

 グルルルル……!

 

 グオオォ!

 

「げっ! ヤバい!!」

 

 恐ろしいような唸り声が聞こえる。その恐ろしい声の出す主はもう分かりきっている。

 タコとイカの触手が見えた。即ち、タコの足を生やすサメとイカの足を生やすサメがコンテナの後方から現れたのだ。

 

「ぎぇええええええぇぇぇぇぇぇ!! サメですううううぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

 グウウゥゥゥゥ!!

 

「おいっ!大声を出すな!」

 

「だってえええええぇぇぇぇぇ!!」

 

 恐ろしいサメが現れた事で本田は大声を出して絶叫してしまう。無理も無いだろう。何せ相手が相手だ。

 

「止むを得ん! 応戦するぞ!」

 

「「「「はいっ!」」」」

 

 部長の指示により中川や麗子・両津達は所持している麻酔銃をサメに向かって発砲する。しかし、先程と同じように足で簡単に受け止めてしまう。

 

「これだけの数でも受け止めた……!?」

 

「嘘でしょ……!?」

 

「何て奴だ……!」

 

「これはまずいのでは……?」

 

「くそぉ……! ワシの射撃の腕は自身があるのだが……」

 

 両津達は一斉に撃ったにも関わらず簡単に防いだ事に驚く。ヘリコプターからの射撃の時は不意打ちでも正確に受け止めた。今回は複数の麻酔弾を撃ったが多数の足で正確に受け止めたのだ。

 

「やっぱり不味いですよ~! あのイカシャークとタコシャークは動体視力が半端ないです~!」

 

「あのサメに名前を付けてる場合か!」

 

 グウゥゥオオオオォォォォォ!!

 

 本田の発言に突っ込む両津だが、言い終わると同時にイカの足を生やすサメ、イカシャークが両津達に突っ込んできた。大口を開けて、鋭い牙を立てて両津達を食べようとしてくる。

 

「避けろ!」

 

「うわぁ!」

 

 中川や運転手達はどうにか間一髪で避ける事が出来た。もしも2、3秒程反応が遅れていたら、今頃イカシャークに咀嚼されていただろう。考えただけで恐ろしい。

 

 だが、相手は待ってくれる訳が無い。

 

 グオオオォォォォォ!!

 

「わぁ! タコシャークが!」

 

「コンテナを持って…… いや、吸盤でくっ付けているのか!」

 

 今度はタコシャークが襲って来た。イカシャークと違う点は複数の足の吸盤にコンテナを吸着させているという点だ。タコシャークの視線は言うまでも無く両津達。コンテナ程の重い物体を持って何をするのか……

 

 ドゴオオオオンン!!

 

「ぬわぁ!!」

 

 コンテナを玄翁のように両津達を叩こうとする。重さが数トンはあろうかというコンテナを簡単に扱うその馬鹿力は驚異的だ。両津達は間一髪回避するが、何せコンテナは人間一人に対してかなりの大きさだ。避けるのは簡単ではない。それにイカシャークも捕食しようと襲って来るのだ。最早避けるのが精一杯。応援を呼ぼうにもサメの攻撃を避けなければならないので呼ぶ暇も無い。この状況の打破はきつい。

 

「うぅむ、こうなったら!」

 

「先輩! なにをやるんですか!?」

 

「こうだ! おりゃああああぁぁぁぁ!!」

 

 両津はタコシャークのコンテナ攻撃を間一髪で避けてコンテナにしがみつく。コンテナに登るとタコシャークの足に辿り着いた。タコシャークは両津を見ると捕食しようと口を開ける。このままでは超人的な力を持つ両津といえども食べられたら一たまりも無い。

 

 だが、両津は奇策を考えていた。

 

 両津はタコシャークの足に思いっきり噛みついた。

 

「おらぁ!!」

 

 グ、ウオオオォォォォ!?

 

 ッ!!??

 

 噛みつかれた痛みによりタコシャークは悲鳴を上げながら、噛みつかれた足を前後に動かす。その時、痛みの余り吸盤で張り付けていたコンテは落ちそうだ。それを見たイカシャークは両津を取り除こうと動き始めた。

 イカシャークは大口を開けて両津を食べようとする。イカシャークの歯はやはりサメと言う事もあり鋭い。いくら両津と言えども噛まれたら一大事だろう。イカシャークがタコシャークの足に噛みついている両津に急接近する。

 

 だが、

 

「今だっ!」

 

 食べられる直前に両津は即座にタコシャークの足から降りた。

 

 グオオオォッォォォ!?

 

 グウゥ!?

 

 両津が降りた事でイカシャークの口がタコシャークの足に思いっきり噛みつく形となった。思いもよらぬ形でタコシャークの足に噛みついてしまったイカシャークは動揺の声を上げ、タコシャークは噛まれた痛みの余り更に悲鳴を上げてしまう。両津の噛みつきも痛かったが、更に鋭い歯を持つイカシャークの噛みつきを喰らって更に痛がってしまう。

 

 その痛みにより、タコシャークの吸盤の力は弱まってしまい、

 

 

 

 

 

 コンテナが落下。

 

 

 

 

 

 グフゥ!!

 

 ギャウウゥ!?

 

 

 

 

 

 タコシャークとイカシャークに思いっきりぶつかった。

 

 

 

 

 

 大質量の物体を上から直撃した事で2体共大きなダメージを負ってしまった。2体共目はグルグル目で頭の上にはヒヨコがピヨピヨと鳴いている…… 光景がお似合いの状態だ。この状態では暫くの間まともに動けないだろう。

 

 この好機を両津達が見逃す筈が無い。

 

「今だ! 麻酔弾を撃て!」

 

「「「「はいっ!!」」」」

 

 大原部長の指令により両津達は一斉に麻酔弾を2体に向けて発射した。発砲音と共に麻酔弾は2体に向かっていく。本来であれば2体共銃弾を受け止められる程の動体視力の持ち主であるのだが、現在は気を失いそうな程意識が朦朧としている状態だ。このような状態で受け止められる訳が無い。

 

 こうして、両津達が放った麻酔弾は、

 

 2体に見事命中した。

 

 グ、オオォォ……

 

 ゥゥ…………

 

 流石に多数の麻酔弾を喰らった事で眠気を感じ始め、遂にバタリと倒れてしまった。あれだけ動かしていたタコとイカの足はピクリとも動かなくなり、完全に沈黙した。

 

「ふぅ、どうやら落ち着かせたようだな」

 

「先輩、よくあんな無茶をしましたね」

 

「ふん! あんなもん、下町のガキ大将のタックルと比べたら大したことは無い!」

 

 両津は自信満々で中川の心配事に答えた。その表情は正に自信満々の笑顔だ。ある意味両津らしいとも言える。

 だが、まだ安心するのはまだ早い。海には多数の頭を生やすサメが泳いでいるのだ。そのサメも捕獲する必要がある。それに、両津達に情報を知らせてくれたサメによると、トビウオみたいなサメもいるらしいのだ。

 

 次の対策を考えようと頭を巡らせようとした。

 

 

 

 

 

 その時だった。

 

 

 

 

 

 船に地震のような、大きな衝撃が走った。




次回は2025年7月5日21時00分に投稿予定です。
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