こちら葛飾区亀有公園前派出所 サメの勢いはサメないの巻   作:青色好き

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こち亀の漫画が置いてあるだけで、その飲食店に行きたくなる…… という人はどれくらいいるのだろうか?


第8話:戦闘終了

「くそぉ! こらぁ! 放せェ!」

 

 一方、トビウオシャークに捕まってしまった両津はジタバタと暴れている。しかし、全く放してくれる様子は無い。しかし、此処で放されたら真下の海に落下してしまう。これ程の高さから落下すればいくら下が水でも相当な衝撃だ。両津と言えども命の保証は……

 

「えぇい! だったらこうだ! おらっ!」

 

 ギ、イイイィィ!?

 

 怒った両津はトビウオシャークの鼻に突っ込ませた。

 

「オラぁ! こっち向けぇ!」

 

 ギュヒイイイイィィィ!?

 

 突然鼻に指を突っ込まれた痛みによりトビウオシャークは涙目になる。痛みのせいでまともな思考が出来なくなり、態勢が揺らぎ始める。トビウオシャークの体にかかる力が緩くなった事で両津は持ち前の馬鹿力で鼻を左右に動かし始める。

 

「よぉし! これならいけるぞ!」

 

 ホゴオオォ!? ホゴオォォ!?

 

 両津が右に曲げると右に、左に曲げると左に曲がるよう飛行している。まるで両津が操縦する飛行機のようだ。機動隊のヘリは両津がトビウオシャークを無理矢理操縦している事に驚いたものの、何とか態勢を整える。

 

「うぅむ、どうやら自転車やバイクを運転するノリで何とか操縦出来るな!」

 

 本田が乗ったらバイクに乗る時のように性格が豹変しそうだ、と内心思った。だが、本田なら怖がって乗ろうとしないだろう。だが、そう思っている場合ではない。今はサメ達をどうにかしなければ。

 

「よぉし、これなら何とかなりそうだ! 行くぞ!」

 

 両津はトビウオシャークを無理矢理操作しながら“ある作戦”を実行しようとしていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「まずいぞ、どうすれば……」

 

 大原や中川達は目の前のヤマタノシャークをどうすべきかで困惑していた。このままでは全滅も有り得る。何か作戦は……?

 

 そう迷っていた、その時だった。

 

 ォォォォォォォォ…………

 

 …………?

 

 妙な鳴き声が聞こえる。一体何だろうか。

 音がした方向を向いてみる。

 

 そこには、

 

「うおおおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 フゴォフゴオオォォォ!!

 

 トビウオシャークに跨っている両津の姿があった。

 

「せ、先輩!?」

 

「両津!?」

 

 両津はトビウオシャークを操縦しながらヤマタノシャークに向かって飛行していく。ヤマタノシャークはその様子を見て一瞬驚き、硬直してしまう。無理無いだろう。敵が仲間に無理矢理乗っているのだから。

 

 しかもそれだけでは無い。両津の後方には、両津を振り落とそうと他のトビウオシャーク達も後を追いかけている。正に混沌とした状況だ。そんなとんでもない状況と言う事もありヤマタノシャークはどうすべきか思考を巡らせている。

 

(よぉし、これなら…………)

 

 両津は何かを確信したようだ。トビウオシャークを操縦しながらヤマタノシャークに突っ込もうとしている。

 そして、両津は懐に手を入れて何かを取り出そうとしている。

 

「まさか、先輩!?」

 

 中川は何かを察した。両津が何をしようとしているのかを。

 

「今だっ!」

 

 ヤマタノシャークが両津のトビウオシャークを止めようとした、その瞬間。

 

 両津が懐から何か黒くて丸い物を投げた。

 

 宙に浮いたその瞬間、

 

 

 

 

 

 強烈な光と音が放たれた。

 

 

 

 

 

 グ、ウウゥゥゥ!?

 

 キュグウウゥゥゥ!?

 

 あまりの光にヤマタノシャークとトビウオシャーク達は目を瞑ってしまう。両津は目を瞑っていたため、何とか喰らわずに済んだ。

 大原達は喰らってしまったようだが。

 

「何だ……!?」

 

「恐らく、スタングレネードかと……」

 

 スタングレネード。

 強力な光と爆音で相手を怯ませる武器。

 どうやら両津はこっそり持って来ていたようだ。

 

 クウウゥゥ……!

 

 キイイイィィ……!

 

 強力な光と爆音によりヤマタノシャークとトビウオシャーク達は混乱している。いくら強力なサメと言えども光と爆音には弱いようだ。創作作品でも光や爆音で敵を怯ませる事が出来る、有効な手段だ。

 

「よし! 脱出!」

 

 両津はヤマタノシャークとトビウオシャーク達が怯んでいる状態を確認して即座にトビウオシャークから離れて離脱した。近くの船のアンテナに手を掴んだ事で落下せずに済んだ。普通の人間なら落下してもおかしくないだろう。

 

 今、トビウオシャーク達はヤマタノシャークに向かって、スピードを出しながら飛行している。

 

 つまり、

 

 トビウオシャーク達はヤマタノシャークに正面衝突した。

 

 グオオオオオオォォォォォォ!?

 

 キュグウウウウゥゥゥゥゥ!?

 

 猛スピードの中、しかも目がくらんでいる状態なので、上手く避ける事が出来ずそのままトビウオシャークはヤマタノシャークにぶつかってしまう。猛スピードと言う事もありぶつかった衝撃が大きく、ヤマタノシャークは思いっ切り吹っ飛び、後方のコンテナにぶつかってしまう。

 

 更に後続のトビウオシャーク達も次々とヤマタノシャークにぶつかってしまう。1回直撃しただけで大きく吹っ飛んだのだが、それがあと7回も続く。次々と強大な衝撃がヤマタノシャークに襲い掛かる。

 

 ドギィ!

 

 ゲヒュン!

 

 バギュゥ!

 

 グ、フゥ……………………

 

 ぶつかった直後に変な呻き声を出しながらトビウオシャーク達はヤマタノシャークにぶつかると同時に気絶していく。ヤマタノシャークも衝撃が立て続けに襲っている事もあり全ての頭は気を失いそうな表情をしている。

 

 ッ、ゲッ…… フゥ……………………

 

 遂に最後のトビウオシャークがぶつかると、ヤマタノシャークは遂に気を失った。トビウオシャーク達もヤマタノシャークも目はぐるぐる状態、口は力無くだらんと開けている。起きる様子は無さそうだ。

 

「両津! 無事だったか!」

 

「先輩!」

 

「両ちゃん!」

 

「ふぅ…… 何とか終わったな」

 

 両津はゆっくりと降りると、大原達が両津の元に駆け寄った。流石に空飛ぶ鮫に咥えられたりしたら心配するだろう。皆が心配する様子で駆け寄るが両津は少し疲れた様子で皆の元に歩いていく。

 

「せんぱ~い! 心配しましたよ~!!」

 

「まったく、ひどい目に遭った…………」

 

「そ、そうだ! 今の内に麻酔を!」

 

「あぁ、そうだな!」

 

 大原達は急いで麻酔を撃つ準備をする。近くの機動隊のヘリも同様だ。タコシャークとイカシャークは今のところぐっすり寝ている。先程の騒ぎで幸い起きていないようだ。早く確保して収監しなければならない。

 

 こうして、東京湾で起きたサメ騒動は収束した。




次回は2025年7月19日21時00分に投稿予定です。
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