こちら葛飾区亀有公園前派出所 サメの勢いはサメないの巻   作:青色好き

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今話は長め。区切りの良さが原因です。


第9話:まだまだ現れるサメ

 その後、両津達は中川の会社が保有する研究所に向かった。そこには頑丈な水槽があり、その水槽の中に東京湾で捕まえたタコシャークとイカシャーク・ヤマタノシャーク・トビウオシャーク達が収監されていた。

 

『おめぇらに話す事なんて無いぜ』

 

「こらぁ! てめぇら! ちったぁ喋れよ!」

 

『こんな口が悪くて、金大好きの守銭奴で、ギャンブル中毒にかかってて、スケベで、繋がり眉毛な奴が創造主とはなぁ……』

 

「喧嘩売っとんのかぁ!! フカヒレにすんぞ!!」

 

「先輩! 落ち着いて下さ~い!!」

 

「お、落ち着いて! 水槽を殴らないで下さい!」

 

 タコシャーク達に翻訳機を装着させて事情を聞いているのだが、サメ達は今なお喧嘩腰だ。実際両津は現在進行形でブチギレている。本田と残念が後ろで何とか抑え込んでいる。頑丈な水槽ではあるが、怪力の両津が殴ったら割れる気がする…… 皆そう思っているのだ。

 

「あの…… このサメが君達の話していたサメかい?」

 

『はい、そうです……』

 

 人類に味方するサメ達が話していた、人類に敵対しようとしているサメで間違い無い。人類に味方するサメはタコシャーク達を前にしてやや震えている。逃げた時の事を思い出しているのだろうか?

 

「凶暴なサメが捕まりましたし…… これで一件落着ですか?」

 

 本田は少し大きめの声で、と言うより希望に縋るような声を出す。人類に敵対するサメを捕まえた。なら、これで安心…… したいのだろう。

 だが、それは人類に敵対するサメが“これで全員であればの話だが。

 

『ふん、それはどうかな?』

 

「何?」

 

『俺達が全員だと、一言も言ってないぜ?』

 

「まさかっ!? 他にもいるのか!?」

 

 人に敵対しようとするサメは他にもいる。

 その最悪の可能性が当たった。このサメ達を捕まえるだけでも大変だった。にも関わらず他にも厄介なサメがいるのだ。これは大事だ。詳しく話を聞いてそのサメ達の詳細を聞かなければならない。このサメ達が正直に言うかは未知数だが、兎も角世界の何処かで暴れるかもしれないのだ。一刻も早く対処しなければならない。

 

 しかし、

 

「テ、テレビでニュースが流れていますが、奇妙なサメが陸地で暴れていると……!」

 

 その知らせを聞いた両津達はテレビに目を向けた。

 すると、そこには……

 

『大変なんです! 家でお風呂を沸かしていたら、床が壊れて大きなサメが出て来たんです! 出てけと言わんばかりのジェスチャーで威嚇しているんです!』

 

『良い天気だからサーフィンしようと浜辺に行ったら、砂浜から背鰭が出ているんです! まるで砂の中を泳いでいるように見えたんです! 怖くなって近付く事無く離れて行ったんです』

 

『雪が残っている山頂でサメを見たんです! 硬い残雪を簡単に砕きながら泳いでいたんです! 本当です! 嘘では無いです!』

 

 テレビから流れて来る怒涛の情報量に両津達は驚愕する。

 海以外の場所からサメの出現。普通なら有り得ない場所に現れている事により、両津達は一瞬脳内の思考が停止している。

 サメは普通海に生息している生物だ。両津達が捕獲したタコシャーク達も上陸していたが、海に直ぐ近い分一時的に上陸していたのでは、と考えていた。だが、浜辺で泳ぐサメだけでなく家の中や雪山に現れているサメは明らかに海から離れている。何故このような所に出たのか?

 

「りょ、両津! お前一体どんなサメを創ったんだ!」

 

「だ、だから色々と……」

 

「兎に角、何とか止めに行きましょう!」

 

 両津達はテレビに映るサメ達を止めるために出動の準備にかかる。このままあのサメ達を放っておいたら更に被害が出る。今直ぐに食い止めなければ。足をせわしなく動かしながら両津達は出動を始める。

 

(ふん、簡単に止められないと思うがな……)

 

 その様子を、タコシャーク達は冷めた目で見ていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 さほど遠くない場所のご家庭。

 比較的閑静な住宅街で、物静かな様子が多くの人達から好評を得ている故に移住者が多いこの地で、ある混乱が起きていた。

 警察や機動隊が慌ただしく動き、住人達を避難させている。住人達は警察や機動隊の動員や、家の中に“ある存在”に遭遇した事で混乱している。

 

「此処です!」

 

「此処かぁ……」

 

「見たところ物音は聞こえないようだけど…… 圭ちゃん、武器を構えて」

 

「うん、分かってる」

 

 現場に駆け付けた中川と麗子は、警察と機動隊の隊員と共に、武器を構える。駆け付ける最中に無線で聞いた内容によると、この一帯で“とある存在”が家を次々と制圧しているという、俄かに信じがたい内容だった。

 

「普通なら有り得ないけど……」

 

「最近起きている事態を考えれば、十分有り得るわね」

 

 中川と麗子は、家の中にいる敵に警戒を向けようとしている。平時であれば「何かの間違いだろう」と思うが、今回ばかりは信じるしかない。家で突入準備を行う中川達は手に銃を構えて、合図が出るまで待機をする。

 

 無力化が上手くいくか分からない為、緊張して汗が出てくる。

 

 だが、拭いている暇は無い。

 

 近くの隊員が合図を出そうとした。

 

 その時だった。

 

 突然、家の扉が轟音と共に思いっ切り吹き飛んだ。

 

「「「「っ!?」」」」

 それと同時に、中川達は即座に家から離れた。このような事態が発生したという事は、中で恐ろしい事が発生しているという事だ。家の扉を破壊出来るという事は、敵はそれ程の怪力である事。

 

 中川達は家を突き破って来た敵に目を向ける。

 

 その敵は……

 

 

 

 

 

 グオオオォォォォォ……!

 

 

 

 

 

 眼を複数持つ、大きなサメだった。

 

 

 

 

 

「眼が幾つもあるわ……!」

 

 麗子の言う通り、家から出て来たサメは眼を複数付いている、奇妙なサメだ鰭を使って器用に陸地を這っている。タコシャーク達のように陸上でも平気なのだろうか。

 

「圭ちゃん、あのサメ、眼が6つ位あるわ……」

 

「家から現れたから、ハウスシャーク…… ってところか……!」

 

 家に現れた故に中川から「ハウスシャーク」と命名された。見た目から「家(ハウス)」を連想させる要素はほぼ無いが、取り敢えず「ハウスシャーク」と呼ぶ事にしよう。中川達はハウスシャークに向けて臨戦態勢をとる。

 

 そんな中、更に別の報告が……

 

「大変です! 近くの住宅街の家の水道から小さいサメが!」

 

「何ですって!?」

 

「家の水道だけでなく、公園の水道からも!」

 

 警戒が続く中、信じられないような報告が告げられた。それは、蛇口からサメが出てくるという驚愕の内容だ。

 

「見た目はカンディルという魚に近いようです!」

 

「カンディルって、南アメリカに住んでいる魚じゃないか!」

 

「知っているの? 圭ちゃん?」

 

「生物の体内に入って肉を食べるナマズの仲間だ! 現地の人からはピラニア以上に恐れられているんだ!」

 

 中川からの話を聞くと、カンディルは非常に危険な魚のようだ。蛇口から出てくるという事から大きさは小さいが、もしもその生態・能力がカンディルのままであれば、非常に危険なサメだろう。

 

「言うなれば、カンディルシャークかなぁ……」

 

「名前を付けるのも大事だけど、早くハウスシャークも止めないと!」

 

 中川達は目の前にいるサメを止めるために、奮闘する事となる。今まで見た事も無い奇妙なサメを無力化するために。

 

 そして、別の場所では……

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ひょええええぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「ひいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 グオオオオォォォォォォ!!

 

 標高が高い雪山。

 雪がしんしんと降り積もり、幻想的な風景が彩を見せている。本来ならスキー客や観光客で賑わう場所なのだが、現在は一人もいない。彼らがいない事で雪山やその麓の観光施設などは閑散としている状況だ。厳密にいえば本田と残念がいるのだが。

 

 

 

 

 

 では何故客がいないのか、二人がこの雪山に来ているのか。

 

 

 

 

 

 それは簡単だ。

 

 

 

 

 

 オオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!

 

 

 

 

 

 サメ退治である。

 

 

 

 

 

「何でサメが雪の中を泳いでいるんですか~!!」

 

「わ、分かりません……!」

 

 オオオオォォォォォ!!

 

 背後から雪の中をかき分けて進む複数の背鰭が本田達を追跡している。その背鰭は氷を纏っており、その氷から冷たい気体が放出されている。如何にも体温が非常に低そうに見える。

 そして、本田たちを追跡している背鰭の内の一体が、氷上からジャンプする形で姿を現した。

 

 グオオオオオォォォォォォォ!!

 

 そのサメは全身が氷や雪に覆われている、かなり異様な姿のサメだ。触ったら直ぐに凍ってしまいそうな見た目のサメだ。何だかゲームのモンスターとして出て来そうなサメなのだ。

 

 そのようなサメに複数襲われている状態だ。

 

「本田さん! 今スノーモービルに乗った方が良いんじゃないですか!? バイクに乗る時みたいに豹変して……」

 

「氷のサメ…… アイスシャークに壊されたじゃないですか~!」

 

「この先の機動隊が待機しているロッジにも幾つかスノーモービルがあります! それに乗れば……!」

 

 本来本田達はスノーモービルで来たのだが、氷のサメ…… アイスシャークに壊されてしまい、徒歩での逃走を余儀なくされているのだ。本田達は機動隊が待機しているロッジに向かう。そこには武器を構えた人達がいるためそこに行けば迎撃出来る。そう考えたのだ。

 

 本田達は足を速めてロッジに到達した。そこには……

 

 

 

 

 

 ロッジを襲っている複数のサメ達だった。

 

 

 

 

 

「「ええぇぇっ!?」」

 

 氷を纏っているサメが機動隊を追いかけまわしており、機動隊の方は麻酔銃を撃っているのだが、氷のせいで通用しておらず意味を成していない。数人の機動隊員はロッジの屋根の上に避難し、サメの氷が薄い部分を狙って撃っている。だが、あまり効果が無いようだ。

 

「あっ! こっちこっち!」

 

「丸井さん!」

 

 近くの木の上に避難している丸井ヤング館が本田達に避難を呼びかける。本田達は急ぎ足で近くの木の上に避難する。丁度壊された機材を足場にする事でどうにか上る事が出来た。他の機動隊員も何とかロッジや木の上に避難したようだ。

 

「な、何ですか!? これは……!?」

 

「少し前に此処に氷のサメが現れたんです! 数が多くて、硬い氷のせいで麻酔弾が通らないから苦戦してたんだ」

 

「まぁ、無理も無いですね……」

 

 皆高所に避難出来たものの、氷のサメが何匹もうろついている為降りる事は出来ない状態だ。氷の背鰭を雪の上から出しながらロッジ周辺を動き回る様子は、此処は海ではないかと思うようになる。

 

「無線機で助けを呼べませんか?」

 

「それが…… 無線機はあのサメに壊されたんです…… 逃げるための乗り物まで……」

 

「と言う事は、完全に孤立ですか……?」

 

「いえ、無線が壊される直前に緊急連絡を入れたので、ヘリで助けが来る筈です……」

 

「それまで此処を持ちこたえなくちゃいけないのか……!」

 

 本田達は木の上に登って今後どうすべきか、迷っている。しばらくすれば助けが来るとはいえこの状況をどう打開すべきか、答えがなかなか出ない。雪が降りそうな黒い雲がこの雪山を覆い被ろうとしていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 青と白の波が打ち寄せる砂浜。

 本来であれば多くの客が来て海で遊ぶ場なのだが、今は一人もいない。海の家やサーフボード置き場も乱雑に置かれている。一体何があったのか。

 

 言うまでも無く、

 

「だあああぁぁぁ~!!」

 

 ヴォォァァァァァ!!

 

 サメである。

 

「ひえええぇぇぇぇ!! こいつら、砂の中に潜ってるから銃が効かん! 背鰭も砂を纏ってるからそっちも全然効かん!」

 

 両津を追いかけているサメは、砂浜の砂の中に潜っているサメ、いうなればサンドシャークとも言うべきサメだ。体中に砂を纏っている(もしくは付着している)事もあり、麻酔弾は殆ど効いていないのだ。

 

 グオオオオォォォォォォ!!

 

 砂の中からサメが現れた。全身が砂で覆われた、異様なサメだ。砂の中を泳いでいる為体に砂が付着した、と言うより体内で砂を創っていてそれを表皮から排出していると言った方が正しいだろう。それ故に体表に砂が常に纏わり付いている状態なのだ。

 

「このままじゃあ食われちまう! 一旦避難だ!」

 

 両津はこれ以上攻撃しても埒が明かないと判断し、近くにある高所に避難しようとする。そこは頑丈なコンクリートで造られた海の家で、壁際に置いてあるドラム缶を足場にして屋上に登った。

 

「ぜぇ…… ぜぇ…… これじゃあ埒が明かんな……」

 

「両津!」

 

「ん? 部長! 此処にいたんですか!」

 

 聞き慣れた声が聞こえた方向に向いてみると、そこには大原部長がいた。どうやら彼もこの海の家の屋上に避難していたらしい。彼は麻酔銃を持っているのだが、銃口から煙が少しだけ出ている事から何発か撃ったようだ。

 

「全く…… どんな改良をしたらあんなサメが産まれるんだ!」

 

「ワシに行っても…… って、創ったのはワシですが……」

 

 部長の愚痴に少々口を濁したくなるが、事実なので苦い顔をする両津。これらの騒動の元凶は両津が厄介なサメを創ったのが原因だ。だからこそ苦い顔をするのだ。

 

「砂のせいでまともに攻撃が通らんな…… 砂を落とせれば……」

 

「水でもぶっかければ砂を落とせるんでしょうがねぇ……」

 

「機動隊や警察もまだ有効な対策を打ち出してないからな……」

 

 中々上手く無力化出来ない現状にもどかしさを感じる。このまま放置すればサンドシャーク達は更に暴れ出すだろう。そうなればこの砂浜は更に荒らされてしまう。

 同行考えている内に、丸い影が両津達を覆った。

 

「ん?」

 

 何事かと思い上を見てみると、

 

 砂のボールが、こちらに迫って来ている様子が見えた。

 

「うおぉ!?」

 

「な、何だ!?」

 

 二人は突然降って来た砂のボールを咄嗟に避ける。一体誰が投げたのだろうか。まさかと思い、屋根の縁まで移動して下を見てみた。

 

 そこには、複数のサンドシャークが生成される砂を使って、鰭を使ってボールを作り、それを海の家の屋上にボールを投げていた。

 

「げげっ! あいつら! あんな事をしていやがるのか!」

 

「鰭を使ってボールを作るとは…… 何て奴だ!」

 

 サンドシャークのとんでもない芸当に二人は驚いている。だがよく考えるとタコシャーク達もかなりの芸当を行っていた。そう考えると今更だろう。

 

「機動隊や自衛隊はまだなんですか……」

 

「まだ来そうにない…… 確かそろそろ来る筈だが……」

 

 当初この場に機動隊や自衛隊と協力してサメ達を無力化するつもりだった。両津達が先に着いたので、二人がサンドシャーク達を可能な限り無力化し後に来る機動隊と自衛隊が残りのサンドシャーク達を無力化するという手筈だったのだ。

 だが、まだ機動隊と自衛隊は来ていない。今頃であればこの浜辺に到着している筈なのだが……

 

「全然来ませんけど…… 何処かで小便してるんですかね?」

 

「そんな訳あるか! お前じゃないんだから!」

 

 中々来ないため、両津は不満を露わにしている。その事を叱る大原部長だが、いくら何でも来ないのは少し不自然だ。

 すると、無線機から連絡が入った。無線機から出される声は何処か混乱しているような声が出された。

 

「こちら自衛隊です! 浜辺へ通じる道を通っていたのですが、コウモリの羽を生やすサメに襲われています!」

 

「何だとっ!?」

 

 機動隊と自衛隊が来ない理由。

 それは、別のサメに襲われているため。

 どうやら此処とは違う場所で別のサメに襲われているため、両津達のいる浜辺に辿り着く事が出来ないのだ。当初の報告では浜辺にサメが現れたと聞いていたのだが、サンドシャーク達に対処している間に別のサメが現れたのだ。

 

「部長! これではワシらがやられてしまいます!」

 

「うぅむ……! これはまずいな…………!」

 

 両津と大原は予想外の事態にどうすべきかどうか、脳内を思考で巡らせる。今なおサンドシャーク達は両津達が避難している屋上に砂のボールを次々と投擲している。このままでは自分達が砂まみれになってしまう。機動隊と自衛隊が来ない以上自分達がどうにかしなければならない。このままでは……

 

「おーい!」

 

 すると、何処からともなく声が聞こえて来た。

 その声は昔聞き覚えがある、懐かしいような声だ。

 声のする方向を見てみると、そこにはパトカーを運転する警察官がサンドシャーク達に接近している。その警察官は右目に傷がある、坊主頭の警察官だ。両津と大原部長はその警察官の事を知っている。何故なら、その警察官はかつて葛飾区亀有公園前派出所に勤務していたからだ。

 

「戸塚か!」

 

「おう! 俺だ!」

 

「あぁ…… 確かそんな奴がいたな……」

 

「おい! 覚えておけよ!」

 

 両津と大原部長を助けに来た警察官、その名は「戸塚金次」。

 かつて葛飾区亀有公園前派出所に勤務していた警察官で、両津とよくつるんでいた人物でもある。そんな事もあり大原部長の悩みの種でもあったが。現在では偶に派出所に顔を出す事がある。

 

「武器をたっぷり持って来た! これでこの浜辺のサメ共を鎮圧できるぞ!」

 

「おぉ! 最近出ていないマイナーキャラとは思えない程役に立つ事をするじゃねぇか!」

 

「何だよその誉め方は……」

 

 両津のおかしな誉め方に呆れつつ、戸塚は両津と大原部長の元に急ぐ。どのような武器なのか分からないが、何にせよ武器があるならサンドシャーク達を無力化できる可能性は上がる筈だ。

 

 両津も大原部長も、胸中で安堵の声を……

 

 

 

 

 

 グオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォ!!

 

 

 

 

 

「ぬぉわあああぁぁぁ!?」

 

 

 

 

 

 上げられなかった。

 

 

 

 

 

「な、な……!?」

 

「ミミズ!?」

 

 戸塚のパトカーが、巨大なミミズによってひっくり返されてしまった。だが、そのミミズはよく見ると魚の鰭のような機関が生えており、口も付いている。その口にはサメのような鋭い歯が生えている。

 

 まるでミミズとサメが合体したような姿の生物だ。

 

 言うなれば「ミミズシャーク」と言うべきサメだ。

 

「うおおおぉぉぉぉ!? 武器が壊れちまった!」

 

「何いぃ!?」

 

「まずい! 高い場所へ!」

 

 ミミズシャークが戸塚が乗っていたパトカーを破壊している。パトカー内に武器が入っている事を知っている、もしくは悟っている為パトカーを徹底的に攻撃している。逃げるとすれば今しかない。

 

「ぜぇ…… ぜぇ…… くそっ! 俺が折角持って来た武器がどんどん壊されちまう!」

 

「ワシがこれで攻撃して…… って、どわぁ!?」

 

 両津がミミズシャークを攻撃しようと麻酔銃を構えたが、直後サンドシャーク達が砂のボールを次々と投げてくる。その数は20個以上とかなり多い。そのせいで麻酔銃での援護が出来ない。それは大原部長も同じだった。大原部長も砂のボール投擲攻撃によりミミズシャークの狙撃が出来ない。

 

 そして、ミミズシャークはパトカーを破壊してしまった。爆発により武器は全て燃えてしまう。それを見たミミズシャークは直ぐに地中に潜って姿を消した。

 

「げげっ! あの野郎! 俺が持って来た武器が!」

 

「おいおい! やべぇぞ!」

 

「あぁ……!」

 

 戸塚は近くの頑丈な建物の屋根に上る事に出来た。近くに停めてある軽トラックの荷台を足場にして屋上に上ったのだ。一先ずあのサンドシャーク達とミミズシャークからの襲撃から逃れられそうだ。

 だが、サメ達を止められる方法が無くなった。

 

「くそぅ…… どうすりゃいいんだ……」

 

「機動隊と自衛隊も来れそうにないし……」

 

「ちっ……、俺が颯爽と登場したのにこの展開かよ……」

 

 グオオオオオオォォォォォォォォ!!

 

 両津達は暴れるサメ達を見ながら、現状を打開するための対策を考えるしかなかった。この事態を解決するのは、時間がかかるのは明白だった。




「シン・ゴジラ」や「シン・ウルトラマン」・「ゴジラ-1.0」のCG技術で日本産サメ映画を製作出来るのでは……?

次回は2025年7月26日21時00分に投稿予定です。
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