ダンジョンにハリポタ系魔法使いがいるのは間違っているだろうか   作:ノムリ

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へんてこなお店の店主

部屋の設置された

複数のコンロの上でひとりでに乱れる事なく大鍋の中身をかき混ぜる金属製のスパテル。

いくつもある鉢植えから伸びる誰も見たことのない植物。

勝手に動いて床の汚れを取るモップに壁の汚れを落とす雑巾。

壁に設置されて風景は景色を切り取ったように鮮明で本物のように動いている。

そんな部屋の中で三人掛けのソファに横になり顔を本を乗せて、眠りこけている人物、エドワード・レトシエラこそがこの部屋の主である。

 

部屋に続く下り階段から降りてきた小さなカモノハシのような顔をしてモグラに似た体の魔法動物ニフラーは器用にソファの脚からひざ掛けへと移り、少しストレッチをしたのちにとう!と効果音が聞こえるような見事なジャンプの末に飼い主であるエドワードの腹部へと目掛けてダイブした。

 

「ぐぅふ!?な、なんだ……ローヴァか。びっくりさせるな」

 ローヴァと呼ばれる白と黒のぶち模様ニフラーはお腹の袋から器用に純銀の懐中時計を取り出して見せる。

「そうか、もう起きる時間か」

 懐中時計をお腹の袋にしまうローバを方に乗せて、そのまま階段を上がっていく。

 流石に薬品の臭いままじゃ不味いか、とローヴァにヴァリスの用意を頼みつつシャワー室へと向かった。

 着ていた服を自作の洗濯機に放り込み、指で魔法をかけると水が回転を初めて洗い始めた。

 シャワーを浴びて濡れた体をバスタオルで拭きながらドアの隙間から手を伸ばし、

 

「アクシオ 着替え」

 

 唱えるとタンスから着替え一式が手の中に納まる。

 かれこれ使い続けて数年の魔法は杖が無くても問題なく使用できるようになった。

 

 魔石を使ったドライヤーで髪を乾かせば完了。

 

「お待たせローヴァ、準備はいい?」

 

 金庫を置いてある机の上でフンスと鼻を鳴らして返答してくる。

 いつもと同じく肩に乗せて階段を上がり天井をというよりも蓋を押すと、トランクが開き外へと続く。

 ファンタスティックビーストに出てくるニュートのトランクのように中にいくつもの部屋を作ってそこで生活している。そのお陰で家賃はとても安く助かっている。

 

「さて、商売を始めようか」

 

 『エドワードのおかし屋さん』が本日も開店である。

 

 

@ @ @

 

 

「ハナハッカのエキスが20本、雷調合薬が10本ね」

 注文されていた魔法薬を確認しながら注文票にサインをもらう。

 フィンはソファに腰を掛けて魔法薬を確認しながらヴァリスを用意している隣ではローヴァと戯れているロキがいる。

 

「ほんまかわいいなぁ、うちも飼いたなるわ」

「ニフラーは光るものに目がないからね、冒険者のいる所なんて連れていったらあっという間にお腹に装備品をたらふく詰め込むよ。前にヘファイストス・ファミリアに行ったときなんて大変だったんだから」

「にしても君が飼っている魔法動物は面白いね。どう考えてもお腹より大きなものが出てくるし」

 ロキがローヴァに逆さまに持つと銀のスプーンから記念コイン、懐中時計や鉱石など光るという共通点のみの物体が山のように出てくる。

 

「だから魔法動物なんだろ、魔法に理由を問い始めると学者を呼ぶ羽目になる」

「この街で恩恵に依存しない魔法を行使できる人がなにを」

 フィンは笑っているもののエドワードをファミリアに勧誘する事を諦めておらず、杖または杖も使わず火、水、凍り、雷、爆発、盾などあらゆる現象を引き起こし戦う姿。どんな局面においても対応できる力を持つ彼を逃す手はない。

 

「勧誘はお断りだ、今くらいの自由が俺は気楽でいいのさ。金額は丁度だな。ロキ・ファミリアはこれから遠征か?」

「ああ、階層の更新の為にね」

「なぁーやっぱり、エドやんも一緒行ってやってくれへん?その分、報酬も弾むから」

 ロキはローヴァと綱引きならぬスプーン引きをしながら言ってくる。

 

「遠征なんて恩恵のない俺じゃ無理」

「なに言うとんねん。恩恵もなしにLv.5の闇派閥相手に大立ち回りして奴、世界のどこを探してもおらんで」

 

 エドワードがお店を開いたは闇派閥がある程度落ち着いたといっても完全には壊滅していない頃だった。店舗を狙った闇派閥の相手に右手に杖、左手に剣を持ち。魔法薬と魔法道具を駆使して一人でギルドやファミリアの助けもなく撃退して見せた。

 

 

「ロキ、フレイヤからアストレア、ガネーシャ、ディアンケヒトとあっちこっちから勧誘を受けてんだ。俺のお菓子を売っていけたら良かったのに、ギルドが売れって文句言ってくるから魔法薬や魔法道具も売ってるだろ」

「それはありがたく思っているよ。そのお陰で少なからずロキ・ファミリアは団員の命を失わずに済んだ事だって一度や二度じゃない。それでも僕は君にファミリアに入ってほしいって思うよ。僕の目的のためにもね」

「あんたの目的は知っているし邪魔はしないけど、助けになる気はないよ。まあ、フィンに代わりに良いこと教えておく」

「なんだい?」

「少し前にティオネが惚れ薬作れないかって相談に来たぞ」

「……それは結果次第では僕も気が気じゃない事になる、受けたいのかい?」

「アモルテンシアって名前の惚れ薬なる作れって伝えた、といっても強烈な執着心を抱かせる効果しかないからお前は偽物の愛が欲しいのか、って聞いたらいらないって言われた」

「それは安心だね。ほんとうに」

 

 哀愁漂う姿ではあるがアラフォーの男性がいまだ十代の少女に迫られるとなると色々と気苦労もあるようだ。

 

 

 




『ローヴァ』
エドワードの飼っているニフラーの一匹。
白と黒の斑柄でエドワードから買ってもらった銀色で裏にローヴァ自身が彫り込まれた懐中時計が宝物。何時か聞くとお腹の袋から取り出して時刻を教えてくれる。
甘い物が好きですたまにお客さんに出すお菓子をつまみ食いしている。
エドワードの肩が定位置。

『エドワードのおかし屋さん』
メインはお菓子であるが、ギルドからの要請により注文すれば魔法薬や魔法道具も販売してくれる。
魔法植物や魔法動物は取り扱いが難しく自生してしまうと手が付けられないの販売はしていない。



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