一般通過異世界転生者:あなた 作:ID:Am88n712
街の歴史を知った市場での出来事からしばし後のとある日。
あなたは……ゴミ漁りをしていた。
「んー……中々ないねー」
同行者のヤレカが同じくゴミの山を崩しながら呟く。
「ねぇなー。ま、そうそう落ちてるもんでもないしな、気長にやるしかねぇ」
もう1人の同行者、屋敷に泊まり込みで働いている男衆、ルワンジという若手もまた、手頃な棒で山をかき分けかき分けぼやく。
前世で言えば中学生ほどの歳に見える彼は、細身ながらも確かな筋肉で覆われた体を反らしてほぐし、バキバキに割れた腹筋を見せつけながら、先は長いからゆっくりやった方がいいぞとあなたとヤレカへ助言した。
ルワンジの言う通り、お目当ての物は価値は無に等しいもののかなり珍しい品であるため、漁っても漁ってもそう簡単には見つからない。
このゴミ漁りの対象であるゴミの山。これはゴミとは言っても臭いや汚れのひどいものではない。いわゆる生活ゴミとは違うのだ。
それは、もう修繕さえ不可能となった漁具の成れの果てだった。
例えば、負荷をかけすぎて縦に割れて真っ二つになった銛の残骸。例えば、漁のための目印として海の中に立てておいた棒の内、寄生貝の侵食によってボロボロに朽ちてしまったもの。例えば、食べ物と勘違いした海獣に食いつかれ、歯形を残して半ばからポッキリやられた小舟用の
そういったものが捨て置かれる一角が、街の海沿い、その外れあたりに存在する。
特にここに捨てるという決まりがあるわけでもなく、初めに誰かがこっそり捨て、それが心の清い者に見つかる前に2人目3人目と続いてしまい……というのが繰り返された結果のようだ。
少なくともイシャバの先代のそのまた先代が漁師の頭領をしていた頃にはすでに存在していたらしく、年月と共に積もり積もった物量は呆れるほどのものがある。これを今更どうにかしようとすれば大変な人手と時間が必要となる事は明白で……そして、日々危険でキツい仕事に従事する漁師達にそこまでの余裕は時間的にも体力的にもない。
そんなわけで、ゴミ山は今日も放置が続いている。
臭うでもなく、街の外れだけに困るような人間も特に居ない。ならば別に現状を維持しても良いだろうというのが、人々の素直な考えのようだった。
さて、ではそんなゴミ山に眠るかも知れないあなたのお目当てとは何か、というのは、あなたが1時間ほどの労働の末に見つけた物がそのまま答えだ。
今日は一旦諦めようか。徒労感からそんな考えが濃厚になってきた瞬間にようやく発掘されたそれを、あなたは急上昇したテンションで頭上に掲げる。
「おー」
目にしたヤレカがぽやんとした声を上げつつ拍手を送る。
「いい感じの棒だー」
「なつかしー。俺もやったわ、それ振り回すの」
まさしく、いい感じの棒であった。
長さは1メートルと少しといったところ。曲がらず真っ直ぐに伸びたそれは、叩くとコンコンと硬質な音が鳴り、実際に音のイメージ同様にそこそこ硬い。でありながら重量はさほどでもなく、まだ幼いあなたでもしっかり踏ん張れば重さに振り回されずに扱う事ができる。しかも、先端は鋭く尖っていた。
その正体は、とある海獣の角である。
かつての、つまり生来の持ち主は、体は小さいが泳ぎが素早く、高速の体当たりで長い角を突き刺し外敵を排除する習性を持つ攻撃的な種だ。岩礁に乗り上げて休んでいる個体を捕まえようと不用意に近付いた漁師が、近くの海中から飛び出してきた別の個体に串刺しにされて命を落とすなどといった事故も稀にだが発生する。
そんな恐ろしい相手ではあるのだが……彼らにとっては不運な事に、肉が美味い。普段魚介類ばかりを食べているルワ・ザンガラの民にとっては珍味として需要があり、危険を省みずに狩猟を試みる者が定期的に現れるのだ。
あなたが今手にした1本も、そうして狩猟されたものが元だろう。
海獣の利用価値は高い。肉は先述の通り珍味となり、皮はなめして衣服になり、骨は様々な小物や道具に加工され、内臓も薬の材料となる。
だが、角だけは別なのだ。特段の薬効もなく、硬くはあるが金属には及ばず、成長途中で出来るらしいいびつな茶色の層の見栄えがひどく悪いために小物にするにも具合が良くない。
なのでこうして角だけが切り落とされ、ゴミ山に放られるという事が時々ある。
そして、それをまた時々子供が拾う。
大人達にとってはただのゴミ。だが、手にした者によってはおたからと化す事もあるのだ。
そう、例えば、かつてこの地を救わんと命を投げ出した聖者と、その意思を継いで戦い砦を築いた戦士達の武器が、槍であったと知った子供達にとっては。
「洗って磨いて綺麗にしてよ。寝床の横に置いといて、暇になっちゃ英雄ごっこしたっけなぁ……。ははっ、お嬢も意外と男っぽい遊びすんだな。あんまりお転婆して、親方心配させんなよ?」
どうやら「いい感じの棒」文化は世界を渡っても健在だ。
おバカな事に室内で角を振り回し、見事に家具を破壊してイシャバからしこたま怒られたマランによってあなたはそれを知り、入手場所を聞き出してこうして回収にきたのだった。
ちょっと街外れであるために引率のルワンジも巻き込んで、となったのは少々申し訳なく感じはしたが、あなたもヤレカも幼いために致し方ないところである。
「気にすんなって。今日は珍しく楽な漁だったしな。……それよかお嬢、俺がくすねたガラチの事は、これで親方には内緒って事で……な?」
もっとも、これが一種の取引の結果である以上は、過剰に気にする必要もなかろうが。何もかも、イシャバが夕の酒の供にと楽しみに残しておいたガラチの塩茹でをあなたの目に気付かず貪るなどして弱味を握られていた、間の抜けた男が悪いのである。
| 武器/海獣の角 |
| 幼少期編初期装備。 一応は槍として扱える。
硬いが金属には及ばず、先端は鋭いが刃はなく、軽すぎるために打撃力にも欠ける、とある海獣の角。 上手く体重を乗せて突けば、小さな獣程度には致命傷を与えられるだろう。
ゴミ山に紛れているのを稀に発見される。
大人達は無価値と捨て置くが、幼い時分にこれを握って夢を見た者は数知れず。 あるいは、それこそがゴミ山が未だ消えない理由なのかも知れない。
「おりゃーっ! この槍さばきを見るがいい! われこそは"らいせい"の名をついだ──あっ」
〜10秒後に拳骨を食らうマランバニンドゥリ〜 |
そんなこんなで。
今世初めての武器を手にしたあなたは、ルワンジと別れてコッソリと空き家に侵入した。別にやましい事をするためではない。
すでに持ち主がこの世を去り、親類もないために新たに住む者がおらず、家具類は友人知人が引き取ったので武器を振り回しても何も傷付けない。そんな程よく都合の良い場所で、槍の鍛錬をするために訪れたのだ。
あなたは先日の市場で街の歴史を知った。そして感じ入ったのだ。この街を築き上げた聖者や戦士と、その後子々孫々、今日まで誇りを継いできた砦の民の生き様に。
あなたの魂が生まれたのは地球だが、肉体が生まれたのはここ、ルワ・ザンガラだ。
だからというのもあるかも知れない。今のあなたを形作る肉の器、そのルーツの一端に触れてからというもの、胸の奥に発生した疼きは全く治まる気配がなかった。
戦士の末裔ならば武器を取れと、あなたに流れる血が言っている……そんな気がした。
| あなたの性格変動 |
| 戦闘意欲が少し上がった
以降、問題解決の手段に戦闘を選びやすくなる |
また、この街で暮らすならば最低限の戦闘技術を修得しておくのは悪くない選択であるはずだ。
ザンガラを渡る魔物は数を大きく減らしたと市場の女性は言っていたが、今はもう居ない、などとは一言も言っていない。もしかしたらある日唐突にあなたの前に姿を現さないとも限らないのだ。
思えば、これまで聞いた漁中に死者が出た事故の件も、子供に聞かせる話ではないと隠されただけで、いくらかは魔物が関わるものもあったのではないだろうか。
そんな疑念も湧いてしまえば、なおのこと槍を握らない選択はなかった。
……なお、鍛錬場所に廃屋を選んだのは、恥ずかしさのためだ。
角を手に入れてから多少冷静になってみると、あなたは気付いてしまった。かつて高校を卒業するまで生きた人間が、いかに精神年齢が後退しているといえども拾った棒を振り回すのは……正直どうなのだ、という事に。
「ふふ、女の子だけど、男の子でもあるもんね」
悪気はなかっただろうヤレカのそんな言葉に、あなたは羞恥で頬を染めたものであった。
折角武器を手に入れたのだから取り止める事はないにしても、せめて他人に見られはしない場所でやろう。あなたがそう決意したのも無理からぬ事であろう。
さて、それはともかく。
気を取り直したあなたは槍を握り締めて、ヤレカに頼み込んだ。もちろん、この槍で戦う術を教えて欲しいと。
「うん、もちろん! 私の全部はあなたのためにあるんだから、いくらでもいいよ」
返事は当然に快諾だ。
ヤレカはあなたに頼られた事が大変に嬉しいらしく、満面の笑みでウキウキとあなたの背後に回った。そして、まずはあなたの姿勢を矯正していく。
「じゃ、最初に注意事項ね。この槍は、突きしか出来ないって覚えておくことー」
あなたの脚に手を添えて、脚の開き方と膝の角度を適切に。
「刃がついてないし、これだけ軽いと振り回して当てても大抵の相手には意味ないよ。どこに当たってもぽーんって跳ね返されてむしろピンチになっちゃうから、叩こうとか切ろうとかは考えちゃダメ」
腕の高さを調整し脇を締めさせ、槍と体の距離を適切に。
「相手の攻撃を受け止めるのにも使わないでね。そこそこ硬いけど、武器でも爪でも牙でも、もっと硬いのの方がたくさんあるから。ポッキリ折れてそのままやられちゃう」
肩と腰をグッと押して、前のめり過ぎた姿勢を適切に。
「やくとくー♪」
特に意味なく抱きついてマーキングするように首筋に頬を擦り付け、互いの距離感を不適切に。雰囲気がフワフワだからといって、何故ろくに香水もないルワ・ザンガラで香りまでフワッと柔らかいのかと変な疑問を抱かされつつ。
「鋭さだけはそこそこあるから、上手く力と体重を乗せて突ければ同じくらいの体格の相手は殺せると思う。逆に言えばそれ以上はほとんど無理だから、素直に諦めて私に任せてね、絶対」
最後に、両手で頬を包み込んで視線と穂先の向きを一致させ、狙いを適切に。
……何やら余計なものが混じった気がするが、あなたは多少ドキリとしつつもスルーした。
割といつもの事であるし、普段から何かと便利使いしている負い目もあり、何よりそもそもまんざらでもないのだ。平熱が低い性質なのか、ヤレカの体温はあなたにはちょっとひんやりと感じられ、単純に触覚的に心地良いというのもある。
鍛錬の後は、少しくらいここで2人で過ごしてから帰るのも良いかなと、そんな考えがよぎらなくもない程度には。
それでもあなたは意識を槍に戻す。今ばかりは鍛錬が優先だ。湧きかけた邪念を振り払い、努めて何事もなかったかのように続きを要望する。
「……ふふー」
おそらく世界最強っぽい暗殺者を前にそんな思考をしては顔色から色々と読み取られてしまうため、取り繕っても全く手遅れという点は、今後の課題として覚えておくと良いだろう。
| ランダム分岐/技能成長 |
| 戦闘技能 1から順に 微妙に、少し、少し、普通に、普通に、普通に、中々、中々、かなり成長する
1d9=7
中々成長する |
ヤレカがあなたにまず叩き込んだのは、槍もどきの角を扱うに適した構えと、そこから実際に敵の臓腑をえぐるための振るい方だった。
つまり、素振りをさせ、そこから槍を引き戻し最初に取らせた姿勢に戻させる。延々とその繰り返しである。その指導からは、普段のヤレカが持つあなたへの甘さが感じられない。
「いざ実戦って時にケガさせたくないもん。キッチリやるよ」
というのがヤレカの言であり、全く正論であった。
蹴り足の力が足りない。踏み込みに割く意識が大きすぎて速度が死んでいる。逆に小さすぎて体が開いて威力が消えた。上体がブレて狙った位置に突き出せていない。腕だけで振るってしまっていて下半身から生まれる力が全く無駄に消えている。他、色々、諸々、たくさん、いっぱい……。
1つの指摘を修正するごとに別の問題が2つ生じるような様で、ヤレカのダメ出しを10年分は聞いたのではないかと、益体もないことを考えたりもする。腕に疲労が溜まり切り、振るった勢いで槍を取り落としてしまう頃には、体だけでなく精神的にも若干追い詰められつつあった。
「うん、今日はこれくらいにしよっか。明日も同じ時間にやろうね。毎日やらないと、こういうのってすぐに忘れちゃうから」
下手をすればトドメになりかねないそんな言葉にかろうじて頷きを返せたのは、元男の子としての意地だろう。流石に、自分から頼んでおいて三日坊主どころか初日でリタイアは余りにも格好が悪すぎるので。
それから、鍛錬は何日も続いた。
ヤレカの指導の元で素振りの日々を重ねるうちに、あなたの振るう槍の軌跡は徐々に正確さを増していった。最も辛かったのは初日で、2日目3日目を越えたあたりには「おや?」と違和感を覚え、5日目あたりからは成長を実感し、週を跨いだ頃には適切な突きを放てた瞬間の力強い手応えを理解する。
そうなれば胸の奥の熱はあっさりと再燃した。戦士に至る道を歩き始めているのだという確信がモチベーションとなり、鍛錬への集中度合いを劇的に高めだす。
これにはヤレカもニコニコだ。自分の弟子(しかも愛するあなた)が良く育つのは、指導者冥利に尽きるというものらしい。フワフワしたヤレカであっても、その辺りの感性は普通なようだ。
そうして、しばらくの後。
「じゃ、そろそろ実践試験してみよっか。私の攻撃を避けながら、当てられそうだなーって思ったら突いてみて。ちゃんと避けるから遠慮しないで、ザクーッてやるつもりでね」
今日も素振りだと張り切っていたあなたへ、ヤレカはそんな事を言い出した。胸をサラシのように覆う皮帯の中に隠していたらしい骨製ナイフを取り出し構えるヤレカへ、あなたは頬を引き攣らせながら問いかける。
これまで素振り以外の戦闘訓練は何もやっていないんだけど、と。
対してヤレカはキョトンとして。
「やってるよ? ザンガラ飛び。あれ、多分子供向けの戦闘訓練だから」
そう口にした次の瞬間。
「やぃーやっ」
慣れ親しんだ掛け声と同時にあなたの懐に飛び込み、下方からナイフを振るう。
骨製であるために光を反射せず、程よく汚されて暗灰色にくすみ、著しく視認性が削がれているとかいうあからさまな暗殺用の凶器。それが向かう先は、あなたの首、動脈まっしぐらだった。
反射的に後退して回避できたのは奇跡……ではない。
日々の遊びの中、ヤィーヤの文言を聞いただけで攻撃に対して防御のスイッチが入る、そんな体になっている事をあなたは理解する。そして同時に、もしかしてルワ・ザンガラの民は想像よりもずっと戦闘民族なのでは、という疑惑が湧いたりもするが、それについて深く考える暇はない。
「ね? じゃ、混ぜてくよー」
何を混ぜるのかと聞く前に2撃目があなたへ向かう。下がったあなたを追ってヤレカは左へ走る。
……走った、はずが、何故かあなたの右側にトンと足音を立てて現れる。突進の最中、わずかにヤレカの体が沈んだと見て取った次の瞬間にはこうなっていた。あなたには全くわけがわからない。
「やぃーや」
わからないが、やはり体は動いた。体当たりの勢いで右脇腹奥にナイフを沈めようというヤレカから逃げず、槍を抱え込むように体を丸めて守りを固めながら、むしろ前に出てすれ違うように回避する。
そうした方が生き残れた事が多いと、あなたは経験として知っていた。ごく単純な話、突進と後退では前者の方が圧倒的に速い。数歩下がった程度では、より速度を増して威力を倍増させた攻撃を食らうだけで終わるのだ。
「…………」
と、その時。攻撃の声はないというのに、あなたは背筋を駆け上る悪寒に全力でヤレカへ振り向いた。
そこには突進の勢いを脚を通して地面にぶつけ、反発するゴムボールめいた勢いであなたへと飛び込んでくるヤレカの姿があった。
全く表情を削ぎ落としたヤレカと目が合う。何の感情も読み取れない、無機質な、機械人形じみた瞳に覗き込まれ、あなたの心臓はドクリと跳ねた。
その衝撃と、無言での行動、そして攻撃の狙いと視線の方向が一致しないという単純なフェイントのために、あなたの反応は一瞬遅れる。
視界の隅で灰色の刃が振るわれ始めてから、ようやくあなたは動いた。当然、余りにも遅い。膝……いや、その上の太ももを狙った斬撃だと理解出来たのは、脚を引くのがギリギリ間に合い、ほんの数ミリ分の隙間を開けてナイフが過ぎ去った後の事。
| ランダム分岐/ヤレカとの模擬戦 |
あなたの戦闘技能 レベル4 ヤレカの戦闘技能 レベル20 ヤレカの戦闘技能 レベル3(手加減) 勝率60%
1〜4なら敗北 5〜10なら勝利
1d10=1 |
明らかに手加減されているとはいえ、ヤレカを相手にしてそれだけの遅れと、無理な回避による体勢の乱れは致命傷だ。
「やぃーや♪」
苦し紛れに押し返そうと突き出した槍の柄を当たり前にすり抜けて、あなたの心臓の真上に、祈るように組まれたヤレカの手が置かれる。ナイフはいつ手放したのか握られていないが、当然あなたの負けだ。
この両手の中に刃があればと自動的に思考が動き、冷や汗が頬を伝う。真に迫る死の匂いは、実際の運動量以上にあなたの鼓動を早めさせていた。
「んー、もうちょっと動けると思ったんだけど。緊張しちゃった?」
組んだ指をほどき、あなたの胸元に手を置いたままヤレカが問う。上目遣いに覗き込む顔は人間らしさが戻っている。クラゲみたいと弟妹達に評されるフワフワ加減だ。
先日の、顔色を正しく読み取ってみせた技能から考えて、あなたが無機質なヤレカに抱いた感情は緊張などではないとわかっているだろうに触れないのは、あなたを立てての事だろうか。
それとも。
と、浮かびかけたおかしな考えを、あなたは頭を振って振り払った。
忠実な従者が欲しいと考えて願ったのはあなただ。あなたが願ったためにヤレカは生まれ、その命をあなたのために使う事が運命付けられている。ならば妙な疑いを抱くのは冒涜が過ぎるというものだ。
「ふふ、訓練、再開しよっか」
あなたが調子を取り戻した様子を見て、ヤレカが手を離す。だが、体までを離す前に、あなたの耳元へ一言囁いた。
「ちゃーんと、こっちの私が本物だから安心してね」
トッ、トッ、トッと軽い足取りで距離を取ったヤレカは踊るように腕を振りながら、軸足の回転に体を乗せて振り返る。その大袈裟な動作に目を取られた秒未満の隙間のどこかで、ヤレカはまたナイフを手にしていた。
「私はやれると思ってるから、まだまだ混ぜていくからね。ヤィーヤしたりしなかったり。ヤィーヤじゃなくても避けれるように慣らしながら、今度は攻撃の隙を見つけられるように頑張ろーね」
師の宣告に、あなたはもう一度腰を落として構えを取る。不甲斐ない姿を見せるのは今ので最後だと決めて、再び集中を深めるのだった。
| 幼少期育成結果 |
面倒見+1 知識欲+1 戦闘意欲+1 |
運動技能レベル3 社交技能レベル2 戦闘技能レベル4 |
| 以上の結果より幼少期最終イベントを生成中…… |
選択肢分岐がないため、現段階での好感度調査/好きなor気になるキャラクターを選んでください
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ヤレカ(従者)
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イシャバ(あなたの父)
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メナ(あなたの母)
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マラン(あなたの義弟)
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名無しの子供達(あなたの義弟妹)
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カウラ(女衆)
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ルワンジ(男衆)
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市場のおばちゃん